指定の公示について(指定番号第51号)
更新日:平成31年2月1日
担当:輸出・国際局 知的財産課
担当:輸出・国際局 知的財産課
下記の地理的表示について、指定の公示をしたのでお知らせします。 |
Aceite del Bajo Aragón (アセイテ デル バホ アラゴン)
1 | 指定年月日 | 平成31年2月1日 |
2 | 指定番号 | 第51号 |
3 | 締約国の名称 | 欧州連合 |
4 | 農林水産物等の区分 | 第9類 食用油脂類 食用植物油脂(オリーブ油) |
5 | 農林水産物等の名称 | Aceite del Bajo Aragón (アセイテ デル バホ アラゴン) |
6 | 農林水産物等の生産地 | スペイン エブロ川の南東部流域に位置する、サラゴザ県とテルエル県にまたがるアラゴン州西部地域。 ※具体的な自治体は別添(PDF : 40KB)のとおり。 |
7 | 農林水産物等の特性、生産の方法その他の当該農林水産物等を特定するために必要な事項 | (1)特性 アセイテ デル バホ アラゴンは、エンペルトレ(Empeltre)種、アルベキーナ(Arbequina)種及びロイヤル(Royal)種のオリーブを原料としたエクストラバージンオリーブオイルである。 生産地域では主にエンペルトレ種が栽培されており、本産品の特性とエンペルトレ種は歴史的にも深いつながりがある。このため、本産品は、エンペルトレ種が容量の80%以上使用されなければならず、その他の品種は20%を超えて使用することはできない。 ◯ 官能特性 ・外観:透明で、(表面のほこりや水などの)濁り、不純物は見られない。 ・色:黄金色~暗めの黄色 ・香り:わずかなアーモンドの味わいを伴うフルーティな香りがあり、苦味はなく、かすかな甘みと辛味がある。 ◯ 物理化学的特性 ・最大酸度(オレイン酸割合):1.00 ・最大過酸化物価(meq/kg):20 ・K270 (最大値):0.15 ・K232(最大値):2.00 ・最大含水量及び揮発性物質量値(%):0.15 ・最大不純物値(%):0.10 アセイテ デル バホ アラゴンは、2001年10月、農産物及び食品の地理的表示及び原産地名称の保護に関する1992年7月14日付理事会規則(EEC)第2081/92号に基づき欧州委員会によりPDOとして指定されている。 (2)生産方法 原料となるオリーブは、監督機関により検査・登録を受けたオリーブ園で栽培されている。 土壌の表面は3回に分けて耕運機で耕した後にならす。窒素施用は毎年行い、木1本当たり1kgを超えてはならない。オリーブの実の形成期には、軽く剪定を行う。成木の場合は、木に対する葉の割合を一定に保たなくてはならない。 オリーブが程良く熟したら、果実に損傷を与えないよう、細心の注意を払って手で摘み取り、加工工場に出荷する。オリーブは、11月中旬から翌年3月末の間に収穫され、収穫後48時間以内に、生産地域内にある登録加工工場において、機械を用いて油が抽出される。 油の生産工程は以下のとおり。 ・オリーブの洗浄、粗砕後、35℃以下の温度でペースト状になるまで攪拌し、分離したものを保管する。 ・オイルが生産され、品質検査が終了した時点で、ガラスや陶器の瓶もしくは金属製の容器に最大5リットルまで充塡する。 容器への充填及び販売前に、物理化学的試験及び官能試験を行わなければならず、完全に要件に適合した産品のみが容器へ充填され、監督機関から与えられた番号を付して販売される。 (監督機関) Consejo Regulador de la denominación de origen ‘Aceite del Bajo Aragón’ (ラベリングのルール) ラベルには「Aceite del Bajo Aragón」の文字を表記しなければならない。 (3)農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由 アセイテ デル バホ アラゴンに使用するオリーブの品種は、伝統的に生産地で生育しているものであり、現存する文献から、エンペルトレ種とロイヤル種は、本生産地域特有の品種と見なしうる。一方、アルベキーナ種はカタルーニャ州近隣から19世紀に本生産地域にもたらされた。 本生産地域の油に関する最も古い言及は、4世紀のラテン詩人Rufo Festo Avienoの書いた「Ora maritima」で、原本は紀元前550年にまで遡る。本作には、上流の地域住民との交易を行うために、船でエブロ川上流を遡る様子が記述されており、この交易の中で油やワイン、小麦を入手したことが触れられている。また、「Ora maritima」には、エブロ川が「Oleum flumen(油の川)」 として記述されている。更に、Ignacio de Assoは、1798年に著書「Historia de la Economía Política de Aragón」の中で、しばしばアラゴン低地にあるロウアー・アラゴンと呼ばれるオリーブの木について言及している。 今日のアセイテ デル バホ アラゴンの名声は19世紀末まで遡ることができる。当時、アセイテ デル バホ アラゴン等のアラゴン産の油の中心的な市場として栄えていたトゥルトーザは、高品質な地元の油によって利益を得ようとする大企業を惹きつけていた。しかし、その後まもなく、トゥルトーザで展開される熾烈な競争を避け、アラゴン低地から直接オイルを入手するために、多くの企業がアルカニスに現れるようになった。 1918 年にIsidro Aguiló y Cortésが著した「Elaboración del Aceite de Oliva」という文献には、20世紀初頭におけるアセイテ デル バホ アラゴンの名声に言及している。また、アセイテ デル バホ アラゴンは、Teodoro BardajíやDionisio Pérezのような美食家からの高い評価を得ていた。 この地域以外でも、アセイテ デル バホ アラゴンはしばしば世界で最高のオリーブオイルと評価されており、その評判は、Daniel Magranéの著書「El aceite de oliva en España」(Espasa Calpe、1961年)にも記載されている。 本産品の生産地は、ロウアー・アラゴンと呼ばれるエブロ川流域南東部に位置し、降雨が少なく乾燥しており、寒暖の差が激しいことが特徴である。年間平均降雨量は350mm、年間平均気温は14.8℃である。 生産地は、平地もあるが起伏もあり、海抜122mの地点にあるカスペから海抜632m地点にあるアルコリサを含む。土壌は石こう層を伴う石灰質であり、これは中新世時代の湖沼堆積物によるもので、当時の温暖で乾燥した気候を物語っている。また、当地の地形が地中海と大西洋の2つの海洋性気候の影響から一帯を守り、大陸型の気候を生んでいる。さらに、シエルソという強い北東風が一帯を支配し、乾燥を一層強くしている。 適切な栽培技術、土壌の維持、施肥、剪定、病虫害の防除が、地理的特性と相まって、オリーブの木の栽培に適した環境を形成している。 |
8 | 法第29条第1項第2号ロの該当の有無等 | |
(1)商標権者の氏名又は名称 | - | |
(2)登録商標 | - | |
(3)指定商品又は指定役務 | - | |
(4)商標登録の登録番号 | - | |
(5)商標権の設定の登録の年月日 | - | |
(6)専用使用権者の氏名又は名称 | - | |
(7)商標権者等の承諾の年月日 | - |
お問合せ先
輸出・国際局知的財産課
担当者:地理的表示保護制度担当
代表:03-3502-8111(内線4284)
ダイヤルイン:03-6744-2062