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特集1 花(1)

日本の四季を美しく彩る数々の「花」。花を愛でる文化が根付いた日本では、外国原産の花も多数、生産されています。美しい花を作る「和」の技術は海外からも高い評価を受けていて、近年は世界各国で「日本の花」のファンが増えています。

花を愛でる日本人の心



野辺の花を詠んだ万葉の世から、華やかなブーケを贈る現代へ。時代は変わっても、日本人は「花」を愛しみ続けています。

「ふるさとの花(全国47都道府県の花)」平成23年7月15日発行 ※現在は販売されていません。
「ふるさとの花(全国47都道府県の花)」平成23年7月15日発行 ※現在は販売されていません。
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1列目
●ハマナス(北海道)、リンゴノハナ(青森県)、キリ(岩手県)、ミヤギノハギ(宮城県)、フキノトウ(秋田県)、ベニバナ(山形県)、ネモトシャクナゲ(福島県)、バラ(茨城県)、ヤシオツツジ(栃木県)、レンゲツツジ(群馬県)
2列目
●サクラソウ(埼玉県)、ナノハナ(千葉県)、ソメイヨシノ(東京都)、ヤマユリ(神奈川県)、チューリップ(新潟県)、チューリップ(富山県)、クロユリ(石川県)、スイセン(福井県)、フジザクラ(山梨県)、リンドウ(長野県)
3列目
●レンゲソウ(岐阜県)、ツツジ(静岡県)、カキツバタ(愛知県)、ハナショウブ(三重県)、シャクナゲ(滋賀県)、シダレザクラ(京都府)、ウメとサクラソウ(大阪府)、ノジギク(兵庫県)、ナラヤエザクラ(奈良県)、ウメ(和歌山県)
4列目
●ニジッセイキナシノハナ(鳥取県)、ボタン(島根県)、モモノハナ(岡山県)、モミジ(広島県)、ナツミカンノハナ(山口県)、スダチノハナ(徳島県)、オリーブ(香川県)、ミカンノハナ(愛媛県)、ヤマモモ(高知県)、ウメ(福岡県)
5列目
●クスノハナ(佐賀県)、雲仙ツツジ(長崎県)、リンドウ(熊本県)、ブンゴウメ(大分県)、ハマユウ(宮崎県)、ミヤマキリシマ(鹿児島県)、デイゴ(沖縄県)


四季の移り変わりを花で楽しむのは日本の文化
日本では季節ごとにさまざまな花を見ることができます。春は満開の桜、あるいは藤(ふじ)。夏の暑さを忘れさせてくれる朝顔(あさがお)。秋は野菊や彼岸花(ひがんばな)。寒い冬でも梅や水仙(すいせん)の花が見られます。

春の代名詞ともいえる桜と、秋の花である菊は、どちらも日本の国花です。そのほか、都道府県ごとにも"県花"があります。各都道府県で制定されている県花は、郷土に深く関わりのある花から選ばれたもの。それぞれの地方で違った花が見られるのも日本のよいところです。

俳句の季語にもなることから花は四季折々の情景と結びつき、日本文化に欠かせない要素となっています。例えば歌。万葉歌から現代のポピュラー音楽に至るまで、たくさんの花が登場します。女性のファッションは昔も今も花柄が人気で、老若男女がこぞって楽しむお花見も、日本ならではの文化といえます。

野山に自然と咲く花に美を見いだすだけでなく、植えて育て、切り花を飾って観賞するのもまた日本の文化。日本庭園に足を運べば季節ごとに色とりどりの花が見られますし、華道(生け花)に触れたことのある方も多いはずです。

日本では毎年新しい品種が登場し、その数は世界一
花を愛でる文化は、現代にも受け継がれています。庭やベランダで花を育て、窓辺に鉢植えを置き、部屋にはちょっとした切り花を。どこにでもある日常を支えているのが、日本の農業です。切り花や鉢植えなどの観賞用植物(花き)の栽培は47都道府県すべてで行われていて、なかでも愛知県では全農業産出額の2割を花きが占めるほどです。

カーネーションやバラといった外国原産の花も栽培され、現在、日本で生産されている花きは約4万品種にもなります。さらに毎年2000~3000の新しい品種も加わり、その数は世界一。優れた栽培技術で美しい花を育てる日本の花き農業は、国際的にも高く評価されているのです。


■主な切り花の生産県
主な切り花の生産県



取材・文/Office彩蔵



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