漁獲量(ぎょかくりょう)が減少している理由を教えてください。
こたえ
日本の漁業・養殖業(ようしょくぎょう)の生産量は、
1984年をピークに、1988年から1995年ごろにかけて急速に減少し、
その後はゆるやかな減少傾向が続いています。
1995年にかけて急速に減少した理由は、
- 各国の排他的経済水域(はいたてきけいざいすいいき)の設定による海外の漁場からの撤退(てったい)、
- 漁場環境が悪くなったこと、などです。
近年、サケ、サンマ、スルメイカの不漁が続いています。
2021年には、サケは約5.4万トン、サンマは約1.8万トン、スルメイカは約2.5万トンと、
いずれも漁獲量は過去最低レベルとなりました。
特にサケは、北海道では前年を上回る漁獲でしたが、
本州の太平洋側では、過去最低の漁獲だった前年の約3割というとても低い漁獲となり、
地域間の差が大きくなりました。
サケは、稚魚(ちぎょ)が回遊(かいゆう)する時期の海洋環境が悪いこと、
サンマは、親潮が弱くなり、回遊経路などがえさ環境の悪い場所に移ったこと、
スルメイカは、産卵場となる東シナ海の水温が産卵や生育に適さなかったことが
主な要因と考えられます。
また、サンマとスルメイカは、外国の漁船による漁獲が影響(えいきょう)した
可能性も指摘されています。
不漁の要因を解明するためには、複数年にわたる様々なデータに基づき、
資源状況や海洋環境の変化を科学的に分析する必要があります。
このため、それらのデータを継続的に集める体制を整えることがとても大切です。
参考資料
水産庁ホームページ「図で見る日本の水産令和5年」
https://www.jfa.maff.go.jp/j/koho/pr/pamph/
水産庁ホームページ
「令和3年度水産白書(第1部第2章(1)漁業・養殖業の国内生産の動向)」
https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/r03_h/trend/1/t1_2_1.html
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