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農林水産省

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しょうがは身体を温める効果があるそうですが、どのような成分が働いているのですか。

回答

しょうがは熱帯アジア原産であるが、現在は世界中で栽培されています。
しょうがの地下茎は多肉で強い芳香と辛味があり、食用、薬用、香辛料として広く用いられています。
しょうがの辛味成分には、殺菌効果と消臭効果があります。しょうがの甘い芳香と辛味、独特のさわやかさは肉や魚の下味やレバー料理に用いられ、生ぐさみを消して、肉を柔らかくする働きがあります。またカレー粉の原料に用いられます。

しょうがは品種が多く、成分にもかなり違いがあります。
しょうがの根茎可食部100g当たりの水分は91.4g、タンパク質は0.9g、脂質は0.3g、カリウム270mg、カルシウム12mg、マグネシウム25mg、リン25mg、鉄0.5mg、亜鉛0.1mg、銅0.06mgが含まれます。β‐カロテンは5㎍です。ビタミンB1は0.03mg、B2は0.02mg、Cは2mgです。総食物繊維は2.1gで、そのうち水溶性0.2g、不溶性1.9gです。(『五訂増補食品成分表』)
しょうがの辛味成分は「ジンゲロン」と「ショウガオール」です。
香り成分は「シネオール」、「シトロネラール」、「ジンギベロール」、「ジンギベレン」などの精油成分、抗菌性は「ジンゲロン」であるといわれています。

しょうがの辛味と香り成分は、防腐剤、強壮剤、利尿剤の効果があり、熱を冷まし、食欲を促し、消化を高め、風邪、咳、車酔い、リウマチの痛みにも効くと考えられており、漢方では、しょうがを健胃、嘔吐、咳、むかつきなどの症状に用いているようです。

効果の有効性を確認した臨床試験の論文情報では、つわり、抗レトロウイルス誘発性や術後の吐き気、嘔吐の軽減、月経困難症、めまい、変形性関節症に対して有効性が示唆されているものの、乗り物酔いに関しては効果が無いことが示唆されています。

【しょうがの種類】
しょうがは「根」ではなく、肥大化した地下茎の部分を食用としています。代表的な種類は下記のとおりです。

「根しょうが」:一般的に流通しているしょうがのことで、「老成(ひね)しょうが」ともいいます。ふっくらと丸みがあり、皮は薄茶色をしています。秋に収穫 後、2ヶ月以上貯蔵したものが随時、出荷されるため、通年出回っています。香りと辛みが強く、主に薬味として用いられます。

「新しょうが」:初夏に収穫される若い根しょうがのことで、貯蔵せずに、繊維が柔らかくみずみずしい状態で使用します。皮は白色で、茎の付け根は赤く、さわやかな辛みが特徴です。甘酢漬けや味噌漬け、醤油漬けなどに用いられます。

「葉しょうが」:小さな根茎に茎葉がついたもので、5~9月頃が旬とされています。根茎は細くて皮は白く、茎の付け根が赤いのが特徴です。有名な「谷中(やなか)しょうが」は江戸時代に、現在の東京都台東区谷中が主産地だったことが名前の由来です。甘酢漬けや味噌をつけてそのまま食するのが一般的です。

参考資料

「地域食材大百科第2巻野菜」農文協
文部科学省ホームページ「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」(外部リンク)
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/
国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報「健康食品の素材情報データベース」(外部リンク)
https://hfnet.nibiohn.go.jp/

回答日

平成30年11月

お問合せ先

消費・安全局消費者行政・食育課「消費者の部屋」
ダイヤルイン:03-3591-6529