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農林水産省

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農業資材審議会 第19回種苗分科会 議事録(令和元年12月23日開催)

1.日時及び場所

令和元年12月23日(月曜日) 14時00分~
農林水産省 第2特別会議室

2.議事次第

  1. 開会
  2. 挨拶
  3. 議事
    (1) 情勢報告及び優良品種の持続的な利用を可能とする植物新品種の保護に関するとりまとめについて(報告)
    (2) 「重要な形質」の指定について(諮問)
    (3) 登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物について(報告)
  4. 閉会

配付資料一覧

3.概要

午後2時00分   開会

  • 藤田室長
    それでは、定刻になりましたので、ただ今から農業資材審議会第19回種苗分科会を開会いたします。
    知的財産課種苗室長の藤田でございます。委員及び専門委員におかれましては、ご多忙のところご出席賜り、ありがとうございます。議事に入るまでの間、進行を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
    それでは、開会に当たり、内閣審議官の杉中からご挨拶申し上げます。
  • 杉中審議官
    内閣審議官兼食料産業局の杉中でございます。
    農業資材審議会種苗分科会の開催に当たり、一言ご挨拶を申し上げたいと思います。
    ご出席の委員の皆様方におかれましては、平素より農林水産行政についてご指導を賜り、この場をかりて厚く御礼を申し上げたいと思っております。
    種苗についても、近年非常に政策的にも注目されることが増えております。特に我が国で開発された優良な新品種が海外に流出して栽培が広がっているといった事態に対応して、我が国の農林水産分野での知的財産の保護について強い関心が寄せられているところでございます。
    我が国の種苗は、我が国の農林水産物や食品に対する海外での高い評価の礎となっているものでございまして、ある意味では輸出の拡大を支えているものでございますけれども、実際には新しい新品種の登録の状況は平成19年度をピークに現在約4割減少しています。
    特に都道府県からの出願は最大のピーク時から比べると6割減少しているという状況があって、中長期的に見た場合の我が国の農業の国際競争力への影響も、知られておりませんけれども、非常に懸念されるところでございます。
    このような状況を踏まえて、今年の3月から優良品種の持続的な利用を可能とする植物新品種の保護に関する検討会を立ち上げまして、その中で農業者が優良な品種を持続的に利用していくことが可能になるよう、より実効性ある植物新品種の保護を図るための方策を広範な関係者を含めて議論をいただいたところでございます。
    先月、この検討会の報告が取りまとめられたところでございまして、今後、この取りまとめを踏まえて、植物新品種の保護のための種苗法の改正を検討していくこととしております。
    さて、本日でございますけれども、これまで出願がなかった8種類の新規の植物の「重要な形質」の設定、また、出願された新規植物のうち、我が国で多くの品種が流通してお らず、「重要な形質」が困難な植物を対象とした共通的な「重要な形質」の設定及び審査の運用の結果を踏まえた2種類の「重要な形質」の改正について、種苗法第2条第7項の規定に基づき、農林水産大臣からの諮問を受けて、専門家である委員の皆様にご審議をいただくことになっております。
    また、ご審議いただく「重要な形質」でございますけれども、品種登録を行う上で、他品種との区別性、いわゆるDUS等の特性審査に用いているところでございます。
    「重要な形質」については、立証の改善の方法として品種ごとの特性表を用いるということで、新品種の特性において病気抵抗性は非常に多様化しているということを踏まえて、「重要な形質」を必須形質と選択形質に分けるという提案が先ほどの検討会でなされております。今後、ますます「重要な形質」の重要性が高まってきておりますので、その点も含めて新しい審査のあり方も含めた議論もしていただければと思っております。
    また、登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物については、種苗法では育成者権の効力は原則及ばないことにしつつ、省令で育成者権の効力が及ぶものを定めているところでございます。
    今回、現在有効な登録品種がない植物に該当する野菜、草木類及び観賞樹の9種類を追加する省令改正を行うこととしておりまして、併せてご説明をいたします。
    また、自家増殖につきましても、検討会の報告の中で、全て育成者権の効力が及ぶ方向に転換するという方向でご提案をいただきまして、それに基づいて制度の見直しを検討したいと思っております。
    今後、種苗法の改正に向けて「重要な形質」を初め、育成者権の保護に向けたあり方について検討していくこととなりますが、委員の皆様におかれましては、十分なご審議を賜りますようお願いを申し上げて、私の挨拶を締めます。よろしくお願いします。
  • 藤田室長
    ありがとうございました。
    お手元に配付しております資料の確認をお願いいたします。
    資料1~6、それから参考資料1~3というものをお配りしております。ございますでしょうか。
    資料の欠落等がありましたら、事務局までお申し出ください。
    よろしいでしょうか。
    それでは、委員、それから専門委員の方々のご紹介をさせていただきます。委員名簿をご覧ください。ご出席の各委員の皆様をご紹介申し上げます。
    まず初めに、分科会長をお願いしております茶園委員でございます。
  • 茶園分科会長
    茶園です。よろしくお願いいたします。
  • 藤田室長
    続きまして、笈川委員でございます。
  • 笈川委員
    よろしくお願いします。
  • 藤田室長
    小野委員でございます。
  • 小野委員
    よろしくお願いします。
  • 藤田室長
    長岡委員でございます。
  • 長岡委員
    よろしくお願いします。
  • 藤田室長
    中村委員でございます。
  • 中村委員
    よろしくお願いいたします。
  • 藤田室長
    彦坂委員でございます。
  • 彦坂委員
    よろしくお願いいたします。
  • 藤田室長
    栁下委員でございます。
  • 栁下委員
    よろしくお願いします。
  • 藤田室長
    続きまして、専門委員の皆様をご紹介申し上げます。 明石専門委員でございます。
  • 明石専門委員
    よろしくお願いします。
  • 藤田室長
    淺木専門委員でございます。
  • 淺木専門委員
    よろしくお願いいたします。
  • 藤田室長
    河野専門委員でございます。
  • 河野専門委員
    よろしくお願いいたします。
  • 藤田室長
    西川専門委員でございます。
  • 西川専門委員
    よろしくお願いいたします。
  • 藤田室長
    山田専門委員でございます。
  • 山田専門委員
    よろしくお願いいたします。
  • 藤田室長
    本分科会、委員の定数7名のところ、本日は7名全員にご出席いただいておりますので、農業資材審議会令第7条第1項の規定により、本分科会が成立していることをご報告申し上げます。
    事務局につきましては、先ほどご挨拶いたしました杉中内閣審議官、知的財産課長の尾﨑、私、種苗室長のほか、担当者が出席しております。時間の都合がございますので、紹 介を割愛させていただきます。
    なお、本日の分科会の議事及び議事録は公開いたしますので、その旨ご承知ください。
    これより審議に入りますが、報道関係者によるカメラ撮影は冒頭のみとなっております。以上で撮影は終えていただくよう、お願いいたします。
    それでは、これから議事の進行に当たりまして、農業資材審議会議事規則により分科会長の茶園委員に議事の進行をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
  • 茶園分科会長
    どうも改めまして、茶園です。よろしくお願いいたします。
    それでは、早速議事に入りたいと思います。
    農林水産大臣から本審議会に対しまして、資料1のとおり、農林水産植物の「重要な形質」の指定につきまして諮問がありました。本日は、この諮問についてご議論いただきますけれども、それに先立ちまして、「品種保護をめぐる状況」及び「優良品種の持続的な利用を可能とする植物新品種の保護に関する検討会」の取りまとめについて事務局より説明をお願いいたします。
  • 尾﨑課長
    知財課長の尾﨑でございます。今日はよろしくお願いいたします。
    私から、少しお時間をいただきまして、まず資料2、それから資料3-1、2、3、この4つの資料に基づきまして、まず「国内外における品種保護をめぐる現状」についてご報告をさせていただいた後、今年3月から茶園分科会長を座長に6回ほど開催いたしまして取りまとめをさせていただきました「優良品種の持続的な利用を可能とする植物新品種の保護に関する検討会」の取りまとめにつきましてご報告をさせていただきたいと思います。
    まず、資料2でございます。国内外における品種保護をめぐる現状でございます。資料2をおめくりいただいて、2ページでございます。
    基本的には、去年ご報告していただいているものからの更新の部分が多うございますので、簡単にかいつまんでご説明をさせていただきます。新品種の出願・登録の状況は平成19年がピークということでございますけれども、それ以降減少ということで続いておりまして、平成30年度につきましては、出願件数で841件、それから登録品種数ということで653件という状況になっております。そういう意味では、今年、少し件数が減っておりますけれども、これは海外からの出願が減っているために減っているということでございまして、国内のところはそれほど減っていないということでございます。
    1枚おめくりいただきまして、3ページでございます。登録品種の作物別、それから業 種別の内訳でございます。
    作物別に見ますと、草花・観賞樹では種苗会社、それから個人の育種家による割合が比較的高いという状況でございます。その一方で、食用作物では都道府県、それから国の割合が高い。また、野菜では種苗会社、都道府県の割合が高い。果樹になると個人、それから都道府県の割合が比較的高いといった状況になっております。業態別に見ますと、種苗会社が最も高い。その次が個人育種家で、ここまでで約8割を占めている状況でございます。
    おめくりいただきまして、4ページでございます。作物区分別の内訳でございます。 見ていただきますとおわかりかと思いますけれども、草花類が最も高いということでございまして、2番目の観賞樹と含めて約8割になっております。
    育成者権が存続している有効登録品種に限りますと、この割合が草花類51%で1割ほど減るということでございます。草花類は、ほかの作物と比較して平均の登録期間が少し短いので、国や都道府県が登録をしている割合が比較的に高い食用作物、果樹、野菜の平均登録期間が長いのが傾向として反映されているものと推察されるところでございます。
    それから、5ページでございます。外国で育成された品種の我が国の出願でございますけれども、近年出願件数の約4割を占めておりまして、ほとんどが草花及び観賞樹でございます。平成30年の出願でございますが、前年度と比べて145件ほど減っておりまして、その結果、出願件数に占める割合も約3割に低下して、去年は海外からの出願件数が減ったという点が特徴かと思います。
    それから、6ページでございます。
    UPOV加盟国における出願・登録の状況でございますけれども、日本は、このいずれの分野においても5位ということでございます。近年、中国などが著しい伸びを示している状況でございまして、それに対して日本では若干の減少傾向というのが見てとれるところでございます。
    それから、7ページでございます。新品種の出願数は、審議官からも冒頭ご挨拶の中でも述べましたけれども、我が国の農業競争力を支えるものということで、この新品種の出願、国内の出願が我々としては非常に重要だというふうに鋭意受けとめております。しかし、残念ながら、我が国の出願は、先ほど申し上げた平成19年がピークで、これは2007年に当たるわけでございますけれども、これ以降は減少傾向にございます。一方で中国はものすごい勢いで伸びています。新品種の開発力の低下が我が国の農業競争力にも影響してくるという懸念は、こういったところからも出てくるということでございます。
    特に8ページの都道府県でございますが、全体として減少傾向にあるわけですけれども、都道府県による出願がピーク時から6割減、41%まで減ってきているということで、都道府県の開発品種である果樹とか野菜とか食用作物は、農業的にも大きな重要性を占めているものがあるので、このあたりは憂慮されるところでございます。
    こういったところが私どもの検討会における検討の契機になっているということでございます。
    それから、1枚おめくりいただきまして9ページでございます。
    我が国の優良品種の海外流出を防ぐために、海外で知的財産権を確保することが重要だということで、平成28年度の補正予算以降、我が国で開発された重要な新品種について、海外における品種登録を支援しているところでございます。令和2年度の予算要求においても、引き続き所要額の要求をしておりまして、我が国の重要な品種が意図せず海外に流出することがないように、海外における品種登録、侵害対策について推進をしてまいりたいと考えております。
    それから、10ページでございます。
    先ほど申し上げましたけれども、海外での品種登録を我々はしっかりと進めていく中で、日本から出願の多い国々を中心に、海外の審査当局に我々の審査の結果を提供するための覚書を結んで、そのもとで我が国の審査結果を提供するということで品種登録の早期化、それから必要な費用の軽減、こういったものに効果があるのではないかということで取組を進めているものでございます。
    見ていただきますと、覚書に基づく我が国の審査結果を海外に提供するという件数が増えてきており、こういった取組は引き続き進めてまいりたいと考えているところでございます。
    駆け足で恐縮でございますけれども、資料2に基づいてこの現状をご説明させていただきました。
    併せて、引き続き資料3に基づきまして、今年3月から検討してまいりました検討会の取りまとめについてご説明をさせていただきたいと思います。
    資料3-1が取りまとめになっておりまして、資料3-2がこの取りまとめの中で制度的なところを整理したポイントについての補足の資料ということでございます。
    それから、資料3-3が、1枚おめくりいただきますと検討経過ということで、3月か ら第6回に至るまでいろいろな方に来ていただいて審議をいただいた経過がまとめてございます。2枚目以降、その中でいただいた意見を記録しているものでございます。
    取りまとめが3-1でございますので、この3-1につきましてご説明をさせていただきたいと思います。
    この取りまとめ、2枚にわたって取りまとめさせていただいておりますけれども、大きく1、2、3、4とございます。
    この取りまとめに当たって、まず第1として、制度の理解促進を図るべきとなっております。種苗法の考え方、植物の新品種をなぜ保護しないといけないのかという、この制度の根っこのところ、それから制度の構造が理解されていないと現場できちんと新品種、制度だけつくっても守られないのではないかということで、現場に浸透するように国、それから都道府県、団体等と意識の醸成に努めるべきだというご提言をいただいております。この植物の品種には、大宗を占める一般品種と種苗法で登録されている登録品種があるということ、それから登録品種は、その育成者の知的財産の品種であって、一定期間、その利用については育成者権者の同意が必要になること、この品種を利用する際の種苗代・許諾料は、さらなる品種開発・供給の促進につながるものであって、ひいては農業の発展に寄与するものであること、登録品種以外の一般品種については、増殖や利用に制限はかからないのだといったこの制度の大枠について理解を深めるべきであろうということでございます。
    2番目、2のところが種苗法、今後改正に向けて検討すべきという要点でございます。 主に海外流出防止のために、現行制度の見直しを検討すべきとご提言をいただいておりまして、1つ目、海外流出防止ということで、登録品種の販売に当たって、国内利用限定、あるいは栽培地域、例えば、ある県がその県内の農業者のために開発したものであれば、「何とか県限り」みたいな形で条件を育成者権者が付す場合には、これに反する行為に育成者権を行使できるように制度を見直すべきということでございます。
    併せて、利用者側の混乱がないように、登録品種である旨、あるいは利用条件がついている旨の適正な表示、こういったものを義務付けるべきではないかとご提言をいただいております。
    丸囲み数字2が登録品種の増殖について、育成者権者の許諾に基づくべきということでございます。 登録品種の増殖については、自家増殖も含めまして、育成者権者の許諾に基づいて行うということにして、増殖を行う者が明らかになることで、海外への流出防止ができるように すべきだということでございます。
    他方で、この育成者権が認めていれば、新たな許諾行為をとらなくても、この増殖が可能であること、農業者が育成者権者から簡便に許諾を得られるように、許諾はJAなどの団体等がまとめて行えるといったことも周知をすること、それから許諾契約のひな形を示すといったことで現場の負担を軽減するような配慮が必要なのではないかということ。
    それから、この育成者権が別の事業者に譲渡された場合においても、既に許諾を受けている農業者が引き続き安定的にその品種を利用できるように配慮すべきというご提言いただいております。
    それから、おめくりいただきまして、丸囲み数字3でございますけれども、海外流出などの場合、権利侵害になりますと、これは育成者権者が立証するということで育成者権が行使できるわけでございますけれども、この際に、裁判上、品種登録時の種苗との比較栽培を求められて、技術的に困難になっているという論点がございます。この権利侵害の立証について、私どもが品種の登録時に審査をして、特性表をつくっておりますので、この特性表を用いることで容易に立証ができるようにすべきではないかという提言をいただいております。
    特性表を、こういった形で裁判上利用できることにするのであれば、特性表を作成するに当たっては、育成者の意図が反映されるものにすべき、それから併せて海外品種登録にも活用できる、海外でも受け入れてもらえるような質の高い品種登録審査を行うべきというご提言をいただいております。
    したがいまして、こういった質を確保する観点からも、安定的に制度運営をしていくために必要な手数料については徴収していくべきではないかというご意見・ご提言をいただいております。
    それから、これは法制度上ということではないですけれども、ほかの登録品種の育成者権が及ぶとされております従属品種という考え方がございます。この従属品種の範囲が不明確だということで、予見性がないのではないかということもございます。そこについてのガイドラインを示すべきではないかというご提言もいただいております。
    その他、丸囲み数字4のところで特許法等々のほかの知財制度も参考にして、種苗法においても時代に合わせた改正を行っていくべきだということで4点ほど提言をいただいているところでございます。
    その他、3のところでございますけれども、これは先ほどご紹介しました予算事業になりますけれども、海外における権利化の推進ということで、私どもが優良品種を保護する ために海外での品種登録を支援しております。これにつきましては、種苗法は国内法でございますので、海外に持ち出された後、持ち出されてしまった後は、育成者権といったものがなければ、なかなか権利の行使ができないということになりますので、海外における品種登録を引き続きしっかり促進すべきであるということ。
    それから、その育成者権者が海外での無断の増殖については情報を収集して、権利侵害にきっちりと対応するのはハードルが高いものがございます。そういったものについて実効的に対応できるように、我が国の海外で品種登録をした品種についての権利行使は一元的に実施できるような体制の整備に向けて努力すべきという提言をいただいているところでございます。
    4は、その他、今後、検討すべき課題ということでいくつか、海外での品種登録に向けての協力の推進等々についてご提言をいただいています。この取りまとめに基づいて、私ども、種苗法の改正に向けての検討をこれから進めていきたいと考えております。
    駆け足で恐縮でございますが、以上でございます。
  • 茶園分科会長
    どうもありがとうございました。
    では、ただ今の説明に対しましてご質問、ご意見等がございましたらお願いいたします。何かございますでしょうか。
    では、また何かございましたら後ほどお願いするといたしまして、続きまして、当分科会で審議いたします「重要な形質」につきまして検討会取りまとめにおける考え方を事務局より説明をお願いいたします。
  • 尾﨑課長
    それでは、引き続きまして私からご説明をさせていただきます。
    資料4でございます。優良品種の持続的な利用を可能とする植物新品種の保護に関する検討会とりまとめということで、先ほど資料3-1をご紹介させていただきましたけれども、これに沿って、今後どのような形でこの制度を運用していくかということでございます。その中で「重要な形質」というものの考え方について、今後どういうふうに進めていくかということでございます。
    検討会の取りまとめにおきましては、先ほどご紹介したように、権利侵害が疑われる場合に、立証のために品種登録時の種苗との比較栽培が求められる場合があり、技術的に侵害の立証が難しかったということで、提言の中では、種苗法を改正して、品種登録審査のときに私どもがつくっております特性表を用いることで立証を容易にするということが提言されてございます。
    具体的には、資料3-1でいいますと、2枚目の丸囲み数字3のところに当たります。
    この場合、この特性表は「重要な形質」に基づいて作成されます。「重要な形質」は品種登録の要件を確認するための役割に加えまして、育成者権の権利範囲を示すという役割も担ってくるということが想定されます。
    これと併せまして、特性表の作成に当たりましては、育成者の意図が反映される仕組みを設ける。それから、質の高い審査を実施して安定的な制度運営を行うために栽培試験手数料を徴収するといったことが提言されているわけです。
    近年、この品種開発におきましては、病虫害抵抗性等の新たな特性の付与というのを目標として育種が行われることがあるのですが、これを「重要な形質」に定めますと、その植物が属する全ての出願品種について、この追加された新たな特性を審査するということになってまいります。こうなりますと、審査に多くの時間、費用がかかってきて、制度の利便性が損なわれる懸念があるので、こういった問題と、一方で病虫害抵抗性といった農業上、必要な特性を「重要な形質」として盛り込んでいくことは、当該分野の育種を促進するためにも必要であろうという、この2つの要請があるわけでございます。
    これに応える方向性としまして、「重要な形質」について、出願品種の審査において必ず審査しなければいけない特性、必須の指定形質と、それ以外の特性、選択形質に区分した上で、選択形質については出願者から求めがあった場合に選択的に審査できるという形にすることで、審査の早期化、負担の軽減を図りながら、育成者権者の開発意図に即した審査登録ができるようにしてはどうかと考えているわけでございます。
    したがいまして、今「重要な形質」というものを「指定形質」と「選択形質」に分ける ことが必要になってまいりますが、これについて今私どもで基本的な考え方というものを整理させていただいておりますので、これについてご提案させていただきます。
    まず指定形質でございますけれども、通常の栽培試験、あるいは現地調査で確認できる表現型の形質を原則とすることにしまして、ただし、当該植物の登録品種として、当然審査すべき特性については、これに限らず指定形質とするということでございます。
    これに対しまして、選択形質については、耐病性、耐暑性等々、通常の栽培試験や現地調査では確認ができない、別途の試験が必要になってくる、そういったものがなければ評価できない特性として原則としては定めたいということでございます。
    これらの特性については、出願者から求めがあった場合に審査することにいたしまして、その際には別途実費相当の手数料を追加的に徴収することを考えております。
    この「重要な形質」を「指定形質」、または「選択形質」のいずれかに分類していくわけでございますけれども、これにつきましては、法施行後に新たに「重要な形質」を設定したり見直したりする場合には、この「重要な形質」の審議の際に、併せて「指定形質」なのか「選択形質」なのかという区分をお示ししてご意見をいただくことにしたいと考えております。
    それ以外の植物については、法施行前に、「重要な形質」を「指定形質」及び「選択形質」に区分して公表することを予定しておりますけれども、先ほどご説明した(1)、(2)でお示しした原則に合致しないものについては、事前に各委員の皆様にご確認いただくことをお願いできないかとに考えているところでございます。
    例えば、表現型の形質なんだけれども別途の試験が必要な特性は「選択形質」にするとか、あるいは表現型の形質ではないのですが、その植物の登録品種として当然審査すべき特性については、これは例外的に「指定形質」とするいうことです。こういった場合については、ご意見をいただくような機会を設けさせていただきたいということで、参考1以降がそういったものを区分してみた事例でございます。
    レタスの「重要な形質」の例として、種子、葉っぱ、茎、あるいは生態的な形質については、指定形質に、一番下の病虫害抵抗性の形質については選択形質という形になるということでございます。
    イチゴにつきましては、基本的には上の方から指定形質が並んでおりますけれども、休眠性などは冷蔵庫に入れるなど別途の試験が必要であること、炭そ病、ランナーについては個別の試験が必要ということで、選択形質とさせていただいております。
    リンゴにつきましても、基本的には生態的形質のところまでが指定形質で、病虫害抵抗性のところが選択形質という形になっております。
    それから、ペチュニア等の草花につきましては、これは全て表現型のものなので指定形質ということでございます。
    バラも同じでございます。
    最後、参考2ということで稲が出ておりますけれども、原則に従って、指定形質と選択形質を区分しようとしますと、今網かけにしているところが全部選択形質になってしまうということになります。例えば、いもち病の耐性につきましては、選択形質にしていいのかという場合もあるかと思いますので、こういったところについては、また個別にご相談をしてご意見を伺いながら決めてまいりたいということでございます。
    事務局からのご説明は、以上でございます。
  • 茶園分科会長
    どうもありがとうございました。
    ただ今の「重要な形質」に関する考え方の説明に対しましてご質問、ご意見等がございましたらお願いいたします。
    では、山田委員。
  • 山田専門委員
    ちょっと教えてほしいんですけれども。こういう形質を表現型であらわすことが原則であるということで、当然だと思うんです。選択形質のところでいろいろ特定の付与された形質があるとき、大体の場合は多分育種するときから、特定の遺伝子を持っている、持っていないということをある程度想定しながらやっていくところがあります。中には特定の遺伝子ということが、稲の場合でもありましたけれども、特に選択形質の場合、あまり遺伝子型のことについては触れないものなんですか。ちょっとまとまっていない質問ですけれども。
  • 茶園分科会長
    遺伝子によって発現するかどうかということですか。
  • 山田専門委員
    試験場で組み合わせ、これはこの遺伝子を確実に持っていることがわかっているものの場合があると思うんですけれども、そうすると、多分評価するとき遺伝子をチェックするとすごく簡単に答えが出る場合があり得ると思うんです。
  • 藤田室長
    UPOV条約、ないし、それに従って、我々の種苗法も、特性については遺伝子情報を使わずに表現型をもって区分することになってございます。このため一義的には表現型ないし生態的特性とか、そういう特性をもって見るという形にしてございます。
    ただ、その中で遺伝子情報に関する技術が非常に発達する中で、1対1で審査できるといったことが明らかになってきますと、そういったところで確認することは審査の手法としてはあり得ると思うんです。しかし現実的には、まず表現型で基本的に判断するというのが原則になってございます。
  • 山田専門委員
    ありがとうございます。
  • 茶園分科会長
    よろしいでしょうか。
    それでは、ほかに何かございますでしょうか。
    では、中村委員。
  • 中村委員
    選択形質でやる場合、審査をするという場合なんですけれども、いろいろな形質について、育成者の側は、ここはこの品種の特徴だとして訴え、主張すると思うんですけれども、それに対して審査をする側で全て評価をすることは極めて難しいんじゃない
    のかなと思うんです。その場合には、例えば育成者からこれまで数年間、私は果樹なので草本のことの事例じゃないんですが、数年間のデータや各地域でのデータを出すなど、客観的に、統計的に証明されるデータを提出することによって審査してもらうみたいなことにならざるを得ないのかなと思うんです。その辺についてお考えをお聞かせください。
  • 藤田室長
    ありがとうございます。基本的な考え方としまして、指定形質と選択形質を分ける上では、選択形質というのは特別な試験が必要になることで試験料を別途いただく必要もある場合もございます。ただ、今委員がおっしゃったとおり、十分な信頼性あるデータを出していただくことによって審査するといったことも可能だと思ってございます。そのデータの信頼性、あとは審査の信頼性を確保するためにどういったことを確認すればいいのかという点は、今後我々としても審査のやり方を考えていく中で十分考えていきたいと考えております。
  • 中村委員
    ありがとうございます。
  • 茶園分科会長
    よろしいでしょうか。
    ほかに何かございますでしょうか。
    では、小野委員。
  • 小野委員
    この指定、選択形質に関してなんですけれども、これは質問というよりも、この病虫害抵抗性、特に病害抵抗性のいろいろな試験に関しては、民間としてはかなり費用的なものが気になってくるところじゃないかなと。今の登録している費用とか、いろいろな単価水準を見まして、かなり病害に対する費用がかかるような気がするんです。そうすると、やはり品種登録を増やしていきたいという希望と、それと現実的にもう止めておこうかなという葛藤が各種苗メーカーとか民間の企業には出てくるんじゃないかなと思っております。 実際にこれからこういう品種登録をするときに、病害性の、病害の抵抗性、これは1つの売りになるような形になろうかなと思います。ここら辺の「実費」という2文字はどの辺のところで設定したらいいのかを、あらかじめ皆さんからの意見を聞いていただいて、このぐらいなら適正じゃないかなという中でご検討いただければありがたいなと思っております。
  • 藤田室長
    ご意見ありがとうございます。
    まさにこういった抵抗性とかを調べる場合には隔離環境で、また病原菌とかウイルスとかを用意しないといけない場合もございますので、対照品種も含めて、かなりしっかりとした試験が必要になるという意味で、純粋にやるとすると、やっぱり費用もかかるだろうと考えております。ただ、先ほど中村委員からもお話があったように、逆に言えば、企業としてはそういった試験をずっとやられて、それを確認されているところですし、また、病気によってはなかなか入手できないものもありますので、どういった形でやるのが一番適切かということは検討していきたいと思っています。
    実費については、当然それを出す前には、全体どのくらいかかるかは広くお示しした上で、やることになりますが、必ずしも実費がかかるのか、資料で代替できるのかなども含めて、効率的かつ信頼性のある審査ができるように図っていきたいと思ってございます。
  • 小野委員
    ありがとうございます。
  • 茶園分科会長
    ほかに何かございますでしょうか。
    では、河野委員。
  • 河野専門委員
    薬用植物資源研究センターの河野と申します。私どもは、私個人としては工芸作物も担当させていただいているので、この表現型ではない、いわゆる選択形質での審査に今後かかわることが非常に多くなっていくと思います。我々はこれまでに薬用植物の品種登録並びに特性表の作成も、両方ともやってきておりまして、指定形質と選択形質に分かれて、目標が明らかに、クリアになるというのは育成者と申請者、両方にメリットがあると考えております。質問というよりは、コメントでございます。
  • 茶園分科会長
    どうもありがとうございました。
  • 藤田室長
    ありがとうございます。特に工芸作物とかは今後の課題ですけれども、特に加工特性のようなものが実際には「重要な形質」に入っていないままにやらざるを得ないというのはかなりございます。すぐにそういった課題解決できるとは思っていませんけれども、ご知見もいただきながら考えていくことが逆に、将来的にいい品種を出すために役に立つと思っておりますので、今後ともよろしくお願いしたいと思います。
  • 茶園分科会長
    ほかに何かございますでしょうか。
    長岡委員。
  • 長岡委員
    長岡です。
    私も、この選択形質について審査って大変だなと思って、どうやって審査すればいいのかずっと考えていました。基本的に自分も遊びで育種をやっていまして、例えば耐暑性の強い品種をつくりたいというときには、当然交配の段階から親を選んで、それで従来の品種と比較しながら選抜をしていくわけです。だから、選抜の過程のデータを申請時に出し ていただいて、そのデータの信頼性が高ければそのまま通していいと思います。信頼性に疑いがあるときには追試をする程度の形で、この指定形質の審査はやっていかないと、絶対的な、例えば耐病性の検査をするとなると、それはコスト的に意味がないというんですか、それだけコストをかける意味がないような気がするんです。当然種苗商であれば耐病性、あるいは連作障害に強いという、そういう特徴の品種をつくって農家に売っていくわけですから、農家から必ずその形質について評価されるわけですよね。だから、種苗審査の段階では選抜過程のデータをきっちりと指定し、選択形質に関しては出していただいて、その申請されたデータに基づいて審査する。それで、最悪の場合、必要に応じて追試験的なものを行って判断するという程度にしておかないと、一企業のために厳密な審査をすることにもなりかねないという可能性もありますよね。特に種苗商の方たちはそういう能力があるから、ちゃんとした試験をして、これは耐病性がありますということをいうんでしょうけれども、生産・育種家の人たちにはそこまでのレベルはないので、当然比較栽培をして、「これは耐暑性が強そうだ、耐寒性が強そうだ、病気にも強い」という判断をして申請してくると思うんです。だから、申請時に選択形質に関してはデータを提出してもらうという条件を付けた方がいいのかなと思います。
    以上です。
  • 茶園分科会長
    ありがとうございました。
    ほかに何かございますでしょうか。
    では、明石委員。
  • 明石専門委員
    今のお話も含めて、最初3名の方がお話ししたのは、まさにそのとおりだと思うんです。恐らく育種家は差別化を図るために選択形質というのを非常に重要視すると思うんです。そのときに、山田委員が言われたように、そちらで再試験やるときに、何らかのDNAとリンクした形質があったほうが、より審査はしやすいんじゃないんですかというのが、最初の3名の方のご意見だと思うんです。
    もう指定形質だけで品種登録はおそらく取れないので、プラスアルファ、差別化をするために選択形質。そこで、私の場合は牧草なんですけれども、消化性が高いといった場合、これは遺伝子ではリンクされないので、そのときは明らかに消化性試験をやっていただく、もちろん我々も行う。そのプロセスの中でこれまでの選択、選抜したときのデータを提出するので、審査の方で選択形質の再審査がイージーできる方法も含めて検討して下さい。もちろんDNAも入れても良いと思うんです。例えば、DNAとリンクした病害抵抗性というのはたくさんあります。そこら辺のところをうまく検討していただければ、今皆さんが言われた内容が全て解決できるのではないかなと思うんですけれども。よろしくお願いします。
  • 茶園分科会長
    ありがとうございました。
    ほかに何かございますでしょうか。
    今多くの方にご意見いただきましたように、選択形質については普通の試験ではなかなか判断つかないという場合に、どのようにして証明するかということについて、別個の試験を真正面から求めると非常にコストがかかってしまって、それはいかがなものかということもあります。ただ今いろいろとご意見をいただきまして、今後検討を加えていただければというように思います。
    ほかに何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。
    では、杉中審議官。
  • 杉中審議官
    今日、貴重なご意見をいただきまして、ありがとうございます。所用により退席いたしますけれども、今までいただいた意見に対して一言コメントをさせていただきます。
    まず、指定形質と選択形質を分ける理由というのをもうちょっと細かく言いますと、「重要な形質」を権利侵害等のプロファイリングに使っていきたいというときには、植物について形質、基本的には全ての情報が入っていることが求められる。ところが、今までの種苗法の中では、必ずしも「重要な形質」というのを審査のときに全て審査することを強い要件としていなくて、既存の品種とDUSで違うところを見つけることに重点を置いていた。ところが、全部の形質について本当に全て試験をするのか、提出を求めるのかといった場合に、これは出願者にとっても過重な負担になりかねないので、いわゆるプロファイリングとして、既存の品種との差別化を十分審査できることが求められる情報、これは指定形質。それから追加的に、まさに事業者のPR、新しい売り込みとか新しい強さみたいなものの中で使われていくのですが、既存の品種との侵害の立証まで要求されるものには至らないというところの選択形質に分けていくことと考えております。
    ただ、この選択形質自体は、選択形質として種苗業者がうたっているものを実際登録のときに審査しているかという点では、必ずしもそうじゃないという場合もあったことなので、今回、しっかりとした審査をすることで、民間の事業者にとっても、より根拠があるPRをできるのかなと思っております。
    選択形質については、まさに皆さんが言われたとおり、これを形質として採用するためには、これを審査できることが必要なので、審査基準をどうつくるか。しかも、それを非常な負担にならないようにどうするかということが大きな課題となっておりますので、DNAとかの遺伝子情報とかが完備して因果関係があるのであれば、そういったものを採用していって問題ないのであれば、そういうものを使っていくことも今後の可能性としてはあると思います。今後議論いただくときには、今まで見たことがない選択形質という、これは多分出願として、こういった病気に強い品種を新しくつくりましたという例が出てきたときに、ご議論いただくことが増えていくと思うんです。その場で、申請した側からのデータというのも当然必要だと思いますので、それが既存の品質との区別をはかる形質たり得るのか、それについて審査可能なのかということについてもしっかりご議論をいただければと思います。我々としても種苗産業の発展のために、そういった選択形質についての審査がより簡単になるような形での研究開発などについては、農林水産省としてもバックアップをしていきたいと考えております。
    よろしくお願いします。
  • 茶園分科会長
    杉中審議官、どうもありがとうございました。
    では、続きまして諮問された事項について、事務局より説明をお願いいたします。
  • 前田総括審査官
    総括審査官をしております前田と言います。よろしくお願いします。
    お手元の資料5で説明をいたします。重要な形質の指定に関する説明資料となっております。
    重要な形質といいますのは、品種登録の要件のうち、品種特性に関するDUS、こちらに書いております区別性、均一性、安定性ですけれども、これらの審査において、品種登録の適否を判断するための要素となっております。
    重要な形質以外の形質で差異があったとしても、それは区別性として認められません。
    我が国では、UPOVの指針に基づきまして、「重要な形質」を具体化したものを「審査基準」として使っているわけですけれども、UPOVの一般指針の中には、特性審査に用いる形質について、6つの要件が示されております。これらを我々は「形質の6要件」と言っているんですけれども、1つ目は、一定の遺伝子型又はその組合せの結果発現するもの、2番目は、ある環境条件下で、十分な一貫性と再現性があるもの、3番目として、品種間で区別性を確定できる十分な違いがあるもの、4番目は、詳細な定義及び認識が可能なもの、それから5番目、均一性の要件を満たすもの、6番目、安定性の要件を満たす ものとなっております。
    均一性といいますのは、同一の繁殖段階にある植物体の各個体の特性の全てが、繁殖様式の違いを考慮した上で十分に類似していることを言います。
    安定性の要件につきましては、繰り返し繁殖をさせた後代においても、均一性と同様に、その特性の全部が変化していないことを言います。
    次に、審査基準の関係になります。我が国の審査基準とUPOVテストガイドラインの関係になります。
    今回ご審議いただく12種類の新設するものを加えて、現在、我が国の審査基準は698ございまして、対するUPOVのテストガイドラインは330。ともに共通する植物として審査基準がつくられているものが228ございます。そのうち我が国の基準がUPOVのテストガイドラインに整合しているというものが180ございます。
    残るは、差し引きなんですけれども、我が国独自のものが470、UPOV独自になるものが102になります。
    諮問させていただきました区分ですけれども、まず1つ目の新設するもの、これが12ございまして、1~8までが、いわゆるこれまでの検討の上に「重要な形質」と審査基準が作成される予定のものでございます。9~12の「その他」と書かれている4つの区分につきましては、新しい取組ではございますが、この後ご説明させていただきますけれども、「重要な形質」を定めた上で審査をを進めて行こうということで、この段階では審査基準がないという状況でお願いするものです。
    それから、2番目はUPOVテストガイドラインへの準拠による改正でございますが、今回は該当するものはないんですけれども、新設する5番と8番、オリーブとウロクロア、この2種につきましては、新設にはなりますが、UPOVのテストガイドラインがございますので、それらに準拠した形になり、結果的には2つ準拠した形のものができるということになります。
    それから、3番目は、審査の運用の結果、改正が必要になったものとして2種ございます。
    こちらが新設する1~12のものでございますが、先ほどちょっと説明しましたとおり、まず9~12がどのようになるのかをご説明したいと思います。
    我が国では、これまで出願のなかった新たな植物区分に属する植物、いわゆる我々「新規植物」と呼んでいるんですけれども、これが出願された場合に、出願された新規植物に 属する属や種を特定した上で、まずその審査基準を策定するための調査を実施いたします。これが最低2~3年の期間を要するわけですけれども、その後、審議会におきまして、ご意見を聴取した上で省令に該当する植物の区分を追加し、「重要な形質」を定めて告示をすることになります。その定めた審査基準に基づきまして、ようやく新規植物の審査に入るという手続を踏んでいるというのが現状でございます。
    このため、新規植物の出願から登録までは長期間を要することになりまして、我が国で出願があった植物種類の品種の流通がほとんどない、あるいは比較対照とする品種の入手が困難であるということによって、審査基準の作成が非常に困難であるという課題がございます。
    それに加えて、ようやく多くの時間と労力を費やして「重要な形質」や審査基準を定めても、その後の出願がなくて活用されないものが全体の60%に上っているというのが現状でございます。
    これらのことから、我が国でほとんど流通しておらず、「重要な形質」を定めることが非常に困難な植物のうち、新規植物の全体の割合からいうと80%を占める観賞樹及び草花類につきましては、「その他観賞樹」、「その他球根類」、「その他ラン類」、それからその他球根類とラン類を除いた「その他草花」の4区分を新たに設けまして、共通的に設定した「重要な形質」に基づいて特性審査に着手することを考えております。
    なお、共通的に設定した「重要な形質」につきましては、当該植物区分におきまして出願された植物種類ごとに品種の記述が漏れなく網羅できるように、現行のような詳細な「重要な形質」、植物種に特化した詳細な「重要な形質」とはせずに、植物の器官名と形態的特性、大きさだったり、形状だったり、色彩だったりというものを組み合わせたもの、または一般化した形の生理生態的な特性、先ほども出ていましたが病害抵抗性、環境耐性、品質特性というような表現の「重要な形質」としております。
    具体的には、この後、「その他観賞樹の具体例」のスライドでお示ししたいと思います。
    しかしながら、今後全ての新規の観賞樹及び草花類をその他の区分にするというわけではございませんで、UPOVテストガイドラインがあるもの、そういうものについては、原則これまでどおり新たに審査基準を策定して審査を行うということ、我が国で近縁種の審査基準が既にあるという場合、またはUPOVの加盟国に審査基準がある場合には、それらを活用して新たな審査基準を策定してから審査を行うということも検討しております。
    また、「その他観賞樹」の4つの区分、これから新設する予定の区分で登録された品種 につきましても、その後、同じ種類の出願が複数見込まれる場合には、新たな区分を設け、そこで「重要な形質」、「審査基準」を定めた上で、既に登録された品種につきましても、新たな審査基準に基づいて特性評価を見直すことを考えております。
    ここからは、新設する個々の区分についてご説明いたします。
    7ページになります。アンペロプシス グランドゥロサ。本種はブドウ科ノブドウ属の落葉性の蔓性木本植物ですけれども、我が国では全国に分布し、藪などに多く見られます。本種が属するノブドウ属には、分類学上の変種や品種が存在しておりまして、本種につきましては変種と品種が5つあるので、葉の光沢や切れ込みなどに変異が大きい特徴がございます。
    本種につきましては、UPOVテストガイドラインが策定されていないことから、新規の「重要な形質」を作成するものでございますが、花に関する形質につきましては、小さく目立たない器官であるということ、栽培調査においても形態的な変異が見られなかったこと、また果実の形質につきましては、色が緑、白、赤紫、青、瑠璃色とカラフルなため、観賞の対象とはなっておりますけれども、果実の大きさとか果実の色自体が、寄生虫による影響等から安定しないということでございまして、これらの形質については採用しておりません。
    委員から、形質の記載方法、調査時期についてご照会がございまして、これらにつきましては対応しておりますが、葉の裏面の主脈上の毛の粗密につきましては、標準品種の設定を追加してはどうかというご意見でございましたけれども、今回の栽培調査に供した品種間では明確な差異がなかったということから、今後審査基準を利用する中で検討させていただきたいと思っております。
    次に8ページ、ディスキディア ルスキフォリアです。ディスキディア属は熱帯オセアニアなどに分布する蔓性の草本になります。数種が園芸的に栽培されておりまして、種による形態的な変異が多様であるため、対象とする範囲につきましてはルスキフォリア種のみとした上で、本種と形態的に類似する近縁種につきましては、本基準が適用可能か検討した上で用いると付記しております。
    本種はUPOVテストガイドラインが策定していないことから、新規の「重要な形質」を作成するものでございます。本種は、専ら観葉植物として利用されておりますので、花、それから子実に関する形質につきましては採用しておりません。
    委員から、葉の葉身の表面のワックスの違いにより光沢が異なるものがあるようだが、 そういう形質は必要ないかというご意見をいただきましたが、本種と同属別種を含む栽培調査の結果、顕著な変異が認められなかったことから、今回は採用を控えております。今後審査基準を利用する中で、ご意見のあった意見の違いが確認されれば、追加を検討したいと考えております。
    それから、9ページ、フィクス ナタレンシスです。本種は熱帯アフリカ原産の常緑低木で、樹高が3m程度、自生地では10m以上にもなるとされておりまして、葉の形が逆三角形であることから「ハートの木」と呼ばれており、不織布の一種である樹皮でできた布の原材料としても知られております。観葉植物としては樹高50cm程度のものが流通しており、対象とする範囲は葉の形が特異的であることから、本種のみとしております。本種は、UPOVテストガイドラインが策定されていないことから、新規に「重要な形質」を作成するものです。
    園芸的には専ら観葉植物として利用されておりまして、花に関する形質は採用しておりません。
    委員から、斑の模様に関する説明図がわかりにくいというご指摘がございましたので、特性評価が容易となるよう地色を基本として一般化し、見直して修正いたしております。
    次が10ページです。オオイタビ。本種はイチジク属に属し、日本からインドまで広く分布する常緑性の低木で、日本では房総半島の以西から四国、九州、琉球諸島に及ぶまで自生しているので、観葉植物として斑入りの鉢物や壁面緑化に利用されております。本種は、UPOVテストガイドラインが策定されていないことから、新規に「重要な形質」を作成するもので、花はイチジクと同じく花が外見上見えないこともございまして、花に関する形質は採用しておりません。
    委員から、測定形質につきまして基準(定義)があるほうがよいのではとのご指摘をいただきましたが、共通の調査方法につきましては、審査基準様式の前のほうに書くという記載のルールがございます。その旨、ご説明してご理解をいただいております。
    次が11ページ、オリーブです。本種は、高さ10m以上となる常緑高木で、原産は北アフリカなどと考えられていますが、詳細は不明です。有用植物として、早くからヨーロッパでも栽培されており、果実はご承知のとおりオリーブオイルの原料とされるほか、ピクルスとして、また観賞樹としても利用されております。我が国において初めて出願があったもので、「重要な形質」の策定に当たっては、既にあるUPOVのテストガイドラインに準拠しつつ作成しておりますが、欧州品種庁、CPVOでもUPOVのガイドラインから 不採用になっている2形質がございます。これにつきましては日本でも特性評価が難しいため採用しておりません。テストガイドラインにはほぼ準拠した形ですけれども、この2形質については不採用ということで、こういう事案ですので、折を見てUPOVのほうにも状況を報告することとしたいと考えております。
    委員から、主に審査基準の記載につきまして多数ご指摘をいただきました。英文と和文の整合、形質の説明の充実、形質名の確認、写真の差し替え等はご指摘のとおり修正を行っております。
    次、12ページ、メノマンネングサです。このメノマンネングサ種は本州、四国、九州に自生する多年草で、対象とする範囲に加えました同属のアルブム種、こちらはヨーロッパ南部、北アメリカ、西アジア等に分布する多年草です。
    我が国では、両種とも観賞用として庭や石垣の被覆植物、または多肉植物として利用されております。
    両種はUPOVテストガイドラインが策定されていないことから、新規に「重要な形質」を作成するものでございます。
    花に関する形質につきましては、調査した全ての品種で確認ができなかったことから、形質としては採用しておりません。
    委員から、形質でいうと6番ですか、「側枝の位置」がわかる図があったほうがよいというご指摘がございましたので、特性表の説明に図を追加しております。
    それから、13ページ、ハナセンナです。こちらは、センナ属マメ科に属するものですけれども、センナ属は500種以上の種がある大きな植物群でして、本基準が対象とする範囲はハナセンナ種、それから、現在、分類が変わったコバノセンナ種ではなく、コバノセンナ変種です。変種になっておりますが、この2種は、ともに南アメリカ原産で、両種とも高さ1~3mになる落葉性の低木でございます。
    観賞用として利用され、暖地では庭植えや道路の緑地帯、公園木に利用されております。 両種は容易に交雑することから、これら、両種の交雑種も対象とする範囲に含めております。
    本種はUPOVのテストガイドラインが作成されていないことから、新規で「重要な形質」を作成するもので、我が国では結実は稀だということ、栽培調査でも確認できなかったことから、莢及び種子等に関する形質は採用しておりません。
    委員から、形質に花糸─花の糸と書く花糸と雌ずいの使い方についてご照会がござ いましたけれども、見分けるために意図的に使い分けているという旨ご説明し、ご理解をいただいているところです。
    次はウロクロア属です。旧分類名はブラキアリア属ですけれども、本属は一般に高さ1.5m以上にもなる大型のイネ科の多年草または一年草で、我が国ではなじみの薄い植物群ですけれども、熱帯地域の牧草として、主に中南米において最も広い面積規模で栽培されております。
    近年、我が国においても沖縄等で放牧用の草種として導入、栽培調査が行われているところです。農業上、利用されている種は、本属の中でも数種に限られており、これらは全てアフリカ原産とされています。「重要な形質」の策定に当たっては、既にUPOVで作成済みのテストガイドラインがございますので、これに準拠しております。
    委員から、対象範囲となる種への和名の付記、それから用語の使い方の明確化等、多数ご指導いただきました。これらについて修正するとともに、該当する審査基準へのご意見、ご指摘も踏まえまして、今後UPOVテストガイドライン自体の改善にもつなげてまいりたいと考えております。
    ここからは、新たな区分、「その他観賞樹」になります。これは「重要な形質」を定めた上で、審査基準は作成しないというスタイルのものです。最初にご説明したとおり、今までのそれぞれの種の特徴を捉えた「重要な形質」とはなっていません。植物の器官別に、大きさだったり、形状だったり、色彩だったりというものを組み合わせた形質と、それから生理生態的な特性の一般化した表記になっております。これを特性調査、審査をする場合に、どのような形になるのかというイメージとして、次の16ページに、その記述例というのを挙げております。
    例えば、植物の大きさを品種の特性として表記する場合に、樹高、あるいは株の幅というものが測定した数値であらわせると思いますので、絶対値によって既存の対照品種との比較を行った上で登録の適否を判断するとともに、今まで基準の中にあります1~9の階級値によらず、場合によっては区別性等は、統計的な検定を行った値も含む絶対値で表現するというようなことを考えております。
    品種特性において一般的に考えられる、数値化できる「重要な形質」については平均値と標準偏差で記述することによりまして、表したいと考えております。
    また、そこにはいわゆる普通の特性表にはございませんので、植物の種類の後、栽培期間、栽培場所、それから調査年月日等、要するに、このデータがとられた条件を付記する ことによって、この後、同じ条件で栽培なりして再現性があるかどうかも確認できるように、付随した条件も記載するように考えております。
    17ページは「その他球根類」、18ページが「その他ラン類」、19ページが球根類とラン類を除いた「その他草花」ですけれども、同じ形質名としております。
    これは、結局、その他に異なる植物種類が入るということになりますので、そこから状態区分を評価する場合に、それぞれの植物種類で異なるものが抜き出せるように、網羅できる形で「重要な形質」を定めたいという考えによります。
    次の20ページですけれども、審査の運用の結果、改正する必要が出てきたものとして、クワとキリンソウがございます。
    クワにつきましては21ページでございますが、北半球の温帯から暖帯にかけて分布する落葉樹の高木、または低木でございまして、ご承知のように、葉を蚕の飼料とするほか、果樹としても利用されております。
    今回、飼料用品種に限定した形質、あるいは飼料用品種を除く形質を新たに追加するための改正でございまして、改正後は、我が国からUPOVに向けてテストガイドラインの案として提案することを考えております。
    委員からは、ご意見、ご照会を多数いただきました。枝に関する形質の調査時期、あるいは調査部位、それから、挿し木に関する形質の調査時期や条件につきまして、ご指摘のとおり修正しております。
    それから、「重要な形質」に用いられていた従前の用語の照会。クワは、古くから日本の独特の用語がございまして、それをどうして変えるのかということだと思われますが、その照会につきましては、今の基準に使用する共通した用語に変更するという旨でご説明いたしております。
    次は、22ページのキリンソウです。現行のキリンソウの審査基準は、対象とする範囲がホソバノキリンソウ種とエゾノキリンソウ種となっておりますが、形態的に極めて類似するタケシマキリンソウ種の出願があったことから、栽培調査を通して調査形質や状態区分の見直しを行うとともに、対象範囲に、結果的には、タケシマキリンソウを包含する形でまとめたものです。ホソバノキリンソウは日本からシベリアに分布する多年草で、エゾノキリンソウは日本の山地から千島、カムチャツカ、シベリアに分布しております。タケシマキリンソウにおいては、日本と韓国の離島に生息すると言われております。
    キリンソウのこれらの種は非常に強健で、さまざまな生育環境に適応することから、法 面緑化などに利用されております。
    タケシマキリンソウを含むキリンソウは、UPOVテストガイドラインが策定されていないことから、現行のキリンソウの審査基準をもとに、主に冬期の生育量に関する形質を加えた形で取りまとめております。
    委員から、冬期以外の形質の調査時期等の明記についてご照会がありましたが、調査方法の欄に共通して記載している旨ご説明し、ご理解をいただいております。
    「重要な形質」の指定に関する説明は以上でございますが、諮問事項につきまして本年10月29日から11月27日の間に国民一般から広くパブリックコメントを募集いたしまして、2件の意見提出がございました。
    このうち、告示改正の内容についてではないと思われますが、改正に反対するというご意見が1件ありましたことをご報告いたします。
    私のほうからは、以上でございます。
  • 茶園分科会長
    どうもありがとうございました。
    ただ今の事務局の説明を踏まえまして、諮問事項についてご審議をお願いしたいと思います。
    今回は飼料作物、果樹、草花類及び観賞樹について諮問案を示されておりますので、最初にこれらをご専門とする委員からコメントをいただきたいと思います。
    それでは、まず飼料作物につきまして明石専門委員からコメントをお願いいたします。
  • 明石専門委員
    今ご説明のあった旧属名ブラキアリアというんですけれども、ウロクロア属なんですけれども、ここに書いている改定案で特に問題はありません。そういうコメントでよかったですか。
  • 茶園分科会長
    はい、それでいいです。
  • 明石専門委員
    そういうコメントでよかったですね。
    特にないんですけれども、この属は非常に倍数性が高く、先ほどの区分のところの中に倍数性があったので、倍数性も入れてはどうかなとは思っていたんですけれども、種子生産を主にするのであれば、二倍体と四倍体の2種類しかありませんので、指定形質の中で説明させていただきたいなと思っておりますので、現在の改定案はこれで問題ないと思います。
  • 茶園分科会長
    どうもありがとうございました。
    では続きまして、果樹につきまして中村委員からコメントをお願いいたします。
  • 中村委員 今回新規でオリーブと、運用結果等を踏まえて改正するものとしてクワの2つについて事前に検討させていただきました。いろいろ細かいご質問を差し上げて、大体反映されていて、私としてはこれで結構だと思っております。
    クワについては、もともと飼料用のところが多かったのが、すごく大きく変更されているとのことで、これも時代の情勢に合わせてということなのかなと思った次第です。
    以上です。
  • 茶園分科会長
    どうもありがとうございました。
    では、草花類及び観賞樹につきまして栁下委員からコメントをお願いいたします。
  • 栁下委員 私も事前に資料をお送りいただいた資料を見せていただきまして、細かくいくつかの疑問点を差し上げ、全てのことに対して丁寧なご説明とご対応をいただいておりますので、特に問題はございません。
    1つお願いというか、感想なんですけれども、これをつくるときに、特性表のところで重要形質の定義という箇所で言葉が書いてありますけれども、この定義は正確性を期すあまり、かなり難しい表現がある印象を受けました。できれば、その後の説明資料のところに、図や写真を載せていただいて、それが分かりやすい形で作成いただければ大変ありがたいなと思います。以上です。
  • 茶園分科会長
    では、続きまして西川委員からコメントをお願いいたします。
  • 西川専門委員
    私も今日ご紹介いただいたものを育てています。例えばオオイタビの斑の入り方が高温期とかで違ったりするから、斑の入り方の模様を、いただいた資料を元に、事前に勉強してきたんですけれども、そこら辺もちょっと気になるなと。どうやってそれを定義したらいいのか分かりませんけれども、環境の変化による生育の違いはどうするのだろうとちょっと思っていたんです。
    自分はサルビアをたくさんやっているので、環境の変化で全然特性が変わって、まあ、全く変わるわけではないですけれども、そういう対処が自分では今回分からないなと思って聞いていたんです。
    それで、ちょっと育てている中ではオオイタビが気になりました。あと新しい品種も出ているみたいだし、追いつくのがものすごく大変なので、先ほど先生方がおっしゃっていたように、つくっていた方の資料をもらわないと、とても申請が間に合わないなというのは感じました。参考になるかどうかわかりませんが、感じたのは以上です。
  • 茶園分科会長
    ありがとうございました。
  • 前田総括審査官
    西川委員、ありがとうございます。
    審査基準(案)の形質の15番の斑の入り方について、資料4の9ページに形質15番の図がございますが、環境によってこれが両方ひっくり返ることはないということでよろしいんですよね。
  • 西川専門委員
    これはネットでちょっと見てみたんですけれども、高温になるとクロロフィルの合成が復活するから、それで、まあ、はっきり言えば、ちょっともえぎ色みたいにもなるんですけれども、それが夏限定で形成されるとか、ちょっと暑さで発色が違うようなところが、そういうことを書いている方がいたんで、それは私も試してはいないので。だから、環境によって斑の入り方が違うのかなと思っただけなんですけれども、そこまで対処したら大変だなと思って。今日、伺う前に、調べてきただけです。
  • 藤田室長
    どうもありがとうございます。例えば高温下でどうなるかというときに、今の段階で、もしかしたら十分な知見がない場合もあろうかと思います。それについては、今後この審査基準を運用する中で、また、より知見が高まれば、次なる改定のときに、またそれを反映するとか、そういったことで対処させていただきたいと思います。
  • 茶園分科会長
    どうもありがとうございました。
    それでは、他の委員の方々、何かございましたらご自由にお願いいたします。何かご意見等ございますでしょうか。
    では、長岡委員。
  • 長岡委員
    事前に何も意見を出していないんですけれども、今年度からこの委員になったもので、正直何をしていいのかよく分かりませんでした。
    それで、今日朝、からずっと見ているんですけれども、いくつか気になったことがあります。
    まずは、メノマンネングサ、ハナセンナ、あとウロクロアもそうですけれども、花の構造がかなり特殊な構造をしているんです。センナの場合は長い雄しべが3本ですか、あと短い雄しべが3~4本たしかあったと思うんですけれども。
    それで、植物の種類によって特殊な部分は、ちゃんとイラストを入れて専門用語、用語の説明というんですか、特に花の構造などに関してはイラストを入れた方がいいのかなと思いました。
    マンネングサの仲間も、花が咲くときは茎が抽苔して、その先で、花序の段階でいくつかに枝分かれしているんです。だから、そういう構造の違いをしっかり示す必要がありま す。あと生態の変化も併せて示す必要があるのかなと思いました。
    それと、4番のオオイタビですけれども、オオイタビの場合は、我々が観葉植物として使っているのはオオイタビの幼葉タイプというんですか、子供のときの葉っぱと花が咲くようになったときの葉っぱというのは葉の形が全く違うのです。大きさも違うし、形も違っていて。観賞に使っているのは幼葉タイプと呼んでいますが、juvenile leaf typeのものを我々は観賞に使っていると。多分我々が観賞に使っているのは成葉タイプが出にくい種類なのかなと。まあ、自分はそう思っていますし、あとこの蔓植物の場合は横にはう限り成葉が出ないという特性を持っているものが多いんです。壁面に張りつければ、我々が使っているプミラも成葉が多分出てくると思うのですが、西川さんどう思いますか。
  • 西川専門委員
    そうですね。環境によって変わってくるので、これは一概にルールを決めるのがとても難しいなと。あと先生のおっしゃったように、私もノブドウも育てているんですけれども、3年の枝とか、また違ってくるしなって。そこら辺が、幼いときの形と年をとる、3年後の枝、違ってくるかなみたいな。
  • 長岡委員
    違いますよね。
  • 西川専門委員 ええ、そこら辺はどうしたらいいのかなと思っていたんですけれども。
  • 長岡委員
    ここで審査表に書いてある、特性表に書いてある特性は、もう幼葉タイプのものでしかないんです。それが成葉が出るようになったらどう変化するとか、そういう判断は多分この場ではしていないので、少なくとも幼葉タイプで審査するとか、そういう制限、限定はされたほうがいいんじゃないかなと思いました。
    そのくらいです。以上です。
  • 前田総括審査官
    貴重なご意見、ありがとうございます。
    基準の中に、例えば最初のノブドウのアンペロプシス グランドゥロサの最初のページをめくっていただくと、資料1でございますけれども、1ページです。提出種苗のところに、「挿し木発根苗(挿し木後2年経過した苗)」というふうに規定しておりまして、その年に生育した葉っぱで見るという形になっています。割と変化の多いものはこういう形で生育ステージなりを特定した、限定した形で調査をすることによって区別性をとるというふうなやり方をしております。
    そういうことで、ほかで不足がございましたら、また改めて、これを使いながら修正していきたいと考えておりますので、よろしくお願いします。
  • 茶園分科会長
    種苗法は種苗をやっておられる方のために存在しているわけですけれど も、法的に権利を発生させるとか、発生した権利が侵害されたかどうかを判断し、侵害の場合に侵害者に責任を負わせるといったことをしなければなりませんので、現実に種苗をやっておられる方の考え方、感じ方とは少々ずれたというのでしょうか、少々違う点が生じることがあり、それはある程度はやむを得ないと思います。しかしながら、あまりにも違いが大き過ぎるとか、現実にやっておられることが法律に全然反映されていない、考慮されていないということであれば、それは適切ではありませんので、そのような場合にはいろいろと改める必要があると思っております。
    ほかに何かございますでしょうか。
    では、山田委員。
  • 山田専門委員
    ちょっと本題から外れる感じのところかもしれないんですけれども、私は普段キノコをやっていて、植物ではないのでちょっと場違いなのかもしれないんですが。
  • 茶園分科会長
    いえ、キノコも、ちゃんとここでフォローされています。
  • 山田専門委員
    今日の資料から見ると、ちょっとあれなんですけれども、学名とか名前のところで、例えば最初のアンペロプシス グランドゥロサ種とあります。私の理解だと、種小名以下のvarietasは変種の名前になるので、varietasが違っても種は同種というのが、分類学の定義だと一緒だと思います。だから、それでいくとアンペロプシス グランドゥロサ種は、イコール、ノブドウで同じ、同種だというのが多分分類学の法律によるとそういうことになるのかなと思っていたんですけれども、これは特に、多分別のvarietasに対してつけているものだと思うので、何かこの辺の名前の使い方というのですか、和名なのか、イタリックの片仮名になるのか、何かその辺少しお聞かせをいただければ。
  • 藤田室長
    学名については、どんどん変わるという部分がございます。ただ、今、山田専門委員がおっしゃられたような話は、変種も含むか含まないかというのは、実際には、その植物を1つの審査基準で審査できるかどうかというところで、ある程度できるものは含む場合もございますし、変種でも分けないとできない場合には変種を分けて審査基準を定めるという形に、そこら辺は省令で区分を分けてございます。そこもまた永遠に変わらないものではございませんで、また知見が変わりますと、そこが新たに加わることもございます。今現在の知見ではここは独立したものとして審査基準を定めるのが適切であるという我々の判断で、今はこのように区分してございます。
  • 山田専門委員
    そうすると、あまり真面目に原則論で分類学というよりは、ここは運用で実際に人間社会で使っているものを識別できる場合には、ケース・バイ・ケースで使い分けていくという面があるということですか。
  • 藤田室長
    そうですね。育種の場合、特に変種とか、あと掛け合わせ、交雑みたいなものになりますと、非常に全部ばらけてしまいますと、また植物としても違うことになりますと権利がまた及ばないことにもなりますので、そのあたりはバランスをとりながら純粋に学術的なものとは若干乖離する場合がございます。
    我々、特にそこを外したいというわけではないんですけれども、実態の育種とか流通の状況を勘案して、あと審査基準、同一で見て大丈夫かというところを勘案してやってございます。学名が変わることは我々としてもどうしたらいいのかというのは結構難しく、分類学の問題としては難しいところもございますけれども、我々としては現実の流通なども見ながら、適宜必要に応じて区分を見直していくという扱いをしてきてございます。
  • 山田専門委員
    わかりました。ありがとうございました。
  • 茶園分科会長
    ほかに何かございますでしょうか。
    どうもありがとうございました。
    それでは、皆様からのご意見を踏まえまして、農林水産大臣に当審議会の意見を答申したいと思っております。
    「重要な形質」の改正案につきましては、改めて委員のご意見を確認させていただきますけれども、誤字・脱字等がございました場合の修正につきましては、告示を改正する際に反映するということで、事務局にご一任していただきたいと思っておりますが、よろしいでしょうか。

(異議なし)

  • 茶園分科会長
    ありがとうございます。
    それでは、諮問に対する答申案を事務局より配付させていただきます。

(答申案配付)

  • 茶園分科会長
    よろしいでしょうか。では、読み上げさせていただきます。
    令和元年10月28日付け元食産第2778号をもって諮問のあった標記の件については、審議の結果、別紙のとおりの内容で指定するのが適当である。
    皆様、これでよろしいでしょうか。

(異議なし)

  • 茶園分科会長
    ありがとうございます。では、ご異議がないようですので、そのように進めさせていただきます。では、どうもありがとうございました。
    では、続きまして報告事項の「登録品種の自家増殖に育成者権の効力が及ぶ植物について」につきまして、事務局より説明をお願いいたします。
  • 藤田室長 資料6をお配りしてございます。登録品種の自家増殖に育成者権が及ぶ植物についてをご覧いただきますようお願いいたします。
    1ページでございます。
    登録品種の自家増殖については、原則として育成者権を及ぼすことが新品種の育成に当たっては非常に重要ということでございまして、これまで育成者権が及ぶ登録品種を順次拡大してきているところでございます。
    育成者権を及ぼす植物の選定については、平成27年に改正されました自家増殖に関する検討会において作成されました登録品種の自家増殖に育成者権を及ぼす植物の基準というものに沿って実施してきているところでございますけれども、今年度は基準のBの類型、具体的には、現在有効な登録品種がない植物に該当する植物を選定してございます。
    選定した結果でございますけれども、ここにございます9つになります。野菜については1種類、ミツバ属でございます。また、草花類については4種類、エウリオプス属、キンバラリア属、ヒゴタイ属、マツヨイグサ属でございます。また、観賞樹については4種類、ケアノツス属、ノボタン属、パロッティア属、レケナウルティア(ハツコイソウ)属の4種類でございまして、以上9種類となってございます。
    それから、これにつきましてはパブリックコメントをしてございます。その中では4件の意見の提出がございました。
    その中で、改正に反対するというご意見が1件ありましたほか、種苗法改正に関するご意見もありましたということを申し述べております。
    私からは、以上でございます。
  • 茶園分科会長
    ありがとうございました。
    ただ今の説明につきまして、ご意見、ご質問等がございましたらお願いいたします。
    よろしいでしょうか。
    では、これで議事は全て終了し、これにて審議は終了とさせていただきます。
    では、事務局に司会をお返しいたします。
  • 藤田室長
    本日はご熱心なご討議をありがとうございました。いただいたご意見を踏まえまして、今後告示改正の作業を進めてまいりたいと存じます。
    また、審査基準の運用に当たってもいろいろなご意見をいただいてございますので、そ れらも含めて、今後とも種苗行政の円滑な推進に向けて努めていきたいと思ってございます。今後とも、委員の皆様におかれましては、ご協力のほどよろしくお願いします。
    では、本日はどうもありがとうございました。

午後 3時48分閉会

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