このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

カンクン閣僚会議文書3次案(農業部分)(仮訳)

  • 印刷

(農業交渉)

  1. 我々は、ドーハ閣僚宣言パラ13の農業マンデートの約束を再確認する。我々は、こうした観点から、農業委員会特別会合でなされた進展を認識するとともに、ドーハの目的を改革のモダリティに反映するための作業を加速することに合意する。本文書の附属書Aは、市場アクセス、輸出競争及び国内支持に係る鍵となる未解決の論点についてさらなる約束及び関連規律が示されているが、この目的のために、我々は、当該附属書Aの枠組みをこれらの分野における作業の結論のための基礎として採択する。我々は、[…]までに特別かつ異なる待遇に係る規定を含むさらなる約束についてのモダリティを確立する作業を終結するよう、農業委員会特別会合に指示する。我々は、各国が、これらのモダリティに基づき包括的な譲許表案を遅くとも[…]までに提出することに合意するとともに、ルール、規律及び関連法的文書を含む交渉が、部分として、また、交渉日程の終結日においては全体として、終結する。

附属書A    農業のモダリティ確立に向けた枠組み

参加国は、ドーハ閣僚宣言の13項に規定された農業の目的及びマンデートに対する約束を再確認する。参加国は、全ての交渉分野における改革は相互に関係していること認識する。参加国は、以下の枠組みに基づいて、途上国のための運用上効果的な特別かつ異なる待遇に関する条項を含み、ドーハ閣僚宣言の13項に規定されているように非貿易的関心事項を考慮して、更なる約束についてのモダリティを確立する作業を、カンクン閣僚文書4項に規定する期日までに完了することに合意する。

国内支持

  1. ドーハ閣僚宣言は、「貿易歪曲的な国内支持の実質的削減」を規定している。全ての先進国は、貿易歪曲的な国内支持についてウルグァイ・ラウンドの際よりも大幅な削減を行い、より多くの貿易歪曲的な国内支持を使用する国が、より大きな努力を行うものとする。

削減は、以下の様式で行われることとする。

  1. 1   総合AMSの最終譲許水準については[ ]%-[ ]%の範囲で削減する。品目別AMSは、当該品目の基準期間[…]における平均水準を上限とする。
  1. 2   デミニミスを[ ]%削減する。
  1. 3   農業協定6条5は変更され、加盟国は、以下の措置を用いることができる。
    (1)直接支払いについては、
           -固定された面積及び収量に基づいて行われること、又は
           -基準となる生産水準の85%以下の生産に対して行われること、又は
           -家畜に係る支払いは、固定された頭数に対して行われること
    (2)1.3(1)の支持は、[ ]年までに、2000-2002年における農業総生産額の5%を超えないようにする。その後、この支持は、更なる実施期間[ ]年間で毎年等量に[ ]%削減する。
  1. 4   2000年の時点における総合AMSの下で許容される支持、1.3の支持及びデミニミスの合計は、最低[…]%削減される。(実施期間の初年度における[…]%の削減を含む。)
  1. 5   緑の政策の要件は、緑の政策が貿易歪曲的な影響又は生産に対する影響が全くないか又はあるとしても最小限であることを確保するとの観点から、見直される。 

特別かつ異なる待遇

  1. 6   途上国の農村開発、食料安全保障及び/又は生計保障の必要性に鑑み、途上国は上記1.1、1.3及び1.4の貿易歪曲的な国内支持の低い削減率、長期の実施期間、増強された農業協定第6条2及び緑の政策に関する条項を含む特別かつ異なる待遇を享受する。
  1. 7   途上国は、国内支持に関するデミニミスの削減義務から除外される。 

市場アクセス

  1. ドーハ閣僚宣言は「市場アクセスの実質的な改善」を規定している。このため、交渉は、全ての国、特に途上国に対し、改善されたアクセス機会を提供する。これを達成するため、約束は以下の様式に基づくものとする。
  1. 1   先進国の関税削減に適用される方式は、各要素が全ての品目の市場アクセスの実質的な改善に資するようなブレンド方式とする。フォーミュラは、以下のとおりとする。
    (1)[ ]%の品目は平均[ ]%、最低[ ]%削減する。これらの輸入に関し、重要品目の市場アクセスの拡大は、関税削減や関税割当の組合せにより実施するものとする。 
    (2)[ ]%の品目は係数[ ]のスイス方式による。 
    (3)[ ]%の品目は無税とする。
    [上記の削減による全ての農産品の平均関税削減率は、[…]%を下回らないものとする。]
  1. 2   [ ]%の上限を超える関税品目については、先進国は、当該上限関税にまで削減するか、又は関税割当を含み得るリクエスト・オファーの方式によってこれらの若しくは他の品目において効果的な追加的市場アクセスを確保する。[この範疇において、参加国は、非貿易的関心事項の観点から指定される極く限られた品目について、今後決定される条件に基づいて、上記2.1のみが適用されるとの追加的な柔軟性を有する。]
  1. 3   タリフ・エスカレーションの問題には、加工品の関税が当該品目の一次産品の関税よりも高い場合に、当該加工品の関税削減率を[…]倍とすることにより対応する。
  1. 4   枠内税率は[…]%削減する。関税割当の拡大又は創設の要件及び条件は、引き続き交渉の対象とする。
  1. 5   農業に係る特別セーフガード(SSG)の利用と期間については、引き続き交渉の対象とする。

特別かつ異なる待遇

  1. 6   途上国の開発、食料安全保障及び/又は生計保障の必要性に鑑み、途上国は、低い関税削減率及び長期の実施期間を含む特別かつ異なる待遇を享受する。
  1. 7   途上国の関税削減に適用される方式は以下のとおりとする。
    (1) [ ]%の品目は平均[ ]%、最低[ ]%削減する。これらの輸入に関し、市場アクセスの拡大は、関税削減や関税割当の組合せにより実施するものとする。この範疇において、途上国は、今後決定される条件に基づいて、最低[ ]%の関税削減のみで関税割当に関する新たな約束を課されない特別品目を指定するとの追加的な柔軟性を有する。しかしながら、約束関税が極めて低い([ ]%以下)場合には、関税の削減は求められないものとする。
    (2)[ ]%の品目は、係数[ ]のスイス方式による。
    (3)[ ]%の品目は、途上国の収入源としての関税の重要性を考慮しつつ、0%から5%までの間で譲許する。
    上記2.7(2)及び2.7(3)に基づく関税削減の実施に当たっては、途上国は、[ ]年の追加的な実施期間を享受する。
  1. 8   上記2.2の条項の途上国への適用の可否及び/又は程度については、途上国の開発ニーズを考慮しつつ引き続き交渉の対象とする。
  1. 9   農業に係る特別セーフガード(SSM)については、今後決定される条件及び対象品目について、途上国の利用のために創設する。
  1. 10   全ての先進国は、最恵国待遇と特恵的機会との組合せにより、特に農業協定前文に定める熱帯産品その他の品目の全てを含む途上国からの輸入の最低[ ]%について、無税機会を付与するよう努める。
  1. 11   参加国は、途上国に対する特恵的アクセスの重要性に配慮する。これに関する更なる検討は、更なる約束のための議長モダリティ案改定版の16項に基づく。

輸出競争

  1. ドーハ閣僚宣言は、「全ての形態の輸出補助金の段階的撤廃を目指した削減」を規定している。これを達成するため、輸出補助金、輸出信用、輸出国家貿易企業及び食料援助プログラムに対する規律を確立する。削減約束は以下の様式に従って同等に適用されるものとする。
  1. 1   輸出補助金に関しては、
    -加盟国は、途上国にとっての特別の関心品目に対する輸出補助金を撤廃することを約束する。これらの品目のリストは、包括的な譲許表案を提出する目的のために確立される。これらの品目に対する輸出補助金の撤廃は、[…]年間で実施するものとする。
    -残る品目について、加盟国は許容される輸出補助金の予算及び数量の段階的削減を目指した削減を約束する。
  1. 2   輸出信用に関しては、
    -加盟国は、3.1の第2インデントに掲げられたものと同一の品目について、実効上同等となる方法で、償還期間を商業的慣行([ ]か月)まで削減する規律を通じて、輸出信用の貿易歪曲的な要素を、3.1の第1インデントの規定と同じ期間で撤廃することを約束する
    -残る品目について、3.1の第2インデントに規定された削減とその効果が同等となるよう、輸出信用についての段階的撤廃を目指した削減努力が行われる。
  1. 3   交渉の結果を予断することなく、パラグラフ3.1及び3.2で規定された全ての形態の輸出補助の撤廃を目指した削減は、輸出補助金及び輸出信用への影響が同等になるようなスケジュールで行われる。
  1. 4   上記3.1、3.2及び3.3に基づく全ての形態の輸出補助金の段階的撤廃を目指した削減に関する条項は、輸出国家貿易企業に対して、よって若しくは通じて、直接又は間接に、供与される全ての形態の輸出補助金に同様に適用される。
  1. 5   食料援助の実施を通じて商業取引が排除される事態を防ぐための更なる規律に合意する。
  1. 6   全ての形態の輸出補助金の段階的撤廃の完了日は、引き続き交渉の対象とする。
  1. 7   輸出禁止及び輸出制限に関する農業協定12条の強化については、今後の交渉の対象とする。

特別かつ異なる待遇

  1. 8   途上国は、全ての形態の輸出補助金の段階的撤廃を目指した削減について、長期の実施期間を享受する。
  1. 9   全ての形態の輸出補助金の撤廃が完了するまで、途上国は農業協定9条の4の規定に基づく特別かつ異なる待遇を享受する。
  1. 10   参加国は、「改革プログラムが後発途上国及び食料純輸入途上国に及ぼし得る悪影響に係る措置に関する決定」4項の規定を踏まえ、今後合意される輸出信用に関する規律にこれらの国を優遇するための異なる待遇に関する適切な条項を設けることを確保する。

後発開発途上国

  1. 後発開発途上国は、削減約束から除外する。先進国は、後発開発途上国からの産品に対する無税・無枠の市場アクセスを提供す[べきである][ることを約束する]。

新規加盟国

  1. 新規加盟国による特定の懸念に対し、より長期の時間的枠組み及び/又はより低率の関税削減約束を含みうる規定を通じ、効果的に対応する。

その他

  1. 平和条項は、[…]か月間延長する。
  2. 上記1から6に規定された枠組みに関する条項について、議長モダリティ案改訂版の関連部分、農業委特別会合議長の貿易交渉委への報告に明記された関連する質問及び加盟国がこれまでに提出した貢献は、関心事項ではあるが合意されなかった以下の問題を含むモダリティに関する更なる作業にとっての参照文書となる。独占による輸出特権、輸出税、特定のグループに対する柔軟性の提案、特定の非貿易的関心事項、実施期間、分野別の取組、分野間の関係、交渉の継続に関する条項、地理的表示及びその他の詳細なルール。

お問合せ先

輸出・国際局国際戦略グループ

ダイヤルイン:03-6738-7891