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突撃!お砂糖会社にインターン学生がインタビュー!【第2回:南西糖業(株)神﨑俊社長】

会社の看板お砂糖の展示物















社長(ピン)

砂糖の生産振興を支えている各製糖工場や精製糖企業の社長や社員の方に、インターンシップ生から砂糖を製造する企業として大切にしている思い、人生のターニングポイントから学生に向けたメッセージまで様々な内容をインタビュー!

第2回は、東京に本社を置き、鹿児島県徳之島のさとうきび生産を支えている「南西糖業(株)」の神﨑 俊社長!

今回、徳之島におけるさとうきび産業の広がりや、企業として大切にしていることなどのお話はもちろん、社長自身のお人柄が伺えるようなインタビューとなりました!

大学卒業後の進路を考えている方、若いうちに何をしたらいいのか悩んでいる方も要チェック!

(インタビュー実施日:2022年9月16日)

会社の概要及び社長のプロフィール

会社の概要

社名:南西糖業株式会社
創立:昭和41年5月7日
従業員数:91名   ※2022年9月1日現在
事業内容:砂糖の製造並びに加工販売、農畜産物の生産並びに加工販売、肥料の販売、車輛の整備並びに機械器具の修理

製糖工場としては、伊仙工場、徳和瀬工場の2工場を運営。

社長のプロフィール

香川県丸亀市出身、島根大学卒業。大洋漁業(株)(現マルハニチロ(株))に入社後、(株)パールエースに出向、転籍。同社役員、塩水港精糖(株)役員兼務等を経て、2020年11月に社長に就任。

インターン生によるインタビュー


今回のインターン生は、兵庫県出身の岡山大学3年生。現在は環境生態学コースに所属しており、主に環境分野について学習しているんだとか!

――いつ入社したか、社長に就任するまでどんなお仕事をしていたのか教えてください。

大学卒業後、大洋漁業(株)(現マルハニチロ(株))に入社しました。そこで最初は財務部に3年いたのですが、その後、塩水港精糖(株)と資本連携して始まった砂糖事業部に異動になりました。営業業務等を担当後、砂糖事業部が(株)パールエースという会社に分社化され、そこへ出向しました。大洋漁業(株)自体は、名前のとおり魚の会社なので、砂糖事業部というと異質ですが、食品製造には砂糖は付き物ですので関連はするんですよ。その後、塩水港精糖(株)に転籍しました。(株)パールエースや塩水港精糖(株)の役員兼務等を経て、令和2年11月に関連会社である南西糖業(株)の社長に就任しました。もうすぐ2年を迎えます。

――大学ではどんなことを学ばれていたんですか。

法律、刑法について学んでいました。現職とはまったくの畑違いですね(笑)

――砂糖を製造する企業として大切にしていることを教えてください。

当社の社是にもなっている「わが社は地域農業政策の一翼を担う企業であることに責任と誇りを持ち農工一体となって事業を推進することにより地域社会と社業の発展を期する」を大事にしています。朝礼でみんなが唱和するんですよ。また、従業員行動基準を5つ定めていますがその中でも「一、私達は、キビ一本、汁一滴、結晶一粒を大切にします。」は、食品であり、農産物であるからすべて大切にしていきましょうということで、今フードロスの問題もなんかも言われているけど、結局ここにくるんだと思っています。そういう意味では一番大事にしていることですね。それが食べ物や植物に対する敬意だと思っています。

――砂糖の製造・販売を通じた社会への関わり、貢献について、どのように考えているのか教えてください。

これこそまさに社是ですね(笑)

南西諸島は小さい島、離島からできています。島の産業であり、社会・経済に密接に結びついているため、色々な意味でこの産業は欠かすことができない。それが地域社会に対する貢献だと思います。島にあるということだけで存在意義にもなっていると思っています。離島ではもちろん重工業もできないし、お金になるような産業も限られる。島の産業の中でさとうきびは一番大きい産業なんですよ。そういう意味では社会の一翼を担っていると思います。また、離島といえどもやはり人が住んで生活していくことが大切で、生活していくためにはなにか生業が必要になります。国防という意味でも一翼を担っているなと思います。

対談の様子


――座右の銘を教えてください。

座右の銘というのはないですが、大洋漁業(株)でも社是があって、それは今でも大事にしています。社是の第一番目にあったフレーズで「企業はなによりも人にある」っていうんですが、これは企業じゃなくても言えますよね。「企業」のところが、例えば、社会でも行政でも学校でもいいし。すべての人は人のためになにかやっているわけですよね。これが一番心に残っていて、今でも大事に思っています。
よく経営の三資源、「人と金と物は企業の基である」なんて言われるけど、人体に例えると、金は血液、物は骨格、人は頭や神経だと思っています。自動車で例えると、物は車体、金は燃料、人は運転する人かな。企業は人、物。金でできていて全部大事だけど、一番大事なのは人だよね。そんなイメージで考えています。

――新人時代に苦労されたことや嫌だったことはありますか。

新人時代に苦労したことはないですね。嫌だったことは強いて言うなら通勤かな(笑)初めは通勤に1時間10分くらいかかっていたから。

今、振り返ってもそんなに嫌な思いをしたことはなかったと思います。もっと嫌な思いをした人はいっぱいいるだろうから。

――学生時代、一番やっておいてよかったと思うことを教えてください。

もっと勉強しておけばよかったなあと今思うくらいですかね。


――学生時代はどんな学生時代でしたか。

昔からこんな感じです(笑)人によっては失礼に見えるね(笑)

――学生時代からみんなの先頭になるようなタイプだったのでしょうか。

うーん、そういうことだったのかもしれませんね。そういうところを見て会社には、商売人のほうが向いてるって思われたんじゃないかな(笑)適性試験や法学部というのから最初は財務部に配属されたんだろうけど(笑)今までの経歴であまり製造には関わっておらず、ほとんどが営業部門です。それこそ製造に関わったのは塩水港精糖(株)の役員になってからかな。

そういえばターニングポイントと言えるか分からないけど、製造部門を担当していた時に、大きなトラブルがあって。その時の仕事は相手方も商いの金額も大きかったので、自ら立ち会ったのだけど。工場長に例えば「ここだめじゃないですか」と言うとすぐ「新しく変えます」とか「もっと良い機械にします」って言うんだよね。そうしたら、相手方が工場長に「それを言い始めたら全部変えないといけなくなりますよ。新しく変えるのは対応としては簡単だけど、それだったら商売にならないでしょ。なにが大事かって言ったら管理、オペレーションが大事なんじゃないですか」って。それがターニングポイントまでとは言わないけど、なるほどなあって思いました。例えば人の問題だったとして、人を変えてしまえばなんとかなることもあるけど、きりがないんですよ。適性がない人もゼロではないけど、教育していくことが大事なんだと思います。

――これまでで強く興味をいただいたこと、お仕事以外に没頭したことなどがあれば教えてください。

趣味関係かあ。よく顔を突っ込むけど広く浅くで終わってしまうな(笑)

――今までに例えばなにをやられてきたんですか。

スポーツだと、高校まではサッカー部で大学でもサークルでやっていました。会社入ってからもサッカー部があったのでやってました。観戦するのも好きですね。

将棋も日曜日にTVでやっているのを毎週欠かさず見るという訳ではないけどたまーに見ます。囲碁やマージャン、ゴルフなんかもやります(笑)大学では美術部だったので絵を描いた時期もありましたね。

――多趣味で色々なことにチャレンジされていてすごいですね。

かじったらとことん行きたくなるっていうけど、私はそうはなったことがありません。そこでやめるって訳じゃないけどハマるまではいかないんですよね。


――旅行などはいかれないんですか。

旅行は出張でいっぱい行っていますからね(笑)行っていない県は全国で沖縄県だけで、他の県は一泊はしてますね。海外は出張でタイやシンガポール、インドネシア、韓国などにいきました。大きな漁港があるところには魚の加工場があって、砂糖も使われているから、営業の仕事で主に漁港があるところにいってましたね。北海道なんかは100回は行ってます。

対談の様子2

――ここでありが糖運動としての軽い質問をさせてください。コーヒーに砂糖は入れますか?

もちろんいれます(笑)
砂糖の他に、塩水港精糖(株)に「オリゴのおかげ」という看板商品があり、それも使っています。うちの社員には入れない人もいるんだよなあ。砂糖を作っているのに砂糖を入れないなんてとんでもない(笑)

――続いて、普段お菓子は食べられますか?また、和菓子派ですか?洋菓子派ですか?

甘いものが好きで、洋菓子、和菓子どっちも好きです。
商売柄洋菓子組合さんや和菓子組合さんの会合に出る機会がありましたので、その時にご主人や職人さんと話す機会があるから、買ってみようと思うんですよね。

――お砂糖に対する想いと今後の将来像についてどのように描いているのか教えてください。

お砂糖に対する想いと言われると中々答えられないけど、私にしたら30年40年近くやっている商売道具だから、想い以上のものがありますね(笑)今後の将来像については、常に会社としてどうしていくべきか考えていかないといけないと思っています。離島は人口減少、高齢化が進んで、さとうきびに限らずですが、生産基盤が弱体化してきていますよね。それをどう乗り越えていくかが大きな課題だと思います。徳之島は子宝の島と言われていて子供は多いんですが、産業と学校がないから外にでていってしまうんですよね。若い農業に従事されてる方もいるけど、選ぶのはなにかというとやっぱりハイリスクハイリターンのものを選びます。さとうきびは恐らくそれに当てはまらない。だからどっちかというと高齢者や兼業農家にあっているんだよね。これが悩みです。畜産や花きをやるのももちろん良いですが、本当に高齢化した時、キツイ作業はできなくなる。日本全体で考えていく必要があると思いますね。

さとうきびを世界で一番生産しているのはブラジルですが、さとうきびから燃料を作っているんですよ。さとうきびは食べ物にもなるし、燃料にもなる。コストの制約さえなければ、そういうことも考えていかないといけないと思っています。さとうきびの葉っぱとかも無駄にするのではなく、餌やエネルギーにしたり島の中で循環できるサイクルが構築できたらと思いますね。

――最後に学生に向けたメッセージ等がありましたらお願いします。

社会に出たら色々なことがあると思います。自分の思い描いていなかったことも沢山あるので、それを受け止めて楽しんでやってほしいですね。当社の行動基準の1つに「私たちは、夢と希望を持ち、やる気を持って、楽しく仕事をします。」とあるんですが、これが結構好きで、皆さんにお願いしたいですね。やっぱり夢とか希望とかなにかないとモチベーションが上がらないよね。辛く仕事をしていてもしょうがない。別に満足しながら仕事をしろという訳ではないけど(笑)楽しく仕事をしていったらいいんじゃないかと。おススメしますよ、これは。

――社是や行動基準にこのようなことが書いてあるのは珍しいなと思いました。

そうですね、最後のところはちょっと面白いと思いますよ(笑)先ほど社是は毎日唱和すると言いましたが、行動基準は全部で5つあり、1日1つずつ朝みんなで唱和するんですよ。

――忘れないようにするという意味でも唱和することは良いことだと思います。

声に出して言ったりなどの行動をすると頭に植え付けたようになるんですよね。学校の暗記なんかも同じだから声を出して言った方が、覚えが良い気がします。そう思っているので朝イチにみんなで唱和しています(笑)


集合写真
(左から、農水省職員、神崎社長、インターン学生、農水省職員)

インターンシップ生後記

インタビューをした中で印象に残っていることは、「企業は何よりも人である」という言葉と学生に向けたメッセージでした。
1番目の「企業は何よりも人である」という言葉は社長が今でも大事にしている言葉で、人のために人がやっている、人と人とのかかわりを大切にしている印象を受けました。
学生に向けたメッセージでは、「社会に出たら自分の思い描いていなかったことも沢山あるが、受けとめて楽しくやる、つらく仕事してもしょうがない、楽しく仕事をしよう」と、おっしゃており、従業員の行動基準にも書かれていたことが珍しくもあり、印象に残りました。

お問合せ先

農産局地域作物課

担当:価格調整班、企画班
代表:03-3502-8111(内線4844)
ダイヤルイン:03-6744-2116


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