指定の公示について(指定番号第68号)
更新日:平成31年2月1日
担当:輸出・国際局 知的財産課
担当:輸出・国際局 知的財産課
下記の地理的表示について、指定の公示をしたのでお知らせします。 |
Turrón de Alicante (トゥロン デ アリカンテ)
1 | 指定年月日 | 平成31年2月1日 |
2 | 指定番号 | 第68号 |
3 | 締約国の名称 | 欧州連合 |
4 | 農林水産物等の区分 | 第10類 パン類及び菓子類 菓子類(ヌガー) |
5 | 農林水産物等の名称 | Turrón de Alicante (トゥロン デ アリカンテ) |
6 | 農林水産物等の生産地 | スペイン アリカンテ県のヒホーナ |
7 | 農林水産物等の特性、生産の方法その他の当該農林水産物等を特定するために必要な事項 | (1)特性 アーモンド、純粋蜂蜜、砂糖、卵白、ウエハースで製造されるソフトヌガー。 「最上位」及び「極上」に分類される。 最上位:純粋蜂蜜10%以上、アーモンド66%以上 極上:純粋蜂蜜10%以上、アーモンド46%以上 トゥロン デ アリカンテは、1996年6月、農産物及び食品の地理的表示及び原産地名称の保護に関する1992年7月14日付理事会規則(EEC)第2081/92号に基づき欧州員会によりPGIとして指定されている。 (2)生産方法 生産及び包装は生産地内で行なわれる。 (原材料) 本製品は、アーモンド、純粋蜂蜜、砂糖、卵白、ウエハースのみを使用して製造される。これらは、アリカンテ、カステリョン、バレンシア産のものが使われることもある。 (生産工程) 砂糖と純粋蜂蜜の混合物を45分以上かけてミキサーで攪拌した後、焼いたアーモンドを加える。次にこの混合物を練り、均質な塊にする。混合物の重量を量り、温かいうちに形を整えて、機械又は手で切り分け、ウエハースを被せて包装する。 (ラベリングのルール) ラベルには、Turrón de Alicanteという名称と、特別仕様のロゴが記載される必要がある。 (監督機関) Dirección General de Empresas Agroalimentarias y Pesca.- Conselleria de Presidencia y Agricultura, Pesca, Alimentación y Agua. (3)農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由 ヌガーはヒホーナで数世紀にもわたり製造されているが、元々はヒホーナの人びとが作ったのではなく、アラブ人やユダヤ人が本地域に生産方法を伝承したと考えられている。 歴史的に見て、ヒホーナの人びとは近隣の山々に植生しているアーモンドの木や蜂の巣といった自分たちの身の回りにある食材を使用してきた。また、このような山にはローズマリーやラベンダー、タイムも豊富に生えていた。 トゥロン デ アリカンテの高い評判や名声は、アリカンテ県のl´Alacantí地区に位置するヒホーナの町に起因する。当時の年代記編者によると、トゥロン デ アリカンテの生産は少なくとも5世紀前に始まったと記している。この人物が初めてアーモンドヌガーという名称を付け、これは後にホワイトアーモンドヌガーと呼ばれるようになり、15世紀末には「トゥロン デ アリカンテ」として呼ばれるようになった。このヌガーは、白色であることとローストアーモンドが含まれる点が他の商品と異なる。この違いにより、トゥロン デ アリカンテと他種類のヌガー(「turrón negro」や「ametllat」)とを区別することができる。 このように、アリカンテ県の県都名であるアリカンテは、この硬い感触を持つヌガーの名称として用いられた言葉であった。実際、アリカンテの町には、トゥロン デ アリカンテを数多くの国々に輸出する非常に重要な港があったため、ヌガー産業において極めて重要な場所となっていた。 1531年からヒホーナでヌガーの生産が始まっていたことを記述している文献も存在し、フェリペ2世王(1526~1598年)に仕えた料理人が宮廷にヌガーを紹介したとされるが、当時ヌガーは既に伝統的な食品として知られていたため、その歴史は更に古いと考えられる。ヒホーナの隣に位置するバレンシアの町を記した1484年の文献には、ヌガーの情報も記載されている。 17世紀には、作業器具の進化と生産工程に沸騰を取り入れたことにより、混合と調理を同時に行うことが、より洗練されたクリーミーなヌガーを作る上での鍵となることが分かった。 1610年、歴史家Gaspar Escolanoが自身の著書である「Historia de la insigne y coronada ciudad de Valencia」で、皇太子や王達への貢物としてヒホーナのヌガーが献上されたと記している。 17世紀、「ヒホーナ」という言葉は、この町で作られたヌガーの名称に使用された。また、ヌガーの販売が拡大したのもこの時期であった。当時の「Real Academia de la Lengua Española」という辞書では、「ヒホーナ」は、「スペイン・アリカンテ県にあるヒホーナの町で作られる柔らかいヌガー」と記載されている。 18世紀になると、ヌガーは多くの小説や演劇、科学文献でも取り上げられるようになったため、多大な影響があったと思われる。とりわけ王や女王達からの需要が高かった。 19世紀後半になるとヌガーの工業生産が始まった。機械を使用したことにより、産品の質も向上した。 19世紀末から20世紀初頭にかけ、ヒホーナの多くの家庭がヌガーを作り、スペイン全土で販売するようになった。またアメリカ大陸やアフリカ北部へのヌガーの輸出が始まったのもこの時期であった。 19世紀のヒホーナでは、すでに数多くの重要なブランドやヌガー工場が存在し、田舎に住んでいた非常に多くの人びとがヒホーナの町に押し寄せ、ヌガー工場で働くようになった。 スペインでは、ヌガーは伝統的にクリスマスに食され、生産期間は非常に季節的となることから、ヒホーナを製造する多くの企業は、一年を通じて産業活動を行うため、夏場はアイスクリーム、冬はヌガーを製造することを開始した。 19世紀から20世紀にかけ、ヒホーナの多くの人びとはスペインだけでなく、アメリカ大陸の国々やキューバまで出向き、ヌガーを売り歩くようになった。20世紀後半になると、ヒホーナの食産業(ヌガーとアイスクリーム)は農業に取って代わるようになり、この地域における重要な経済活動となった。 ヒホーナで製造されるヌガーは、南アメリカをはじめ多くの国々に輸出されており、アルゼンチンでは、ヒホーナのヌガーは非常に一般的であるため、「ヒホーナ」と「アリカンテ」という単語を用いることでヌガーの種類を分類している。これは、アルゼンチンやベネズエラ、ウルグアイ、チリ、プエルトリコ、キューバといった南アメリカ大陸の国々でヒホーナのヌガー産業が確立したためである。 今日、スペインで生産されるヌガーの60%はヒホーナ産となっている。 |
8 | 法第29条第1項第2号ロの該当の有無等 | |
(1)商標権者の氏名又は名称 | - | |
(2)登録商標 | - | |
(3)指定商品又は指定役務 | - | |
(4)商標登録の登録番号 | - | |
(5)商標権の設定の登録の年月日 | - | |
(6)専用使用権者の氏名又は名称 | - | |
(7)商標権者等の承諾の年月日 | - |
お問合せ先
輸出・国際局 知的財産課
担当者:地理的表示保護制度担当
代表:03-3502-8111(内線4284)
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