特集1 新しい可能性もいっぱい やっぱり、お米が好き!(5)
中食・外食向けの業務用米を安定供給
需要が急増中の業務用米を安定的に供給するため、フクハラファームでは、栽培前に加工業者と売買の約束を交わす−
これにより、生産者・加工業者の双方がウィンウィンの取引に!
有限会社フクハラファーム(滋賀県彦根市) 株式会社どんどんライス(福岡県筑後市)
フクハラファームで生産している業務用米は主食用と加工用(酒造用など)がある フクハラファームの従業員は30代の若手が多い。経験を積み、独立して就農した人も 「大規模経営であっても親が子に技術を伝授していく。そんな家族経営的な米作りを徹底したデータ化で実現しています」と福原社長 |
琵琶湖畔に位置する滋賀県彦根市の南部地域は広域な圃場整備事業が進んだ稲作地帯です。この環境を生かして、フクハラファームでは、157haの圃場で米を栽培。年間生産量は約1000tにもおよび、内8割をコンビニのおにぎりや弁当、ホテルやレストランなどに、業務用米として出荷しています。 「『日本晴』は酒造会社、『ヒメノモチ』は食品加工メーカーなど、納入先からの要望に応じて10品種の米を栽培しています。業務用米は質より量という価値観がありましたが、それはもう古いですね。今は安定供給だけでなく、品質の統一が求められています」と社長の福原昭一さん。 そのためフクハラファームでは田んぼ1枚ごとに施肥や除草などの生産履歴をデータ化して管理することで、12人の現場スタッフによる米作りの均一化を図っています。 業務用米の出荷先は問屋を含め約6社。弁当やすし用の白米や酢飯、おこわなどをスーパーやホテルなどへ加工販売している(株)どんどんライスとは、昨年から取引を始めました。 「昨年20t購入し、食味のよさと品質のバラつきのなさを実感。今年度は200t仕入れることにしました」と、常務取締役の浦本泰治さん。取引を決めた時点で、価格についても話し合い、双方の納得がいく形で取引額を決定しました。 「売り先だけでなく、価格が決まっているのは、生産者にとってすごくありがたい。安心して米作りに取り組むことができます」と福原さん。中食・外食の市場拡大で、業務用米の需要は今後さらに伸びそうです。
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