マイクロ波抽出と簡易測定キットによる土壌養分の簡易評価手法

ポイント

土壌養分（窒素・リン酸・カリ）含量レベルを簡易に判定できる。
簡易評価に要する時間は、30検体で2時間程度。
これまで使用していた硫酸などの危険な試薬は不要。

簡易評価の流れ

簡易測定キット（パックテスト）による評価結果と減肥基準（例）

左図：抽出液のリン酸濃度が1mg/L以上であれば可給態リン酸が50mg/100g以上、2mg/L以上であれば可給態リン酸が100mg/100g以上あると判断できる。
右図：水田土壌では、可給態リン酸が過大評価される場合があることを考慮し、抽出液のリン酸濃度が1mg/L以上であれば可給態リン酸が30mg/100g以上あると判断する。

簡易測定キット（パックテスト）による評価結果と減肥の考え方(例）

説明1：抽出液原液で1を超える水田では、リン酸100％減肥が可能
説明2：抽出液原液で1を超える畑では、園芸品目のリン酸の補給型施肥が可能
説明3：抽出液原液で2を超える畑では、園芸品目のリン酸100％減肥が可能

農林水産省のコメント

特に、これまで分析に時間を要していた可給態窒素に関して迅速簡易、かつ低コストで実施可能な手法について具体的なデータとともにまとめられており、生産現場での普及が期待できる。
また、この簡易評価手法により、従来よりも多くの圃場の養分含量レベルを判定することが可能となり、資材費の軽減や環境負荷の軽減にも資するものと考える。【生産局農業環境対策課】
従来手法と比べ、要する時間及びコストなど評価でき、生産現場への普及が期待される。【生産局技術普及課】

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本研究成果の一部は農林水産省委託プロジェクト研究「収益力向上のための研究開発（生産コストの削減に向けた効率的かつ効果的な施肥技術の開発）」の支援を受けて得られたものである。