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農林水産省

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指定の公示について(指定番号第108号)

下記の地理表示について、指定の公示をしたのでお知らせします。

更新日:令和4年2月1日
担当:輸出・国際局 知的財産課

Aceite de Mallorca / Aceite mallorquín / Oli de Mallorca / Oli mallorquí(アセイテ デ マヨルカ / アセイテ マヨルキン / オリ デ マヨルカ / オリ マヨルキ)


1 指定年月日  令和4年2月1日
2 指定番号  第108号
3 締約国の名称  欧州連合
4 農林水産物等の区分  第9類 食用油脂類 食用植物油脂(オリーブ油)
5 農林水産物等の名称  Aceite de Mallorca / Aceite mallorquín / Oli de Mallorca / Oli mallorquí
 (アセイテ デ マヨルカ / アセイテ マヨルキン / オリ デ マヨルカ / オリ マヨルキ)
6 農林水産物等の生産地  スペイン

 バレアレス諸島の自治州マヨルカ島の全ての市町村
7 農林水産物等の特性、生産の方法その他の当該農林水産物等を特定するために必要な事項 (1) 特性
  マヨルカ(Majorca)種、エンペルトレ(Empeltre)種、アルべキーナ(Arbequina)種、ピクアル(Picual)種に属するオリーブ(Olea Europea L.)の果実から得られるエキストラバージンオリーブオイル。オイルに変質をもたらさない機械的又は物理的方法により生産され、抽出された果実の香り、味わい、特徴を保持している。

〇オイルの物理的・化学的特性
  本産品の物理的・化学的特徴は以下の通りである。
 ・酸度:0.8°以下
 ・過酸化物価:18meq O2/kg以下 (10月まで搾油工場に残っているオイルについては 20meq O2/kg以下)
 ・紫外線K270の吸収性:0.20以下
 ・湿度:0.1 %以下
 ・不純物:0.1 %以下

〇官能特性
  本産品の官能特性は、フルーティなオイルと、甘みのあるオイルの明確に区別される2種類の特徴に識別される。
  フルーティなオイルの主な特徴は、アーモンドのような、甘みのある、フルーティなオリーブの味わいが優勢であり、苦味や辛みの特性は適度にあり、渋みはまったくない。
  甘味のあるオイルの主な特徴は、明確な甘味である。苦味や辛みはわずかであり、フルーティな要素(アーモンドのような風味、オリーブのフルーティな風味、その他の果物のフルーティな風味、熟した青リンゴのような風味)はほとんどない。
 マヨルカオリーブオイルの色は、ゴールドから緑がかった黄色まで幅があり、主にオリーブの収穫時期によって異なる。
 
(2) 生産方法
〇原材料
  製油工場に届いたオリーブは、承認された認定品種に属し、果樹園を検査する規制委員会(Consejo Regulador)のオリーブ果樹園登録簿に登録のある果樹園のものである。
  マヨルカ島のオリーブ栽培地は、主に山腹の段丘にある山間果樹園で構成されている。台地は栽培できる土壌が固定され、不整地でも作物が育つ。マヨルカの一般的な構造である段丘は、雨水を最大限に利用でき、侵食を阻止するのに役立つ。
  マヨルカでは、オリーブ栽培をマヨルカ種の羊の飼育と組み合わせることが一般的である。これは、除草と木に栄養分を与える有機肥料の供給という2つの機能を持つ。
  オリーブの成熟度が適切な程度になると、手摘み又は手棒で叩いたり、振動を与える方法により収穫される。その後、果実に損傷を与えないよう定められた方法に従って輸送される。

〇加工
  オリーブの圧搾と抽出は、搾油工場登録簿に記載された搾油工場で行われる。
  オリーブは搾油専用の搾油工場に保管される。保管温度は25℃を超えてはならない。温度と保管期間の制限により、オイルへ加工する前にオリーブが劣化することを防ぐことができる。
  1回のオリーブ収穫からオイルの抽出までの時間は最大48時間である。
  果実は汚れを取って洗浄し、葉や茎、土、不純物を取り除く。その後、オイル抽出工程に進むため、圧搾される。この作業は機械で行われ、この工程にはオリーブの細砕、ペーストの攪拌(最高温度:28℃)、分離及び保管の作業が含まれる。生産工程が完了すると、得られた製品は評価、分類される。
  抽出されたオイルは、物理、化学、官能分析が行われ、全ての管理手順を満たすものだけがパッケージ化され、原産地指定の上、市場に出される。検査機関が発行する番号を付与された裏面ラベルにより、マヨルカ原産地指定のオイルが仕様に定める条件に合致していることが証明される。

〇包装
  オイルは最適な環境で保管するために必要な設備を備えた登録搾油工場及び包装・販売工場で保管、包装される。
  検査機関として規制委員会は定期検査を行い、商品が仕様に従って入手、生産されているかを検証する。
  包装は、申請団体により定義された生産地内で行われなければならない。以下の理由により規定の生産地内で実施される必要がある。
  ・トレーサビリティを保証し、確実に検査を行うため、アセイテ デ マヨルカの検査と規制委員会の認証業務は、生産地、すなわちマヨルカ島内に限定されている。委員会の検査と認証システムは、包装が生産地域で行われることを条件に、マヨルカ産オリーブオイルの原産地とトレーサビリティを保証する。
  オリーブオイルは液体製品のため、他の物質(特に他の地域産オリーブオイル)が混入するリスクが存在する。そのため、保護されたオリーブオイル生産地以外で包装されることを許可することは、原産地保証を危険にさらすことになる。
 ・マヨルカ産オリーブオイルの特徴を保持し、品質を守るため。包装が生産地内で行われることは、マヨルカ産オリーブオイルの品質とその特徴を保護する決定的な要素である。それは、生産者及び原産地指定検査機関メンバー、すなわちマヨルカ産オリーブオイルが適切に取り扱われているかを確認するノウハウと技術を有する者に、輸送と包装の基準を適用、監視する業務が課されることを意味する。
  マヨルカは島であるため、オリーブオイルを生産地外へ大量に輸送する時は長い航海を要する。適切な環境で輸送されなければ、他のオイルと一線を画すマヨルカ産オリーブオイルの官能特性に影響を与えるため、マヨルカ産オリーブオイルの最終品質を維持することができないことは、リスク要因となる。

〇ラベル表示
  「Denominación de Origen Aceite de Mallorca」の文字をラベル、裏面ラベルに表示しなければならない。
  市場取引に使用されるパッケージには、規制委員会が番号付与、発行した保証シール又は裏面ラベルが貼付され、これを規制委員会が定めるルールに従い、再利用ができない形で実際のパッケージ工場において貼付する。
  保護対象のオイルに使用される加工会社独自のラベルには、原産地呼称のオイル販売を認可された会社の登録番号と施行されている法令に一般に必要とされる情報を目立つ場所に記載する。

(検査機関)
  名称:Dirección General de Agricultura (Consejería de Agricultura y Pesca de les Illes Balears) 

(3) 農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由
〇背景
  マヨルカ島では、オリーブ栽培とオリーブオイルの生産と消費に長い伝統がある。
島がアラゴン王国の一部であった13世紀から、この地域のオリーブ栽培やオリーブオイルの生産と輸出に関する資料がある。15世紀半ばには、マヨルカ産オリーブオイルは特にフランス南部へ定期的、継続的に出荷されていた。16世紀にはオリーブ栽培とオリーブオイル生産が拡大し、これらは長年の間、多くのマヨルカ島の農園の主な収入源であり、その相当数が製油所を持っていた。オリーブ栽培は特に島の北部で広がった。16世紀初頭、オリーブオイルの税は収穫物に課せられた税全体の10%を占め、これは小麦と大麦に次ぐ数字であった。17~19世紀には、マヨルカ産オリーブオイルは島民の食事における基本食材として、また物々交換、輸出用商品として、島の経済に重要な役割を果たした。
  19世紀にオーストリア大公のLuis Slavadorが島の滞在中に執筆した、マヨルカ島の慣習と生活を最もよく説明する文献の1つである「Die Baleren in Wort und Bild geschildert」に、マヨルカ産バージンオリーブオイルの品質が称賛されている。マヨルカバージンオリーブオイルの品質が正式に評価されたのは19世紀後半であった。1888年のバルセロナ万国博覧会では、国際審査員によってマヨルカ産オリーブオイルに銀メダルが授与された。
  これらの文献は、マヨルカ島とオリーブオイル製造業との間に強い結びつきが存在することを示している。また、マヨルカ島の伝統的な果樹園が約500年前からあること、樹木全体を変えなければならないほどの大きな病気や火事にならず、果樹が何世紀も存続してきたことを示している。島の景観に欠かせないオリーブ果樹は、マヨルカに深く根ざしており、一般的に、樹齢が千年あると見られている。

〇自然環境
  土壌の特徴、丘陵の起伏、不規則な降雨、樹齢の長い木々が、マヨルカで生産されるオイルに他の生産地のオイルとは異なる特徴を与えている。マヨルカ島の気候条件によってオリーブの収穫に最適な時期が決定され、これは他のオリーブ栽培地域よりも早い。
  これらの要素と、マヨルカで見られるさまざまなオリーブ品種が相まって、他産地とは異なる官能特性を持つオイルとなった。色づき始めたオリーブから作られたオイルの最大の特徴は、甘みやマイルドな味わいであり、苦味と辛味の特性は実質的にほとんどない。緑色のオリーブから作られたオイルは、フルーティになり、官能特性は苦味と辛味が特徴的である。
  また、マヨルカで育つオリーブは、Serra de Tramuntanaのように、特定の地域の主要な農業活動である。オリーブ栽培は環境を維持、保護し、砂漠化や侵食を阻止してきた。そして、マヨルカ島を最も象徴する景観をつくりあげた。

8 法第29条第1項第2号ロの該当の有無等 
(1)商標権者の氏名又は名称  -
(2)登録商標  -
(3)指定商品又は指定役務  -
(4)商標登録の登録番号  -
(5)商標権の設定の登録の年月日  -
(6)専用使用権者の氏名又は名称  -
(7)商標権者等の承諾の年月日  -

お問合せ先

輸出・国際局 知的財産課

担当者:地理的表示保護制度担当
代表:03-3502-8111(内線4285)
ダイヤルイン:03-6744-0234
FAX:03-3502-5301