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農林水産省

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トマト黄化葉巻ウイルス(TYLCV)の簡易検出キットの開発と迅速診断

ポイント

  • トマト黄化葉巻ウイルス(TYLCV)簡易検出キットを企業と共同開発。
  • 検出用キット1つでトマト黄化葉巻病を迅速診断。
  • キットの使い方、結果の判定はとても簡単。
  • キットはさまざまなトマト品種で使用可能。
  • キットによる現地診断ですぐに防除対策へ。

トマト黄化葉巻病とタバココナジラミ

葉巻病とコナジラミ

左:トマト黄化葉巻病(感受性品種)、中央:トマト黄化葉巻病(耐病性品種)、右:タバココナジラミ(成虫)

黄化葉巻病の病原体であるTYLCVは体長0.8 mm程度のタバココナジラミによって伝搬され、急速に圃場内に広がる。感染拡大防止のためには、感染株を早期に発見して抜き取るとともにタバココナジラミの防除が必要。早期診断のためのTYLCV検出キットを企業と共同開発した。

開発したキットの内容

キット

キットには試験紙本体の他に、摩砕袋とスポイトが添付されており、このセット一つで迅速診断が可能。5回分ずつ包装され、10回分(2包装)で販売されており、使い勝手が良い。


キットの作業手順と判定

作業手順

キットの作業手順は簡単で、誰でもどこでも行うことができる。まず、TYLCV感染の疑いのあるトマトの葉柄0.2gをキットに付属している摩砕袋に入れ(1)、ペン先などで摩砕する(2、3)。その摩砕液を付属のスポイトで試験紙本体に滴下すると(4)、5~30分程度でラインが現れ、2本のラインが現れれば陽性、1本だと陰性と判断できる(5)。


現地診断サンプルを用いたキットの有効性の検討

有効性の検証

大玉、中玉、ミニトマト全てで使用でき、TYLCVの2つの系統(IL、Mld)の両方を区別なく検出できる。さらに黄化葉巻病感受性品種だけでなく耐病性品種においても検出できる。


従来の遺伝子診断法との検定時間の比較

診断法と時間の比較

従来のPCR法(検定時間:約4時間)に比べ、専用の機器を使わずに迅速診断が可能(検定時間:約5~30分)となり、発病株の抜き取りや媒介虫の防除等により本病のまん延を防止することでトマトの安定生産に寄与できる。

農林水産省のコメント

トマト黄化葉巻ウイルスは全国的に問題になっており、簡易診断技術の普及により病害のまん延を防止できることが期待される。
【生産局園芸作物課】

成果に関するお問い合わせ先

茨城県農業総合センター  園芸研究所・病虫研究室
電話番号:0299-45-8342


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