指定の公示について(指定番号第72号)
更新日:令和3年1月4日
担当:輸出・国際局 知的財産課
担当:輸出・国際局 知的財産課
下記の地理的表示について、指定の公示をしたのでお知らせします。 |
Scottish Farmed Salmon (スコティッシュ ファームド サーモン)
1 | 指定年月日 | 令和3年1月1日 |
2 | 指定番号 | 第72号 |
3 | 締約国の名称 | グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(英国) |
4 | 農林水産物等の区分 | 第4類 水産物類 魚類(タイセイヨウサケ) |
5 | 農林水産物等の名称 | Scottish Farmed Salmon (スコティッシュ ファームド サーモン) |
6 | 農林水産物等の生産地 | イギリス スコットランド本島の西海岸、ウエスタンアイルズ州、オークニー諸島及びシェットランド諸島。 |
7 | 農林水産物等の特性、生産の方法その他の当該農林水産物等を特定するために必要な事項 | (1)特性 スコティッシュ ファームド サーモンは、タイセイヨウサケ(Salmo Salar)種である。 スコティッシュ ファームド サーモンは、横から見た時腹部は丸みを帯び、内蔵を取り除いた際には筋肉組織が大きく崩れていない一貫した形状をしている。体の表面は虹色をした銀色で、身の色はロシュ基準(the Roche Scale)に基づく彩度が26以上でなければならない。 スコティッシュ ファームド サーモンは、身が引き締まり、しっかりした肉質でありながら滑らかである。漁獲後の急速冷却により、スコティッシュ ファームド サーモンの風味は安定している。 有機養殖されたスコティッシュ ファームド サーモンに関しても上記と同様であるが、ロシュ基準による身の色の彩度に関する要件は適用されない。味は一貫性があり、余分な脂肪分を含まない。 スコティッシュ ファームド サーモンは、2008年12月、農産物及び食品の地理的表示及び原産地名称の保護に関する2006年3月20日付理事会規則(EC)第510 /2006号に基づき欧州委員会によりPGIとして指定されている。 (2)生産方法 スコティッシュ ファームド サーモンには、必要な栄養素を十分得られるよう、魚粉及び魚油をベースにした配合飼料が与えられる。 また、有機的に養殖されるスコティッシュ ファームド サーモンには、海洋管理協議会(MSC)等の団体に承認されている加工魚副産物、魚粉及び魚油をベースにした配合飼料及び有機栽培として認証されている農業由来の飼料が与えられる。 生産工程は以下の3段階に分けられ、全ての段階を生産地域で行なわなければならない。また、スコティッシュ ファームド サーモンの品質を遵守するため、独立した検査官が養殖場及び包装場所を頻繁かつ無作為に厳格に検査する。 第1段階:卵から孵った稚魚を淡水においてスモルト(銀白色化し、海洋生活へ移行する時期の幼魚)の段階まで飼育する。 第2段階:スモルトを、スコットランドの沿岸周辺にある入り江内の生け簀や陸上水槽に移し、1~2年間飼育する。有機的に養殖されるスコティッシュ ファームド サーモンの場合は1~2年半の間飼育する。 最終段階:鮭を素早く気絶させ血抜きする人道的な方法で収獲することにより、高い食肉品質と衛生状態を確保している。収獲後は、できるだけ早く内臓を取り出し、食品用の箱や容器に入れるまで、0℃~2℃の温度下に置く。これにより、出荷、保存、輸送の段階において産品の品質を保持することができる。その後、0℃~2℃での温度管理等を含む厳格な衛生基準に準拠して保管され、市場に流通する。 (3)農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由 生産地域は、鮭の養殖に理想的な環境で、特に以下の要素がスコティッシュ ファームド サーモン独特の特性を生み出している。 入り江と小さな湾は、流入水量が多いことから、潮流が強くなっており、魚が絶えず泳ぐことができる。これにより、独特の引き締まった肉質が生み出され、余分な脂肪分が着くことを防いでいる。 流入水量が多く水の交換が頻繁に起こることにより酸素の供給状態が良く、鮭の新陳代謝率が高まり、鮭の大きさと重量に好影響を与えている。 北大西洋から流入する高品質な海水により、鮭が均一に成長し、一貫性のある形状となる。 水温変動が少なく、安定した環境で養殖できることが、酸敗臭のない均一で一貫性のある風味と肉質を生み出している。 この環境と専門的な養殖技術により、鮭の品質を向上・維持することができている。 スコティッシュ ファームド サーモンは、世界中の一流シェフや料理評論家、目の利く消費者から高く評価され続けている。品質、質感、味に関するスコティッシュ ファームド サーモンの高い評価は、消費者への調査においても示されている。 これらの成功は、取引先や消費者の要求の変化に応じながら販売する力があったことが大きい。特に、この成功における不可欠の要素は、産品に高い品質を追求し続けてきたことである。実際、スコティッシュ ファームド サーモンの全ての生産者の間で「品質」が合言葉となっており、本産品に付されるラベル・ルージュ(Label Rouge)に証明されるとおり、産品の品質を落としたことはない。 スコットランドの生物学者らは、150年以上にわたり天然鮭の遡上行動の改善を試みている。採卵と孵化に関する最初の取り組みは1838年に行なわれ、1890年にはスコットランドで18の孵化場が営まれていた。また、1960年代には、スコットランドで鮭の生産が開始できるまでになった。経験と知識と繁殖技術が更に改良されていき、1969年には最初の養殖場がインバネスシャー州のロッカイロート(Loch Ailort)に設立された。 1970年代後半から1980年代前半にかけて、養殖に数多くの企業が関わるようになり、生産量が1980年の600トンから1990年には3万2500トンに増加し、1998年の総生産量は11万5千トンに達した。このような急速な生産拡大に伴い、スコットランドハイランド地方や諸島部の労働者数も増え、今日では4,000人もの労働者がスコティッシュ ファームド サーモンの生産に携わっている。 |
8 | 法第29条第1項第2号ロの該当の有無等 | |
(1)商標権者の氏名又は名称 | - | |
(2)登録商標 | - | |
(3)指定商品又は指定役務 | - | |
(4)商標登録の登録番号 | - | |
(5)商標権の設定の登録の年月日 | - | |
(6)専用使用権者の氏名又は名称 | - | |
(7)商標権者等の承諾の年月日 | - |
お問合せ先
輸出・国際局 知的財産課
担当者:地理的表示保護制度担当
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