金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法の施行に係る指針
平成十四年十二月二十七日号外 内閣府厚生労働省農林水産省告示第六号
改正履歴: 平成一六年七月二六日内閣府・厚生労働省・農林水産省告示第一号
金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法(平成十四年法律第百九十号)の施行に係る指針を次のように制定し、平成十五年一月一日から適用する。
(目的)
第一条 この指針は、金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法(平成十四年法律第百九十号。以下「法」という。)第五条に規定する経営基盤強化計画の認定に係る基準その他の法の施行に必要な事項を定めることにより、法の施行の円滑化を図ることを目的とする。
(定義)
第二条 この指針において使用する用語は、法において使用する用語の例による。
(収益性の高い分野への特化又は参入)
第三条 法第二条第二項第二号イに規定する収益性の高い分野への特化又は参入とは、金融機関等の従前の業務のうち相対的に収益性が高い業務分野への経営資源の配分を強化すること又は金融機関等の従前の業務に比し相対的に収益性が高い業務分野を新たに営むことをいうものとする。
(業務の合理化又は業務の提供方法の改善)
第四条 法第二条第二項第二号ロに規定する業務の合理化又は業務の提供方法の改善とは、金融機関等の従前の業務のうち相対的に収益性が低い業務分野を整理すること又は金融機関等の業務をより効率的に提供するため新規設備の導入その他の方法を採用することをいうものとする。
(業務のための必要度が低い資産又は収益性の低い資産の処分)
第五条 法第二条第二項第二号ハに規定する業務のための必要度が低い資産又は収益性の低い資産の処分とは、営業又は事業区域が重複する営業所又は事務所の施設、遊休状態にある不動産その他の業務のための必要度が低い資産又は収益性の低い資産を処分することをいうものとする。
(収益性の相当程度の向上)
第六条 法第五条第一号に規定する経営基盤強化計画の実施により、当該経営基盤強化計画を提出する金融機関等(当該経営基盤強化計画に従い新たに設立される金融機関等がある場合には、新たに設立される金融機関等を含む。)の業務の効率の向上が図られ、その収益性が相当程度向上することとは、次の各号に掲げる指標(当該金融機関等がこれらの経営指標に類する指標として適切な経営指標を提出する場合には、当該経営指標を含む。)その他これに関連する指標の推移を総合的に判断して、当該金融機関等が業務の健全性を維持しつつ、業務の効率化を図ることを通じ、経営基盤を強化することが明らかな場合であって、次項各号に掲げる基準をいずれも満たすことをいうものとする。
一 業務粗利益
二 経費
三 業務純益
四 不良債権処理損失額
五 株式等関係損益
六 当期利益
七 預貸金利鞘
八 総資金利鞘
九 自己資本比率
十 リスク管理債権比率(リスク管理債権残高を貸出金残高で除したものをいう。)
十一 預貸率(貸出金残高を預金、債券及び譲渡性預金の合計で除したものをいう。)
2 前項に規定する基準とは次に掲げるものをいう。
一 経営基盤強化計画の実施期間中に自己資本当期利益率(当期利益を資本勘定又は会員勘定若しくは組合員勘定の当期中平均残高で除したものをいう。)を百分率で表した値がおおむね二以上上昇すること(上昇した後の当該値が正である場合に限るものとする。)。
二 経営基盤強化計画の実施期間中に業務粗利益経費率(経費を業務粗利益で除したものをいう。)を百分率で表した値がおおむね五以上低下すること。
(経営基盤強化計画の円滑かつ確実な実施)
第七条 法第五条第二号に規定する経営基盤強化計画が円滑かつ確実に実施されることとは、経営基盤強化に係る目標が達成されるためには経営基盤強化の実施に必要な基礎的な条件が満たされていることが必要であることにかんがみ、経営基盤強化計画の内容が当該経営基盤強化計画を提出する金融機関等(当該経営基盤強化計画に従い新たに設立される金融機関等がある場合には、新たに設立される金融機関等を含む。)の経営資源に照らして過度に実施困難なものでなく、当該経営基盤強化計画が適切に実施される経営体制及び法令遵守体制が確立されていることをいうものとする。
(金融の円滑)
第八条 法第五条第三号に規定する経営基盤強化計画の実施により、当該経営基盤強化計画を提出する金融機関等(当該経営基盤強化計画に従い新たに設立される金融機関等がある場合には、新たに設立される金融機関等を含む。)又はその子会社等が業務を行っている地域における金融の円滑が阻害されないこととは、当該金融機関等又はその子会社等が当該地域における信用供与の方針を定めそのための実効性ある体制整備を予定していることをいうものとする。
(従業員の地位)
第九条 法第五条第五号に規定する経営基盤強化計画の実施により従業員の地位が不当に害されるものでないこととは、当該経営基盤強化に係る金融機関等において労働組合等と必要な協議を行うことなど労使間で十分に話し合いを行うこと、かつ、経営基盤強化計画の実施に際して雇用の安定等に十分な配慮を行うことをいうものとする。