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農林水産省

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2025

10月号

食品ロス削減

食品ロス削減にまつわる企業の取り組み

日本にも、食品ロス削減に取り組むさまざまな企業があります。先進的な3企業の取り組みから、今後の食品ロス削減のおもな方向性を見ていきます。

企業の実例紹介01 (株)ライフコーポレーション 食品残渣を活用したバイオガス発電 近畿圏と首都圏で展開する食品スーパーマーケット「ライフ」。惣菜工場と連携したバイオガス発電施設に注目が集まっています。

  • 惣菜工場の食品残渣を有効活用して発電 惣菜工場の隣にバイオガス発電施設を建設。毎日10トン発生していた食品残渣を活用することで、残渣を1トンに削減し、年間約70万キロワットを発電します。
  • 地域の子ども食堂などに食品を寄贈 子ども食堂と、物流センターなどの拠点や店舗が連携。まだ十分に食べることができるものの販売できなくなった食料品を寄贈する活動を行っています。
  • 食品ロス削減を店頭で呼びかけ 値引きされていた売り切り商品を、グリーンのシールで「一緒に食品ロスの解消を」という呼びかけに変更。陳列棚の手前から商品を購入する「てまえどり」も推奨しています。
  • 食や環境に関する出前授業やイベントを開催 オリジナル環境冊子「いっしょに未来を考える。の本」を制作。出店地域の小学生や園児を中心に授業を実施。店頭では「食の大切さ」を考えるイベントを開催。
  • 自治体と連携した商品開発 大阪府地域産の規格外の農産、畜産、林産、水産の原料と、それらの加工食品を「大阪産(もん)」としてブランド化。規格外みかんとレモンのお酒などを開発。

近畿圏に1か所あるバイオガス発電施設を、2025年に関東圏でも稼働開始。食品残渣を使って発電し、総菜工場の空調などに利用。1日10トンから1トンに減少した食品残渣のさらなる燃料化も研究中。子ども食堂などへの商品寄贈の地域拡大も目指しています。

企業の実例紹介02 (株)日本アクセス 食品ロスを抑制する4つのフェーズ

総合食品卸売業として、食品メーカーと小売業者の間をつなぐ「(株)日本アクセス」。食品流通のハブの役割から見えてきた、食品ロス削減の4つのフェーズとは。

  1. 1 ロスを出さない AIの導入で需要予測精度を向上し、DX化で的確な発注・管理を行い、食品ロスを削減。加えて、消費期限の長い商品・長期保存可能な梱包材の採用などの商品開発を通じた対策も行います。
  2. 2 売り切る 商品が滞留したり、納品期限オーバーとなったりした場合は、多様なチャンネルとの連携を活かして売り切る対策を展開。こうした商品を安価に販売する自社ECサイト「Smile Spoon」も好評です。
  3. 3 配る 認定NPO法人フローレンスと協働し、「こどもフードアライアンス」を立ち上げ、全国の「こども宅食」団体と協力して、売り切る見込みのない商品をはじめとする食品・日用品を提供。
  4. 4 リサイクルする 廃棄となった食品は、可能な限りリサイクル。拠点の近隣にあるリサイクル業者を探し、必ず訪問して信頼できる業者であることを確認した上で、飼料や肥料などへのリサイクルを委託します。

食品流通における川上に位置する食品メーカー、川下にあたる小売業者の両方と協力し合いながら食品ロス削減を目指す企業です。AIやDXを活用して受発注をレベルアップし無駄を減らすだけでなく、フードバンクへの提供やリサイクルも積極的に行っています。

企業の実例紹介03 (株)中村商事 RE-WINE 廃棄課題を抱えたワインパミスを有効活用

ワインパミスとは、ワインを造る際に出るぶどうの搾りかすのこと。「RE-WINE」は、年間1万トン近く廃棄されるワインパミスを活用するプロジェクトです。

中村商事 代表取締役 中村文昭さん 製造加工卸の会社に勤務後、中村商事を設立。ワインパミスの廃棄に困るワイナリーの姿を見て「RE-WINE」を立ち上げる。2023年やまなし大使に就任。

  • 食品添加物としての利用 ワインパミスをジャム状に仕上げた「23時は大人のジャム」。このジャムはワインよりも多くのポリフェノールを含み、ぶどうジャムとは異なる風味が味わえるユニークな一品に。
  • エコフィードとしての利用 山梨県で飼育されるダチョウのエサとしてワインパミスを活用。低脂肪・低カロリーながら高たんぱく質・高鉄分の「甲州ワインオーストリッチ」としてブランド化されました。
  • コスメ原料としての利用 ワインパミスから抽出したワインエキス、ぶどう葉エキス、ぶどう種子油に、奄美群島の海洋深層水の成分を加えたシートパック。シャンプーやトリートメントも人気です。

数多くのワイナリーがある山梨県では、年間1万トン近くのワインパミスが廃棄され、畑に埋めるなどして処分されてきました。これを大切な資源と考えて、上記以外にも、プラスチックやヴィーガンレザー、染料、サプリメントの原料などとして開発を続けています。

官民が連携して食品ロスを減らす国民運動

食品ロス削減国民運動(NO-FOODLOSS PROJECT) 2030年までに2000年度比で事業系・家庭系ともに食品ロス量を半減(※)させることを目標とした農林水産省のプロジェクト。ロゴマーク「ろすのん」はレストラン、配送車両や啓発ポスターなどで活用されています。 ※令和4年度実績において、事業系食品ロス削減目標を前倒しで達成したため、2000年度比で2030年度までに6割削減とする目標を新たに設定。

食べ残しの持ち帰り推奨 mottECO(モッテコ)

飲食店の食品ロス削減を推進するため、食べ残しの持ち帰りを促す環境省のプロジェクト「mottECO(モッテコ)」。7月1日には、食品ロス削減を中心とした SDGs等に関する啓発イベント「mottECO FESTA2025」が開催され、当省もブース展示を行いました。 https://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/170516.html
飲食店の食品ロス削減を推進するため、食べ残しの持ち帰りを促す環境省のプロジェクト「mottECO(モッテコ)」。7月1日には、食品ロス削減を中心とした SDGs等に関する啓発イベント「mottECO FESTA2025」が開催され、当省もブース展示を行いました。 https://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/170516.html

今週のまとめ

さまざまな業態の企業が取り組む食品ロス削減。消費者も理解を深めて、楽しみながらお得な買い物をすることで食品ロスを減らしていきましょう。社会貢献や福祉につながっていることにも注目です。

今月の特集

  • 食品ロス削減の現状

    記事を読む

  • 大学生の食品ロス削減企画に注目

    2025年10月15日公開

  • 食品ロスを減らすポイント

    2025年10月22日公開

  • 「食品産業もったいない大賞」をご存じですか?

    2025年10月29日公開

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お問合せ先

大臣官房広報評価課広報室

代表:03-3502-8111(内線3074)
ダイヤルイン:03-3502-8449

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