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農林水産省

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  • aff11 NOVEMBER 2021
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違いを知って料理をおいしく!砂糖の種類と製造方法

毎日の料理や菓子作りなど、私たちの生活に欠かせない“砂糖”。製造法の違いなどにより、色や形、風味などがさまざまな砂糖がつくられています。今回は砂糖の種類やその特徴、また製造工程などを紹介します。

砂糖の種類

砂糖にはさまざまな種類があります。まず製造方法の違いによって大きく「分蜜糖」と「含蜜糖」の2種類に分けられます。

分蜜糖

さとうきびやてん菜のしぼり汁を結晶と糖蜜に分けて、結晶部分を取り出した砂糖のこと。

含蜜糖

砂糖を作る工程で結晶と糖蜜に分けず、糖蜜を含んでいる砂糖のこと。

分蜜糖の種類

上白糖

国内で最も生産量の多い種類。甘味の中に程よいコクがあり、結晶の大きさは0.1ミリメートルから0.2ミリメートルと非常に細かい。ビスコと呼ばれる糖液をかけて 製造されるためしっとりとした舌ざわりで、料理、菓子作り、飲み物などに幅広く使用されます。

グラニュー糖

純度が高く、粒径が0.2ミリメートルから0.7ミリメートルのサラサラとした結晶が特徴。クセのない淡白な味わいで、ジャムや洋菓子作りに適しています。世界では砂糖といえばグラニュー糖という国が多くあります。

角砂糖

グラニュー糖を固めたもので、コーヒーや紅茶に使用されています。1個の重量が決まっているので、計量が必要な料理や菓子作りに便利です。

三温糖

上白糖やグラニュー糖の結晶を取り出した後の糖液を煮詰めて作られる砂糖。加熱によりカラメル色がつき黄褐色になります。独特の風味とコクのある甘さが、煮物や佃煮に適しています。

白ざら糖

結晶が1ミリメートルから3ミリメートルと⼤きく光沢のある砂糖で、クセのない上質で淡⽩な味わいです。純度が⾼く、無⾊透明のため美しく仕上げる⾼級菓⼦や綿飴、ゼリーなどに使われます。

中ざら糖

結晶が2ミリメートルから3ミリメートルと⼤きく、純度が⾼い砂糖。加熱によりカラメル⾊が付き⻩褐⾊。(表⾯にカラメルをかけている場合もある。)独特のまろやかな⾵味を活かして煮物やすき焼きなどに使われたり、ゆっくりと味を染み込ませる漬物などにも適しています。

氷砂糖

ゆっくりと時間をかけて結晶を⼤きくした氷のような形をした砂糖。溶けるのに時間がかかり、お酒の中で濃度がゆっくり上がるため、果実酒を作るのに適しています。

粉砂糖

グラニュー糖をすりつぶして粉にした、きめの細かい砂糖。混ざりやすいので、菓⼦作りに適しています。洋菓⼦のデコレーションやアイシングにも使われます。

顆粒状糖

粉砂糖を造粒機で顆粒状にしたもの。多孔質(細かい⽳の開いた構造)のため、結晶状の砂糖より溶けやすいのが特徴です。冷たい飲料や果物にふりかけて使⽤するのに適しています。

液糖

溶かす手間が省ける液状の砂糖です。ガムシロップ、清涼飲料、ソース、たれなどに使⽤されています。

含蜜糖の種類

和三盆

さとうきびを原料に⽇本の伝統的な製法でつくる淡⻩⾊の砂糖。しぼり汁からあくと蜜を抜いて⽔を加え、⼿で何度も練る「研ぎ」の⼯程があります。結晶が⾮常に⼩さく、⼝溶けが良いので、⾼級和菓⼦の原料として使われます。

黒糖(黒砂糖)

さとうきびのしぼり汁を煮詰めて作る砂糖。特有の⾵味を持ち⽢味が強く感じられます。かりんとうや駄菓⼦に使われます。

砂糖の製造方法

砂糖の原料

砂糖の原料は主に「さとうきび」と「てん菜」の2種類です。

さとうきび

写真提供:農研機構

⽇本では主に沖縄県や⿅児島県の奄美群島などの南⻄諸島で栽培されています。強⾵や⽔不⾜に対して強い性質があり、台⾵や⼲ばつが多いこれらの地域では重要な作物として栽培されてきました。

さとうきびから砂糖ができるまで

*2,3はさとうきびの生産地近くの工場で行います。

てん菜

⽇本では北海道で栽培されています。てん菜は「輪作作物」の⼀つです。作物を順次作付する「輪作」によって、同じ作物を繰り返し栽培することで起こる収量の低下や病気になりやすいなどの連作障害を防ぐことが出来ます。

てん菜から砂糖ができるまで

*すべて、てん菜の生産地近くの工場で行います。

メープルシロップは
何からできるの?

カナダやアメリカ北部で多く見られるサトウカエデの樹液で作る含蜜糖の一種です。夏に作られた栄養分が寒くなる前に糖分に変えられて樹木に蓄えられます。そして、翌春になると根から吸い上げられた水分とともに糖分を含んだ樹液が上昇。その樹液を木に穴を開け採取します。糖度3パーセント程度の透明でさらさらした水のような樹液を煮詰めて濃縮し、不純物をろ過して取り除けばメープルシロップの完成です。

知って役立つ砂糖のQ&A

普段の暮らしに役立つ、日頃気になっていた砂糖のなぜ?に答えます。

  • Q1

    砂糖はなぜ固まって
    しまうのですか?

  • A

    原因は水分の蒸発です。特に「上白糖」は固まりやすい性質を持っており結晶に砂糖液を振りかけているため、外気が乾燥すると、結晶の表面についている砂糖液の水分が蒸発します。すると、溶け込んでいた砂糖が、水分が少なくなることで溶けきれなくなり、小さな結晶として現れます。この小さな結晶が、上白糖の結晶と結晶を連結する接着剤のような役割を果たして、砂糖の塊をつくってしまうのです。

  • Q2

    固まった砂糖は
    どうすれば戻りますか?

  • A

    固まった砂糖をビニール袋に入れ霧吹きをかけ、袋の口をしっかり留めて、数時間置きます。または砂糖と食パンを同じ容器に入れて一晩置いておくことで、蒸発した水分が補われ、砂糖が柔らかくなります。

  • Q3

    砂糖はどのように
    保管すればよいですか?

  • A

    湿度の変化が⼤きい場所に砂糖を置いておくと固まりやすくなります。また砂糖の⼊っているポリ袋は通気性がありますので、封を切っていなくても外気の影響を受けます。できるだけ外気の影響を受けにくい、密封できる⽸や容器に⼊れておくことをお勧めします。

  • Q4

    氷砂糖には形が整ったものと
    不揃いのものがありますが
    その違いは︖

  • A

    製法の違いにより結晶の形をした「クリスタル氷糖」と不揃いのゴツゴツした「ロック氷糖」の2種類の形状があります。成分は同じで、どちらで果実酒をつくっても、出来上がりには大きな差はありません。

今回教えてくれたのは・・・

精糖工業会

日本の精糖業の発展のため、砂糖 および 精糖業の社会経済的、 技術的 調査研究を行っている。

*写真提供:液糖、さとうきび、てん菜以外の画像は精糖工業会

砂糖の魅力

編集後記

若い頃は甘いものをほとんど食べなかったのですが、四十路 を超えた頃からコーヒーには必ず砂糖を入れ、パンにはいちごジャムをたっぷりと載せるようになりました。小腹が空いたときに食べるアップルパイも本当においしいと思います。年相応なのかというと普通は逆のような気もしますが、私の場合やはり甘いものがパワーの源です。(広報室SD)

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お問合せ先

大臣官房広報評価課広報室

代表:03-3502-8111(内線3074)
ダイヤルイン:03-3502-8449

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