鳥獣被害防止対策のチェックシートを活用した取組の点検
鳥獣被害防止対策の実施に当たり、捕獲、侵入防止柵の整備・維持管理及び生息環境管理において、必要な取組項目をまとめたチェックシートとチェックシートによる点検の際に参考となる資料を掲載しています。今後も参考資料を追加していく予定です。
これらを活用して「正しい方法」を確認の上、効果的な対策が行われるよう取り組みましょう。
なお、鳥獣被害防止総合対策交付金における事業実施の際には、事業実施計画及び事業実施状況報告に併せてチェックシートの提出が必要となっています。
<被害防止対策のチェックシート>
鳥獣被害防止総合支援事業(PDF : 289KB)
鳥獣被害防止緊急捕獲活動支援事業(PDF : 316KB)
※以下のチェック項目(カッコ付き数字)をクリックすると、具体的な取組内容、留意事項や参考資料へのリンクが表示されます
1 効果的な生息環境管理
2 効果的な侵入防止柵の整備・維持管理
- 3(1)体制の構築
設置した柵を適切に維持管理していけるよう、将来にわたり設置した柵を誰がどのように管理していくのか、柵の整備前から、ルールづくりを含め管理の体制を構築してください。
その際、集落を囲うような広域的な柵(以下「広域柵」という。)については、管理の負担が大きくなる一方、地域ぐるみで集落を守ることにもなることから、農家以外の地域住民の協力を得て管理を行うことを検討してください。
維持管理のために、関係する農家等の全員が一堂に会して見回りを実施することは必須ではありません。集落において、見回りする範囲や時期を農家ごとに分担を定めて実施するなど、地域で持続可能な体制となるようにしてください。ただし、その場合であっても、協議会は、農家による点検等の実施状況を把握する必要があります。
- 【参考資料】
・野生鳥獣被害防止マニュアル【総合対策編】5_鳥獣被害対策のための体制構築(PDF : 3,001KB)
- 3(2)事業実施計画の策定
被害防止計画に記載された「侵入防止柵の整備計画」を具体化し、柵の整備に係る当該年度の事業実施計画を策定してください。その際、実施要領別記1の別表4に定める事項を留意するほか、効率的・効果的な整備となるよう、別表2に留意してください。
事業実施計画の策定に当たっては、農作物被害の痕跡や暗視カメラの映像等による対象獣種の特定を行ったうえで、GIS 等で既存柵の位置や被害状況、鳥獣の侵入の痕跡(獣道や柵の破損箇所など)等の可視化を検討してください。また、ほ場ごとに柵を設置する場合、維持管理も個人ごとに完結するので良いという考えもありますが、一部の農家が柵を張れば、柵を張っていない別の農家のほ場に被害が出るといったこともあり、近隣農家や住民と連携して集落ぐるみで鳥獣被害に負けない地域づくりを行う視点が重要です。このため、資材やルート選び、営農計画、管理体制など地域の将来像を見据え話し合った上で計画を策定することを検討してください。
- (別表2)柵整備に係る事業実施計画の策定に当たっての留意事項(PDF : 204KB)
- 3(3)資材の調達
柵の資材については、柵の種類ごとに、実施要領別記1の別表2の1.(1)の注1から注5に定める事項を遵守する必要があります。具体的な内容については別表3を参照しつつ、必要な事項について、入札条件や仕様書に盛り込んでください。
なお、施工の注意点を記載した施工マニュアルの添付や現地での整備指導等を事業者に求めることも効果的であり、必要に応じ入札条件等に盛り込んでください。ただし、その場合であっても、事業者に任せきりにするのではなく、その後は農家や地域住民等だけで設置・維持管理することも念頭に、技術の習得を図ることが重要です。
- (別表3)資材の調達に当たっての留意事項(入札条件や仕様書の記載例)(PDF : 205KB)
- 3(4)正しい方法での施工及び確認
柵の整備において、「正しい方法」とは、整備しようとする柵のもつ侵入防止効果がきちんと発揮され、さらに、適切な維持管理によりその効果が継続する方法です。具体的には、別表4を参照しながら施工する又は施工状況の確認を行ってください。その際、専門家等からの指導やマニュアル等を参照することも検討してください。ワイヤーメッシュ柵の表裏を間違えるなど不適切な施工が行われないよう、適宜確認しながら施工してください。
施工後の整備状況を確認する方法としては、「正しい方法」を理解した複数の職員等による現地確認が確実ですが、それが困難な場合には、施工時に、施工した事業者や農業者等に写真撮影を依頼し提供を受けるなど工夫して実施してください。
このほか、請負施行の場合は、適切に工事の指導監督及び検査を行い、受注者による工事が正しい方法による施工か確認してください。
- (別表4)正しい方法での施工及び確認に当たっての留意事項(PDF : 224KB)
- 【参考資料】
・野生鳥獣被害防止マニュアル【総合対策編】3-1_1.侵入防止柵(PDF : 2,697KB)
- 鳥獣被害防止対策チェックシートの記載に係る留意事項について
3(5)定期的な見回り
これまでに設置した柵が良好な状態にあるか確認するため、別表5を参照しながら、定期的な見回りを行ってください。その際、特に広域柵の場合は、毎日、柵の見回りをして、補修作業を行うことは容易ではないことから、センサーカメラの設置や鳥獣の出没情報の集約等により被害が発生しやすい時期を把握し、その前や農閑期などに集中的に柵の見回りと補修や補強を行うことや、鳥獣被害が増加している箇所や柵の隙間から鳥獣の侵入が確認されたことのある箇所を重点的に見回るなど、持続性のある方策とすることが重要です。また、見回りの結果、破損等を確認した場合には、速やかに修繕するか、それが困難な場合には応急処置を実施した上で、補修予定時期等を明確にしてください。
見回りを行うに当たっては、集落内での連携や情報共有を図ること等を目的に、柵の維持管理方法(見回り頻度や役割分担を含む。)や修繕時の経費負担などを定めた「集落協定」を、維持管理を行う集落との間で結ぶことも効果的です。その場合でも、規定されたとおりに維持管理や修繕等がされているか、最低でも年1回以上の報告を受けるようにしてください。
- (別表5)定期的な見回りに当たっての留意事項(PDF : 224KB)
- 【参考資料】
・野生鳥獣被害防止マニュアル【総合対策編】3-1_1.侵入防止柵(柵管理のポイント・侵入防止柵の補強技術)(PDF : 1,110KB)
3 効果的な捕獲活動
- 4(2)効果的な捕獲計画の策定
被害防止計画に記載された「対象鳥獣の捕獲計画」を具体化し、より効果的に被害軽減につながる捕獲が行われるよう、毎年、事業実施計画の作成までに、当該年度の具体的な捕獲計画を策定してください。具体的には、別表7を参照するとともに、(4)の点検評価の結果も踏まえ、捕獲従事者等とも協議の上、捕獲方法や捕獲場所等について必要な見直しを行い、効果的な捕獲計画となるよう留意してください。なお、捕獲場所の検討に当たっては、加害個体の進入経路が把握できているかどうかが重要です。
また、遠隔捕獲や捕獲通知の機能をもった機器、捕獲確認アプリなどICT 機器等の活用により、捕獲従事者の負担軽減が期待されることから、その導入についても検討してください。なお、ICT 機器等の導入に合わせて、捕獲効率の高い場所へのわなの移設も検討してください。
- (別表7)効果的な捕獲計画の策定に当たっての留意事項(PDF : 203KB)
- 【参考資料】
・野生鳥獣被害防止マニュアル【総合対策編】4_鳥獣被害対策のICT(PDF : 2,405KB)
- 4(3)捕獲計画に基づく捕獲
捕獲従事者(捕獲団体に捕獲活動を委託する場合等を含む。)に対し、別表8を参照して、事前に、関係法令の遵守や捕獲機材の点検等について確認した上で、(2)の捕獲計画に基づく効果的な捕獲活動を実施するよう指導してください。併せて、協議会として、捕獲活動の適切な進捗管理を徹底するとともに、関係部局間(環境部局と農林部局)との連携を強化してください。
その際、本交付金による捕獲活動経費への支援を活用する場合には、適正な執行を図るため、実施要領別記4の第2の2の(2)に基づく捕獲確認書の作成や「尾」などの証拠物の回収など、「鳥獣被害防止緊急捕獲活動支援事業等における捕獲確認マニュアル」に基づく確認等を徹底してください。
- (別表8)捕獲計画に基づく捕獲に当たっての留意事項(PDF : 232KB)
- 【参考資料】
・野生鳥獣被害防止マニュアル【総合対策編】6_安全対策(PDF : 2,687KB)
- 4(4)捕獲活動の点検評価
捕獲許可の有効期間が終わる時期など毎年度決まった時期に、当該年度において、捕獲計画に沿って効果的な捕獲活動が実施できたか、被害軽減につながったか等について、別表9を参照して点検評価を行ってください。
そのためには、農家や捕獲従事者等の協力を得て、被害を受けたほ場や捕獲場所等の情報を把握することが重要です。このほか、都道府県等で対象獣類の生息域の情報等を保有していれば、それを活用することも有効です。
捕獲場所については、捕獲確認書に、住所、メッシュ番号又はGPS データ等を記載することとされていますが、これらの情報を集約して、点検評価に効果的に活用できるよう、正確に記載するとともに、できるだけ詳細な情報とすることが望まれます。ICT 機器等を活用することで、一部の機器では、GPS 情報を記録することもでき、市町村担当者にとって、確認書作成の省力化のみならず、情報の集約作業の効率化、GIS 等での可視化を通じた点検評価がしやすくなると期待されることから、その導入についても検討してください。
- (別表9)捕獲活動の点検評価に当たっての留意事項(PDF : 203KB)
- 【参考資料】
・野生鳥獣被害防止マニュアル【総合対策編】5_鳥獣被害対策のための体制構築(獣害に強い集落育成のためのPDCAサイクル)(PDF : 772KB)
お問合せ先
農村振興局農村政策部鳥獣対策・農村環境課
代表:03-3502-8111(内線5501)
ダイヤルイン:03-3502-6041
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