指定の公示について(指定番号第60号)
更新日:平成31年2月1日
担当:輸出・国際局 知的財産課
担当:輸出・国際局 知的財産課
下記の地理的表示について、指定の公示をしたのでお知らせします。 |
Jijona (ヒホナ)
1 | 指定年月日 | 平成31年2月1日 |
2 | 指定番号 | 第60号 |
3 | 締約国の名称 | 欧州連合 |
4 | 農林水産物等の区分 | 第10類 パン類及び菓子類 菓子類(ヌガー) |
5 | 農林水産物等の名称 | Jijona (ヒホナ) |
6 | 農林水産物等の生産地 | スペイン アリカンテ県のヒホナ |
7 | 農林水産物等の特性、生産の方法その他の当該農林水産物等を特定するために必要な事項 | (1)特性 アーモンド、純粋蜂蜜、砂糖、卵白、ウエハースで製造されるソフトヌガー。 「最上位」と「極上」のカテゴリがある。 ・最上位:純粋蜂蜜10%以上、アーモンド64%以上 ・極上:純粋蜂蜜10%以上、アーモンド50%以上 ヒホナは、1996年11月、農産物及び食品の地理的表示及び原産地名称の保護に関する1992年7月14日付理事会規則(EEC)第2081/92号に基づき欧州委員会によりPGIとして指定されている。 (2)生産方法 生産及び包装は生産地内で行われる。 (原材料) 本製品は、アーモンド(バレンシア、マヨルカ、モラー、マルコナ、プラネタ種のきれいで状態の良いもの)、純粋蜂蜜、砂糖、卵白、ウエハースのみを使用して製造される。 これらは、アリカンテ、カステリョン、バレンシア産のものが使われることもある (生産工程) 砂糖と純粋蜂蜜の混合物を30分以上ミキサーで攪拌した後、シートに広げて冷ます。冷めたらすぐに、液状になるまですりつぶしてなめらかにする。 焼いて皮をむき細かく刻んだアーモンドを容器に入れ、この液状になった混合物を流し込み、望ましい密度・沸点となるまで150分以上煮詰める。 次に、その混合物がまだ温かいうちに形を整えて機械又は手で切り分け、ウエハースを被せて包装する。 (ラベリングのルール) ラベルにはJijonaという名称と、特別仕様のロゴを記載しなければならない。 (監督機関) Dirección General de Empresas Agroalimentarias y Pesca.- Conselleria de Presidencia y Agricultura, Pesca, Alimentación y Agua. (3)農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由 ヌガーはヒホナで数世紀に渡り製造されているが、元々はヒホナの人々が作ったのではなく、アラブ人やユダヤ人が本地域に生産方法を伝承したと考えられている。歴史的に見て、ヒホナの人々は近隣の山々に生育しているアーモンドの木や蜂の巣といった自分たちの身の回りにある食材を使用してきた。またこのような山々にはローズマリーやラベンダー、タイムも豊富にあった。 1531年からヒホナでヌガーの生産が始まっていたことを記述している文献も存在し、国王フェリペ2世(1526~1598年)に仕えた料理人が宮廷にヌガーを紹介したとされるが、当時ヌガーは既に伝統的な食品として知られていたため、その歴史は更に古いと考えられる。 ヒホナの隣に位置するバレンシアの町について1484年の文献には、ヌガーの情報も記載されている。 17世紀には、作業器具を改良したことと生産工程に加熱工程を追加したことにより、すりつぶしながら加熱を行うことがより洗練されたクリーミーなヌガーを作る上での鍵となることが分かった。 1610年、歴史家Gaspar Escolanoが自身の著書である「Historia de la insigne y coronada ciudad de Valencia」で、皇太子や国王達への貢物としてヒホナのヌガーが献上されたと記している。 17世紀、「ヒホナ」という言葉は、この町で作られたヌガーの名称に使用された。また、ヌガーの販売が拡大したのもこの時期であった。当時の辞書である「Real Academia de la Lengua Española」では、「ヒホナ」は、「スペイン・アリカンテ県にあるヒホナの町で作られる柔らかいヌガー」と記載されている。 18世紀になると、ヌガーは多くの小説や演劇、科学関係の文献でも取り上げられるようになったため、多大な影響があったと思われる。とりわけ国王や女王達からの需要が高かった。 19世紀後半になるとヌガーの工業生産が始まった。機械を使用することにより、ヌガーの質も向上した。 19世紀末から20世紀初頭にかけ、ヒホナの多くの家庭がヌガーを作り、スペイン全土で販売するようになった。またアメリカ大陸やアフリカ北部へのヌガーの輸出が始まったのもこの時期であった。 19世紀のヒホナには、すでに数多くの重要なブランドやヌガー工場が存在し、田舎に住んでいた非常に多くの人々がヒホナの町に押し寄せ、ヌガー工場で働くようになった。 スペインでは、ヌガーは伝統的にクリスマスに食され、生産期間は非常に季節的となることから、ヒホナを製造する多くの企業は、一年を通じて産業活動を行うため、夏場はアイスクリーム、冬はヌガーを製造するようになった。19世紀から20世紀にかけて、ヒホナの多くの人々は、スペインだけでなくキューバなどのアメリカ大陸の国々まで出向き、ヌガーを売り歩くようになった。20世紀後半になると、ヒホナの食産業(ヌガーとアイスクリーム)は農業に取って代わるようになり、この地域における最も重要な経済活動となった。 ヒホナで製造されるヌガーは、南アメリカをはじめ多くの国々に輸出されており、アルゼンチンでは、ヒホナのヌガーは非常に一般的であるため、『ヒホナ』と『アリカンテ』という単語を用いてヌガーの種類を分類している。これは、アルゼンチンやベネズエラ、ウルグアイ、チリ、プエルトリコ、キューバといった南アメリカ大陸の国々でヒホナのヌガー産業が確立したためである。 今日、スペインで生産されるヌガーの60%はヒホナ産である。 |
8 | 法第29条第1項第2号ロの該当の有無等 | |
(1)商標権者の氏名又は名称 | - | |
(2)登録商標 | - | |
(3)指定商品又は指定役務 | - | |
(4)商標登録の登録番号 | - | |
(5)商標権の設定の登録の年月日 | - | |
(6)専用使用権者の氏名又は名称 | - | |
(7)商標権者等の承諾の年月日 | - |
お問合せ先
輸出・国際局知的財産課
担当者:地理的表示保護制度担当
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