築造時の干支をその名に刻む戊申溜池
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地域の概要
上切畑地域は、かつて、かんがい水利に乏しい畑作中心地帯であり。他の地域に比べて米不足の地区民の苦衷を察した切畑村長安達平太郎が、有志と溜池築造計画を立て、反対する地区民を説得し、地区挙げての協力のもと明治41年(1908年)4月、即ち「戊申」の年に着工する運びとなりました。工事途中、夏台風により築堤が決壊し、死者1名、家屋7棟流失、数ヘクタールの耕地は河原と化してしまいました。地区民は当局を激しく責め、一時は収拾がつかない程になりましたが、当局者はよくこの事態の沈静化と工事再開に努力し、ついに明治44年6月、溜池・水路ともに完工するに至り、以来、24ヘクタールの美田を潤してきたのです。
地域の保全のための取り組み
老朽化により昭和54年~昭和60年にかけて県営ため池等整備事業で全面改修し、その後、池周辺の森林景観を活かし「戊申森林公園」として整備されています。静かな湖面をカモたちが泳ぎ、周辺には桜、紅葉、ツツジ、ツバキ等20種類以上の木々の中を散策できる周回道路もあり、この公園を見渡せる展望台でゆったりと自然に浸ることができます。なお、公園内にある改修記念碑の碑文穂石は、溜池築造時の張石を利用したものであり、往時の先人の労苦を偲ばせています。
交通アクセス
- JR佐伯駅から30分(大分バス:小野市・木浦・井取行きに乗車、堤内(ひさぎうち)で下車)
- JR佐伯駅から西へタクシーで約11km(約20分)
お問合せ先
農村振興局整備部設計課
代表:03-3502-8111(内線5561)
ダイヤルイン:03-3595-6338