このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

萌芽が極めて優れ株出し栽培で多収なさとうきび新品種「はるのおうぎ」

ポイント

  • 株出し萌芽性に極めて優れ、茎数が多い。
  • 新植、株出し栽培で多収である。
  • 耐倒伏性が「強」で倒伏しにくい。
  • 留意点として、黒穂病抵抗性が「弱」である。

株出し1回目栽培現地試験における「はるのおうぎ」の萌芽

萌芽

写真は2019年4月19日に撮影した。写真の左側は「NiF8」、右側は「はるのおうぎ」の株出し1年目の状況。鹿児島県熊毛郡南種子町の生産者圃場における春植え収穫後の萌芽状況を示す。収穫は2019年3月中旬にケーンハーベスタにて実施し、収穫後はマルチを敷設せずに株出し栽培した。

「はるのおうぎ」の萌芽は極めて優れている。


「はるのおうぎ」と「NiF8」の手刈り収穫後の萌芽数

萌芽数

図中の *** は、各試験で品種間の萌芽数について分散分析した結果、0.1%水準で有意差が認められたことを示す。 農研機構九沖農研種子島研究拠点(鹿児島県西之表市)における成績

「はるのおうぎ」の萌芽数は極めて多い。


「はるのおうぎ」の作型別原料茎重

作型別原料茎重

農研機構九沖農研種子島研究拠点(鹿児島県西之表市)における成績

「はるのおうぎ」は春植え、株出し1回目、株出し2回目栽培で原料茎重が多い。


「はるのおうぎ」と「NiF8」の作型別糖収量

作型別糖収量

農研機構九沖農研種子島研究拠点(鹿児島県西之表市)における成績

「はるのおうぎ」は春植え、株出し1回目、株出し2回目栽培で糖収量が多い。


熊毛地域奨励品種決定調査における糖収量

糖収量

鹿児島県農業開発総合センター熊毛支場(鹿児島県西之表市)と種子島糖業振興会(鹿児島県熊毛郡中種子町)による成績

熊毛地域において糖収量が多い。


「はるのおうぎ」の病害抵抗性、耐倒伏性

病害抵抗性、耐倒伏性

黒穂病抵抗性は「弱」であり、植付け時の苗消毒、発生時の株の抜き取りなど防除に努める。耐倒伏性は「強」であり、倒れにくい。


「はるのおうぎ」の草姿

草姿

熊毛地域で1150ha、奄美地域で400haの普及面積を予定している。

農林水産省のコメント

高齢化や労働力不足により、機械収穫や省力的な株出栽培の急速な進展など栽培環境が大きく変化するなか、本品種は生産課題の解決に資するものとして、産地のニーズに合致した研究成果。 また、さとうきびは台風常襲地域で栽培されているため、耐倒伏性も強い本品種は、自然災害への対応の面からも普及を期待。
【政策統括官付地域作物課】

-----
本研究成果は「イノベーション創出強化研究推進事業」(課題名:生産環境の変化に対応した生産性の高いサトウキビ品種の育成)の支援を受けて得られたものである。

成果に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構
九州沖縄農業研究センターカンショ・サトウキビ育種グループ
電話番号:0997-25-0100(代表)


他の農業技術を探す


農業最新技術・品種2021

お問合せ先

大臣官房政策課技術政策室

担当者:推進班
代表:03-3502-8111(内線3127)
ダイヤルイン:03-6744-0408