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農林水産省

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特集 日本の農林水産物・食品の輸出拡大に向けて ニッポンの食材、おいしいね!(3)

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世界のトップシェフが大注目!  今、日本の食材が熱い




世界で活躍する一流シェフたちが日本から食材を取り寄せ、自国の店のメニューに取り入れています。
そんなシェフたちに、日本食材の魅力を聞きました。

ミッシェル・トロワグロさんの写真
フランスの国旗

メゾン・トロワグロ
MAISON TROISGROS(フランス・ロアンヌ)

45年以上連続でミシュラン三つ星を獲得!

オーナーシェフ
ミッシェル・トロワグロさん
Michel Troisgros

レストラン「メゾン・トロワグロ」の三代目オーナーシェフ。良質の食材を使用することにこだわり、フランス料理変革の第一人者としてグルメガイド『ゴー・ミヨ』最優秀シェフ賞や「レジオン・ドヌール勲章」を受章している。



フランス料理との相性も抜群
ミッシェル・トロワグロさんがオーナーシェフを務める、「メゾン・トロワグロ」はミシュランの三つ星を1968年から保持し続けるレストランです。お店では日本食材を複数の輸入業者から同時に数種類ずつ仕入れて、味見して使っています。


「ミッシェルは日本食材に対してフランス人が知らない新たな味わいを発見すると同時に、身近さも感じています。例えば、かつお節のスモークした香りは、フランスのベーコンのスモークした香りに似ていると語っています」と、彼の片腕であるギヨーム・ブラカヴァルさん。


また、日本食は「カリテ&シンプリシテ(品質と簡素さ)が魅力」とも。例えば、代表的な日本食の寿司は非常にシンプル。素材は米と魚だけですが、魚の切り方や鮮度などにこだわることでおいしさを追求しています。ミッシェルさんはこうした点に感銘を受けているそう。日本の食文化への共感や信頼が、日本食材を使う大きな理由になっているのです。


桜海老
キンキのブイヨン仕立て 桜海老の香りの写真
キンキのブイヨン仕立て 桜海老の香り
桜海老は小さいながらも豊富な香りと「うま味」が十分
かつおだし
鮟鱇とカラフルなオニオン ダシのクリームの写真
鮟鱇(アンコウ)とカラフルなオニオン ダシのクリーム
かつお節のだしをソースに使って、フランス人にも好まれる味付けに


ギヨーム・ブラカヴァルさん「ミッシェルの日本食材へのこだわりは本物ですよ!」

「キュイジーヌ[s] ミッシェル・ トロワグロ」
エグゼクティブシェフ
ギヨーム・ブラカヴァルさん
Guillaume Bracaval

レストラン「アガペ」(ミシュラン一つ星)でシェフを務めた経験を持つ。日本での1年間の経験をかわれ、フランスの「メゾン・トロワグロ」を経て2012年の夏に再来日。現在は東京店のエグゼクティブシェフとして活躍。





青木 定治さん「パリの人々にも日本食材は大人気なんです!」 フランスの国旗

パティスリー・サダハル・アオキ・パリ
Pâtisserie Sadaharu AOKI paris(フランス・パリ)

世界が注目する日本人パティシエ

シェフ・パティシエ
青木定治さん
Sadaharu Aoki

パリに拠点を置く「パティスリー・サダハル・アオキ・パリ」のシェフ・パティシエ。グルメガイド『ゴー・ミヨ』のTOP5ショコラティエとTOP10パティシエの両方に選ばれた、フランスで唯一のパティシエ。フランスの格付け組織「クラブ・デ・クロクール・ドゥ・ショコラ」の最高位を獲得し、グルメガイド『ピュドロ』でも年間最優秀パティシエに選ばれた実績を持つ。2011年にはパリ市長賞を受賞。著書に『サダハル・アオキのお菓子』(KADOKAWA刊)がある。


ヨーロッパの食文化にも馴染む和の食材
フランスの「パティスリー・サダハル・アオキ・パリ」のシェフ・パティシエ、青木定治さんが作り出すスイーツは、その独自性でフランスでも高く評価されています。


「お茶の文化が根付いているヨーロッパでは、抹茶を使ったスイーツはキャッチーに映って、その魅力に気付いてもらえました。また、もともと柑橘系を使ったスイーツが豊かなヨーロッパでは、柚子のスイーツも広く受け入れられたんですよ」(青木さん)

日本食材を輸入する際は、日本の生産者に直接会って話をし、納得いくものを取り寄せるという青木さん。食材にも徹底したこだわりを持っています。


抹茶
バンブーの写真
バンブー
オペラというフランスの伝統的なケーキを抹茶クリームによってアレンジした定番スイーツ
柚子
タルト・ユズの写真
タルト・ユズ
卵と柚子で炊き上げたクリームに、フランスの最高級発酵バター「エシレバター」を使ったタルトを合わせている




ジョアキム・スプリチャルさんの写真 アメリカの国旗

パティナ・レストラン・グループ
PATINA RESTAURANT GROUP(アメリカ)

ハリウッドスターや政治家から熱い支持

創始者兼料理長
ジョアキム・スプリチャルさん
Joachim Splichal

パティナ・レストラン・グループ創始者兼料理長。南ドイツ生まれ。南フランスの有名レストランでトップシェフとして名を馳せた後、渡米し創業。芸術性を求める食への妥協なき姿勢は、全米で最も独創的で才能のあるシェフとの評価が高い。


日本食の細やかな表現に感銘
全米で約50店舗のスペシャリティーレストランを展開し、ハリウッドスターや政治家から熱い支持を得ているパティナ・レストラン・グループ。創始者であり料理長のジョアキム・スプリチャルさんは、アメリカ料理界を牽引する存在です。


ジョアキムさんは、しょうゆのような発酵食材や豆腐などのナチュラルな味わいの食材を高く評価し、その魅力を引き出すことに注力しています。「ジョアキムは日本食とその素材を深く学んでいますよ」と語るのは、パティナステラのエグゼクティブシェフ、杉浦仁志さん。日本食のきめ細かい表現に感銘を受けたジョアキムさんは、積極的に日本食材を輸入し、アメリカでメニューに採用しています。



和牛  しょうゆ
和牛、しょうゆのビネグレットソースの写真

和牛、しょうゆのビネグレットソース
赤身主体のヨーロッパ・アメリカとは違う、脂身と赤身のバランスのとれた和牛にしょうゆを合わせた一品


杉浦仁志さん「ジョアキムは日本食とカリフォルニア料理を「融合」させました!」

「パティナステラ」(東京・渋谷)
エグゼクティブシェフ
杉浦仁志さん
Hitoshi Sugiura

ジョアキム・スプリチャル氏のもとで、技術を習得する。2013年、パティナ・レストラン・グループの海外初進出店となる「パティナステラ」(東京・渋谷)のエグゼクティブシェフに就任。