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農林水産省

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平成29年度第3回グローバル・フードバリューチェーン推進官民協議会議・同協議会第3回インド部会(平成30年3月8日開催)議事概要

議事概要:(PDF : 218KB)

日時:平成30年3月8日(木曜日)14時00分-16時00分

場所:TKP赤坂駅カンファレンスセンター

 

【グローバル・フードバリューチェーン推進官民協議会】

1. 開会挨拶(農林水産省 柱本大臣官房参事官)

・本日は、まず GFVC 推進官民協議会において11 月以降の二国間対話と委託事業の報告を行う。続いてインド部会を開催し、在日インド大使館より、ラージ・クマール・スリヴァスタヴァ首席公使とバギラティ・べヘラ一等書記官にご出席いただきながら、インドのフード・ビジネスの機会や課題について議論したい。
・本年度も企業の皆様からは協議会を通じ様々な情報をいただいた。来年度以降も様々な取り組みを実施し、有益な情報を発信していきたい。


2. 議事
(1)第1回日アルゼンチン農林水産業・食料産業対話の結果報告
     (農林水産省大臣官房国際部国際地域課 植杉国際交渉官)

・昨年5月の日亜首脳会談の際に署名した覚書に基づき、日アルゼンチン外交関係樹立120 周年記念行事の一環として、本対話が開催された。両国政府関係者の他、アルゼンチンの持つポテンシャルに着目し、アルゼンチンや周辺国へ進出している日本企業20 社等が参加した。
・対話では両国の今後の農林水産業政策の展開方向や、アルゼンチンには南米第3位の約6万5千人の日系人がいることから、日系農業者等との連携や日本食の普及を含め、日亜間のビジネス関係の強化について議論した。また、投資・ビジネス環境の改善に向けた日系企業の要望を提案書として取りまとめ、アルゼンチン側に手交した。
・この他、2018 年、2019 年の議長国としてG20 での協力について確認し合った。

(2)パラグアイを起点とした南米地域グローバル・フードバリューチェーン構築に向けた産官学協力の可能性について
     ((独)国際協力機構農村開発部 伊藤課長)

・パラグアイには約 1 万人の日系人がおり、中南米でも随一の親日国である。国内市場は小さいものの、南米南部共同市場(メルコスール)に位置しており、24 時間ほどで周辺国の巨大市場にアクセスが可能である。また、若年労働者が豊富であり、周辺地域と比較して災害が少ない、電力が非常に安価という利点も有する。パラグアイ政府による投資優遇制度も充実している。
・日本企業の動きとしては、ブラジルなど周辺国からの製造拠点移転がみられる。パラグアイに拠点を移すことで、製造コストを下げることが可能である。
・パラグアイ農業総合試験場の紹介をする。同試験場は JICA の直営試験場として設置され、2010 年から日系農協及びパラグアイの生産者組合連合体(FECOPROD)、農協連合体(UNICOOP)による共同運営となっている。日系人スタッフによる日本語対応が可能であるため、日系企業がパラグアイで試験栽培を検討する場合は同試験場を利用することが可能。
・パラグアイに生産拠点を設立し、メルコスールを消費市場とする事業が可能ではないか。JICA は現地に人的ネットワークを持ち、投資環境に関する情報提供・海外展開支援が可能である。4 月にはパラグアイ大使による説明会も開催予定であるため、関心のある企業はJICA まで連絡してほしい。


(3)本年度委託事業調査結果報告について
        食関連産業の海外展開取組事例集の作成((株)大和総研 柄澤課長代理)

・日系企業が海外で展開するフードバリューチェーン構築に関する取組について情報を収集し、事例集を作成した。
・調査対象国は、日本政府が二国間対話を実施している東南アジア諸国およびインドの7 ヵ国。農業関連事業や食品製造、流通・小売などの27 事例につき企業へのヒアリングを行った。
・日本企業は、コールドチェーンや生産技術、高品質・高付加価値の製品などの強みを持つ。その上で、現地にネットワークを持つパートナーや官による協力を得られることは、事業成功のポイントとなり得る。それでも残る課題としては、外資規制やインフラ整備などが挙げられる。


(4)農林水産省からの報告(農林水産省 大臣官房 国際部 海外投資・協力グループ 佐藤参事官)
      (ア)サウジアラビア農業・食品関連調査及びセミナー

・2018 年2 月19 日に東京にてサウジアラビア・セミナーを開催した。


      (イ)日アフリカ官民経済フォーラム

・第1回日アフリカ官民経済フォーラムを 2018 年5 月3 日(木曜日)~4 日(金曜日)に南アフリカのヨハネスブルクにて開催する。日本とアフリカの民間企業の協力とアフリカにおける日本企業のビジネス活動の促進を目的に意見交換等を行う。
・主催者は経済産業省であるが、農業関連企業の参加も歓迎するとのことなので、是非参加を検討願いたい。

【インド部会】
1.開会挨拶(農林水産省 池渕大臣官房審議官)

・本日は第 3 回目のインド部会となる。また、在日インド大使館より、ラージ・クマール・スリヴァスタヴァ首席公使とバギラティ・ベヘラ一等書記官にご出席いただいている。感謝申し上げる。
・昨年 11 月にはインドのデリーで開催されたWorld Food India(WFI)には、約55 社の民間企業にも参加いただいた。あわせて第1 回目の官民合同作業部会を開催した。
・本日の会議では、アンドラ・プラデシュ(AP)州との取り組みについての説明や、インドで新しく施行されたGST についての説明等を予定している。また、インドへの投資・輸出促進に関する発表も行われる。皆様にとって有益な情報となればと考えている。


(在日インド大使館 ラージ・クマール・スリヴァスタヴァ首席公使)

・モディ首相が”ニューインディア”という構想について述べた際、スピード・スケール・センシティビティがそのために必要であると語った。そして、それは今日の日印関係にも同様のことが見られる。
・“スピード”は新幹線プロジェクト、“スケール”は、10 年前はわずか450 社程度だったインドの日系企業が、昨今は5000 社近くに増加したこと、“センシティビティ”は日印両首相が、人々と社会を中心に置きながら、様々な政策を打ち出していること。
・ヘルスケアとフードバリューチェーンは両国間の協力を拡大させる二つの分野である。そのため、本日の会合で、日印間のフードバリューチェーン分野に関連する協力のチャンスを見つけることを楽しみにしている。とりわけ、建設の許可が下りた42のメガフードパークと、すでに稼働している9 のメガフードパークを皆様に知ってもらいたい。


2.議事
(1)インドでのフードビジネスの機会と課題について

(ア)インドで進めている我が国食産業進出に関する取組
(農林水産省 大臣官房 国際部 海外投資・協力グループ 佐藤参事官)

・連邦政府との取組については、2017 年11 月に第1 回官民合同作業部会を開催した。インド側の協力要請を受けて、生産性の向上、食品加工、水産分野を中心に案件形成を目指す。
・地方政府との取組においては、アンドラ・プラデシュ(AP)州との取組が進んでいる。来年度、AP 州において、日本の技術を活用したフードバリューチェーン構築のための調査を開始し、マスタープランの作成を進めていく。
・今後の取組方針としては、日系企業の進出が見込まれる州を中心に、州政府との協力関係を構築し、投資案件を形成していく予定。また、官民連携による連邦政府や各州政府との取組を包含したフードバリューチェーン構築のためのマスタープランを作成し、2019 年秋をめどに連邦政府との合意を目指す。


(イ)インド食品加工業における投資機会
(在日インド大使館 バギラティ・ベヘラ一等書記官)

・食品加工分野はメイク・イン・インディア政策のもとに生まれた新興分野の一つである。インド政府は42 のメガフードパークと、236 の統合型コールドチェーンの建設を許可、そのうち9 のメガフードパークと100 のコールドチェーンが稼働している。インドの食品加工分野は2020 年までに4820 億ドルもの海外投資を誘致すると期待されている。
・インドは世界最大の牛乳生産量、バナナ、パパイヤ、マンゴ、グアバの世界最大産出国であり、同様にジャガイモ、グリーンピース、キャベツ、カリフラワーの生産では二位を誇っている。また、海水、内水漁業に適した地理に恵まれている。
・ 世界・国内需要共に増加しており、食品業界市場は将来的に成長の増大が見込まれる。しかしながら、コールドチェーンシステムの不十分さより、生鮮食品の廃棄率が非常に高い。よって、インドにおけるコールドチェーンの開発には大きなチャンスが存在する。
・ 食品分野への投資を促進させるために、インド政府は様々なインセンティブを導入している。
・インド政府はニューデリーで国際展示会のワールド・フード・インディア 2017 を開催、そこでは55 社もの日本企業が150 人のビジネスデリゲーションと共に参加した。
・インド食品加工省は食品加工業界に関連したインフラ開発の促進に取り組んでいる。インドでの食品加工業界へのあらゆる貿易、投資にご興味、質問のある方はインド大使館に問合せをしてほしい。


(ウ)イセ食品が目指すインド事業の概要(イセ食品(株)川上取締役秘書室長)

・イセ食品は 2 年前からインド進出を検討していたが、昨年11 月のWorld Food Indiaにおいて、インドでのスズキ自動車との合弁会社であるイセ・スズキ・エッグインディアの設立を発表した。
・インドにおける鶏卵輸送は、常温での輸送・販売が主流で、気温が 50 度を超える地域では腐った卵が売られていることも珍しくはない。農道やコールドチェーン輸送網の未整備により、収穫された農産物の約30%が廃棄されると言われている。
・同社は日本政府や関連機関、企業等と、日印フードビジネス推進協議会を立ち上げた。同協議会は、日印政府及び民間企業が一体となって、インドにおけるフードビジネスを推進することを目的としている。インド進出を検討している企業にも、同協議会への参加を検討してほしい。


(エ)UP(ウッタル・プラデーシュ)州における農村開発の実際と弊社の関わり
(ミヤチ(株)宮地代表取締役社長)

・インドは世界最大の乳製品生産国であり、中でも UP 州は牛乳生産量が多い地域である。州政府は農業を中心とした経済発展を目指しているが、農家の収入は低く、現在一村一品運動などで農家の収入向上を図っている。このような状況下でインドが抱える課題の解決には、大企業だけでなく中小企業による取組に大きな期待が寄せられている。
・同社は現在、太陽光を動力源とした農薬噴霧器などの農機具をインドで提供している。インドでは、地方の電化が進んでおらず、太陽光を使った農機具は非常に需要がある。
・中小企業がインドに進出する際は人的ネットワークの構築が最も重要となる。また、同社は州政府からの協力も得ており、ワン・ウィンドー・システムの提言をした際は、UP 州の尽力により、実現してもらった。
・インドは資金以外にも、民間企業の投資による技術移転も求めている。例えば、UP 州でもナマズの養殖が行われているが、種苗を輸入に頼っていたり、原始的な養殖技術しかなかったりするのが現状である。同社はJICA の案件化事業に採択され、UP 州におけるナマズ生産事業を計画している。本事業により、地元での種苗育成や養殖技術向上が可能であると考えている。


(オ)インドGST(物品・サービス税)の概要
  (太陽グラントソントン・アドバイザーズ(株) ゴーラフ・マルホトラ インドビジネスグループ責任者)

・2017 年7 月、旧間接税に代わって、GST(Goods and Service Tax、物品・サービス税)が導入された。GST では州内取引と州際取引(州をまたいで行われる取引)で異なる課税方法が取られる。州内取引の場合は、中央政府課税のCGST(Central GST)と州政府課税のSGST(State GST)が課税される。州際取引の場合は、中央政府課税のIGST(Integrated GST)のみが課税される。
・留意点としては、企業内の在庫移動のように利益を生まない取引であっても、州をまたぐ場合は州際取引とみなされGST が課税される点である。また、仕入控除を受けるには、月次のインボイスの精査が必要となるため、この点においては企業の負担が増加した。現在、政府による手続きの簡素化が検討されている。
・農業セクターへの GST の影響としては、旧間接税制は州際取引の障害となっていたが、GST では、統一的な課税・規制となった。これは、農産物売買の適正価格化実現を目的に、全国統一のネットワークを構築するNational Agricultural Market(NAM)Scheme の推進にも寄与している。
・2 月に発表された2018 年度連邦予算案では、農業部門への支援を継続・強化しており、農業生産者会社への所得税は100%免除となった。


(カ)投資先としてのインドの今
  ((独)日本貿易振興機構海外調査部アジア大洋州課 西澤リサーチマネージャー)

・インドの食文化は多様であり、「100 キロ走れば文化が変わる」ともいわれるように、地域によって文化、気候、民族、宗教、所得が異なりそれぞれが食文化に大きな影響を与えている。また、ベジ・ノンベジの区別もある。これらの要因が、日本食品メーカーがインドに進出する際の障壁となっている。インドに進出する際は、インド全体を市場として捉えるのではなく、特定の地域を市場とした商品展開をすることが重要である。
・インドは市場としてだけでなく、生産拠点としての魅力もある。印僑のネットワークを利用し、中東やアフリカ市場への輸出を検討する進出日系企業が近年増加している。
・インドに進出している日本企業は 1,369 社で、自動車関連メーカーが最も多く、その他製造業やサービス業の進出も増えている。一方で食品メーカーの進出はあまり多くなく、進出企業も大企業が多い。
・日印政府は日本からインドへの投資を促進するための「日本工業団地(JIT)」の開発に合意しており、既に12 の候補地が選定されている。うち、ニムラナ工業団地には既に50 社の日系企業が入居している。
・インド進出においては、リスクとどのように向き合っていくかがポイントである。税務・法務のスペシャリストへの相談が有効である。
・同機構では日系企業のサポート体制として、2017 年11 月にアーメダバード事務所を開設した。同国における5 ヵ所目の拠点である。また、日本国内にも5 ヵ所のインドデスクを設置している。


(キ)インドにおける農水産業・食品加工分野の投資環境概要
  ((株)野村総合研究所 山口シニアマネジャー)

・インドでは気候・土壌の多様性から様々な農産物が生産されている。東南アジアで最も農産物生産の盛んなインドネシアと比較しても、2~3 倍の生産量を誇る。一方で、インドにおける農業生産性は低く、農地ヘクタールあたりの生産量には改善の余地がある。
・水産業は、南部や沿海部で養殖が行われている。生産量は小さいものの、増加傾向である。約90%を淡水養殖が占め、海水養殖に関してはほぼ事業化に至っていない。
・食品加工市場は 2,580 億ドル(2015 年)で、2020 年までに約2 倍に成長する見通しである。一方で、インドの食品加工事業者はUnorganized Sector(規模の小さい事業者)が40%を占めている。また事業者の多くは一次加工がメインである。インドには二次加工品等があまりないため、日本企業にとって、高付加価値の加工食品分野への新規参入の余地はあるだろう。
・インドではインフラとしてのコールドチェーンがまだ発達しておらず、食品加工業者が自社でコールドチェーンを有していることが多い。日本企業がインドへ進出する場合は、既にコールドチェーンを保有している企業と連携することで、コールドチェーンの整備を待たずして進出できるのではないか。また一方で、水産物輸出用のコールドチェーン物流に関しては国際的な基準に則した品質管理を行う物流会社が存在する。

質疑応答

質問:インド大使館としては、日本との共同研究を行うとしたらどのような分野・課題に対する研究に可能性があると考えていらっしゃるか。

回答:日本のコールドチェーン物流技術による、インド国内の食品廃棄減少対策と日本の豊富な経験技術を使用した、インドの農産物の活用が考えられるのではないか。

質問:GST における仕入れ控除に関して、企業が対応する際の相談窓口としてはどのようなところがあるか。

回答:税制が州間で統一され、仕入れ額控除の手続きが企業にとって負担になっている。現在インド政府によって手続きの簡素化が図られている。


(2)フード・インディア・バイ・シアル初開催のお知らせ
     (フランス見本市協会 井田代表、グレゴアール・ボディウ主要顧客営業マネージャー)

・シアルは食品産業における BtoB のビジネス・チャンス創出のためのイベントを世界中で主催しており、主要なイベントは8 つある。109 ヵ国以上から約1 万5,000 社が出展する。
・9 月に新たなイベントとなるフード・インディア・バイ・シアル(Food Indiainspired by SIAL)を開催する。展示スペースのうち、インド国外からの出展者用スペースは既に50%が契約済だが、日本企業にもビジターや出展者として参加してほしいと考えている。


3.閉会

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