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農林水産省

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指定の公示について(指定番号第104号)

下記の地理表示について、指定の公示をしたのでお知らせします。

更新日:令和4年2月1日
担当:輸出・国際局 知的財産課

 Pecorino Sardo(ペコリーノ サルド)


1 指定年月日  令和4年2月1日
2 指定番号  第104号
3 締約国の名称  欧州連合
4 農林水産物等の区分  第6類 畜産加工品類 酪農製品類(ナチュラルチーズ)
5 農林水産物等の名称  Pecorino Sardo(ペコリーノ サルド)
6 農林水産物等の生産地  イタリア

 サルデーニャ自治州全体 
7 農林水産物等の特性、生産の方法その他の当該農林水産物等を特定するために必要な事項 (1) 特性
  ペコリーノ サルドは雌羊の全乳のみを使用し、低温加熱又は低温殺菌された半加熱(semi-cooked)チーズである。短期間(20日~60日)熟成させた「ドルチェ(Dolce)」(マイルド)と、2か月以上熟成させた「マトゥーロ(Maturo)」(熟成)の2種類がある。形は円筒形で側面は平らで、端はまっすぐか、わずかに突き出ている。

  ペコリーノ サルドの「ドルチェ」品種は以下の基準を満たさなければならない。
 ・重量:1kg~2.3kg
 ・高さ:8~10cm
 ・側面の直径:15~18cm
 ・外皮:滑らかで柔らかくて薄い。白色又は淡い麦わら色
 ・チーズ本体:白色で柔らかく弾力性があり、詰まった質感で小さな穴が散在する
 ・味:甘くて香り高い、又はわずかな酸味がある
 ・固形分中乳脂肪:40%以上
  サイズや重量は生産技術上の条件や熟成期間の長さによって異なる場合がある。

  ペコリーノ サルドの「マトゥーロ」品種は以下の条件を満たさなければならない。
 ・重量:1.7kg~4kg
 ・高さ:10~13cm
 ・側面の直径:15~22cm
 ・外皮:若いチーズは滑らかで固く麦わら色、熟成が進んだチーズは茶色
 ・チーズ本体:若いチーズは白色で軽くて弾力性があり、熟成が進んだチーズは硬く、わずかにざらざした質感があることがある。熟成するにつれて黄色味を帯びた淡い麦わら色になり、詰まった質感、又は穴がまばらに見られることもある
 ・味:心地よいシャープな味わい
 ・固形分中乳脂肪:35%以上
  サイズや重量は生産技術上の条件や熟成期間の長さによって異なる場合がある。

  ペコリーノ サルドには、ペコリーノ サルド マトゥーロで作られたおろしチーズも含まれる。このため、おろしチーズに用いられるペコリーノ サルドの範囲は以下の技術的・技法的基準を満たしたものに限定される。

1.固形分中乳脂肪:35%以上
2.生産地域における熟成期間:4か月以上
3.水分:42%以下
4.添加物:法規制に基づく
5.官能特性:製造基準に定められた定義による
6.外皮の厚み:約6mm
7.産品に含まれる外皮の割合:18%以下

  産品仕様に記載されている表面処理が行われたチーズの場合、その処理の残留物や痕跡を除去するために外皮は十分に洗浄すること。

(2) 生産方法
〇原材料(加工産品のみ対象)
  サルデーニャ州で生産された羊の全乳で、低温加熱又は低温殺菌したものだけを使用するものとする。
  羊の飼料は基本的に自然の牧草地や草原を直接利用し、それに飼料や濃厚飼料を加えたものとする。
  製造プロセス全体(家畜の飼育、乳生産、熱処理、凝固、半調理、成型、水切り及びプレス、塩添加並びに熟成)は、生産地内で行われなければならない。

〇ラベル表示
  トレーサビリティーと管理を確実に実施するため、製造者は製造地域から出荷するチーズホイールにペコリーノ サルドのロゴを消去できないインクで記載する。

 販売時の原産地名称表記:
        
  産品の特性や様々な中間処理段階によっては、商品発売後にマークが見えなくなることがある。この場合はラベルによってトレーサビリティーを確保しなければならない。
  市場に出回ったペコリーノ サルドチーズは、全ての種類についてラベル外縁リングの放射状に配置されたロゴで識別できる。
  ペコリーノ サルドの識別は、ラベル外縁リング上に貼付された接着マークで行う。このマークに加えて「ドルチェ」又は「マトゥーロ」の用語で産品の種類が表示される。個々のチーズは英数字のコードで明確に識別される。
  マーケティングや販売目的で使用されるラベルやパッケージにおいて、地域的かつ継続的な使用方法に沿った形で、商品名やプライベートブランドと関連づけて名称を使用することは、商品を賛美する目的や消費者に誤解を与えるものでないという条件で許可される。製造仕様書に明示的に規定されていない記述を名称に追加してはならない。

〇販売
  ペコリーノ サルドは、生産地で必須の熟成期間を終えた後、ホール、おろした状態、又は小さなキューブ形、スライス、フレーク、削りくず、又はおろした状態で分割して販売することができる。分割部分については、外側のリングに印刷されたマーク内に識別番号を記載しなければならない。このマークに加えて、「ドルチェ」又は「マトゥーロ」の用語が産品の種類に応じて記載される。保護原産地名称登録に関する法的な参考文献も記載する。その他の形態については、この番号を表示する特定要件がある。即時の対面販売向けに産品が販売場所で包装される場合は、包装済み産品を事前に準備することができる。

(3) 農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由
  サルデーニャ島は地理上の面積と人口密度において地中海で2番目に大きな島であり、自然環境と人間環境の多様性が大きい。
ペコリーノ サルドの特徴は、原産地特有の自然的要因と人的要因の組み合わせによって決定される。

〇自然的要因
  半島の他の地域ではみられない、孤立した海岸、山、森、希少動物と固有種の植物といった自然の特徴の多くがサルデーニャでは保存されている。典型的な地中海性気候で、冬は穏やかで、夏は暖かい。降雨は島の北側と西側で多く、年間の晴天日は200~230日である。また同地域の気候は、特に海や、年間を通じて定期的に吹く強風の影響を受ける。地域の約18%は森林で覆われており、特にセイヨウヒイラギガシやダウニーオークの森が特徴的である。野生のオリーブとジュニパーの木は主に海岸地域と中央東部地域で見られる。その他の地域では、マスティック、ゴジアオイ、イチゴノキや島の典型的な野生種の植物の茂みが広がっている。
  ペコリーノ サルドの原産地は特に牧草地に適しており、多様な潅木が生い茂る自然の草原は島で飼育されている羊にとって非常に重要な食料源であり、ペコリーノ サルド独特の特徴を生みだす乳を供給している。

〇人的要因
  ヌラーゲ(Nuraghe)時代以降、島の多くの人々にとって羊の飼育が唯一ではないにせよ、主要な収入源であり、雇用者数と売上高の点で、農業と乳用羊の分野は今でもこの地域の社会経済的背景における主要分野の一つであることに留意すべきである。
  人的要因の面では、古くから伝えられた教えと現代の知識や技術をどのように組み合わせればペコリーノ サルドの官能特性を高めることができるかを正確に知っている乳羊部門の熟練したチーズ職人の技術と定評のある専門知識に注目が集まっている。

8 法第29条第1項第2号ロの該当の有無等 
(1)商標権者の氏名又は名称  -
(2)登録商標  -
(3)指定商品又は指定役務  -
(4)商標登録の登録番号  -
(5)商標権の設定の登録の年月日  -
(6)専用使用権者の氏名又は名称  -
(7)商標権者等の承諾の年月日  -

お問合せ先

輸出・国際局 知的財産課

担当者:地理的表示保護制度担当
代表:03-3502-8111(内線4285)
ダイヤルイン:03-6744-0234
FAX:03-3502-5301