指定の公示について(指定番号第1号)
更新日:平成31年2月1日
担当:輸出・国際局 知的財産課
担当:輸出・国際局 知的財産課
下記の地理的表示について、指定の公示をしたのでお知らせします。 |
Steirischer Kren(シュタイリッシャー クレン)
1 | 指定年月日 | 平成31年2月1日 |
2 | 指定番号 | 第1号 |
3 | 締約国の名称 | 欧州連合 |
4 |
農林水産物等の区分 | 第1類 農産物類 野菜類(わさび) 第8類 調味料類 香辛料(練りわさび) |
5 | 農林水産物等の名称 | Steirischer Kren(シュタイリッシャー クレン) |
6 | 農林水産物等の生産地 | オーストリア シュタイアーマルク州の南部に位置する、ラトカースブルク、フェルトバハ、ライプニッツ、ドイチュランツベルク、フォイツベルク、グラーツ及びグラーツ周辺地域、ヴァイツ、ハルトベルク並びにフュルステンフェルトの郡 (ハルトベルク-ヴァイツ-グラーツ-フォイツベルクの線に沿っている) |
7 | 農林水産物等の特性、生産の方法その他の当該農林水産物等を特定するために必要な事項 | (1)特性 シュタイリッシャー クレンはアブラナ科植物であるセイヨウワサビ(学名: Amoracia rusticana)で、根が生鮮のままや加工されて使用される。 ◯ 生のシュタイリッシャー クレン シュタイリッシャー クレンの典型的な外観は、滑らかで、主根の先端が僅かに曲がり少数の細根がある。主根の平均的な長さは、25~30cmで(切り分けて販売されることもある)、直径は約3cmである。 本産品は、鼻を非常に強く刺激する風味が特に評価されており、様々な試食会などにおいても度々言明されている。また、力強い成長力があることや、あまり苦くないことも特徴である。 ◯ 加工したシュタイリッシャー クレン 加工したシュタイリッシャー クレンは、おろしたてのセイヨウワサビと外観や風味が類似するように、すりおろされて新鮮な状態で保管される場合や、産品の粘度(クリーミーさ)及び保存性を高めるためにすりおろし添加物を加えたものがある。また、セイヨウワサビの主根に加えて、細長い側根も用いられる。 どちらの場合も、様々な種類の容器(チューブ、缶、瓶など)に入れられて提供される。本産品のみを使用した場合、高水準の辛味と刺激の強さが約束される。 シュタイリッシャー クレンは、2008年12月、農産物及び食品の地理的表示及び原産地名称の保護に関する2006年3月20日付理事会規則(EC)第510月20日06号に基づき欧州委員会によりPGIとして指定されている。 (2)生産方法 ◯ 生のシュタイリッシャー クレン 春に、セイヨウワサビの切り取った根(選別された側根)を植付機を用いて畑に70cm間隔で水平に植える。(他の生産国では、切り取った根は垂直にも植えられる)。 先端が多数に分かれた不必要な根の形成を防ぐため、6月以降、最も強い新芽のみを残し他の全ての側芽が取り除かれる。その後、最も低位置の冠根以外の側芽及び側根は取り除くか切り取られる。降水量の多い年には、この作業は約1カ月ごとに繰り返される。この作業は、今日でも労力を要する手作業で行われる。これらの段階を踏むことにより、晩秋(11月)又は春先(2月/3月)に、先端が僅かに曲がった、滑らかで平らな根を収穫でき、本産品の典型的な外観が生み出される。 収穫は抜根機を用いてセイヨウワサビの根を掘り起す。収穫された根は洗浄され、新鮮なまま市場に出すために通常はホイルに包まれるが、切り分けられることもある。また、市場に継続的に供給するため、根を洗浄せず、マイナス2℃で保管される場合もある。 現在、シュタイアーマルク州における本産品の栽培地域は約300haで、年間生産量は約3,000トンから4,000トンである。 ◯ 加工したシュタイリッシャー クレン 加工に使用される原材料は、生産地域で選別された検査済みのセイヨウワサビのみで、加工には主根も細長い側根も使われる。収穫後すぐに加工されない場合は、マイナス2℃で保管される場合がある。 品質が劣るものを取り除くため、セイヨウワサビの根は、手作業できれいに洗浄、選別される。その後、セイヨウワサビの根は新鮮な状態ですりおろされ、粘度と保存性を高める添加物(酢、油、クエン酸、硫黄)を用いて風味を豊かにする。これによって、数カ月間は新鮮な状態ですりおろされたセイヨウワサビに匹敵する特別な香りと辛みが備わる。そして最後に、瓶、チューブ又は容器への無菌充填が行われる。 シュタイアーマルク州野菜生産者協会は、シュタイアーマルク州のセイヨウワサビ生産者が記載された生産者登録簿を備えており、登録簿に記載されている生産者のみが、生のシュタイリッシャー クレンを提供又は流通業者及び加工業者に本名称を付して出荷することができる。このため、シュタイアーマルク州野菜生産者協会及び取引企業は、共同で「セイヨウワサビ(Horseradish)」作業部会を設置している。 また、産品にラベルが貼り付けられることにより、栽培契約書や統合行政管理システムへ出願した土地登記簿などの書類を用いて、生産地を追跡することが可能となっている。 (監督機関) Amt der Steiermärkischen Landesregierung, Fachabteilung 8 B (3)農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由 本産品は、約140年もの間、高く評価されてきた。 シュタイアーマルク州におけるセイヨウワサビの栽培はラトカースブルク郡で始まり、1940年から発展した。1967年以降、シュタイアーマルク州野菜生産者協会によって契約栽培が行われており、これは輸出を展開する上でも役立っている。そして、40年以上もの間、その生産量が維持されてもいる。 シュタイアーマルク州の農家は、栽培・収穫方法の発展に関し中心的な役割も担ってきた。例えば、1976年にはセイヨウワサビの根の包装手法について特許を取得した。また、セイヨウワサビ収穫用の特別な抜根機もシュタイアーマルク州で開発され、新鮮な状態ですりおろされたセイヨウワサビを保管する手法もシュタイアーマルク州の企業が開発し、州最高の技術賞である「ファストフォワード賞(Fast Forward Award)」を受賞した。 数多くのマスコミにおいて、本産品の人気の高さや、セイヨウワサビ栽培及び加工の地域における経済的な重要性が報道されている。生のセイヨウワサビは、主に様々なパブのおつまみへの付け合わせとして、シュタイアーマルク州において従来から珍重されている。 シュタイアーマルク州の南部のイリュリア気候の特徴は、本産品生育期における高い湿度、比較的多い降雨量及び高い気温にある。年間平均気温は9.5℃、年間平均降雨量は880mmである。生産地域の中重土壌(褐色土及び高い割合の粘土)は、水はけが良く、本産品に理想的な栽培環境を作り出している。 優れた風味と特徴的な外観を持つ「シュタイリッシャー クレン」は、数十年にわたり繰り返し本産品を生み出し(切り取った根の選別)、シュタイアーマルク州南部の気候や土壌の影響と相互に作用しており、専門家は外観を見ただけでも「シュタイリッシャー クレン」を他産地セイヨウワサビと区別することができる。 主に本産品の刺激の強い辛味により、消費者は「シュタイリッシャー クレン」を珍重し、このため多くの需要がある。 |
8 | 法第29条第1項第2号ロの該当の有無等 | |
(1)商標権者の氏名又は名称 | - | |
(2)登録商標 | - | |
(3)指定商品又は指定役務 | - | |
(4)商標登録の登録番号 | - | |
(5)商標権の設定の登録の年月日 | - | |
(6)専用使用権者の氏名又は名称 | - | |
(7)商標権者等の承諾の年月日 | - |
お問合せ先
輸出・国際局知的財産課
担当者:地理的表示保護制度担当
代表:03-3502-8111(内線4284)
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FAX番号:03-3502-5301