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特集1 花(2)

歳時とお祝いのご挨拶 花を「贈る」ということ


日本では歳時を祝う品として、季節感を表す花が使われてきました。
今でも誕生日やいろいろな記念日の贈り物として親しまれています。

花を贈る習慣は少しずつ増えてきている
花を贈る日として誰もがイメージするのは、誕生日や母の日かもしれません。でも実は花を贈るタイミングは、一年を通じてたくさんあります。花の国日本協議会の小川典子さんに聞きました。

「欧米では花を贈る日がもともと多く、年齢性別を問わず習慣になっています。男性から女性へのプレゼントは当たり前ですし、女性同士も贈り合います。イギリスの私立の男子高校では紳士のたしなみの一つとして、女性へ花を贈ることを教えているそうです」

日本では、特に男性から女性へ花を贈る習慣はありませんでしたが、最近は変化があるようです。欧米の習慣が徐々に知られるようになり、プレゼントに花を選ぶことも、若い男性を中心に特別なことではなくなってきました。男性から女性へ2月14日に花を贈る「フラワーバレンタイン」も認知されつつあります。今まで花に興味がなかった人も、記念日に合った花の例を参考に、贈ってみてはいかがでしょう。

流行りはナチュラル系、田舎風ブーケ、香りの良い花
とはいえ、初めは何を贈ればよいか迷うもの。最近のトレンドを知っていると選びやすいです。

「少し前まではインパクトのある大輪系がトレンドで、ダークな色合いが人気でした。最近はシャンペトルブーケという、ナチュラルなスタイルが注目されている影響で、草花のような素朴で可憐な花が人気です。シャンペトルとはフランス語で田舎風という意味です」

優しい雰囲気の「かすみそう」も、若い女性の間で花かんむりがブームになっていることから再流行の兆しが。そのほか、バラ、スイートピーなど、香りの良い花も喜ばれるでしょう。


■記念日に合った花の例
さまざまな記念日やイベントに合わせ、季節も感じさせてくれる贈り物にぴったりな花の一例をご紹介します。

2月14日 バレンタインデー
チョコレートコスモス
チョコレートコスモス
色はもちろん香りもチョコレートそっくりなコスモスの一種。幸福感あふれる春のラナンキュラス、ガーベラ、チューリップなどと組み合わせておしゃれに。
3月3日 桃の節句
桃

古くから桃の香気は邪気を払い、不老不死をもたらす植物といわれてきた。桃には菜の花、チューリップやコデマリを合わせて春の花束にしても。

3月8日 ミモザの日
ミモザ
ミモザ
この日は「国際女性デー」。ロシアや東欧、ベトナムなどでは恋人や職場の女性へ花を贈る。イタリアでは通りすがりの女性にもミモザを贈るそう。

3月14日 ホワイトデー
カラー
カラー
旬のカラーの中でも「ホワイト」にちなんだ純白のものを。愛にまつわる花言葉が多いチューリップやラナンキュラスも女性に好まれる。

5月(第2日曜) 母の日
あじさい(鉢)
あじさい(鉢)
定番のカーネーションは不動の人気で、季節のバラをプラスしたりデザインは多彩に。最近は、毎年めずらしい花形や新色が登場するあじさいの鉢も大人気。

6月(第3日曜) 父の日
ひまわり
ひまわり
幸福や希望を象徴するイメージカラーの黄色い花を。ひと足早く夏を感じられるひまわりが最近の父の日のトレンド。黄色いバラもポピュラー。

9月(第3月曜) 敬老の日
ミディコチョウラン
ミディコチョウラン
贈られる方の年代を考えて落ち着いたものを選びがちだが、華やかな花や色のほうがかえって喜ばれることも。このほか、定番のりんどうも品種が豊富。

10月31日 ハロウィン
マム(菊)
マム(菊)
古風な印象の菊も海外ではマムと呼ばれ、今や日本でもさまざまな花形が人気。ハロウィンパーティのデコレーションにぴったり。ガーベラもおすすめ。

11月22日 いい夫婦の日
ダリア
ダリア
1988年に日本で制定され、この日に入籍するカップルも多いそう。華やかさが魅力のダリアも、秋が深まって鮮やかに色づくバラも花持ちが良くなる季節。

12月24日 クリスマスイブ
ポインセチア
ポインセチア
原産国メキシコの呼び名は「ノーチェ・ブエナ」=「聖夜」という意味。一鉢あるだけでクリスマスモードに。切り花で彩るなら星形に咲くアマリリスが華やか。

1月(第2月曜) 成人の日
アルストロメリア
アルストロメリア
花言葉は「未来への憧れ」。未来を担う新成人にぴったりな花。春を告げるヒヤシンス、水仙など香りの良い花と組み合わせても素敵。

1月31日 愛妻の日
チューリップ
チューリップ
1.31がアイ、サイと読めることから始まった記念日。色数が豊富なチューリップや香りの良いスイートピーで気持ちを表現。バラやラナンキュラスも人気。

お祝いの席に花を贈ろう
旅立ちの日である卒業式や送別会には、スイートピーやチューリップが適しています。入学式や歓迎会にはガーベラを。結婚式の花嫁に贈る場合は、その時期の旬の花から、ピュアなイメージの白、淡めのピンク、サムシングブルーの言い伝えからブルーの花を選んで。結婚記念日に奥様へ贈るならバラが素敵ですが、二人の思い出の花があるならそれを選んでも。
スイートピー
スイートピー
印象的な甘い香りと「門出」「思い出」といった花言葉から、新たな出発を祝う花としておすすめ。
ガーベラ
ガーベラ
一年中出回っているが、最盛期は春と秋。「希望」「前進」という前向きな花言葉なので、応援の気持ちにぴったり。

フラワーバレンタイン フラワーバレンタイン
2月14日は実は世界で最も花が贈られている日。そんな世界標準のバレンタインデーを提唱し、男性の花贈りを応援する活動が「フラワーバレンタイン」。12本の花一本一本に愛を込めて贈るスタイル「ダズンフラワー」を提案中。

フラワーバレンタイン
http://www.flower-valentine.com/[外部リンク]
(花の国日本協議会)


監修/小川典子(花の国日本協議会プロモーション推進室長・フラワーシーンプロデューサー)
取材・文/Office彩蔵


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