フリーズドライ食品
水やお湯を加えただけで、簡単に食べられる保存食“フリーズドライ食品”。どうやって作られているの? 水やお湯ですぐ戻るのはどうして? といったさまざまな疑問について、アサヒグループ食品の広報・CSRグループの八尋 玲さんに伺いました。
- フリーズドライ食品とは、何ですか?
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フリーズドライ食品とは、食品を凍らせ、真空凍結乾燥機と呼ばれる機械で、真空に近い状態にして乾燥させたものです。
- お湯や水で戻るのはなぜですか?
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フリーズドライ食品の作り方に理由があります。もとの食品を1食分ずつ型枠に入れて、まず凍結庫で凍らせます。食品を凍らせると、含まれている水分は細かな氷の粒になります。次に、真空凍結乾燥機で乾燥させます。このとき、氷からそのまま水蒸気にする昇華を行い、乾燥させるのです。こうすると、氷の粒があったところは、隙間ができてスポンジ状になります。この隙間にお湯や水が入ることで、食品を復元できるのです。
- 栄養やおいしさは
そのままなのでしょうか? -
フリーズドライは乾燥工程で、食品に高い温度をかけません。熱による大きな影響を受けないので、食材の色や香り、風味、食感などが復元されやすい上に、ビタミンなどの栄養価が損なわれにくいのです。また、常温で長期間の保存ができるので、保存料も使用していません。
- どのような商品が人気ですか?
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アマノフーズでは、味噌汁などのスープ類や、一品料理などを販売しています。中でも味噌汁が人気です。手作りする場合、だしを取って具材を入れ、味噌を溶かしますが、この作り方は意外と手間のかかるもの。フリーズドライの味噌汁なら、1人分でもすぐにできあがる便利さが人気の理由です。また、アマノフーズでは具材に合わせてだしと味噌を使い分けていて、特に味噌は全国の約30種から適したものをブレンド。そのおいしさも支持されています。
アマノフーズのフリーズドライ(味噌汁)の製造工程を拝見!
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まず、ニーダーという巨大な鍋で、丁寧に味噌汁を作る。大きなニーダーでは一度に4万食分の味噌汁ができる。
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できあがった味噌汁は、1食分ずつ自動でトレイに入る。
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約マイナス30度の凍結庫に入れ、8時間以上かけてしっかり凍らせる。
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新幹線の車両1両分とほぼ同じ、長さ24メートルの真空凍結乾燥機に入れ、24時間以上乾燥させる。一度に8万8,000食を作ることができる世界最大級の機械。
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ブロック状の味噌汁が完成。
おいしいフリーズドライ食品
世の中にあるさまざまなフリーズドライ食品の中から、自分で作るにはちょっと手間がかかる一品料理を選んで紹介します。毎日の食事はもちろん、アウトドアでの携行食にもおすすめです。
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クリームソースに3種類のチーズパウダーを合わせた濃厚な味わい。ぶなしめじ、まいたけ、ベーコンなども入っている。「アマノフーズ 三ツ星キッチン 3種のチーズのクリームパスタ」/アサヒグループ食品
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豊かな香りが楽しめる本格的なビーフシチュー。厳選した赤ワインを使用することでコクの深い味に仕上げてある。「アマノフーズ ビーフシチュー」/アサヒグループ食品
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尾付きのエビ、ほうれん草、きくらげなどの具材入り。深い味わいのあるとろみスープで仕上げた、彩りのいい中華丼の素。「アマノフーズ 小さめどんぶり 中華丼の素」/アサヒグループ食品
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直火であぶったカニのほぐし身も入った海鮮雑炊。国産米を魚介や野菜のだしでじっくりと炊き上げ、沖縄の塩「シママース」で味付け。「アマノフーズ 炙りかに雑炊」/アサヒグループ食品
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国産鶏のカツを和風だしの効いた卵でとじ、甘みのあるたまねぎも加えた数量限定品。ご飯に合う甘辛い味わいに仕上げてある。賞味期限は6カ月。「アマノフーズ チキンカツの玉子とじ(通販・数量限定)」 /アサヒグループ食品
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手作りしたような柔らかい鶏つくねと高野豆腐に、ぶなしめじ、いんげん豆、にんじんといった彩り具材を合わせた、食べ切りサイズの総菜。「わがやづくし 鶏つくねと高野豆腐の煮物」/アスザックフーズ
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柔らかくてジューシーな揚げなすのうま味が味わえる煮びたし。とろみ餡にはカツオだしを使用。トッピングに千切りしょうがも入っている。「わがやづくし 揚げ茄子の煮びたし」/アスザックフーズ
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バランスのよい辛味と酸味のトムヤムスープ。具材には、爽やかな香りのパクチーの他、トマト、ふくろだけ、たまねぎなどが入っている。「スープ生活 パクチー香るトムヤムスープ」/アスザックフーズ
使った商品も
食品の長期保存を可能にする乾燥方法には、さまざまなものがあります。そのひとつがエアードライ。熱風を当てて水分を蒸発させるエアードライは、硬く縮んだ状態になるので戻す時間は長めですが、体積が少なくなり、備蓄や携行食に向いているともいえます。5年程度の長期保存ができるのも特徴です。
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