5 動植物防疫の確実な実施
(1)家畜伝染病への対応
ア世界各国における口蹄疫(こうていえき)、高病原性鳥インフルエンザ、アフリカ豚熱(ぶたねつ)(ASF)等の発生状況等の最新情報に基づくリスク分析を行うとともに、国内における発生予防、まん延防止対策、発生時の危機管理体制の整備等を実施しました。また、国際的な連携を強化し、アジア地域における防疫能力の向上を支援しました。
イ豚熱や高病原性鳥インフルエンザ等の家畜の伝染性疾病については、早期通報や野生動物の侵入防止といった生産者による飼養衛生管理が徹底されるよう、都道府県と連携して指導を行いました。
ウ高病原性鳥インフルエンザについては、令和6(2024)年シーズンの疫学調査の結果を踏まえ、鳥インフルエンザ対策パッケージを打ち出し、飼養衛生管理の強化、分割管理の推進、ワクチン接種の検討、まん延防止に向けた防疫措置の見直しといった対策を進めました。
エ豚熱については、野生動物の侵入防止壁の設置や飼養衛生管理の徹底に加え、ワクチン接種推奨地域での予防的なワクチン接種の実施、野生イノシシ対策としての捕獲強化や経口ワクチンの散布を実施しました。また、イノシシ用国産豚熱経口ワクチンを実用化し、令和8(2026)年1月に野外散布を開始しました。
(2)植物の病害虫への対応
ア発生量の多い斑点米(はんてんまい)カメムシ類については、都道府県等と連携し、適時・適切な防除対策の徹底を呼び掛けました。
イうめやもも等に大きな被害を与えるクビアカツヤカミキリについては、防除体系の確立に向けた取組を支援しました。
ウ化学農薬のみに依存せず、病害虫等の予防・予察に重点を置いた総合防除を推進するため、令和7(2025)年9月に「総合防除実践ガイドライン」を策定するとともに、産地に適した技術の検証、栽培マニュアルの策定等の取組を支援しました。
エ病害虫の薬剤抵抗性の発達等により、防除が困難となっている作物に対する緊急的な防除体系の確立を支援しました。
オ重要病害虫の侵入を早期に発見するための侵入調査を実施するとともに、重要病害虫の侵入が確認された場合には、発生範囲の特定や薬剤防除等の初動対応を実施しました。
カ国内の一部地域で発生が確認されているジャガイモシロシストセンチュウ、テンサイシストセンチュウ及びセグロウリミバエの定着・まん延防止を図るため、「植物防疫法」(昭和25年法律第151号)に基づく緊急防除として、寄主植物の移動制限や栽培の禁止、土壌消毒等の防除対策を講じました。
(3)動植物検疫の強化
家畜防疫官・植物防疫官や動植物検疫探知犬の適切な配置等による検査体制の整備・強化により、水際検疫を適切に行うとともに、国内での家畜の伝染性疾病や植物病害虫の侵入・まん延防止強化のための取組を推進しました。
(4)薬剤耐性対策の推進
豚熱や高病原性鳥インフルエンザのような重大な疾病だけでなく、乳房炎や下痢症等の慢性疾病も対象に、産学官が連携してワクチン開発を行うとともに、飼養衛生管理の向上、ワクチンの活用等による感染予防に焦点を当てた薬剤耐性対策に関する普及啓発に取り組みました。
(5)獣医療提供体制の整備
ア遠隔診療の適時・適切な活用を推進するための情報通信機器を活用した産業動物診療の効率化、産業動物分野における獣医師の中途採用者を確保するための就業支援、女性獣医師等を対象とした職場復帰・再就職に向けたスキルアップのための研修や中学生・高校生等を対象とした産業動物獣医師の業務について理解を深めるセミナー等の実施による産業動物獣医師の育成等を支援しました。
イ地域の産業動物獣医師への就業を志す獣医系大学の地域枠入学者・獣医学生に対する修学資金の給付、獣医学生を対象とした産業動物獣医師の業務について理解を深めるための臨床実習、産業動物獣医師を対象とした技術向上のための臨床研修を支援しました。
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