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aff 2020年2月号
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東京2020 × 和食

私を支えた「食」

萩原智子さん(水泳元日本代表)

東京オリンピック2020|東京パラリンピック2020

東京2020オリンピック・パラリンピック大会開催に向け、
トップアスリートなどの地元食材を生かした思い出深い「和食」を紹介します。

萩原智子さん(水泳元日本代表)
萩原智子さん(水泳元日本代表)

1980年、山梨県生まれ。高校インターハイで200メートル背泳ぎを3連覇。シドニー五輪では、200メートル背泳ぎ4位、200メートル個人メドレー8位に入賞。2002年日本選手権では、100・200メートル自由形、200メートル背泳ぎ、200メートル個人メドレーで史上初の4冠を達成。2004年に現役引退するも、2009年に現役復帰宣言をし、翌年は30歳にして日本代表に返り咲く。その後、(公財)日本水泳連盟理事、(公財)東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会アスリート委員会委員に就任。テレビでの解説の他、ライターやネットナビゲーターなどとしても活躍中。

郷里の味「ほうとう」が
選手生活の力になった

私が育ったのは山梨県甲府市。深い山々に囲まれ、野菜や果物、甲州富士桜ポークや甲州ワインビーフなど、豊富な食材に恵まれた地域です。母が旬の食材や季節の行事、家族のイベントを大切にしていたので、子どものころから食卓はいつも彩り豊か。ひな祭りや端午の節句、十五夜など年間を通じて日本古来の習慣や食文化に親しみながら育ちました。

小学2年生で水泳を始め、中学で本格的に競技者を目指すようになりましたが、当時の私は身体が小さく、「もやし」と呼ばれていたほど。身体づくりのために朝昼夜の食事の他、練習前後におにぎりや旬の果物でエネルギーやビタミンを補給するなど1日7食の生活を送っていました。

ほうとうは、味噌をベースに、かぼちゃやにんじん、ねぎなどの野菜と豆腐や豚肉、太麺を煮込んだもの。

ほうとうは、味噌をベースに、かぼちゃやにんじん、ねぎなどの野菜、豆腐、豚肉、太麺を煮込んだもの。山梨県の山間部で養蚕が盛んだったころ、蚕の餌となる桑の収穫が終わった後に麦を栽培していた。それを麺にして、季節の野菜と味噌で煮込んで食べるようになったのがはじまりとか。

特に幼少期から大好きだった郷土料理「ほうとう」はアスリートとしての身体づくりにも役立ちました。ほうとうはさまざまなビタミンとたんぱく質、炭水化物が一度に摂れるので栄養バランスも良く、身体も温まります。冬場は家族で大鍋を囲んで、アツアツのほうとうを食べるのが楽しいひとときでした。

ほうとうに欠かせない「やはたいも」(さといも)も私の大好物。甲斐市八幡地区の特産品で粘り気が強く、ほくほくの食感が楽しめます。煮物として食べてもすごくおいしいですよ。

白くきめ細かい肉質で粘り気が強く、郷土料理のほうとうやのっぺい汁(けんちん汁)などにも使われる。

山梨県甲斐市(旧竜王町)八幡地区は、かつて川の氾濫原であったが、伏流水が田畑に浸みわたり、さといも栽培に適した土地になった。白くきめ細かい肉質で粘り気が強く、郷土料理のほうとうやのっぺい汁(けんちん汁)などにも使われる。

こうしたバランスの良い食事とトレーニング、休養のサイクルを大事にしたことで、中学生時代に身長が一気に伸び、心身ともに水泳選手としての基礎が出来上がったと思います。

日本代表に選出されてからは、より栄養バランスを考えた野菜メインの食生活にシフト。たんぱく質、炭水化物に加え、おかずには赤、黄、緑の色の野菜を必ず取り入れました。見た目にも鮮やかな野菜は食欲を増進させる効果があるので、あっさりした味付けでも満足感がありましたね。

それでも、大事な試合の前には、クエン酸が豊富な梅干しのおにぎりやお餅が一番のパワーになりました。オリンピックなどの大きな大会では、試合の数時間前に日本チームにおにぎりが配られるんです。プレッシャーや緊張もある中、その時だけは選手たちに笑顔が戻ります。食べ慣れたおにぎりは安心感があり、腹持ちもいいのでメンタル面でもフィジカル面でも大きな力になりました。私が選手として最高のパフォーマンスを発揮できるよう、食生活を支えてくれた母やスタッフにとても感謝しています。

基本に忠実な技術力、
チーム力が日本競泳陣の強み

日本競泳陣の強みは、外国人選手との体格の差をカバーする高い技術力にあります。泳ぎのフォームだけではなく、ストリームライン(水中をより速く前進するための流線形の姿勢)といった基本の水中姿勢など、細部にわたってしっかり鍛錬しているところに強さの秘密があります。日本代表選手のストリームラインは世界一美しいといわれているんですよ。今、練習には最新のIT技術が取り入れられ、選手は自分の泳ぎを科学的に分析し、弱点の克服に努めています。また、特に日本の選手はタッチをゴールとせず、 タッチ後、電光掲示板を見るまでをゴールと捉えているため、後半の泳ぎで強い力を発揮します。各選手のラストスパートに注目してください。

水泳教室で子どもたちを指導する萩原さん。

水泳教室で子どもたちを指導する萩原さん。

見どころは水泳の花形、リレー種目。リレーの選手たちは、引継ぎ技術を磨くため、合宿で自主練習を重ねています。水泳は個人競技でもありますが、日本の選手団はチーム一丸となってトレーニングを積んでいます。チームとしての結束が強いので、東京2020でも個人、リレーともに最高のタイム、結果が期待できるでしょう。

また、視点を変えて、各選手の「気合の入れ方」にも注目すると面白いですよ。例えば、スタート前に体を叩く選手が多いのですが、これは筋肉に刺激を与えながら、自分自身に「喝」を入れているんです。予選時と比べ、準決勝あたりから叩いた跡が真っ赤になる選手が増え、いっそう気合を感じ取れると思います。0.01秒でもタイムを縮めることを目標に、世界に挑むトビウオジャパンに、ぜひ、熱い声援を送ってください。

水泳競技(競泳)のルールとメダルへの道

水泳競技(競泳)のルールとメダルへの道

東京2020オリンピックの水泳は、東京アクアティクスセンター(東京都江東区)で2020年7月25日から8月2日に行われる(2019年12月時点)。

競泳は一定の距離を自由形、背泳ぎ、バタフライ、平泳ぎで泳ぎ、タイムを競う。種目数は35あり、個人メドレーでは、バタフライから背泳ぎ、平泳ぎ、自由形の順で泳ぐ。1人で4泳法を泳ぐため、選手には高い総合力が求められる。また、メドレーリレーでは個人メドレーとは異なり、背泳ぎ、平泳ぎ、バタフライ、自由形の順で泳ぐ。各泳法のトップ選手らでチームが組まれるため、オールスター対抗戦のような華やかな盛り上がりを見せる種目。泳力、体力の向上に加え、キックのタイミングや腕の向きの調整といった細かい技術やペース配分の戦術などが重要である。

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