日本有数のため池密度を誇る「印南野台地」
地域の概要
兵庫県南部の中央に位置する「印南野台地」は、瀬戸内式気候の影響を受け、降水量が少なく水に乏しい地域です。古くから水に悩まされ、さまざまな取り組みのなかで水を得るための技術が発達し、ため池やそれを結ぶ水路等が整備されてきました。東播磨地域で築造されたため池は、県下で最大規模を誇る加古大池をはじめ、1,000以上を数え、現在もなお約600のため池が残されており、これらのため池群は血管のように張りめぐらされた水路網によって結ばれています。この地域のため池群や水路網は、農業水利施設としての機能に加え、人々との関わりのなかで、周囲の風景にとけ込み、地域独特の景観を形成してきました。人々は、長い歴史のなかでいなみ野の自然との共生を図り、天満大池の満水祈願信仰をはじめ、ため池にまつわる祭事や伝統行事をはぐくみ、まさに、東播磨地域ならではの固有の「ため池文化」を培ってきました。いまもなお、生活様式や生活習慣などさまざまな側面において、その足跡を色濃く残しています。
地域の保全のための取り組み
ため池や水路をめぐる課題がある一方、「手中流の水路橋」をはじめとする地域住民になじみ深い農業水利遺構の保全活動や、ため池工事に伴う環境への影響に配慮したアサザの移植作業、水草・昆虫類・鳥類・魚類などのため池に生息・生育する動植物の観察や調査といった自然環境の保全活動など、ため池や水路を守り育てる地道な取り組みが各地で進められています。また、地域住民が散歩やレクリエーションの場として活用するとともに、環境美化への取り組みを進めるなど、ため池の持つ「多面的機能」についての理解が深まり、関心が高まりつつあります。
平成27年4月には「ため池の保全等に関する条例」が施行され、その基本理念に基づいた「ため池保全県民運動」として、ため池の適正な管理に加え、多面的機能のさらなる発揮に向けた取り組みが進められています。
交通アクセス
(ア)JR加古川駅下車〈神姫バス〉加古川駅-西神中央駅(約1時間)
(イ)明石西I.Cより北へ約20km
関連するホームページ
いなみ野ため池ミュージアム(外部リンク)お問合せ先
農村振興局整備部設計課
代表:03-3502-8111(内線5561)
ダイヤルイン:03-3559-6338
FAX:03-5511-8251