私を支えた「食」
坂井寛子さん(ソフトボール金メダリスト)
東京2020オリンピック・パラリンピック大会開催に向け、
トップアスリートなどの地元食材を生かした思い出深い「和食」を紹介します。
私を支えてくれた
「とり野菜みそ鍋」
石川県金沢市で育った私は、幼少期から加賀野菜や味噌料理などに親しみ、洋食よりも和食が好きな子どもでした。4歳上の兄のすすめで中学からソフトボールを始めたときも、栄養バランスの取れた和食のおかげでスタミナのある身体作りができたと感じています。
特に好きだったのは、石川県の郷土料理「とり野菜みそ鍋」。味の決め手は、石川県の食品製造会社、「まつや」の「とり野菜みそ」です。具材は、白菜、大根、にんじん、きのこ、ねぎ、豆腐、しらたき、豚や鶏肉など。シメはご飯で雑炊にします。うどんを入れるのも好きでしたね。家族みんなで鍋を囲む夕食が楽しい団らんのひとときでした。
「めった汁」も好きな郷土料理です。めった汁は、いわゆる豚汁のことで、地元では甘味のある「五郎島金時」というさつまいもを使うのが特徴。ほんのりした甘味が味噌とよく合うんです。
食について考えるようになったのは、社会人ソフトボール部に所属し、日本代表に選ばれたころ。栄養士の管理のもと、必要な栄養素を補う食材を意識して食べるようになりました。練習は長時間かつハードなので、合間におにぎりなどでエネルギーを補給していましたね。昆布や鮭、ツナを具材に、手軽に炭水化物が摂れるのでよく食べていました。
運動時はカルシウムやナトリウムなどミネラルが急速に消費されるため、筋肉が疲労し、脚がつることがあります。筋肉疲労を和らげるために、練習や試合時はクエン酸を含むオレンジジュースやアセロラドリンクを飲んでいました。
夕食はほとんど自炊で、やはりとり野菜みそ鍋をよく作っていました。いろんな野菜や肉、炭水化物を一度に食べられるし、疲れていても調理が簡単。母に味噌を送ってもらい、地元の味を楽しむことで、厳しい練習の後もホッとできましたね。
北京五輪でも携帯できる味噌汁や炊飯器を持参し、日本の米で作ったおにぎりを食べていました。食べ慣れた和食の支えがあったからこそ、力を発揮することができたと思います。
最大のライバル、
アメリカとの戦いに注目
ソフトボールは2008年の北京五輪を最後に正式種目から除外されていましたが、東京2020大会で復活しました。長い間、五輪を目指してきた選手たちにとって、東京2020大会は夢の大舞台になります。ベテラン選手に加え、オリンピック未経験のフレッシュな若手がバランスよく揃う日本チームは、「個の力」も「チーム力」も高い。欧米の選手とは身長や体格に差がありますが、日本の選手にはそれをカバーできる技術力があります。五輪への思いが強く、ストイックに練習を積み重ねている選手ばかりなので、間違いなく世界一を狙えると思います。
日本チームにとって最大のライバルはアメリカ。互いにプレーを研究し合い、最近ではアメリカも日本チームの要素を取り入れるなど戦い方に変化が見られます。ソフトボールは投手戦といっても過言ではありません。点を取り合うより、エラーをしたほうが負けに近づく。どちらが先にエラーを出すか、駆け引きをしながら相手を追い詰めていくプレーに注目してください。ひとつのミスが勝敗を左右するため、緊張感あふれる試合が楽しめるはずです。
ソフトボールのルールとメダルへの道
東京2020オリンピックのソフトボールの会場は、横浜スタジアムと福島県営あづま球場。2020年7月22、23日、25日から28日に開催される(2019年7月時点)。競技は、全チーム総当たり戦の予選ラウンドを行い、上位4チームが決勝トーナメントに進む。1996年のアトランタ五輪から2008年の北京五輪まで正式種目だった。
ルールは野球と似ているが、イニング数は7回、ピッチャーの投法は下手投げに限られるなど、異なるところも多い。さまざまな球種を組み合わせてどのようにバッターに対抗するか、投打の駆け引きが重要である。
11月24日は「和食の日」 和食をもっと手軽に食べよう!
農林水産省では、子どもたちに身近・手軽に健康的な「和ごはん」を食べる機会を増やしてもらうため、官民協働で、「Let’s!和ごはんプロジェクト」に取り組んでいます。
今月は本プロジェクトの集中活動月間である「和ごはん月間」です。みなさんもこれを機に「和ごはん」を始めてみませんか?
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大臣官房広報評価課広報室
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