私たちの生活と農業・農村には、どんなつながりがあるでしょうか。
農業・農村には、私たちの生活を支えるいろいろな働き(多面的機能ともいいます)があります。田んぼや水路はいろいろな生き物のすみかになり、棚田が美しい風景をつくり、また、洪水や土砂崩れを防ぐ防災としての働きをして、みなさんの生活を支えています。
農村振興局では、少ない人数や時間でも農作業をしやすくして農業をさらに発展させるために、1つ1つの畑や田んぼの面積を大きくしたり、田んぼで野菜も作れるように整備したりしています。最近では、農業で働く人が減少し、高齢化も進んでいますので、農業用のロボットやICT(情報通信技術)を使う「スマート農業」に適した農地に再整備しています。
また、農業には水が欠かせません。特に稲作には大量の水が必要です。そのためには、水を貯める施設や遠くまで水を運ぶ水路などが必要です。大昔から長い時間をかけて整備され、農業者が中心となって守ってきました。
現在でも、農業用に水を貯めるダムや川をせき止めて水をとるための取水ぜき(頭首工とも言います)が多くの地域にあります。農業用の水路は、小さなものまで含めると約40万キロメートル以上も整備されており、これは地球と月の距離(約38.4万キロメートル)を超えています。こうした水路をこれからも使い続けられるよう大切に修理したり、つくり直したりしています。
さらに、くらしの場でもあり、豊かな自然と伝統文化を育む農村を支え、未来に引き継ぐため、地域資源を活かしたしごとや、農村に宿泊体験をして自然や文化に親しむことができるような機会をつくり出しています。
また、最近、農村では、シカやイノシシなどの野生鳥獣による農作物被害が深刻な影響をもたらし、大きな問題となっています。野生鳥獣の捕獲をすすめたり、ジビエ(お肉)として利用する取組も行っています。