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農林水産省

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青果物の出荷規格を見直してみませんか?

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出荷規格を満たさない青果物を活用した事例の収集を行っています!

最新情報

青果物の出荷規格

青果物の出荷規格とは

 野菜の出荷規格は、高度経済成長期において、出荷される形状・品質等を統一し、野菜の大量流通を可能としました。農林水産省では、市場取引の円滑化を図るため、主要な野菜について標準出荷規格を順次設定してきたところです。
 その後、消費者ニーズの多様化が進み、産地間競争の激化により産地規格が細分化されるに従い、国が全国一律の規格を設定する意義に乏しくなったことから、平成14年に標準出荷規格を廃止しています。
 現在の出荷規格は、実需者や消費者ニーズを踏まえ、各産地が主体的に定めているものです。

出荷規格のイメージ
出荷規格のイメージ

出荷規格の見直しについて

 青果物の出荷規格は、産地が取引の円滑化や有利販売の実現のために定めたものですが、産地間競争等を背景に過度に細分化されているものもあります。
 出荷規格が細分化されるにつれ、箱詰め前の等階級による選別作業にとどまらず、収穫、調製、袋詰め、在庫・出荷管理、販路・輸送確保等出荷関連の広範囲な作業の手間が増え、これにより労働力不足の一因となっている産地も見られます。
 このため、出荷規格の見直しを契機とした出荷関連作業の合理化に向けて取り組む際に参考となる事例や進め方をまとめたパンフレットを作成し、産地等に紹介して規格の見直しを働きかけています。

出荷規格を満たさない野菜など市場流通しない野菜の現状

 出荷規格を満たさない野菜のうち、利用できる品質のものは、収穫後に自家消費や無償贈与、加工用等の食用に充てられるほか、飼料・肥料用等の非食用としても多くが活用されています。
 このような野菜は、定時・定量での供給が難しく、出荷や輸送にもコストがかかるなどの課題があり、市場で流通するケースは少ないですが、近年では、消費者への販売に取り組まれる事例も存在しているところです。

野菜チップス にんじんサイレージ 野菜の譲渡
加工品への仕向け
(生産者自身が加工・販売の取組を
行う場合(六次産業化)等)
野菜の飼料化
(バックサイロに詰められたにんじんサイレージ)
写真:農畜産業振興機構
無償譲渡
(近隣へのおすそわけ等)

活用事例

活用事例の収集

 農林水産省では、出荷規格を満たさない野菜などの一層の有効活用に向け、その販売のために愛称(「もったいない野菜」など)を付けて販売・活用している事例を募集し、本ウェブサイトにおいて発信します。
 また、出荷規格を満たさない野菜自体には愛称を付けていないものの、加工に仕向ける際に、出荷規格を満たさないものであることが分かるかたちで活用を図っている事例も大歓迎です。

  • 事例登録様式(WORD : 41KB)
  • 提出先:農林水産省 農産局 園芸作物課 園芸流通加工第1班 engeika_ryutu1★maff.go.jp
     ※ご提出の際は上記メールアドレスの★を@に置き換えてください。

【注意事項】
1. ご提供いただいた情報は、本ページで公表するほか、公表資料等により対外的に使用する場合がございます。
2. 具体的な取組に係る内容には、個人が特定できる情報(氏名、住所、連絡先等)を含めないようご注意ください。

活用事例一覧(随時更新)

ア行

株式会社UrbanKitchen

商品の写真
「おひさまのこ」

  • 取組内容
     出荷規格を満たさない梅に新たな価値を見出しアップサイクルしたピューレ「おひさまのこ」を販売している。
  • 工夫しているポイント
     後継者問題、耕作放棄地、高齢化それらを解決する手伝いがしたいと思い、出荷規格を満たさない梅や廃棄される梅に値段をつけて買取している。
     人員を使って落ち梅の回収ができるよう、生産者との話し合いで決めている。
     樹上で完熟した“おひさまのこ”の美味しさは国内はもちろん、国を超えて認められているところ。
     生産者と消費者、トップシェフやパティシエとを繋ぎ連帯感を持ってもらえるように心がけている。
  • 会社ホームページ:https://urbankitchen.co.jp/[外部サイト]

株式会社伊勢惣

伊勢惣画像伊勢惣商品画像 
「さつまいもを米麹でじっくりと発酵させた芋蜜入りの甘酒」

  • 取組内容
     令和6年3月より、埼玉県川越地域で生産された規格外のさつまいもを活用し、「規格外のさつまいもと麹からつくった芋蜜」という名称で販売を開始した。
     この芋蜜は、形やサイズが出荷規格を満たさないさつまいもを原料とし、麹と組み合わせて加工することで、付加価値のある商品として生まれ変わったもの。
     現在は、地域のスーパーを中心に販売を行っており、食品ロスの削減と地域農産物の有効活用を目的とした取り組みとして展開している。
  • 工夫しているポイント
     さつまいも自体が持つ自然な甘さに加え、弊社が長年培ってきた米麹技術を活用することで、さつまいものデンプンを糖化させ、さらに糖度を高めた「芋蜜」を製造している。 伊勢惣では芋蜜の品質=純度と位置づけ、その純度を決定づける芋蜜抽出工程を最重要工程とし、圧搾の圧力、時間などを伊勢惣独自の製法で最適化を図っている。
     抽出工程に加え、濃縮工程では風味・色味を保つ為加熱、濃縮作業に工夫を施している。
     また、川越市周辺のスーパー、店舗、飲食店への提案も行い、埼玉県産さつまいも使用を謳った販促物も作成。
  • 会社ホームページ:https://www.isesou.co.jp/[外部サイト]

カ行

株式会社カネエイ

商品写真
「もったいないシリーズ」もったいなす、もったい茎(みょうがの茎)

  • 取組内容
    • もったいなす
     小さすぎる、大きすぎる、曲がっている、傷がある、などの規格外品のナスを集めた大容量袋の商品。
     令和元年12月から取扱い開始。
    • もったい茎(みょうがの茎)
     みょうがの出荷作業では、トレーのサイズに合わせるため、余分なガクや茎を取り除いている。このガクや茎も食べることはできるが、1日の作業で大量に出るため、ほとんどの生産者は製品にできない部分を破棄していた。
     そこで、これまで破棄されていたガクや茎も食べられると広く認知されることで、この「もったいない」状況を改善し、同時に生産者の所得向上にも繋がると考え、令和元年9月から「みょうがの茎」の取り扱いを開始。
  • 工夫しているポイント
    • もったいなす
     元々は業務用として大袋(1kg×5袋入り)で販売されており、商品バーコードは付与されていなかったが、量販店での需要に応えるため、バーコードを付け、運搬しやすいように段ボール箱に10袋ずつ入れて流通を容易にした。
    • もったい茎(みょうがの茎)
     「もったいなす」のように「もったいない」がより伝わるような商品名にしたいと考え、令和7年3月から商品名を「みょうがの茎」から「もったい茎」に変更。
     販売先の希望する荷姿・量目に当社で加工を行い販路拡大に取り組んでいる。
     量販店等で初めて見る消費者にもどのような商品かわかるように、商品の袋裏面に「みょうがの茎とは何か」が分かるイラストを添付。

    • SNSやHPで「もったいなす」、「もったい茎」に関する紹介・投稿、料理レシピ紹介。
  • 会社ホームページ:https://www.genkibatake.co.jp/[外部サイト]
川越開運堂株式会社

商品画像単体 商品画像
「川越紅赤芋みつ」

  • 商品名:川越紅赤芋みつ
  • 取組内容
     127年続く埼玉県を代表する在来品種紅赤芋を使用した芋みつ。在来品種のため、収穫量・サイズが整わない事が多く、生産者は減少傾向にある。この10年で作り手がいなくなるのではと生産者から聞き、規格外となった紅赤芋をすべて引き受けて川越紅赤芋みつに加工。規格外の紅赤芋と米麹を使いアップサイクルした商品。この取組が評価され、2024年の埼玉県新商品AWARD金賞を受賞。
  • 工夫しているポイント
     規格外を受け入れることで、作り手の課題を解決して農作物として、加工品として双方向で紅赤芋の販売PRのチャンスを広げる事ができた。埼玉県川越を代表するお土産品として、またレストラン等の飲食店でも商品特徴の、甘味、旨味、苦み、酸味のあるテイストを活かした料理としての利用も取り組み始めている。

サ行

株式会社サンプラザ

売り場の様子
売り場の様子

  • 取組内容
     5年以上前から地元生産者の出荷規格を満たさない野菜を原料にして店舗の惣菜部門で加工することによって付加価値のある商品として販売を実施。地元の特産物でもある千両なすびを使用した「なすびのおろし和え」と「なすびの揚げびたし」を販売。
  • 工夫しているポイント
     地元生産者様とのお取引の中で正品に関しては青果部門で販売。
     大きさに問題があったり傷があるなどのB品に関しては惣菜部門で加工をして販売を実施。青果部門で取り組みをしている環境負荷低減の見える化「みえるらべる」に関しては惣菜部門でも訴求を行う事でチラシでの案内も含め会社全体での訴求強化につなげている。
  • 会社ホームページ:https://www.super-sunplaza.com/[外部サイト]

総菜開発株式会社

原料トマト
「赤い瞳ベース」の原料トマト

  • 商品名:赤い瞳ベース
  • 取組内容
     規格外トマトを利用してビールのカクテル(レッドアイ)用の原料としてミキサーでペースト化したトマトを冷凍で商品化している。主にススキノの飲食店で活用されている。
  • 工夫しているポイント
     トマトは傷みが早く運送にも気を使いながら工場に到着したらすぐに選別し加工している。
  • 会社ホームページ:https://ibic.info/[外部サイト]
  • チラシ(PDF : 951KB)

ヤ行

株式会社ユーキフーズ

商品写真
「おやさいレスキュー」

  • 出荷規格を満たさない野菜の愛称:おやさいレスキュー
  • 取組内容
     カット野菜工場において、規格外野菜や加工業務用の野菜を使用。小売店等では販売されにくい、形が悪かったりサイズがバラバラであったり傷が付いたりしている出荷規格を満たさない野菜を10~20種類詰め合わせて、ネット販売。
  • 工夫しているポイント
     出荷規格を満たさない野菜と言われているが、普通の野菜と変わらず美味しく食べられるということをお客様に伝えている。また、より美味しく召し上がっていただけるよう旬のレシピを同封。ネット販売ということもあり、どうしても送料がかかってしまうが、近隣のお客様に対しては、店頭に商品を取りに来ていただくことによって送料がかからない『お引渡し便』といったものも提案しているところ。
  • 会社ホームページ:https://www.oyasai-rescue.jp/[外部サイト]

規格外青果物シンポジウム

「規格外野菜」「規格外果実」の愛称、活用方法等、先進的な取組事例を広く知ってもらうこと、そのより一層の活用の機運醸成を図ること、及び「規格外」に問題意識・関心のある生産者・実需者の情報交換の場を設けることを目的として、シンポジウムを開催しました。
食品メーカーの方を中心に、対面・オンライン合わせて300人以上の方に御参加いただきました。

日時:令和7年7月31日(木曜日)13時30分~16時00分
場所:農林水産省講堂(東京都千代田区霞が関1-2-1 7階)
開催方法:ハイブリッド方式
参集範囲:生産者、実需者、小売業者、消費者、報道関係者 等

内容:
(1) 取組事例の発表「青果物における規格外品の有効活用」
株式会社セコマ 渉外部 佐々木 威知 様
講演資料(PDF : 19,681KB)
(2) パネルディスカッション
株式会社ファントゥ 農園事業部 堀米 祥平 様
発表資料(PDF : 3,611KB)
生活協同組合コープさっぽろ 農産部 尾野 智也 様、山田 祐司 様
秦野市農業協同組合 営農販売部 毛利 ゆみ子 様、尾澤 陽一郎 様
発表資料(PDF : 2,128KB)

開催チラシ:(PDF : 1,059KB)
シンポジウムチラシ

関連情報

お問合せ先

農産局園芸作物課

代表:03-3502-8111(内線4790)
ダイヤルイン:03-3501-4096

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