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農林水産省

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19年4月号 文字情報

aff(あふ)agriculture forestry fisheries:April 2019

平成31年4月1日発行(毎月1日発行)


[表紙]
今月の「手」

2009年6月号から2012年4月号まで人気連載企画「駅弁紀行」を担当されたヨネスケさん。
当時のaffを手に。
撮影/かくたみほ


CONTENTS

  • 連載 私のおもいで弁当[佐賀県]vol.12 … 2ページ
  • 特集1 「平成」の足跡 … 4ページ
  • 特集2 affの歩み … 12ページ
  • MAFF TOPICS … 20ページ
    News
    農林水産業×SDGs
    みどりの恵みを感じる月間
    主要20カ国の農業大臣が新潟に集結
  • 読者の声 … 23ページ

今月のクイズ

広報誌aff(あふ)が創刊されたのはいつでしょうか。(答えは23ページ)



広報誌『aff(あふ)』について
農林水産業や農山漁村は、食料の安定供給はもちろんのこと、国土や自然環境の保全、良好な景観の形成などの多面的機能の発揮を通じ、国民の皆さまの毎日の生活において重要な役割を担っております。また、農林水産行政は、生産などの現場に密着したものであると同時に、毎日の生活に深く関わっています。農林水産省では 「aff」を通じ、農林水産業における先駆的な取り組みや農山漁村の魅力、食卓や消費の現状などを紹介しております。

Webサイトのご案内
「aff」は農林水産省のWebサイトでもご覧になれます。
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/

本誌に掲載した論文などで、意見にわたる部分は、それぞれ筆者の個人的見解であることをお断りします。


私のおもいで弁当

子どもたちに伝えたい郷土料理や懐かしいふるさとの食材を使ったお弁当を、著名人が、お弁当へのあふれる想いと共に紹介します。全国のふるさとの美味を、あなたもお弁当に入れてみませんか?


【vol.12】佐賀県 のり

佐賀県は販売枚数・販売額ともに15年連続日本一の産地。のりが作られる有明海には、112本もの川が流れ込み、特に湾の奥は栄養が豊富。最大6メートルにもなる日本一の干満差が、のりの塩分を最適にすると言われている。

[写真1]
のり

[写真2]
本村健太郎
Kentaro Motomura

1966年生まれ。佐賀県佐賀市出身。東京大学法学部在学中に、ドラマに出演し、また、難関の司法試験にも合格。弁護士をしながら俳優を続け「行列のできる法律相談所」に出演しブレイク。世界遺産検定マイスターとしても活躍中。

[写真3]
本村健太郎さんの東大一直線弁当


生活のすぐ隣にあったのりづくり

佐賀県の特産物と言えば、真っ先に思い浮かぶのがのりです。艶があって、口に入れるとのり特有の甘さを感じるとともに、ホロリとほどけるように溶けて広がる。佐賀ののりは日本一おいしいと思います。

私が育った場所は有明海の沿岸部です。小学校時代はクラスの半分が農家の子、残り半分が漁師の子というくらい農業・漁業がまちの基幹産業でした。私の実家は米農家ですが、朝、漁船が沖に出ていくエンジンの音で目覚めるような、海に近い場所でもあります。

そんな地域性のところなので、友だちの家に遊びに行くと、のりを乾燥させる機械が置いてあったりして、のりはとても暮らしに密着したものでした。

弁護士となり、タレントとなって仕事をする中で、海上の養殖場でのりを間近に見る機会がありました。満潮のときは海面下で、干潮では海上で陽の光を浴びることを繰り返し育っていた、のり。平成が終わり次の時代になっても、私ものりのように成長していきたいですね。


塾での集中を促した大容量のお弁当

私は中学・高校時代、寮に入ったので、母親が作ったお弁当を食べていたのは小学生のときになります。「勉強ができるから」と中学受験を勧められて、小学校4年生のときから週に2、3回塾に通っていました。夕方から夜の9時ごろまでだったので、夕ご飯はいつもお弁当です。

当時ちょうど、ご飯やお味噌汁が温かいまま食べられる魔法びん構造のお弁当箱がヒット。私も持たされていたのですが、お弁当を食べるのがとても恥ずかしかったことを覚えています。と言うのも、そのお弁当箱は大人用で量がたっぷり入るものだったからです。友だちは子ども用だったので、ひとり大きなお弁当箱を出すのがとても嫌でした。「温かいものを食べて欲しい」という親心よりも、周りと違うことに気がいってしまう年頃でした。

でも開ければ大好きなのり弁で、おかずもボリュームたっぷり。地元で「おこもじ」と呼ばれる高菜漬を箸休めに、しっかりご飯を食べたことがエネルギーとなって、勉強に集中できたのかもしれないなと思います。


[レシピ]2段重ねのり弁

【材料(1人分)】

焼きのり…適量
ご飯…適量
鰹節…小分け1袋
A
しょうゆ …小さじ1弱
酒…小さじ1弱

【作り方】

  1. Aをあわせたら、ラップをし500ワットのレンジで30秒加熱
  2. お弁当箱にご飯を半分の高さに敷き詰める。もんで細かくした鰹節を半分ご飯にふりかけ、ちぎったのりを敷き詰める。そこに1の半分をまわしかける
  3. 2の上にさらにご飯を敷き詰め、残った半分の鰹節をのせ、一枚のりをご飯全面に敷く。その上に、1の残りを全体にまわしかければ完成

監修/飯倉孝枝、取材・文/柳澤美帆、撮影/三村健二


特集1 「平成」の足跡 ~農林水産業を振り返る~

もうすぐ「平成」の時代が幕を下ろし、いよいよ5月から新元号に変わります。そこで、平成の農林水産業の移り変わりを振り返ってみました。あなたにとって、平成はどんな時代でしたか?

データで振り返ってみた 平成元年→31年

農家の減少、高齢化が進む一方、法人の農業参入が急増

平成に入ってからも農業者の減少と高齢化、後継者不足は加速しましたが、平成21年の農地法改正によって農業法人が急増。平成27年の改正後は、さらに多種多様な企業が農業参入を果たしています。

農業構造の変化

基幹的農業従事者
【人数】
平成2年:292.7万人→平成30年:145.1万人(半分に)
【平均年齢】
平成7年:59.6歳→平成30年:66.6歳

法人の経営体数
平成7年:4,986経営体→平成30年:22,700経営体(4倍以上に増加!)
出典:農林水産省「農林業センサス」、「農業構造動態調査」


若い新規就農者や女性の農業者が活躍

農業者が減少する一方、平成29年には新規就農者数5万5,670人のうち49歳以下が2万760人と、4年連続で2万人を超えました。また、女性農業委員の数はこの30年間で約30倍に。若者が活躍する背景には、企業の農業参入が進み、雇用の機会が増えたことも影響していると考えられます。

[写真1]
女性の農業者を応援する「農業女子PJ(プロジェクト)」を展開中

[写真2]
脱サラして新規就農する若い夫婦も


海外での日本食人気により食品の輸出が大幅に増加

海外の日本食人気の定着を反映し、平成30年の農林水産物・食品の輸出額は9,068億円と、6年連続で過去最高を更新。輸出先は1位が香港、2位が中国、3位が米国となっています。今後、国際的な会議や競技大会などが開催される日本に世界の注目が集まるため、さらなる国産食材人気の高まりが期待されます。

農林水産物・食品輸出額

平成2年:3,536億円→平成30年:9,068億円(速報値)

主な輸出品と輸出先

[写真3]
ホタテ貝/輸出額:476億円、主な輸出先:中国

[写真4]
ブリ/輸出額:157億円、主な輸出先:米国

[写真5]
真珠/輸出額:輸出額:346億円、主な輸出先:香港

[写真6]
りんご/輸出額:139億円、主な輸出先:台湾
出典:農林水産省「農林水産物・食品 輸出額(速報値)品目別」(2018年)


農業総産出額と生産農業所得が3年連続の増加

米の消費が減ったことが影響し、農業総産出額は平成26年まで長期的に減少していましたが、平成27年以降は3年連続で増加に転じました。農業総産出額の減少や資材価格の上昇により、平成26年 まで長期的に減少してきた生産農業所得(農業が生み出した付加価値額)も、平成27年以降は同様に3年連続で増加しています。

[図1]
農業総産出額
出典:農林水産省「生産農業所得統計」


「木材自給率」が平成23年から7年連続で上昇

木材自給率とは、国内で消費される木材のうち国産材の占める割合です。平成以前から下がり続け、過去最低を記録した平成14年以降は、緩やかに回復傾向。バイオマス発電所の増加や、住宅用合板で国産材が多く使われるようになったことなどが影響しています。林野庁では、2025年までに木材自給率を50パーセントにすることを目標としています。

[写真7]
面積の95パーセントを森林が占める岡山県西粟倉村(にしあわくらそん)では、子どもたちに森林と触れ合う機会を提供

木材自給率の変化

平成元年:28.1パーセント→平成29年:36.1パーセント(過去最低自給率18.8パーセント(平成14年)から回復)
出典:農林水産省「木材需給(供給)量累年統計」


生産量や漁業就業者が減少するなか、AIやIoTを使った養殖の取り組みも

漁業・養殖業の総生産量は平成元年の約1,191万トンから平成29年には約431万トンまで減少しました。また現在、世界全体の漁獲量の約5割が養殖生産なのに対し、日本では約2割。近年の需要を受け、AIやIoTを活用した養殖が展開されています。

[写真8]
鹿児島県東町漁業協同組合では、ブリ養殖にタブレットを使った生産管理システムを導入

漁業就業者の推移

平成元年:38.3万人→平成29年:15.3万人
出典:農林水産省「漁業就業動向調査報告書」


ライフスタイルの多様化などによって内食が減少し、中食の利用が増加

消費者を対象に行った調査によると、月に1日以上の頻度で中食を利用する割合は弁当類が7割、総菜類が8割に上っています。共働き世帯や高齢者の増加などによって、食の簡便化が求められていることが中食が増えた理由だと考えられます。

[図2]
1人あたりの食料の実質金額指数(平成元年を100とした指数)

【中食(お弁当や総菜を持ち帰ってそのまま食べることや、これら食品の総称)】平成元年:100→平成28年:170.2
【外食】平成元年:100→平成28年:100.6
【内食】平成元年:100→平成28年:80.4
出典:総務省「家計調査」から作成

[写真9、写真10]
野菜を使った総菜やお弁当の種類が豊富に


食生活の変化による体重増加も。健康な食生活のための指針を制定

食生活の変化に伴い、この30年間で日本人の体形も少しずつ変わっています。特に、成人男性では体重増加という気になるデータが。高塩分、高カロリーな食事に偏りがちな食生活の人は、自分で食事をコントロールすることが必要です。平成17年に厚生労働省と農林水産省が制定した「食事バランスガイド」には望ましい食事の組み合わせと量が示されており、健全な食生活に役立ちます。

成人男性の平均体重の変化

平成元年:62.1キログラム→平成29年:67.0キログラム
出典:厚生労働省「国民健康・栄養調査」

[図3]
食事バランスガイド

詳しくはこちら
[QRコード1]
https://www.maff.go.jp/j/balance_guide/


食と技術の平成史

より便利に、より手軽に

女性の社会進出や核家族化が進み、高齢者や単身世帯も増えたことから、調理の簡便化や食材の小型化などの需要が高まり、さまざまな商品が開発されました。

消費者ニーズにあわせて、姿を変える野菜

カット売りされることが多い白菜や大根などの大型野菜は、品種改良された一度に使いきれるコンパクトサイズが人気を集めました。手軽に使えるカット野菜や、日持ちする冷凍野菜なども広く普及。また、簡単に多くの栄養を取れる高栄養価野菜や、見た目が美しいカラフル野菜も注目されています。

[写真1]
20センチメートルほどのミニ白菜は、冷蔵庫で場所をとらないというメリットも(※)

[写真2]
プチサイズのたまねぎ「ペコロス」(※)

[写真3]
抗酸化作用が期待できる「高リコピントマト」をはじめ、栄養価を高めた野菜が登場

[写真4]
紫、赤、オレンジ、黄、緑など、見た目も華やかなミニトマト(※)

[写真5]
鮮やかな紫色をしたじゃがいも「シャドークイーン」(※)
※写真提供/フーズリンク

[写真6、写真7]
袋から出せばすぐに1品料理になるよう、カットの仕方を工夫した商品
写真提供/株式会社サラダクラブ(写真6から写真9)

[写真8、写真9]
1品目だけでなく、さまざまな野菜を組み合わせたパッケージサラダもある


無洗米やパックご飯が一般に広く普及

パックご飯は、電子レンジで数分温めるだけで炊きたてに近い食味が味わえることから、広く普及しました。また、米を洗う必要がない無洗米は平成3年に誕生し、平成10年以降には消費量が約4倍に増加。底面が平らで自立する包装容器(スタンドパック)に入った米も登場しました。

[写真10]
食べ切り需要に応えて生まれた小容量米を扱う店が増えている

[写真11]
パックご飯は米飯を気密性のある容器に入れて無菌包装してあるので保存が効く

無洗米ができるまで

さまざまな方法で肌ヌカが取り除かれた米は、洗わずに炊くことができます。精白米の肌ヌカ除去に薬剤は使用しません。

[写真12]
【玄米】表面全体がヌカに覆われている

ヌカを除去

[写真13]
【精白米】肌ヌカが多く残っている

肌ヌカを除去

[写真14]
【無洗米】肌ヌカがなく、洗わずに炊ける
写真提供/全国無洗米協会


手軽にできる「おにぎらず」がブームに

ラップの上にのり、ご飯、具をのせ、ラップごとご飯をたたみ具を包む。ご飯を握らずに作れる「おにぎらず」は手軽さから一大ブームに。SNSがブームのきっかけですが、料理漫画や沖縄のポーク卵おにぎりがルーツともいわれています。

[写真15]
おにぎらずの写真


手軽に食べられるファストフィッシュ商品が定着

気軽・手軽においしく水産物を食べられるようにすることで、消費を拡大させようと平成24年から「ファストフィッシュ」商品の選定が始まりました。料理の手間を省いてあり、短時間の調理で食べられるさまざまな水産物食品が選定されています。

[写真16]
さかなクンの写真
「レッツ・ ギョー!」

[写真17、写真18]
そのまま焼くだけでおいしく食べられる「金華山沖さばスティック」やレトルト商品など、これまでに3,288品のファストフィッシュを選定(2019年3月時点)
写真提供/ディノス(写真17)

さかなクンが農林水産省お魚大使に

お魚に対する深く幅広い知識を持ち、平成22年には絶滅したとされていたクニマスの発見に貢献したことでもニュースになった、さかなクン。その卓越した知識や表現力を生かして水産をPRしてもらおうと、平成23年にお魚大使に任命されています。

[写真19]
さかなクンの写真


主なできごと

平成元年(1989年)
  • 1月:昭和天皇崩御、皇太子明仁親王ご即位。新元号「平成」が発表される
  • 4月:消費税3パーセント導入
  • 6月:宇野内閣誕生
  • 8月:海部内閣誕生
  • 9月:横浜ベイブリッジ開通
  • 11月:ベルリンの壁が崩壊

[写真20]
「平成」のパネルを掲げる小渕官房長官(当時)
写真提供/国立公文書館所蔵


平成2年(1990年)
  • 6月:文仁親王、川嶋紀子さんとご結婚
  • 10月:東西ドイツが統一
  • 11月:長崎県の雲仙普賢岳が噴火
  • 12月:TBS社員の秋山豊寛さんがソビエト連邦の宇宙船ソユーズで日本人初の宇宙飛行へ

平成3年(1991年)
  • 1月:湾岸戦争勃発
  • 6月:雲仙普賢岳で大火砕流が発生
  • 11月:宮澤内閣誕生
  • 12月:ソビエト連邦が崩壊

平成4年(1992年)
  • 2月:アルベールビル冬季五輪開催
  • 7月:バルセロナ五輪開催
  • 9月:日本人宇宙飛行士・毛利衛さんが乗ったスペースシャトル「エンデバー」打ち上げ

[写真21]
毛利衛さんの会見の様子
写真提供/共同通信社


平成5年(1993年)
  • 6月:皇太子徳仁親王、小和田雅子さんとご結婚
  • 7月:北海道南西沖地震発生
  • 8月:細川内閣誕生
  • 9月:米の作況指数「80」を公表。記録的な冷夏と日照不足が原因。米不足で「平成の米騒動」と呼ばれる事態に
  • 11月:EU(欧州連合)が誕生

[写真22]
皇太子さまと雅子さま
写真提供/共同通信社


平成6年(1994年)
  • 2月:リレハンメル冬季五輪開催
  • 4月:羽田内閣誕生
  • 6月:松本サリン事件発生
  • 6月:村山内閣誕生
  • 9月:関西国際空港開港
  • 10月:北海道東方沖地震発生

[写真23]
リレハンメル冬季五輪でメダルを獲得した選手たち
写真提供/共同通信社


平成7年(1995年)
  • 1月:阪神・淡路大震災発生
  • 3月:地下鉄サリン事件発生
  • 6月:全日空857便ハイジャック事件発生
  • 11月:東京で「ゆりかもめ」開通

[写真24]
ゆりかもめの写真


平成8年(1996年)
  • 1月:橋本内閣誕生
  • 7月:アトランタ五輪開催

平成9年(1997年)
  • 4月:消費税が3パーセントから5パーセントに
  • 7月:英国が香港を中国に返還
  • 8月:英国のダイアナ元妃が事故死
  • 11月:山一證券が自主廃業を発表
  • 12月:東京湾アクアライン開通

平成10年(1998年)
  • 2月:郵便番号が7桁に
  • 2月:長野冬季五輪開催
  • 4月:明石海峡大橋開通
  • 7月:日本初の火星探査機「のぞみ」打ち上げ成功
  • 7月:小渕内閣誕生

[写真25]
明石海峡大橋の写真


より食を楽しみ、健康に

平成時代に入ると、消費者の好みはますます多様化。また、健康を意識する人や味にこだわる人も増え、体によくておいしい食材が多く作られるようになりました。

よく食べる魚の上位3種がサケ、マグロ、ブリに

平成元年の日本人1人あたりの生鮮魚介類の購入数は、1位がイカ、2位がエビ、3位がマグロでした。しかし平成22年の調査では、サケ、イカ、マグロと順位が入れ替わり、その後の平成29年にはブリがランクインしています。

平成の人気の魚トップ3

【平成元年】壱番:イカ、弐番:エビ、参番:マグロ
【平成29年】壱番:サケ、弐番:マグロ、参番:ブリ
出典:総務省「家計調査」をもとに作成

[写真1]
さかなクンの写真

[写真2]
回転寿司で人気の高いネタが、上位を占める形に


30年以上もの研究を重ね世界初の完全養殖クロマグロが誕生

クロマグロは、世界で水揚げされているマグロのなかでも漁獲量2パーセントという貴重な高級魚。乱獲で減少していましたが、平成14年に近畿大学の水産研究所が世界で初めてクロマグロの完全養殖に成功。近大マグロと呼ばれ、出荷されています。

[写真3]
近大マグロの水揚げの様子


各地でご当地米が続々登場
カレー用など、用途別のお米も

よりおいしい白米を求める消費者が多いことを受け、ブランド米が年々増加。また食味ランキングにおいて「特に良好」と判定された特Aランクの米も、平成11年の11銘柄から平成20年には21に増加。現在は55銘柄にまで増えています。さらにカレーにあう「華麗舞(かれいまい)」やピラフに適した「ホシニシキ」など、多様な食の嗜好に応えるために開発されたさまざま新品種も生まれています。

[写真4]
白米の写真

[写真5]
農研機構が、カレーライス用の米として開発した品種「華麗舞」。とろみのあるカレールウとよくあう

[写真6]
「ひとめぼれ」などの良食味性を受け継ぐ、青森県産のブランド米「青天の霹靂」

[写真7]
「コシヒカリ」など184品種を使い、500通りの交配を繰り返して作られた「新之助」


一番食べられている肉は、豚肉を抜いて鶏肉がトップに

平成24年に、日本人1人あたりの年間食肉消費量で長年トップの座に君臨していた豚肉を抜いて、鶏肉がトップに立ちました。手頃で低脂肪、高タンパクであることから、消費が伸びたと推測されます。特に爆発的にヒットした「サラダチキン」が人気を後押ししています。

日本人1人あたりの年間食肉消費量

【平成元年】1:ブタ(10.4キログラム)、2:トリ(9.6キログラム)、3:ウシ(5.0キログラム)
【平成24年】1:トリ(12.0キログラム)、2:ブタ(11.8キログラム)、3:ウシ(5.9キログラム)
出典:農林水産省「食料需給表」から作成

[写真8]
一躍ブームになったセブンプレミアムの「サラダチキン」。蒸して味付けされた鶏のむね肉は手軽でヘルシー


ヘルシーなジビエ料理が注目を集める

ジビエ(野生鳥獣肉)を食べる習慣は古くからありましたが、増えすぎた野生鳥獣による農作物などへの被害が顕著となる中、ジビエとしておいしく食べようという動きが活発に。特に鹿は牛肉より高タンパク・低脂質な食材として注目を集めています。

[写真9]
鹿肉のくんせいの写真


果物は品種改良によってより甘く、大きく

甘さを求める消費者ニーズにあわせた果物が多く栽培されるようになり、ひと昔前の高級品並みの糖度を持った果物が増えています。例えばいちごは、約20年前には糖度8程度が主流だったのが、最近は11から12に。また「あまおう」に代表されるような大きくて甘い品種が喜ばれ、平成以降、ぶどうなどでも多数開発されています。

[写真10]
【スカイベリー】栃木で誕生した新品種。とちおとめに比べて果実が大きく、甘みと酸味のバランスも抜群

[写真11]
【シャインマスカット】大粒で豊かな香りがあり、糖度も18~20と甘い。種がなく皮ごと食べられ人気

[写真12]
【紅まどんな】大玉で甘みも強く、外皮が薄くて柔らかいため、むきやすい。ゼリーのような果肉が特徴


平成に流行った野菜トップ3は?

種苗会社が行ったアンケート調査で、「平成に流行ったと思う野菜」、「平成を代表すると思う野菜」、「平成になってから定着したと思う野菜」すべてのランキングで、パクチー、アボカド、フルーツトマトがトップ3を占めました。

[写真13]
パクチー

[写真14]
アボカド

[写真15]
フルーツトマト

2玉で320万円!過去最高値をつけた夕張メロン

平成30年5月に、北海道夕張市の特産品「夕張メロン」の初せりが行われ、これまでの過去最高額2玉300万円を20万円上回る、2玉320万円で落札されました。高級感のある甘さが高く評価されました。

[写真16]
夕張メロンの写真
写真提供/共同通信社


主なできごと

平成11年(1999年)
  • 1月:欧州11カ国がユーロ導入
  • 12月:ポルトガルがマカオを中国に返還

平成12年(2000年)
  • 4月:森内閣誕生
  • 7月:三宅島の雄山が噴火
  • 7月:新紙幣 二千円札発行
  • 7月:九州・沖縄サミット開催
  • 9月:シドニー五輪開催
  • 10月:鳥取県西部地震発生

[写真17]
二千円札の写真


平成13年(2001年)
  • 3月:ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)開園
  • 4月:小泉内閣誕生
  • 9月:東京ディズニーシー開園
  • 9月:国内で初めて狂牛病が発見される
  • 9月:米国で同時多発テロ発生
  • 12月:愛子内親王ご誕生

平成14年(2002年)
  • 2月:ソルトレークシティ冬季五輪開催
  • 5月:2002 FIFAワールドカップを日本と韓国で共同開催
  • 10月:北朝鮮拉致被害者5名が帰国

平成15年(2003年)
  • 3月:イラク戦争勃発
  • 5月:小惑星探査機「はやぶさ」打ち上げ
  • 5月:三浦雄一郎さん(当時70歳)がエベレスト登頂成功
  • 7月:宮城県北部地震発生

[写真18]
三浦雄一郎さんの写真
写真提供/ミウラ・ドルフィンズ


平成16年(2004年)
  • 8月:アテネ五輪開催
  • 10月:新潟県中越地震発生
  • 11月:新札発行で千円札が野口英世、五千円札が樋口一葉に。福沢諭吉は変わらず
  • 12月:任天堂「DS」、ソニー「PSP」発売

[写真19]
アテネ五輪の様子
写真提供/共同通信社


平成17年(2005年)
  • 2月:中部国際空港開港
  • 3月:愛知万博開催
  • 7月:ロンドン同時爆破事件発生

平成18年(2006年)
  • 2月:トリノ冬季五輪開催
  • 4月:地上デジタル放送「ワンセグ」開始
  • 9月:安倍内閣誕生

平成19年(2007年)
  • 2月:第1回東京マラソン開催
  • 3月:能登半島地震発生
  • 7月:新潟県中越沖地震発生
  • 9月:福田内閣誕生
  • 10月:郵政民営化スタート

[写真20]
第1回東京マラソンの様子
写真提供/共同通信社


平成20年(2008年)
  • 6月:東京メトロ副都心線開通
  • 6月:岩手・宮城内陸地震発生
  • 7月:北海道洞爺湖サミット開催
  • 8月:北京五輪開催
  • 9月:米国でサブプライムローン問題が発生(リーマンショック)
  • 9月:麻生内閣誕生

[写真21]
洞爺湖サミット会場の遠影

さまざまな技術の進化

AIやIoTなどを駆使したテクノロジーの進化は、農林水産業の分野にも大きな変化をもたらしています。

新しい技術が開発され農業の現場が変わる

高齢化に加え、農業資材や燃油の高騰などの厳しい環境にある農家から、省力化でき、低価格な農業機械の需要が高まりました。田植え機は平成初期のものと比較すると、ICT活用が大きく進化。新たな機能が次々に追加され、農業者の負担が少なくなっています。農作物の収穫を代行する自動収穫機も実用化が始まっています。

[写真1]
トマトやいちごなどの大規模農園で試験運用が始まっている「農業収穫ロボット」

[写真2]
平成初期に発売された小型田植え機

[写真3]
GPSや24.6馬力のディーゼルエンジンを搭載し、性能も格段に進歩(写真はクボタの田植機「ナビウェル」)
写真提供/(株)クボタ(写真2、写真3)


素材の味をより楽しむため家電の性能が向上

平成後期には、高機能を誇る調理家電が次々と出現。好みの炊き方を選べる機能付炊飯器や、自動調理鍋、過熱水蒸気だけで食材を加熱するウォーターオーブンなど、手間をかけずにおいしくてヘルシーな料理が作れる調理家電が発売されました。

[写真4]
水なし自動調理鍋「ヘルシオ ホットクック」。材料を入れるだけでおいしい煮込み料理ができる(シャープ)

[写真5]
丸洗い可能な蓋が画期的だった平成元年発売のマイコン炊飯ジャー(タイガー)

[写真6]
銘柄にあわせて炊き方や水量を調整する銘柄量り炊き機能搭載(アイリスオーヤマ)


米の新しい活用方法に注目が集まる

米の加工技術の向上や食品企業の努力によって、さまざまな新しい食べ方が誕生。米をペースト状にした新しい米加工品「コメネピュレ」や、米を製粉した米粉を使った、小麦アレルギーの人も食べられるグルテンフリーの商品が注目されています。また、米粉でパンが焼けるホームベーカリーも発売されています。

[写真7]
米粉とコメネピュレを使った米麺のパスタセット

[写真8]
米粉でパンが作れるホームベーカリー(パナソニック)


47都道府県の木材を使って新国立競技場を建設

「木の持つ温かな質感で観客を包み込む」というコンセプトのもと、建設が進められている新国立競技場。その軒庇の建築には、47都道府県から集めた木材が使用されます。さらにエントランスゲートの軒庇には復興を祈念して、北側と東側ゲートに東日本大震災で被災した岩手・宮城・福島の木材が、南側ゲートには、地震被害に見舞われた熊本県の木材が使われます。

[写真9]
大成建設・梓設計・隈研吾建築都市設計事務所JV作成/JSC提供
注)パース等は完成予想イメージであり、実際のものとは異なる場合があります。植栽は完成後、約10年の姿を想定しております


セルロースナノファイバーの開発が進む

植物の主成分であるセルロースをナノサイズにまで細かく分解したバイオマス素材がセルロースナノファイバー。鋼鉄の5分の1の軽さながら5倍以上の強度をもち、ガスバリア性が高いなどのさまざまな特徴を有しています。軽くて強いため、自動車部品での活用に向けて実証中。また、保水性もあり、食品や化粧品などでも利用が進められています。

[写真10]
生地に練り込むことで、もっちりしっとりした食感になった「田子の月」のどら焼き

[写真11]
自動車のボンネットやドア部品などへの使用が期待される


次世代はこうなる?未来予想図

未来の食事づくりは3Dフードプリンターで

カートリッジにつめたペースト状の材料を、入力したレシピどおりに立体的に出力(調理)する3Dフードプリンター。現在はクッキーやパスタなど、できるメニューに限りがありますが、いずれは人が作るものと遜色ない料理ができるかもしれません。

[写真12]
ホウレンソウ乾燥粉末を練り込んだ「魚のすり身」を圧縮空気で押し出して造形
写真提供/水産大学校


昆虫が将来の食糧難を救う?!

生産時の環境負荷が少なく、良質なタンパク質を摂取できることから「昆虫食」が注目されているのをご存じですか?国連食糧農業機関は貴重な栄養源として昆虫食を評価しており、日本国内でも普及を目指す企業がさまざまな商品を開発しています。世界的な人口増加で食糧難が予想される将来、昆虫の良質なタンパク質が注目されています。

[イラスト1]
昆虫のイラスト

[写真13]
「BugMo」が販売するコオロギを使用したプロテインバー


超高層木造ビルで街を森に変える

2041年を目標に、東京・丸の内を想定し、350メートル・地上70階建ての木造超高層建築物を建設する研究技術開発構想を住友林業が発表。建物は木材比率9割の木鋼ハイブリッド構造。高層建築物を木造化・木質化することで、持続可能な循環型社会を構築し、環境木化都市を目指すとしています。

[写真14]
木造超高層建築物の完成予想図
画像提供/住友林業・日建設計


主なできごと

平成21年(2009年)
  • 5月:裁判員制度がスタート
  • 9月:鳩山内閣誕生

平成22年(2010年)
  • 2月:バンクーバー冬季五輪開催
  • 6月:菅内閣誕生
  • 10月:羽田空港新国際線ターミナル開業

平成23年(2011年)
  • 3月:東日本大震災発生
  • 3月:九州新幹線の新八代―博多間開通
  • 7月:地上アナログ放送が終了し、地上デジタル放送へ
  • 9月:野田内閣誕生

平成24年(2012年)
  • 5月:東京スカイツリー開業
  • 7月:ロンドン五輪開催
  • 12月:安倍内閣誕生

[写真15]
東京スカイツリーの写真


平成25年(2013年)
  • 9月:2020年夏季オリンピック・パラリンピックの開催地が東京に決定

平成26年(2014年)
  • 2月:ソチ冬季五輪開催
  • 4月:消費税が5パーセントから8パーセントに
  • 9月:御嶽山が噴火

平成27年(2015年)
  • 3月:北陸新幹線の長野―金沢間開通

平成28年(2016年)
  • 3月:北海道新幹線開通
  • 4月:熊本地震発生
  • 5月:伊勢志摩サミット開催
  • 8月:リオデジャネイロ五輪開催

[写真16]
伊勢志摩サミットの様子
写真提供/共同通信社


平成29年(2017年)
  • 12月:2019年4月30日の天皇陛下ご退位が決定

平成30年(2018年)
  • 2月:平昌冬季五輪開催
  • 9月:北海道胆振東部地震発生
  • 10月:東京都中央卸売市場の築地市場が閉場し、豊洲へ移転

[写真17]
築地から豊洲へ移動するターレットトラックの行列
写真提供/共同通信社


平成31年(2019年)
  • 5月:新元号がスタート

文/柳澤美帆


特集2 affの歩み

農林水産省の広報誌として昭和45年10月に創刊した「aff」は、平成19年4月に全面リニューアルし、平成最後の発行となる今号で583号を数えます。リニューアル後に発行された中から連載企画の一部を取り上げ、本誌の変遷を振り返ってみました。

バックナンバーはこちら(2009年5月号から掲載) [QRコード1]
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/bcnm2019.html

2007年4月号

  • 特集1:バイオマスがひらく、地球の未来
  • 特集2:心と体を癒しに森へ行こう!
  • 連載:季の風景【第1回】朝もやの棚田、武田双龍の「書の食卓」【第1回】食も書も「道」を極めるもの
  • 編集協力:社団法人 時事画報社

[写真1]
2007年4月号表紙

[写真2]
季の風景【第1回】朝もやの棚田
100年後まで残したい農山漁村の四季折々の美しい風景を紹介するフォトエッセイ。初回は新潟県十日町市の棚田を取り上げた


2008年1月号

  • 特集1:ニッポンの「おいしい」は、世界でもおいしい!
  • 特集2:体も心も温まる ふるさと鍋紀行
  • 連載:石川三知の「たべもの歳時記」新しい年を迎えて、チャレンジャー【第10回】内 俊隆さん
  • 編集協力:社団法人 時事画報社

[写真3]
2008年1月号表紙

[写真4]
チャレンジャー【第10回】内 俊隆さん
農林水産分野で先進的かつユニークな活動をする人を紹介する連載企画。94回も続く長期連載となった


2009年11月号

  • 特集1:ヨリドリミドリ
  • 特集2:食材まるかじり マルゴトタマゴ
  • 連載:affインタビュー【第31回】板東英二さん、こぐれひでこの「いただきもの絵日記」
  • 編集協力:株式会社 マガジンハウス

[写真5]
2009年11月号表紙

[写真6]
こぐれひでこの「いただきもの絵日記」
エッセイストのこぐれひでこさんが、いただいた食べ物にまつわるエピソードを、イラストとともに綴った企画


2011年6月号

  • 特集1:日本の「食」を守るために応援しよう!国産の力
  • 特集2:食材まるかじり 日本料理の原点 だし
  • 連載:aff Interview CLOSE UP仕事人、東日本大震災 被災地復興に向けて
  • 編集協力:株式会社 マガジンハウス

[写真7]
2011年6月号表紙

[写真8]
東日本大震災 被災地復興に向けて
東日本大震災の被災地支援のため、復興に向けた取り組みなどを伝えた。タイトルを変えて2016年まで連載


2013年5月号

  • 特集1:いいね!都市農業
  • 特集2:ほっとするね。おばあちゃんの懐かしご飯
  • 連載:東日本大震災 被災地の復旧・復興に向けて、チャレンジャーズ チーム力で輝け
  • 編集協力:一般社団法人 家の光協会

[写真9]
2013年5月号表紙

[写真10]
ほっとするね。おばあちゃんの懐かしご飯
おばあちゃんの懐かしご飯とは、地域の風土や暮らしの中で育まれた食のこと。その特徴や作り方を取り上げた


2015年1月号

  • 特集1:新しい可能性もいっぱいやっぱり、お米が好き!
  • 特集2:食文化研究家・清絢の味わいふれあい出会い旅
  • 連載:チャレンジャーズ トップランナーの軌跡
  • その他:2015新春座談会/見直したい、伝えたいお米の魅力
  • 編集協力:一般社団法人 家の光協会

[写真11]
2015年1月号表紙

[写真12]
食文化研究家・清絢の味わいふれあい出会い旅
食文化研究家・清絢(きよし あや)さんが各地の郷土食を巡った紀行を連載。特色ある食文化を紹介した


2016年8月号

  • 特集1:和牛
  • 特集2:牛肉
  • 連載:ニッポン麺探訪【第4回】島原そうめん、今月の農林水産大臣賞【vol.4】家族とともに一頭一頭に愛情を込めて
  • 編集協力:株式会社KADOKAWA

[写真13]
2016年8月号表紙

[写真14]
今月の農林水産大臣賞【vol.4】家族とともに一頭一頭に愛情を込めて
農林水産大臣賞が贈られた企業や生産者などに着目し、受賞の背景やこだわりの取り組みについて掲載


2018年2月号

  • 特集1:蚕業革命~歩み出した絹復活への道~
  • 特集2:和紙
  • 連載:味の再発見!昔ながらのニッポンの郷土料理【第10回】しもつかれ、輝く!未来を担う生産者【vol.10】川原製作所/富山県
  • 編集協力:株式会社KADOKAWA

[写真15]
2018年2月号表紙

[写真16]
味の再発見!昔ながらのニッポンの郷土料理【第10回】しもつかれ
フードライターの白央篤司さんが郷土料理について語る連載企画。各地で親しまれている料理が誌面を飾った


[写真17]
過去の「aff」の表紙一覧


連載の思い出

2009年から2012年まで続いた人気企画 「駅弁紀行」。ヨネスケさんに、当時の思い出を語っていただきました。

[写真1]
2009年10月号、駅弁紀行:ヨネスケ【第6回】米原駅(東海道新幹線・東海道本線)「湖北のおはなし」
※価格などの情報は連載当時のものです。

連載当時を振り返って

2009年から2012年まで、35回にわたって「駅弁紀行」の連載を続けさせていただきました。こうして誌面を振り返ると、あらためて日本全国にはその土地固有の個性的な駅弁があることを再認識させられますね。写真を見ただけで、いつどんな状況で食べたのか、瞬時に思い出します。その土地の風景や出会った人と駅弁の味がセットになって記憶されているんです。

その中でベストワンの駅弁を選ぶのは至難の業ですが、あえて挙げるとすれば米原駅の「湖北のおはなし」でしょうか。地元名産の鴨をメインにしたおかずのバランスの良さ、おこわのおいしさ。人々が駅弁に求めるものがギュッと凝縮されています。

一方、インパクトで選ぶなら、高知駅の「かつおたたき弁当」。保冷材を入れて生の魚を駅弁のおかずにする大胆さに衝撃を受けたし、味も絶品。卵焼きの下に魚介類のおかずを敷き詰めた新発田駅の豪勢な「えび千両ちらし」も忘れ難いですね。

駅弁を食べることで、その地域ならではの食文化や歴史、人々の暮らしが垣間見えます。この地域ではこの食材が採れるからこの料理が生まれ、それを地元の人たちが長い間食べ続けてきたことで名物になった。日本の食文化の多様性が、小さな箱の中から見えてくるところが駅弁の醍醐味です。連載終了後もあいかわらず各地の駅弁を食べ続けていますが、新商品も次々に登場するので、すべてを食べ尽くすのはまず不可能。そのくらい奥が深いんです、駅弁の世界は。

[写真2]
連載当時の想いを語るヨネスケさん

取材・文/さくらい伸、撮影/かくたみほ


あの人は今

過去に本誌に登場していただいた3名の方を再び訪ね、前回の取材時からの変化や今後の展望など、それぞれの「今」について、お話を伺いました。

【File 1】2010年5月号「第13回 日本の篤農家」に登場
鶴田ほとりさんのそれから(熊本県)

[写真1]
ほとりさんと夫の志郎さん。有機農産物の流通会社を立ち上げ、東京に単身赴任していた志郎さんは7年ぶりに農園を拠点に。久しぶりの農作業が楽しくて、いつもみかん山を歩いているそう

[写真2]
鶴田ほとりさんの写真

【鶴田さんの歩み】
2011年:東京を拠点に株式会社マルタの代表を務めていた鶴田志郎さんが、農園に戻る
2012年:有機農業に関する講座を開設
2013年:園地を約3ヘクタール拡大、合計14ヘクタールの経営に
2015年:2012年から研修を受けていた中村学さんが隣県で独立し、有機農園をはじめる
2016年:大寒波による被害をきっかけに社内システムを改良

[写真3]
地域の有機農業を牽引する農家として紹介。先代と志郎さんが苦労して経営を軌道に乗せたことが語られた

[写真4]
園地拡大、収穫量の増大により、手選別が難しくなったため、光センサー付きの選果機を導入。糖度と酸度をセンサーで測って選別する

有機農業に取り組んで40年以上
今なお新しい挑戦は続く

鶴田有機農園は化学肥料や除草剤を一切使わない農園です。土の中の微生物がよい土を作り、その土で育った柑橘類はうま味や酸味、栄養がたっぷり。こうした有機農業を先代から40年以上も続けてきました。

現在はほとりさんと夫・志郎さんの二人三脚、さらに次男の正徳さんも加わり、農園は一層活気づいています。2013年には3ヘクタールの園地を造成、農園を拡大しました。一方で、今までの作業方法の見直しも。選別作業を光センサー付きの選果機に任せ、作業効率が格段にアップ。これは正徳さんの尽力によるものです。

近年は気候の変化が激しく、抜本的な対策を迫られたこともありました。2015年2月の大寒波では、寒さに弱いレモンが特に大打撃を受け、収穫量は1700ケースから400ケースに落ち込みました。 この激しい減収により大改革が始まります。まずは朝晩のミーティングを強化。作業内容を明確にして効率化を目指しました。定期的な役員会で情報を共有し、作業の無駄はないかなど、改善の余地も議論。こうした努力が実り、2019年には赤字分を取り戻す見通しが立っています。


農園で培ったノウハウや人脈で次世代へバトンをつなぐ

農園では2000年ごろから研修生を受け入れています。中村学さんは神奈川県から家族と共に移住、3年間の研修期間では、施肥や下草刈りなどから、収穫時期の見極めや出荷の方法まで学びました。2015年に独立して甘夏の栽培をはじめたのですが、独立直後は台風や寒波が来るたびに右往左往したそう。「農園で学んだことは全作業の一部。全体を見渡す難しさを知り、慣れるまでに3年くらいかかりました」と話します。農園では年に数回講師を招き、有機農業に関する講座を開設。中村さんのためにはじめた取り組みですが、今では社内の他、周辺農家や県外の就農希望者まで参加するように。「中村さんのように軌道に乗る人はわずか。ノウハウや経営が難しくて挫折する人がたくさんいます。ですが次世代につなげるためには、こうした取り組みが重要だと感じます」。志郎さんが手に取るみかんには将来を担う生産者を育てる熱意もつまっています。

[写真5]
出荷のピークを迎える作業場。ひとつずつゴミを除いてみかんを磨き、箱詰めする

[写真6]
「分からないことがあれば、志郎さんに相談できるのが心強い」と中村さん。志郎さんも中村さんの様子が気になって、ときどき中村さんの園地へ足を運ぶのだそう

[写真7]
甘夏の収穫が終わったところで、作業場はコンテナでいっぱい

[写真8]
中村さんの農園では甘夏をひとつずつ袋詰めし、北海道の洞爺湖町にある雪蔵へ。5月から6月まで貯蔵し、出荷時期をずらして販売する

[写真9]
バトンを受け取った中村さん
中村さんご夫婦。2018年に甘夏の有機JAS認証を取得し、2019年からはレモンの園地を造成予定


【File 2】2016年4月号特集「今、農学部が熱い!」に登場
中川卓也さんのそれから(千葉県)

[写真10、写真11]
(上)花に袋をかけて花粉を採取し、他品種に受粉させ、新しい品種を作る
(右)いちごは地上近くを這って伸びる茎(ランナー)で増やすのが一般的だが、近年の研究で種子繁殖が不可能ではないことが分かった

[写真12]
ココにいます!

[写真13]
中川卓也さんの写真

【中川さんの歩み】
2017年:千葉大学大学院園芸学研究科卒業。同年4月、千葉県の園芸植物育種研究所に就職
2018年:いちご研究用のハウスが完成。本格的にいちごの育種研究をスタート

興味がなかった育種の分野
関わってみると奥深い世界の虜に

「細かい作業が苦手で育種にも興味はありませんでしたが、やってみると楽しいものですね」と話す中川さん。取材時、ハウスは受粉作業の真っ最中で、慣れた手つきでいちごの花に袋をかけて回ります。

千葉大学の大学院で栽培を研究したのち、園芸植物育種研究所に就職。新しくいちごの品種開発に取り組むにあたり、中川さんがハウス建設を担当しました。「大学時代に学んだ養液栽培や施設園芸の知識が役に立ち、農業資材関係の企業にいる後輩からおすすめの機器を教えてもらったりしました」。

2018年からは本格的にいちごの研究がスタート。種子で増やせる新品種の開発が目下の課題で、味はもちろん、育てやすく病気に強い、高品質なものを目指しています。「よい性質がうまく受け継がれないことも多々あって、大学院でもっと遺伝を勉強しておけばよかったなと。なかなか奥が深くてはまっています」。驚きや発見を与えてくれるいちごと毎日向き合って格闘中です。


【File 3】2009年12月号特集「若い力―農業高校は、いま―」に登場
森田格勝さんのそれから(青森県)

[写真14]
冬の間は1日約12kgのむかごの選別を行う

[写真15、写真16]
(上)冬は作業小屋周辺の雪かきも重要な作業のひとつ
(左)山いもの収穫は初冬と春の2回。むかごを植え、芽を出した1年目の子を作り、翌年に成いもまで育てて出荷
写真提供/JA八戸

[写真17]
ココにいます!

[写真18]
森田格勝さんの写真

【森田さんの歩み】
2012年:青森県立三本木農業高等学校卒業後、実家を継いで就農
2017年:長いもに緑肥農法を導入
2019年:長いも・ごぼうの収穫面積を少しずつ増やし、それぞれ約2倍に

農業の楽しさを感じるから新しいことにも挑戦したい

高校卒業後に就農して6年、自営で長いもとごぼうを生産している森田さん。最初は戸惑うことばかりで、作物の育成不良や収穫量の減少など、悩みも多かったそうですが、高校で多種多様な植物を栽培した経験と知識を武器に「何事も行動あるのみ」と前向きでした。例えば、根菜類は同じ畑で育て続けると病気にかかりやすくなるため、2年前からはJA八戸の力を借り、長いもの葉などを畑にすき込む緑肥という方法を導入。「これから結果が出るので楽しみ」と笑顔がこぼれます。

就農時から収穫面積を少しずつ広げ、現在は約2倍に。長いもは約1.6ヘクタール、ごぼうは2ヘクタールまで増やしました。祖父が育てていた大根の復活も計画中。大根は気候に左右されやすく、市場での価格が変動しやすい野菜で、育て方や生産量の調整に手間がかかりますが、当たったときの喜びも大きいのだとか。自分の知見が試されるという意味でも、一層やりがいを感じるのだそうです。

「地元で農業に携わる以上、地域を元気にしたいんです。農業で何か地域に貢献できないか、そんなことも考えています」。森田さんの挑戦は始まったばかりです。


affが変わります

[写真19]
スマートフォンでaffを閲覧している様子

今月号をもちまして冊子での発行を一旦休止し、次号からデジタル化します。省Webサイトへの掲載のみとなりますが、スマートフォンなどでより見やすいデザインにリニューアル。新しいaffにご期待ください。

取材・文/池田菜津美、撮影/熊野淳司


MAFF TOPICS

「MAFF TOPICS」では、農林水産省からの最新ニュースなどを中心に、暮らしに役立つさまざまな情報をお届けいたします。

NEWS1

農林水産業×SDGs

世界が直面する貧困、気候変動、格差などの課題。これらに対処するため、2015年の国連サミットで、すべての国が持続可能な社会を実現するための取り組みの指針として、「持続可能な開発目標」(=SDGs)が採択されました。

日本では、「SDGsアクションプラン」の策定や、優れた取り組みを表彰する「ジャパンSDGsアワード」など、政府全体でSDGs実現に向けた取り組みを進めています。

自然と密接に関わりのある農林水産分野においても、社会・経済・環境のバランスは非常に重要。例えば、農村における女性活躍や、スマート農林水産業、再生可能エネルギーなども、農林水産業や農山漁村の持続可能性を高める大切な取り組みです。昨年12月の第2回ジャパンSDGsアワードでは、食料・農業分野から株式会社日本フードエコロジーセンターにSDGs推進本部長賞が授与されました。

今後とも、農林水産省として、SDGsの実現に積極的に貢献しつつ、持続可能な農林水産業・農山漁村の発展に向けて取り組んでいきます。

SDGsとは

[イラスト1]
SDGsのイメージイラスト

Sustainable Development Goalsの頭文字を取ったもの。2001年策定のミレニアム開発目標(MDGs)を前身としているが、MDGsが発展途上国向けだったのに対し、SDGsは先進国を含めた世界のすべての国が行動すべき目標であることが特徴。「誰一人取り残さない」を理念とし、貧困、ジェンダー、気候変動などの課題に対する17の目標が設定されている。


5つの主要原則

普遍性:先進国を含め、すべての国が行動する
包摂性:人間の安全保障の理念を反映し、「誰一人取り残さない」
参画型:すべてのステークホルダー(政府、企業、NGO、有識者等)が役割を
統合性:社会・経済・環境に統合的に取り組む
透明性:定期的にフォローアップ

SDGsに関する政府の取り組み(SDGsアクションプランなど)の詳細はこちら
[QRコード1]
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/sdgs/〔外部リンク〕

[イラスト2]
【SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS】2030年に向けて世界が合意した「持続可能な開発目標」です

[イラスト3]
1:貧困をなくそう

[イラスト4]
2:飢餓をゼロに

[イラスト5]
3:すべての人に健康と福祉を

[イラスト6]
4:質の高い教育をみんなに

[イラスト7]
5:ジェンダー平等を実現しよう

[イラスト8]
6:安全な水とトイレを世界中に

[イラスト9]
7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに

[イラスト10]
8:働きがいも 経済成長も

[イラスト11]
9:産業と技術革新の基盤をつくろう

[イラスト12]
10:人や国の不平等をなくそう

[イラスト13]
11:住み続けられるまちづくりを

[イラスト14]
12:つくる責任 つかう責任

[イラスト15]
13:気候変動に具体的な対策を

[イラスト16]
14:海の豊かさを守ろう

[イラスト17]
15:陸の豊かさも守ろう

[イラスト18]
16:平和と公正をすべての人に

[イラスト19]
17:パートナーシップで目標を達成しよう


例えばこんなこともSDGsです

農山漁村地域の活性化

農山漁村地域の豊かな資源を活用して、都市と農山漁村の交流、特産品の加工・販売や障害者の農業参加などを通じた地域住民の働く場の確保、所得の向上による地域の活性化に取り組んでいます。

[写真1]
地域住民の指導の下、畑で収穫する家族の様子

[イラスト20]
4:質の高い教育をみんなに、8:働きがいも 経済成長も、11:住み続けられるまちづくりを、17:パートナーシップで目標を達成しよう


スマート農林水産業

ドローンに搭載したカメラを使い、ほ場の生育状況のばらつきをマップ化。得られたデータを無人ヘリなどに読み込ませ、適切な肥料や農薬を散布し、最小限の投入で収量アップや品質向上を実現することができます。

[写真2]
ドローンの写真

[写真3]
マップ化したほ場の生育状況を色で確認

[イラスト21]
3:すべての人に健康と福祉を、9:産業と技術革新の基盤をつくろう、12:つくる責任 つかう責任


農山漁村における再生可能エネルギー

2050年までに温室効果ガス80パーセント削減の目標に向け、再生可能エネルギーの主力電源化を目指しています。各地で若手農家や地域が一体となって発電と農業を組み合わせた営農型太陽光発電に取り組んでいます。

[写真4]
営農型太陽光発電の様子

[イラスト22]
7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに、9:産業と技術革新の基盤をつくろう、13:気候変動に具体的な対策を


国際的な水産資源管理

途上国に対して漁業に関する技術的指導や助言を行うことなどを通じて、国際的な資源管理を推進し、水産資源の持続的利用の実現を目指します。

[写真5]
途上国での技術指導の様子

[イラスト23]
14:海の豊かさを守ろう、17:パートナーシップで目標を達成しよう


プラスチック資源循環の取り組み

農林水産・食品産業の企業・業界団体における3R推進のための自主的取り組みを「プラスチック資源循環アクション宣言」として取りまとめています。

[写真6、写真7、写真8]
「プラスチック資源循環アクション宣言」

[イラスト24]
9:産業と技術革新の基盤をつくろう、11:住み続けられるまちづくりを、12:つくる責任 つかう責任、14:海の豊かさを守ろう、17:パートナーシップで目標を達成しよう


途上国における森林保全

途上国の住民による森林保全活動の促進や生計向上手段の提供などを通じ、森林減少などによる温室効果ガスの排出削減や持続可能な森林経営の実現を目指します。

[写真9]
途上国の住民による森林保全活動の促進の様子
写真提供/独立行政法人国際協力機構

[イラスト25]
6:安全な水とトイレを世界中に、13:気候変動に具体的な対策を、15:陸の豊かさも守ろう、17:パートナーシップで目標を達成しよう


第2回ジャパンSDGsアワード

【推進本部長(内閣総理大臣)賞】株式会社日本フードエコロジーセンター

国内で生じる食品残さから良質な飼料を製造。その飼料を用いて飼養された豚肉をブランド化することで、養豚事業者や食品製造業、小売、消費者を巻き込んだ継続性のある「リサイクルループ」を構築

センターでの製造工程

食品残さを乳酸菌発酵させ、液体飼料に調製

[写真10、写真11、写真12]
破砕→加熱・発酵→液体飼料

製造や農家への配送の際、衛生管理に注意しています


養豚農家

[写真13]
液体飼料の給与により、粉塵の発生が減少し、豚の呼吸器系疾患も減少


食品産業

[写真14]
生産された豚肉は、食品残さを排出した食品産業を中心に販売

[写真15、写真16]
食品工場やスーパーなどから食品残さを受け入れ、センターに搬入

[イラスト26]
2:飢餓をゼロに、3:すべての人に健康と福祉を、7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに、8:働きがいも 経済成長も、12:つくる責任 つかう責任、13:気候変動に具体的な対策を、17:パートナーシップで目標を達成しよう

ジャパンSDGsアワードに関する詳細はこちら
[QRコード2]
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/award/index.html〔外部リンク〕


NEWS2

みどりの恵みを感じる月間

毎年4月15日から5月14日は「みどりの月間」です。期間中は、全国各地で、緑の豊かさを身近に感じ、自然に親しむさまざまな行事が開催されます。

木や緑と触れ合いながら木育やヨガを行う体験プログラムや自然観察会、研究者によるトークショーなど、親子で楽しめるイベントが盛りだくさん。締めくくりとなる5月11日(土曜日)、12日(日曜日)の両日には、東京の日比谷公園で「みどりとふれあうフェスティバル」も行われます。

4月26日(金曜日)にはみどりの式典が開催されます。例年、天皇皇后両陛下ご臨席の下、内閣総理大臣からみどりの学術賞の授与が行われています。みどりの学術賞は、植物、森林、自然保護などに関する研究、技術開発などに功績のあった個人を表彰するもので、これまでに24人が受賞。

また、みどりの月間にあわせて、「緑の募金」への参加呼び掛けも行われます。緑の募金は毎年春と秋に実施され、寄せられた募金は、植樹や間伐などの森林整備、震災・豪雨被災地の支援、子どもたちへの森林環境教育、海外の緑化支援などに役立てられています。

若葉の緑がまぶしい季節、家族で自然や森の恵みを感じに出掛けてみてはいかがでしょうか。

みどりの式典

[写真17]
天皇皇后両陛下ご臨席の下に行われた昨年の様子


全国各地のフェスティバル

[写真18]
(1)ビー玉遊び (木とあそぼう 森をかんがえようwith more trees)
開催日:5月3日(金曜日・祝日)から5月5日(日曜日)
場所:アークヒルズ(東京都港区)

[写真19]
(2)森のヨガ体験 (鹿児島県みどりの感謝祭)
開催日:4月27日(土曜日)
場所:鹿児島県「県民の森」中央広場

[写真20]
(3)森の散策 (鹿児島県みどりの感謝祭)
開催日・場所は (2)と同じ

[写真21]
(4)木育体験(みどりとふれあうフェスティバル)

[写真22]
(5)森と木!ゲーム大会(石川県県民みどりの祭典)
開催日:4月29日(月曜日・祝日)
場所:石川県森林公園

写真提供/(1)森ビル株式会社、(2)と(3)鹿児島県、(5)石川県
※開催日は2019年度、写真は(1)から(4)は2018年度、(5)は2017年度のものです。


NEWS3

主要20カ国の農業大臣が新潟に集結

今年6月、G20サミットが大阪市で開かれます。G20サミットとは、世界主要20カ国や招待国の首脳、国際機関が参加し、経済分野を中心に世界の課題について議論する国際会合。日本での開催は初めてとなり、G20サミットにあわせて全国8都市で関係閣僚会合が行われます。その一つとして、5月11日(土曜日)、12日(日曜日)の2日間、新潟市を会場に開催されるのがG20新潟農業大臣会合です。

この会合では、「農業・食品分野の持続可能性について~新たな課題とグッドプラクティス」のテーマの下、次世代の農業を担う人づくりと新技術、フードバリューチェーン全体に着目した農家の収益向上策、SDGs達成に向けた対応などを論点に、主要20カ国の大臣が率直な意見交換を行う予定です。また、各国の大臣が日本の農業や文化に触れる機会を設け、日本の農産物の魅力をアピールし、輸出促進につなげていきます。

[写真23]
「G20 新潟農業大臣会合」のポスター

[写真24]
会場となる朱鷺メッセ(新潟市)

[写真25]
春の訪れを告げる大藤棚の花々(北方文化博物館)

[写真26]
多彩で個性豊かな高品質の日本酒

詳しくはこちら
[QRコード3]
https://www.maff.go.jp/j/kokusai/kokusei/kanren_sesaku/G7_G20/G20_niigata.html

クイズの答え

昭和45年10月

農林水産業の動きや食の魅力などをお届けしてきた広報誌aff(あふ)。約50年にわたり、月刊誌として発行を続けてきました。

なお、創刊当時は、B5判80頁、価格200円で販売。表紙と裏表紙はカラーですが、誌面はすべて白黒刷りで、スポンサー広告も掲載。農林水産施策の解説が中心の構成でした。

[写真27]
創刊号の表紙。当時は農林水産業の風景を題材にした絵画だった



編集・発行 農林水産省大臣官房広報評価課広報室
〒100-8950 東京都千代田区霞が関1-2-1
TEL:03-3502-8111(代表)
FAX:03-3502-8766

編集協力 株式会社文化工房
〒106-0032 東京都港区六本木5-10-31 矢口ビル4F
TEL:03-5770-7114(代表)
FAX:03-5770-7132
編集/中村麻由美、小尾悠梨子、糸瀬早紀、 藤田紫糸、小竹結女、伊藤高、小野沢啓子、三邉晶子
アートディレクション/釜内由紀江
デザイン/石川幸彦、清水桂