中の峠隧道
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地域及び施設の概要
ノミ一本が切り拓いた地域の悲願「中の峠隧道(なかのたおずいどう)」~広島県東広島市~
中の峠随道は、全長327mに及ぶ鉄筋コンクリート造のアーチ坑口です。
当時、干ばつに悩まされていた現西条町郷曽の柏原地区に住んでいた沖田嘉市が、柏原にある水の少ない深道池というため池に、岩山の向こうを流れる小田山川の水を引いてくるしかないと考え、1927年(昭和2年)3月、一人で岩山に300mのトンネルを掘りはじめ、やがて村中の人たちが手伝うようになり、1930年(昭和5年)頃、ついに完成しました。
坑口のアーチを石積みやレンガ積みで行うことが主流であった当時、戦後に普及するコンクリート工法を早くから採用した意匠として珍しいものです。
当初建設された径間長約0.7mの鉄筋コンクリート造欠円アーチからなる南坑口に、落盤防止のため1943年(昭和18年)長さ約3.8mのRC造箱型坑道が延長されました。
2000年(平成12年)4月28日に国の登録有形文化財(建造物)として登録されました。
施設の利用状況
農業用ため池(深道池 貯水量16万t)への導水用の隧道(トンネル)として、現在もこの地域の農地を潤す大切な施設として活用されています。
地域の保全のための取り組み
柏原水利組合により、定期的に、年1回の隧道の清掃、年2回の管理用道路(峠越の側道)の草刈が行われるなど、地域資源として大切に保全管理されています。
交通アクセス
1)JR「西条駅」から車で30分
お問合せ先
農村振興局整備部設計課
代表:03-3502-8111(内線5561)
ダイヤルイン:03-3559-6338