花粉使用量を大幅に削減できる静電風圧式受粉機の開発
ポイント
- 花粉の付着率が向上する。
- 花粉の散布量が50%削減できる。
- 花粉の希釈倍率は、ナシで20倍、キウイで40倍でも十分な結実率が得られる。
- 開発した静電風圧式受粉機。
ニホンナシにおける受粉直後の花粉の付着状況
(左)静電授粉(右)慣行授粉
静電授粉は慣行授粉(風圧式受粉機)に比べ、花粉の付着量が多く違いは明瞭であった。
切り枝を使った室内試験における花粉付着量
切り枝を使った室内試験では、静電受粉は慣行受粉(風圧式受粉機)に比べ4~9倍花粉の付着量が向上した。
ニホンナシにおける散布方法の違いが花粉散布量及び花粉発芽率に及ぼす影響
慣行の風圧式受粉機と比べ、花粉散布量が約50%削減できる。
また、静電受粉と慣行受粉で、発芽率に差はない。
ニホンナシ‘幸水’の静電受粉における花粉の希釈倍率の違いが結実および摘果に及ぼす影響
花粉の希釈倍率を、慣行である10倍希釈に比べて、ニホンナシでは20倍希釈の薄い濃度で散布しても十分な結実率が得られる。
キウイフルーツの静電受粉における希釈倍率の違いが結実と果実品質に及ぼす影響
花粉の希釈倍率を、慣行である10倍希釈に比べて、キウイでは40倍希釈の薄い濃度で散布しても十分な結実率が得られる。
開発した静電風圧式受粉機(左)と受粉の様子(右)
現地試験での生産者の声
農林水産省のコメント
果樹栽培の安定のためには、花粉の海外依存度を下げることが重要であり、本成果の普及が期待される。なお、花粉の安定供給技術と組み合わせることで、より効果的な普及促進とすることが重要である。
【生産局園芸作物課】
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本研究成果は【生物系特定産業技術研究支援センター「イノベーション創出強化研究推進事業」】(「国産果実安定生産のための花粉自給率向上に繋がる省力・低コスト花粉採取技術の開発」及び「輸入花粉に依存しない国産花粉の安定供給システムの開発」 )の支援を受けて得られたものである。
問い合わせ先静岡県農林技術研究所 農業ロボット経営戦略科 |
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