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農林水産省

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成長点局所加温とCO2施用を組み合わせた高収益ミニトマト栽培体系

ポイント

  • 暖房用の温風ダクトを持ち上げ、ミニトマト成長点に温風が当たるように配置。
  • 暖房機の送風機能と温風ダクトを活用することで、均一なCO2施用を実現。
  • 成長点局所加温による暖房費18%削減、CO2施用による収量9.4%増加を両立。
  • 農業所得の大幅な増加に寄与。

各装置・ダクトの接続(左)と施工後の写真(右)

2021_10-3.png

暖房機の親ダクトから子ダクトを分岐させ、ミニトマトの栽培畝上部に吊り下げて配置。
子ダクトは特定の間隔で穴をあける(穴の開け方は下記マニュアルを参照してください)。
CO2発生機の排気を暖房機の吸気口へ誘導(CO2ダクト)し、暖房機の送風機能を利用して子ダクトから植物へCO2を供給する。

燃料消費量の比較

燃料消費

慣行:温風ダクト床置き(暖房設定温度12℃)
新技術:成長点局所加温(暖房設定温度12℃)
比較したハウスの形状が異なるため、同一容積(概ね10a規模)で比較

温風をミニトマト成長点付近に直接当てることで、加温が必要な成長点付近の温度は慣行と同一に保たれる。
一方で加温が必要でない下部の温度は慣行より低温となり、その分の燃料消費が減少する。
和歌山県日高川町で行った実証試験では、約18%の燃料消費削減効果が得られた。


換気条件下でのCO2施用時のCO2濃度分布

CO2濃度分布

上:温風ダクト利用
下:CO2発生機単独

CO2発生機単独では換気窓付近のCO2濃度が非常に高く、排気の多くが屋外に放出されている。
ダクトを通じたCO2施用を行うことで屋外へのCO2放出が抑えられ、ハウス内部の濃度ムラも軽減される。


ミニトマト収量(出荷量)の比較

収量の比較

慣行:CO2施用なし、慣行加温
新技術:CO2施用あり(ダクト利用)、成長点局所加温

ダクトを用いたCO2施用と成長点局所加温を組み合わせることによって、ミニトマトの収量(出荷量)は慣行より9.4%増加する(和歌山県日高川町における実証試験結果)。

農林水産省のコメント

ミニトマトを加温することで高収益化を狙う促成栽培体系において、CO2施用と組み合わせて高収益化、省エネ化を同時に可能とする技術、栽培体系であり、普及が期待される。
【生産局園芸作物課】

本研究成果は「革新的技術開発・緊急展開事業(うち経営体評価プロジェクト)」(課題名:低コスト化・強靭化を実現する建設足場資材を利用した園芸用ハウスの開発)の支援を受けて得られたものである。

成果に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構
西日本農業研究センター   施設園芸グループ
電話番号:0877-63-8125


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お問合せ先

大臣官房政策課技術政策室

担当者:推進班
代表:03-3502-8111(内線3127)
ダイヤルイン:03-6744-0408