指定の公示について(指定番号第14号)
更新日:平成31年2月1日
担当:輸出・国際局 知的財産課
担当:輸出・国際局 知的財産課
下記の地理的表示について、指定の公示をしたのでお知らせします。 |
Huile essentielle de lavande de Haute-Provence/Essence de lavande de Haute-Provence(ウィール エサンスィエル ド ラヴァンド ド オート プロヴァンス/エサンス ド ラヴァンド ド オート プロヴァンス)
1 | 指定年月日 | 平成31年2月1日 |
2 | 指定番号 | 第14号 |
3 | 締約国の名称 | 欧州連合 |
4 | 農林水産物等の区分 | 第19類 精油類 ラベンダー油 |
5 | 農林水産物等の名称 | Huile essentielle de lavande de Haute-Provence/Essence de lavande de Haute-Provence(ウィール エサンスィエル ド ラヴァンド ド オート プロヴァンス/エサンス ド ラヴァンド ド オート プロヴァンス) |
6 | 農林水産物等の生産地 | フランス アルプ=ド=オート=プロヴァンス県、オート=ザルプ県、ドローム県及びヴォクリューズ県の4県にまたがる合計283のコミューン。 ※詳細は別添(PDF : 116KB)参照。 |
7 | 農林水産物等の特性、生産の方法その他の当該農林水産物等を特定するために必要な事項 | (1)特性 本産品は、真正ラベンダーであるラヴァンドラ アングスティフォリア P.ミラー(Lavandula angustifolia P. Miller) の花頂を水蒸気で蒸留することによって得られる液体である。本産品は、主に香水として使用されているが、医薬品やアロマセラピーにも使用されている。 真正ラベンダーは、種子繁殖されてきた地元原産のもの又は若い自生のものに限る。多様な品種が植生していることにより、独特な特性や他のエッセンスとは大きく一線を画す品質を保有する真正ラベンダーエッセンスを生み出すことにつながっている。各地域で計測されるクロマトグラフピークで表した本産品の特徴が最も現れる代表的な分析パラメーターは、リナロール、ラバンデュロール及び酢酸ラバンデュリルである。真正ラベンダーの香りは他のラベンダー(ラバンジンやスパイクラベンダー)とは明確に異なる。 クロマトグラフィーを用い計測した本産品の分析特性は以下のとおり。 ・酸価:< 1.0 ・1.8-シネオール:0.2~1.0 ・cis-β-オシメン:3.0~9.0 ・trans-β-オシメン:2.2~4.9 ・オクタノン-3:0.5~2.0 ・樟脳:< 0.5 ・リナロール:< 36 ・テルピネン-1-ol-4:2.5~5.5 ・酢酸ラバンデュリル:> 2.5 ・ラバンデュロール:> 0.5 ・α-テルピネオール:< 0.7 ・cis-β-オシメン対trans-β-オシメンの比率:1.05~2.7 ・trans-β-オシメン対オクタノン-3の比率:1.4~9 ・リナロール+酢酸リナリル対ラバンデュロール+酢酸ラバンデュリルの比率:12~18 異常気象年の場合、監督機関は、生産者グループからの情報に基づき、上記の基準を緩和することができる。ただし、下に示す値を超えた緩和をしてはならない。 ・酸価:< 1.2 ・1.8-シネオール:0.1~1.5 ・cis-β-オシメン:2.5~10 ・trans-β-オシメン:1.5~6 ・オクタノン-3:0.3~2.0 ・樟脳:< 0.55 ・リナロール:< 38 ・テルピネン-1-ol-4:1.5~6 ・酢酸ラバンデュリル:> 2 ・ラバンデュロール:> 0.4 ・α-テルピネオール:< 0.8 ・cis-β-オシメン対trans-β-オシメンの比率:0.9~2.7 ・trans-β-オシメン対オクタノン-3の比率:1.4~10 ・リナロール+酢酸リナリル対ラバンデュロール+酢酸ラバンデュリルの比率:10~20 ウィール エサンスィエル ド ラヴァンド ドゥ オート プロヴァンス/エサンス ド ラヴァンド ド オート プロヴァンスは、1996年6月、農産物及び食品の地理的表示及び原産地名称の保護に関する1992年7月14日付理事会規則(EEC)第2081/92号に基づき欧州委員会によりPDOとして指定されている。 (2)生産方法 ラベンダーの栽培、蒸留は生産地域内で行う。 ラベンダー園は、専ら種子繁殖により栽培されなければならず、クローンのラベンダーを栽培する農園は排除される。 花を切り取ったら、蒸留工程を阻害しかねない余分な水分を除去するため、花を乾燥させなければならない。蒸留は、花の香り成分を保持する唯一の技術である蒸気蒸留を用いる。精油成分はラベンダーの中を通り抜けた蒸気と一緒に運ばれ、その蒸気を冷却し液化させる。 精油の濃度と香りの特性を維持するために、農園1ha当たりの最大産出量は制限されている。 (ラベリングのルール) 「Huile essentielle de lavande Haute-Provence」/「Essence de lavande de Haute-Provence」を表示して販売する場合は、名称をすべての製品容器にはっきりと分かるように表示しなければならない。 (監督機関) Institut National des Appellations d’Origine(INAO) (3)農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由 ◯ 自然的要因 ラヴァンドラ アングスティフォリアという名称を一般的に与えられている真正ラベンダーは、ジュラ紀~白亜紀の石灰岩から生じた、土壌学上グレイ レンジナスと呼ばれる石灰腐植土を伴った土壌に群生する。ラベンダーは比較的冷涼な気候を好むため、標高600~800mの比較的標高の高い地域に見られる。この地域は、真正ラベンダーの自然分布地と重なっており、これ以外の地域ではラヴァンドラ アングスティフォリアは急速に枯れてしまう。 ◯ 人的要因 フランス南部におけるラベンダー採取は、19世紀後半に特に盛んになった。当時は、農村人口の大量流出により、地方の貧しい地域の人口減少が進み、森林を開墾し数世紀にわたって耕作されてきた土地も放置されるようになった。また、浸食が土壌の急速な悪化を招き、岩盤が露出することも多くなった。このような土壌では、ほとんど手のかからない強靱な植物しか繁殖できないため、ラベンダーやスパイクラベンダーが、放置された山腹に広がるのに時間はかからなかった。 これと平行し、同時期に香水や化粧品の使用が大幅に拡大していった。現地にある豊富な原材料と世代を超えて継承されてきたノウハウを活用し、香水産業は現在に至るまで発展し、グラースに香水の都という国際的評価を与えている。 一部の香水製造業者は、グラースから奥地へと拠点を移し、夏の間ラベンダーが収穫される地域に蒸留所を設置した。また、地元の蒸留事業者と提携し、ラベンダーエッセンスの抽出を委託する香水製造業者も現れた。このようにラベンダー香料の販路は確保され、それまでは小型の家畜飼育と農作物の栽培を行ってきたオート=プロヴァンスの山間地において、ラベンダーの採取が急速に拡大した。 良質なラベンダーの生産者は、自身の産品に深い愛着を持っている。 ◯ 社会的評価 香料に関するグラースの評価は、当地域のラベンダーの精油生産に依拠している。産出量は高いが精油の質は劣るラバンジンの栽培の始まりが、生産者に良質なラベンダーのみからの精油生産を促し、ひいてはこの評価の高い精油を香料生産者に継続的に供給できるようにした。 ラベンダーの自然環境に対する敏感性は、そのエッセンスの化学組成、ひいてはその香りに大きな影響を与える。このことが特に当てはまるのが、群生の中で育つ真正ラベンダー(クローン栽培によるものではなく、専ら種子によって繁殖する地元由来の植物)である。各ラベンダーはそれぞれに遺伝的個性を有すため、独自の分析的・嗅覚的な微妙な差異を持つ精油が作られる。 標高が600m以上の山間地で育ったラベンダーは、冷涼な気温の恩恵を受けることにより精油に繊細な香りをもたらす。こうした山間部の土壌は含水量が少なく、また水の利用も制限されることから、栽培できる植物の種類も限られる。これにより、山間地で育つ植物が持つ香りの成分は合成されていく。 |
8 | 法第29条第1項第2号ロの該当の有無等 | |
(1)商標権者の氏名又は名称 | - | |
(2)登録商標 | - | |
(3)指定商品又は指定役務 | - | |
(4)商標登録の登録番号 | - | |
(5)商標権の設定の登録の年月日 | - | |
(6)専用使用権者の氏名又は名称 | - | |
(7)商標権者等の承諾の年月日 | - |
お問合せ先
輸出・国際局知的財産課
担当者:地理的表示保護制度担当
代表:03-3502-8111(内線4284)
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