都市用水への転用
水田面積が減少し水利用形態が大きく変化している都市近郊などで、上水道などが慢性的に不足している地域では、農業用水を減量し上水道・工業用水道などを増量する水利権の転用も行われています。
その累計は全国で約40m3/sとなっており、これは生活用水で考えると約1千万人分の需要に相当します。(1人1日当たりの生活用水需要を350リットルとして換算)
用途間をまたがる水の転用の実施状況(一級水系)
資料:国土交通省水資源部調べ(2020年度時点)「令和3年版 日本の水資源の現況」より
よく耳にしますが、「水利権」って何・・・?
ある特定目的(かんがい、上水道、工業用水道等)のために、河川などの水を排他的・継続的に利用できる権利のことです。
農業水利権には、「慣行水利権」と「許可水利権」があります。
- 慣行水利権
慣行水利権は、歴史的経緯の中で成立した水利秩序が、権利として社会的承認を得ているものです。
慣行水利権は、河川、ため池、渓流などのいずれについても発生しますが、これが河川に係るものである場合、明治29年の河川法制定にあたり、水利使用慣行が河川法上の権利として位置付けられました。
さらに、昭和39年の新河川法(現行)の制定にあたっても、許可を受けたものとみなされています。 - 許可水利権
新河川法(昭和39年施行)では、新たに河川の水の利用に当たっては、河川管理者の許可を得ることが必要となります。河川法に基づく手続きを行い、河川管理者から許可された水利権が「許可水利権」です。
なお慣行水利権は、ダム建設や取水施設の統廃合、水路改修などのかんがい排水事業の実施に際して許可水利権に切り替えられてきています。
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農村振興局整備部水資源課
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