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農林水産省

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プレスリリース

令和6年度国産農畜水産物に含まれる有機フッ素化合物(PFAS)の実態調査や試験研究の結果について

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令和7年8月28日
農林水産省
~国産農畜水産物からのPFOS、PFOA摂取量は、耐容摂取量と比較して十分に少ないことが判明~

今回の結果から、
・調査対象品目(14品目)の分析結果(濃度)と平均消費量を用いて、これらの品目からの総摂取量を試算すると、PFOSで0.10 ng/kg体重/日、PFOAで0.08 ng/kg体重/日であり、耐容一日摂取量(TDI) ※1 20 ng/kg体重/日と比べると、それぞれ十分に少ない水準にあること
・水稲の栽培試験の結果から、土壌中のPFOS及びPFOAは、ほとんど玄米に移行、蓄積しないこと
が分かりました。
※1 耐容一日摂取量(TDI):意図的に使用されていないにもかかわらず、食品中に存在する物質について、 ヒトが一生涯にわたって毎日摂取し続けても、健康への悪影響がないと推定される一日あたりの摂取量のこと。 体重1 kgあたりの摂取量で示される。令和6年に内閣府食品安全委員会は、PFOS及びPFOAのそれぞれについて、 TDIを20 ng/kg体重/日と設定。


品目により含有実態が大きく異なる可能性が示唆されたことから、令和7年度は対象品目を拡大した含有実態調査や、特異的に高い値が見られた試料の含有実態の把握及び要因の調査を行います。

1.国産農畜水産物の含有実態調査の結果について

(1)流通品調査

国内で流通している農畜水産物14品目(コメ(玄米)、バレイショ、キャベツ、トマト、牛肉、豚肉、鶏肉、鶏卵、牛乳、マイワシ、マダラ、カツオ、アユ、アサリ)を対象に4種類のPFAS(PFOS、PFOA、PFHxS、PFNA)の含有実態を調査しました。
農産物4品目については、4種類のPFASはほとんど全ての試料で定量下限※2 未満でした。
畜産物5品目については、4種類のPFASは多くの試料で定量下限未満でしたが、定量下限以上の濃度が検出されたPFAS分子種については、品目によって濃度に大きな幅が見られました。
水産物5品目については、4種類のPFASのいずれかが検出され、品目によって濃度に大きな幅が見られました。

この調査結果を基に、今回調査した品目(これらの消費量は食品全体の消費量の約3割)からのPFOS及びPFOAの総摂取量を推定したところ、平均的な食生活の下では、一日当たりPFOSで0.10 ng/kg体重(TDIの0.5 %)、PFOAで0.08 ng/kg体重(TDIの0.4 %)でした。各々の調査品目について最大濃度のものだけを摂取し続けると仮定した場合でも、一日当たりPFOSで1.5 ng/kg体重(TDIの7.5 %)、PFOAで0.51 ng/kg体重(TDIの2.6 %)でした。

詳しくは、「令和6年度国産農畜水産物のPFAS含有実態調査の結果について」をご覧ください。

※2 定量下限:適切な管理・操作の下に、ある分析法で試料中に目的成分がどの程度含まれているかの計測を行った場合に、正確な定量が可能な最小濃度のこと。

(2)個別事例調査

自治体、農業者等の協力を得て、河川水や地下水から暫定目標値(PFOS及びPFOAの合計で50 ng/L以下)を超えてPFOS及びPFOAが検出された地域内で生産された農産物(玄米、バレイショなど)について、PFAS含有実態の個別事例を調査しました。
その結果、いずれの試料も4種類のPFASは定量下限未満であり、流通品の含有実態と同程度の水準でした。

詳しくは、「令和6年度国産農畜水産物のPFAS含有実態調査の結果について」の別添をご覧ください。


2.農業環境からコメ(玄米)への移行、蓄積に関する試験研究の結果

環境水の暫定目標値を超えるPFOS及びPFOAが検出されている河川から取水している水田において、土壌から玄米(主食用米)へのPFASの移行の程度を把握することを目的として試験研究を行いました。
その結果、玄米中のPFOS及びPFOA濃度は、定量下限値未満~20 ng/kgでした。水田土壌中のPFOS及びPFOA濃度を1とした場合の玄米中の濃度は、PFOSで0.005以下、PFOAで0.004以下であり、土壌中のPFOS及びPFOAは、ほとんど玄米に移行、蓄積しないことがわかりました。

詳しくは、「農業環境中のPFOS、PFOAのコメへの移行、蓄積性について」をご覧ください。


3.今後の予定

・品目によって含有実態が大きく異なる可能性が示唆されたことから、農林水産省では令和7年度も対象を14品目以外にも拡大しながら含有実態調査等を継続し、知見の集積に努めてまいります。
・今回の調査で、特異的に高い値が見られた試料については、さらに含有実態の把握や要因について調査を進めます。
・主食用米以外の農産物への移行、蓄積の程度については、令和7年度以降も試験研究を継続します。
・PFASが農畜水産物に及ぼす影響についてはまだ知見が少ないため、農林水産省ではこれらの結果を当省ウェブページ等で公表し情報発信に努めてまいります。


4.皆様へのお願い

内閣府食品安全委員会は、PFASについて、耐容一日摂取量を踏まえた対応をとることが重要との見解を示しています。
今回、公表した令和6年度の含有実態調査の結果からは、通常の食生活における国産農畜水産物からのPFOS及びPFOAの摂取量は、食品安全委員会が示したTDIと比較すると十分に少ない水準にあり、国内の様々な産地で収穫、水揚げされた様々な品目をバランスよく食べることが重要と考えられます。

皆様におかれましては、こうした情報を基にPFASに対する正確な理解及び発信にご協力いただければ幸いです。


添付資料

令和6年度国産農畜水産物のPFAS含有実態調査の結果について(PDF : 784KB)
農業環境中のPFOS、PFOAのコメへの移行、蓄積性について(PDF : 382KB)

(参考)
食品中のPFASに関する情報(https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/PFAS/(令和7年8月29日URL追記)
食品中のPFASに関するQ&A(https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/PFAS/pfas_qa.html(令和7年8月29日URL追記)

お問合せ先

(含有実態調査に関する事項)
消費・安全局食品安全政策課
担当者:漆山、勝田
代表:03-3502-8111(内線4459)
ダイヤルイン:03-3502-7674


(試験研究に関する事項)
消費・安全局食品安全政策課
食品安全科学室
担当者:阪本、古川
代表:03-3502-8111(内線4451)
ダイヤルイン:03-3502-5722

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