兵庫県南あわじ地域
農林水産業システムの名称「南あわじにおける水稲・たまねぎ・畜産の生産循環システム」
◇令和3年2月 日本農業遺産認定

(写真:水稲とたまねぎ小屋)
農地が少なく、水に恵まれない「島という環境」で発達してきた効率的な水利用や耕種農家と畜産農家の各階層が小規模集落内で補完関係を構築して資源循環型農業を行う、独創的で伝統的な知識システム
水と土地に限りがある当地域では、律令時代から開墾とため池などの灌漑施設の整備が進みました。特に江戸時代以降の新田開発にともない灌漑の高度化が進み、ため池、河川、用水路といった表層水と、湧水、深井戸、浅井戸、横井戸といった地下水を組み合わせる灌漑システムが構築されました。また、これらの灌漑施設の管理運用は「田主(たず)」と呼ばれる組織が社会組織化され、新田開発などにより発展してきた水稲作の上に、1880年代に加えられたのが、たまねぎ栽培です。ほぼ同時期に、役用牛から畜産(酪農)への転換が進められました。
この結果、高度に発達した水利システムを基盤として、初夏から秋にかけて稲作を行い、その後、秋から春にかけてたまねぎを栽培します。同時に水稲からの稲わらを畜産に利用し、牛ふん堆肥を砂礫の多い農地に土壌改良としてすき込みます。これにより、畑地雑草や病害虫を抑制させ、たまねぎの連作を可能とする生産循環システムが確立されました。
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(写真左:円筒分水による配水/ 写真右:長屋門の牛舎)
南あわじ地域紹介動画
活動状況の評価
認定地域は、自らが策定した保全計画に基づき、農林水産業システムの維持・保全のための活動を行っています。 活動状況については、定期的に世界農業遺産等専門家会議で評価・助言を行います。認定地域はこの評価・助言の内容を踏まえて新たな保全計画を策定し、これに基づき、引き続き農林水産業システムの維持・保全を行っていきます。
〇 兵庫県南あわじ地域への助言事項(令和7年8月29日開催:世界農業遺産等専門家会議)(PDF : 118KB)
地域概要
- 地域概要書(PDF : 6,879KB)
【分割版】その1(PDF : 1,720KB)、その2(PDF : 1,552KB)、その3(PDF : 1,291KB)、
その4(PDF : 2,307KB)、その5(PDF : 1,886KB)、その6(PDF : 1,815KB) - 添付資料(希少動物)(PDF : 208KB)、添付資料(栽培品目)(PDF : 232KB)
- 保全計画(PDF : 1,014KB)
お問合せ先
農村振興局農村政策部鳥獣対策・農村環境課農村環境対策室
担当者:農業遺産班
代表:03-3502-8111(内線5621)
FAX:03-3502-7587