省力的な栽培が可能で、大果で日持ち性に優れた多収性イチゴ品種「恋みのり」
ポイント
- 連続出蕾性に優れた大果、多収性の促成栽培向け品種。
- 適度な果房当り果数を有し、果実の揃いがよく、栽培管理および収穫・調製作業の省力化が可能。
- 日持ち性に優れ、輸出にも適する。
「恋みのり」の高設栽培での着果状況、果実
(左)着果状況:2018年12月15日撮影。草勢が旺盛で、連続出蕾性、果房伸長性が優れる。(右)果実:2016年04月12日 撮影。画像補正用カラーチャートラベルは1辺1cm。
連続出蕾性に優れ、大果で収量性が高い促成栽培向け品種。
「恋みのり」の果実の大きさ、揃い、収量性
a収穫日(12月~4月)ごとの平均果重の変動係数。
栽培期間を通じて大果で果形がよく揃い、高い商品果率と収量性を示す。
「恋みのり」の促成栽培における省力効果
調査規模:高設による促成栽培、恋みのり 71.9a、主要品種A 13.0a。ともに、主要品種Aを100%とした場合の相対値。
a促成栽培での(定植準備~後片付け)における10a当たり延べ作業時間。主たる本圃管理作業は、定植、ランナー除去、マルチ張り、ビニル被覆、下葉の摘葉、摘花、摘果、玉出し作業、薬剤散布等。
bパッケージセンターにおける製品1kg当たり作業時間。収穫最盛期である2018年02月09日、2018年03月08日、各品種31~40kg調査。出荷形態は平詰めトレー、レギュラー2段詰めを主体として、主要品種では左記2仕様に加え、業務向けソフトトレー。
本圃管理作業や収穫・調製作業が軽減でき、大幅な省力栽培が可能。
香港への冷蔵コンテナ海上輸送後における果実の損傷面積割合
2017年01月26日に熊本県・福岡県産果実を各容器に平トレーに封入し、02月08日までに香港へ海上輸送したのち、02月13日~14に果実表面積に対する損傷発生面積割合をトレー上面、接触面に分けて調査した。異なる文字間に5%水準で有意差あり。対照品種Bn=45、恋みのり n=19。
着荷時において対照品種Bと比較して、果実の損傷面積割合が1/3~1/5と少なく、日持ち性に優れ、輸出にも適する。
農林水産省のコメント
大果で果実揃いがよく、収量性が高いことから、収穫、調整作業の負担軽減が期待される品種であり、九州では普及が始まっている。輸送性も高いことから、輸出拡大に貢献する品種として期待される。
【生産局園芸作物課】
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