「レクリエーションの森」で自然を満喫しよう
美しい森林に包まれて自然観察やハイキングなどを思う存分楽しめるのが全国各地にある「レクリエーションの森」です。
日本は世界有数の森林大国
日本の森林面積は、ほぼ横ばいで推移しており、約2,500万ヘクタール。国土面積3,780万ヘクタールのうち、約3分の2が森林となっています。これはOECD(経済協力開発機構)加盟34カ国中フィンランドに次いで2位の森林率です(2015年)。内訳としては全国の森林の約6割が人の手がほぼ入っていない天然林で、残りの約4割がスギやヒノキなどを植樹した人工林です。所有者別に見ると、約6割が私有林、約1割が公有林、約3割が国有林となっています。
全国各地に広がる国有林は、良質な水の供給、土砂災害や気候変動の防止、生物多様性の保全など、私たちが生活していく上で大変重要な働きをしています。
「レクリエーションの森」とは
森林にもっと親しんでいただけるよう、全国の国有林のうち、自然観察や登山、キャンプ、スキー、環境教育などに適した森林を、林野庁が「レクリエーションの森」として全国で727カ所を設定しています(2019年4月1日時点)。このうち2017年には、特に景観などが優れた93カ所を「日本美しの森 お薦め国有林」に選定しました。
全国の主な「日本美しの森 お薦め国有林」
「日本美しの森 お薦め国有林」は、四季折々の魅力あふれる森林です。素晴らしい景観や動植物の観察、スポーツなど、さまざまな楽しみ方ができます。ここでは、その一部を紹介します。
ポロト自然休養林(北海道)
アイヌ語で「大きな沼」を意味するポロト湖の周辺に広がる、原始性の高い丘陵性の森林。見晴らしの良い望岳台から望めるのは樽前山(たるまえさん)をはじめとする山々と太平洋の雄大な景観。また、市街地に隣接しながらも、エゾシカ、キタキツネ、エゾモモンガ、エゾリスなどの動物を観察できます。
仁別(にべつ)自然休養林(秋田県)
秋田市の中心部を流れる旭川の源流部である太平山の麓に広がる森林で、春はベニヤマザクラの花、初夏はブナの新緑、秋は紅葉が山を彩ります。日本三大美林のひとつとなっている「秋田杉」が自生。自然休養林の一角にある森林博物館では、森林の歴史を学べる他、木工クラフトの無料体験ができます。
丹沢自然休養林(神奈川県)
都市近郊にもかかわらず、広大な原生林(過去に人の手が加わらなかった森林)が残されており、暖帯から温帯にわたる植生が分布しています。このため、豊富な樹種による原生林美や渓谷、滝が調和した多様な景観の他、雄大な太平洋や富士山の眺望を楽しめます。
湯の丸・高峰自然休養林(長野県)
浅間連峰の西側にあり、標高2,000メートル級の山々が連なっています。湯の丸高原一帯は太平洋側気候と日本海側気候が入り混じっていることから、低山から高山帯の植物までが咲く「花高原」として有名です。中でも6月下旬に見ごろを迎えるレンゲツツジの大群落は「ひと目70万株」と称えられ、国の天然記念物に指定されています。他にも、同じく天然記念物であるニホンカモシカやミヤマモンキチョウ、ミヤマモンシロチョウなどが生息。
岩国自然休養林(山口県)
日本を代表する木造橋である錦帯橋の西に位置し、山頂には岩国城がある丘陵地の森林です。シイやカシなどの常緑広葉樹を主とした天然林となっており、樹木約210種、草花約350種、シダ類約100種、約60種類の野鳥が観察されています。さらに、ロープウェイを利用して気軽に歴史や自然を感じながら、森林での散策を楽しめます。
滑床(なめとこ)自然休養林(愛媛県)
清らかな渓流、滑らかな河床の美しさが人気の自然休養林。春は、三本杭(さんぼんぐい)山頂付近に群生するシャクナゲが幻想的な姿を見せる他、山腹ではヤマザクラの開花期に、「一目千本桜(ひとめせんぼんざくら)」と称される絶景が広がります。夏の川遊びも人気で、滑床渓谷ではダイナミックなキャニオニングを楽しめます。
屋久島自然休養林 荒川地区(鹿児島県)
ユネスコの世界自然遺産に登録されている屋久島は「ひと月に35日雨が降る」と表現されるほど降雨量の多い島です。樹齢数千年を超える屋久杉の他、モミやツガ、ヒメシャラなどの巨木を含む原生林が広がり、美しい苔が地表を覆う神秘的な景観を見ることができます。林間に、ふれあいの径コース(所要時間30分)、いにしえの森コース(所要時間50分)など5つのコースが設定されており、体力に合わせて散策を楽しむことができます。
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