このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

指定の公示について(指定番号第30号)

更新日:平成31年2月1日
担当:輸出・国際局 知的財産課
下記の地理的表示について、指定の公示をしたのでお知らせします。

Aceto balsamico tradizionale di Modena(アチェート バルサミコ トラディツィォナーレ ディ モデナ)


1 指定年月日  平成31年2月1日
2 指定番号  第30号
3 締約国の名称  欧州連合
4 農林水産物等の区分  第8類 調味料類 食酢(果実酢) 
5 農林水産物等の名称  Aceto balsamico tradizionale di Modena(アチェート バルサミコ トラディツィォナーレ ディ モデナ)
6 農林水産物等の生産地  イタリア
 
 モデナ県内 
7 農林水産物等の特性、生産の方法その他の当該農林水産物等を特定するために必要な事項 (1)特性
 アチェート バルサミコ トラディツィォナーレ ディ モデナは、ブドウ液を使用した伝統的なバルサミコ酢であり、下記の要件を満たしていなければならない。
色:明るい焦げ茶色
粘度:粘性が低いシロップ程度
香り:刺激的で、持続性のある特徴的な芳香があり、全体的にまとまりがある。
風味:何世紀にもわたって変わらぬ伝統的なバルサミコ酢の特徴的な風味で、心地よく調和の取れた酸味と使用した大樽の木のほのかな香りを含み、甘みと酸味の調和がとれている。また、本産品の特徴的な芳香と調和を保ちつつも、強く、透明感があり、豊かで、口当たりの良さが長く持続する。
総酸度:4.5g以上(産品100g当たりの酢酸のグラム数)
温度20℃での比重:1.24以上
 
 アチェート バルサミコ トラディツィォナーレ ディ モデナは、2000年4月、農産物及び食品の地理的表示及び原産地名称の保護に関する1992年7月14日付理事会規則(EEC)第2081/92号に基づき欧州委員会によりPDOとして指定されている。
 
(2)生産方法
 (本産品の生産に使用されるブドウ品種)
 ランブルスコ(Lambrusco)、 アンチェロッタ(Ancellotta)、 トレッビアーノ(Trebbiano)、ソーヴィニヨン(Sauvignon)、 スガベッタ(Sgavetta)、ベルゼミノ(Berzemino)、オチオ ディ ガッタ(Occhio di Gatta)
 
 本産品の生産に用いられるブドウは、糖度が15度以上のブドウ液ができるものでなければならず、ブドウ栽培専用の耕作地は最大生産量が1ヘクタール当たり160キンタル以内で、ブドウ液の抽出歩合は70%以内でなければならない。
 ブドウ液は、ふたのない容器を使用して気圧を利用し、直火により80℃以上の温度を維持しながら30分間以上加熱する。混ぜ合わせたブドウ液又は添加物、その他の物質を含んだブドウ液は使用できない。
 加熱後のブドウ液は、伝統的な食用酢製造室において、伝統的手法を用いて、糖及び酢酸発酵を行う。
 本産品に最適な熟成及びその後の産品管理を行うには、少なくとも12年を要する。この製造行程の一部として、加熱したブドウ液は、番号を付されマークが記載された本地域に特有のオーク材、ビャクシン材、サクラ材、クワ材、クリ材等の木製の大樽へ数回に渡り移される(デカント工程)。
 当該産品が生産管理規則で定められている最低要件を満たしていると生産者が判断すると、丸形で底が長方形型の独特な形をしている白色透明なガラス容器(容量10~40ml)の容器に瓶詰めする前に、一連の分析及び官能試験を経ることになる。
 このように、アチェート バルサミコ トラディツィォナーレ ディ モデナは、原材料がゆっくりと変化していく行程を通じて生産されるものであり、モデナ県内で伝統的に栽培されている品種のブドウを原材料としなくてはならず、また直火を使用して加熱しなければならない。また、熟成は少なくとも12年にわたる長い時間を要し、煮詰めたブドウ液以外のいかなる物質も使用せず、またいかなる物理的・化学的な工程も経ることはない。
 
 熟成、熟成後の産品管理、そして瓶詰めの全ての工程をモデナ県内で実施しなければならない。
 本産品のトレーサビリティを保証するため、原料であるブドウ液は、生産ルールに規定されているブドウ品種が全て又は一部を占めているブドウ園で生産されたブドウ、もしくはモデナ県地域優良ワイン生産の指定を受けた原料を使用しなければならず、販売用に出荷される前に一連の分析及び官能検査を通過しなければならない。
 瓶詰め後、番号付き再使用不可のラベルを破らなければ内容物を取り出せないような貼り方で各ボトルに貼付する。
 
(ラベリングのルール)
 全ての製品に番号付きの保証シールが貼付されなければならない。
 
(監督機関)
 Cermet (Certificazione e controllo della qualità) Soc. Cons. a r. l.
 
(3)農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由
 本産品は、モデナ地域の最も重要な典型的で伝統的な食品の1つであり、特徴的な品質を持ち、生産量が限られていることから、経済的な成功と国内外での高い評価を獲得した。
 当該産品が地域の土壌や気候の条件と密接につながっていることは、食用酢製造室内の温度、湿度及び通気の変化を誘導することを含む熟成の加速化や人工的な熟成方法が禁止されていることからも明白である。
 地域優良ワイン生産の指定を受けているモデナ県内のブドウ園からの原材料を使用していることにより、本産品の持つ特性が本生産地域以外の場所で再現される可能性も排除している。
 
 本産品について言及した歴史的文献が多数残されている。「バルサミコ」と「酢」という言葉が合わせて登場する最古の公式な記録は、18世紀まで遡る。1747年の公爵の秘密のセラー用ワインの収穫高と売上高の登録簿(モデナ公式記録)であるが、モデナの公爵アルフォンソ1世・デステ(ルクレツィア・ボルジアの夫)の邸宅の帳簿から判断すると、モデナ県内でバルサミコ酢を生産するという伝統は、少なくとも1508年まで遡ることができる。
 16世紀と1796年の文書では、モデナ式バルサミコ酢の生産に使用されていた熟成が非常に進んだブドウ液と、バルサミコ酢が入っていた36の樽が公爵の邸宅に保管されていたことについての言及がある。
 本産品の生産に関して、こうした初期の文献で何度も言及されるのは、モデナ県内で栽培されたブドウを煮詰めて生産したこと、そして通常は屋根裏において生産されていたことである。
 本産品の生産に関する規則について登場した最初の版は、フランチェスコ アガゾティ氏からピオ ファブリアーニ氏宛てに1860年に書かれた手紙に見られる。それ以降、本産品の取引が発達していくに伴って、本産品に関する言及はますます増加するとともに、正式なものとなっていった。例えば、1863年のモデナでの農業博覧会、1888年のボローニャでのエミリア・フェアバルサミコ酢は精選されたブドウから生産されたモデナの特産品であると記述した冊子等があった。
 こうしたことは、遠い昔からモデナ県では他の地域では見られない特別な種類の酢が生産されており、その生産及び熟成の方法は何世紀にもわたってほぼ変わらぬ形で受け継がれ、現在は産品生産管理規則に定められていることを裏付けるものである。
8 法第29条第1項第2号ロの該当の有無等 
(1)商標権者の氏名又は名称  -
(2)登録商標  -
(3)指定商品又は指定役務  -
(4)商標登録の登録番号  -
(5)商標権の設定の登録の年月日  -
(6)専用使用権者の氏名又は名称  -
(7)商標権者等の承諾の年月日  -

お問合せ先

輸出・国際局 知的財産課

担当者:地理的表示保護制度担当
代表:03-3502-8111(内線4284)
ダイヤルイン:03-6744-2062
FAX番号:03-3502-5301

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。

Get Adobe Reader