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農林水産省

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更新日:平成27年9月15日

担当:消費・安全局植物防疫課

「第1回ジャガイモシロシストセンチュウ対策検討会議」(議事概要)

開催日時・開催場所

  • 平成27年9月15日(火曜日)14時00分~16時00分
  • 農林水産省 4階 第2特別会議室

議事概要

1. 発生範囲調査の方法及び結果の検証

  (1)農林水産省から、ジャガイモシロシストセンチュウの発生範囲調査の結果について以下を報告した。

 (ア)調査対象市町:
網走市内及び近隣5市町(北見市、小清水町、清里町、斜里町、大空町)

(イ)調査方法:
 ばれいしょのジャガイモシストセンチュウ抵抗性品種の栽培ほ場129筆において、植物検診(※1)を実施、
             ※1:我が国既発生のジャガイモシストセンチュウが寄生しにくい品種(抵抗性品種)のばれいしょを栽培中に抜き取り、根に付着したシストを検定。      

(ウ)調査結果:初動調査で本線虫を確認した地域及びその隣接する地域(合計2地区(大字))において計6筆で本線虫を確認。      

 (2)また、北海道オホーツク管内の農業者団体が、植物防疫所による調査方法の指導の下で自主的に行った植物検診については、1,810筆中6筆でシストが確認されたが、横浜植物防疫所で検定した結果、全て本線虫でないことを確認した。      

 (3)(1)及び(2)の報告を踏まえて、対策検討会議が検討した結果、農林水産省が実施した発生範囲調査については、(ア)調査で本線虫を確認した網走市及び近隣5市町の範囲で実施したこと、(イ)植物防疫官がジャガイモシストセンチュウ抵抗性品種の栽培ほ場において抜き取り調査を実施したことは妥当とされた。
本調査は、ばれいしょ等の収穫期を迎える限られた時間の中で実施されており、調査適期を過ぎていたこと、また、抽出調査であったことを考慮し、引き続き発生範囲の特定作業を進めることが必要である。このため、農作物収穫後の土壌調査及び来年以降に実施を予定する本線虫のばれいしょの根への付着時期における植物検診が必要とされた。

    なお、その際には、調査精度向上の観点から、調査方法の一部(植物の抜き取り株数)についても再検討する必要があるとされた。

2. 現行対策の妥当性の検証

  (1)農林水産省から、「ジャガイモシロシストセンチュウの確認について」(平成27年8月19日付け27消安第2968号消費・安全局長通知)及び「ジャガイモシロシストセンチュウの発生地域における当面のまん延防止対策等について」(平成27年9月3日付け27消安第3203号消費・安全局長通知)に基づき、本線虫のまん延防止のために対象地区で実施している(ア)我が国既発生の線虫のまん延防止対策の徹底、(イ)植物防疫官によるばれいしょ等の移動前検査等の対策について説明した。

   (2)(1)の説明を踏まえて、対策検討会議が検討した結果、
      (ア)本線虫はジャガイモシストセンチュウと類似する害虫であることから、既発生の線虫対策が本線虫のまん延防止に有効と考えられる
      (イ)本線虫が確認された地域からばれいしょ等を移動する際の植物防疫官による検査等については、ばれいしょ等に付着した土を介した本線虫のまん延リスクを十分に低減する効果が期待できる
      (ウ)まん延防止対策を実施する地区は、本線虫が確認されたほ場を含み同一の営農が行われる「大字(おおあざ)」を範囲として地区指定することは妥当
      と評価された。

   (3)また、本線虫が確認されたほ場については、土壌のくん蒸等によりシストの密度低減対策を行うことを検討してはどうかとの指摘があった。

3. 今後の対策の進め方

  今後の対策の進め方として、調査方法及び調査スケジュールについて以下を説明。

【発生調査】

 (1)農林水産省から、今秋に実施することとしている本線虫の対象地区におけるほ場毎の発生を確認するための土壌調査(※2)について、調査方法及び調査スケジュールを説明した。
           ※2:農作物収穫後の土壌を試料として検定

 (2)(1)の説明を踏まえて、対策検討会議が検討した結果、農林水産省から示された調査は妥当とされた。ただし、土壌調査の検出限界を踏まえ、本調査結果をもって本線虫の発生状況を確定しないことが妥当とされた。
  また、現地では、一般的にばれいしょを含めた輪作が行われていることも踏まえ、より正確な発生範囲調査を行うためには、植物検診と土壌調査を組み合わせた調査を来年以降も継続することが適当とされた。

【侵入原因を検討するための調査】

 (1)農林水産省から、侵入原因を検討するための調査方法について、侵入元を推測するための本線虫の病原型の調査及び地域内の線虫の移動経路を検討するための状況調査を実施することを説明した。

 (2)(1)の説明を踏まえて、対策検討会議が検討した結果、次回の対策検討会議において、当該調査結果を基に、総合的な侵入原因の検討を行うこととされた。 

4. 緊急研究の実施

 (1)農林水産省から緊急研究の公募内容について説明するとともに、北海道農業研究センターにおける抵抗性品種育成の取組状況について説明した。

 (2)(1)の説明を踏まえて、対策検討会議が検討した結果、抵抗性品種の育成は極めて重要な課題であり、農林水産省から示された研究計画は妥当と評価された。

5. 今後のスケジュール

  次回の対策検討会議については、来年度の対策を検討するため、土壌調査の結果が取りまとまる2月を目処に開催することとされた。

 (以上)

お問合せ先

消費・安全局植物防疫課

担当者:国内防除第1班
代表:03-3502-8111(内線4564)
ダイヤルイン:03-3502-5976

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