指定の公示について(指定番号第97号)
下記の地理表示について、指定の公示をしたのでお知らせします。更新日:令和4年2月1日
担当:輸出・国際局 知的財産課
Huile d’olive de la vallée des Baux-de-Provence(ユイル ドリーブ ドゥ ラ ヴァレ デ ボ- ドゥ プロヴァンス)
1 | 指定年月日 | 令和4年2月1日 | ||||||||||
2 | 指定番号 | 第97号 | ||||||||||
3 | 締約国の名称 | 欧州連合 | ||||||||||
4 | 農林水産物等の区分 | 第9類 食用油脂類 食用植物油脂(オリーブ油) | ||||||||||
5 | 農林水産物等の名称 | Huile d’olive de la vallée des Baux-de-Provence(ユイル ドリーブ ドゥ ラ ヴァレ デ ボ- ドゥ プロヴァンス) | ||||||||||
6 | 農林水産物等の生産地 | フランス ブーシュ デュ ローヌ(Bouches-du-Rhône)県の以下自治体。 その全域が含まれる自治体:Les Baux-de-Provence、Maussane-les-Alpilles、Paradou その一部が含まれる自治体:Arles、Aureille、Eygalières、Eyguières、Fontvieille、Lamanon、Mas-Blanc-des-Alpilles、Mouriès、Orgon、Saint-Etienne-du-Grès、Saint-Martin-de-Crau、Saint-Rémy-de-Provence、Sénas、Tarascon |
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7 | 農林水産物等の特性、生産の方法その他の当該農林水産物等を特定するために必要な事項 | (1)特性 名称の後ろに「matured olives(マチュア オリーブ)」という語が続かない「ユイル ドリーブ ドゥ ラ ヴァレ デ ボ- ドゥ プロヴァンス」は、次の2つ以上の香りを持つことを特徴とするオリーブオイルである:新鮮な牧草 、リンゴ、カーネル、生アーティチョーク、生ヘーゼルナッツ又はトマトの葉。この香りには、わずかな辛みと苦みがある(明細書では「鋭さ」と表現されている。)。国際オリーブ評議会(IOC)の感覚基準に基づく苦みの等級は3以下、鋭さの等級は1~3である。オレイン酸含有量は、100グラム当たり0.8グラム以下である。 後ろに「熟成オリーブ」という語が続く「ユイル ドリーブ ドゥ ラ ヴァレ デ ボ- ドゥ プロヴァンス マチュア オリーブ」は、次の2つ以上の香りを持つことを特徴とする口当たりの良いオイルである: 塩漬けオリーブ、ブラックオリーブ、オリーブペースト、ココア、マッシュルーム、加熱済アーティチョーク、トリュフ又は発酵させたパン。かび、金属の香り、又は煮詰まった洋梨の香りがしてはならない。 このオイルには甘みがあり、国際オリーブ評議会(IOC)の感覚基準に基づく苦みの等級は1以下、鋭さの等級は2以下である。オレイン酸含有量は、100グラム当たり1.5グラム以下である。 過酸化物価は、初回販売時においてオリーブオイル1キロ当たり過酸化酸素の16mg当量以下に制限される。 (2)生産方法 オリーブの生産から、オリーブオイルの生産に至る全工程は、生産地内で行わなければならない。 〇原材料 ・品種 オイルは下表に記載された品種のオリーブを使用し、含有割合に関する下表の規定に従って生産される。作付け品種は、原産地呼称保護産品が生産される全区画を基準にその遵守を評価する。ただし受粉媒介種は例外で、この場合は考察対象の各区画を基準にして割合を評価する。
・オイルに含まれるオリーブ品種の構成 本産品はサロネンケ種、アグランドー種、グロサーヌ種、ベルダル デ ブーシュ デュ ローヌ種のうち2品種以上のものから生産される。オリーブオイルの生産では、これらの品種の合計が80~100%を占める。この構成を補うために、ピコリーヌ種及び地域のその他の各品種を使用することができる。 ・作付け密度 1997年8月27日以降に行われた全ての作付けでは、各樹木に充てられる表土面積は最低24平方メートルなければならない。この面積は、列同士の距離に樹木間の距離を掛け合わせて求めることができる。また、樹木間の距離は4メートル以上としなければならない。 ・剪定 果実剪定によってオリーブの生産を管理できる。剪定を適切に行うことで収量が増加する。剪定は通常、年1回行う。オリーブ樹木は生育サイクルが2年のため、少なくとも2年に1回の剪定を推奨する。 ・灌水 オリーブ樹木の生育サイクル中の灌水は、毎年定められる収穫日まで行うことができる。 ・生産を開始する樹齢 作付けされたときから5年以上が経過した樹木より採取されたオリーブに限られる。 ・生産量 オリーブ生産量は、オリーブの使用目的にかかわらず、オリーブ果樹園1ヘクタール当たり10トンを超過してはならない。生産量は、本産品を生産する認定果樹園の全区画から算出する。 ・収穫 収穫開始日は、毎年、団体が妥当と認めた提案を基にフランスの国立原産地名称研究所局長が発表する決定を受けて定められる。オリーブは、樹木から直接、又はネットを使って収穫されなければならない。常設ネットは使用してはならない。地面から収集されたオリーブは使用が禁じられる。オリーブはクレート又はパレットボックスで保管する。 ・搾油所へのオリーブの搬入期限 地域の慣行に従い、オリーブは収穫後2日以内に搾油所に搬入されなければならない。 〇加工 ・オイルの生産 オイルは、収穫から圧搾までの保管期間が3日未満のオリーブで生産しなければならない。後ろに「matured olives(マチュア オリーブ)」という語が続く「ユイル ドリーブ ドゥ ラ ヴァレ デ ボ- ドゥ プロヴァンス マチュア オリーブ」に使用するオリーブは、収穫から圧搾の間に継続する3日以上、10日以下の期間で発酵させなければならない。 ・使用するオリーブの良好性 使用するオリーブは良好でなければならない。害虫の付着又は茶色く変色したオリーブの全割合が、各バッチのオリーブの数の10%未満でなければならない。 ・圧搾温度 オイルの圧搾は機械のみで行い、圧搾工程又は加工の全段階のいかなる時点においても温度が27°Cを超えてはならない。後ろに「熟成オリーブ」という語が続く「ユイル ドリーブ ドゥ ラ ヴァレ デ ボ- ドゥ プロヴァンス マチュア オリーブ」の場合は、温度が35°Cを超えてはならない。 ・圧搾工程 洗浄、除石、脱葉、除茎、粉砕、混練、沈殿とデカンテーション、遠心分離及びろ過のみが行われる。オイルの圧搾を促進する補助剤は、水以外使用してはならない。 ・オイルの保管条件 梱包されていないオリーブは、光を避け、本産品の特性を維持できる適切な場所で保管しなければならない。 〇ラベル表示 本産品のラベル表示には、以下が記載されなければならない。 ・原産地呼称保護の名称「ユイル ドリーブ ドゥ ラ ヴァレ デ ボ- ドゥ プロヴァンス」 ・該当する場合は、原産地呼称保護の名称の後ろに「熟成オリーブ」という語。この文字は、原産地呼称保護の名称を示す文字の2分の1以上のサイズにする。 これらの詳細情報が全て、同じ欄及び同じラベルになければならない。 これらは、人目につき、明確に判読可能かつ消去不可能な、印刷されているラベル上で目立つ十分な大きさの文字で表示され、他のあらゆる文章又は画像情報と明確に区別できなければならない。 (3)農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由 生産地はアルピーユ(Alpilles)山脈の一部で、その周辺部及びクロ(Crau)平原の北端にみられる崩積層に位置している。アルピーユ山脈(最大高度:400m)は、西から東へ約30km連なる山脈で、プロヴァンスで最も典型的な石灰質の丘陵から成り、ローヌ(Rhône)、デュランス(Durance)、クロの間に位置している。この山脈は、プロヴァンスの背斜層に最西端の第二山脈を成している。山脈は浸食が進み、絵に描いたような起伏が千鳥状の列を形成している。その大部分は、南にかけて白亜紀からジュラ紀の石灰石で構成されている。 地理的領域の気候条件は次のとおりである: ・地中海性気候 ・季節・年間を通じて気温と雨量のパターンが大きく変動する。 ・降雨は、短期間ではあるが集中的な豪雨を特徴とし、主に秋と春にみられる。降雨(年間700ミリ程度)の大部分は50日間に集中する。 ・乾季は、高温で乾燥した夏を特徴とする。夏には熱波にも見舞われ、7月を中心に水不足が頻発する。 ・冬は温暖。最も寒い月は1月である。 ・平均気温は13.6度。アルピーユの北部傾斜地では1~2度低く、春に降霜のリスクがある。 ・年間100日余り強風が吹き、そのほとんどが北部(ミストラル)及び西部(トラモンタン)から吹く ・並外れた日照時間。年間の日照時間は計2,800時間を超える。 この生産地の土壌は石の多さが特徴で(40~80%が石)、石灰石から成り、アルピーユ山脈及びその周辺部にみられる崩積層は、砂質ローム又は砂質ローム粘土の性質を持つ。いまも「クロド エグイエール(Crau d'Eyguières)」と呼ばれる旧クロの北端は、非常に石の多い赤土のニティソル(表土の30~60センチが丸みのあるケイ質石)で、アルピーユの南部傾斜の浸食で形成された石灰石の崩積層が豊富である。アルピーユ山脈のオリーブ果樹園の大部分は、石の多い石灰石の土壌に設立されている。この土壌は山麓平原の堆積物と、渓谷を埋める基本的に厚みのある崩積層上に形成されている。細粒分は一般に砂質ローム質だが、砂質ローム粘土質のこともある。カルシウム含有量は平均20~30%で、40%に達する場合もある。活性カルシウム含有量が8%を超えることはまれである。土壌pHは8~8.5範囲である。 搾油に効果的な現代的な設備、例えば「連続システム」が登場する前は、伝統的な圧搾機で圧搾する前にオリーブを2~3日保管しておく必要があった。オリーブが若干発酵して熟成されると、圧搾作業が容易になったためである。このように圧搾されたオイルには色の濃さと苦みがなく、塩漬けオリーブ、ブラックオリーブ、加熱済アーティチョークなどの特徴的な香りがあった。圧搾前にオリーブを2~3日熟成させていたもう1つの理由は、当時使用されていた機械では、断続的に搬入されるオリーブを搾油所がその都度、圧搾できなかったためである。ところが、市場販売が始まる年初には、最初に搬入されたオリーブが極めて早急に(同日又は翌日)圧搾され、オリーブオイルが生産された。このオリーブオイルは一層苦みがあり色が濃く、新鮮な牧草又はトマトの葉のような「青々とした」香りがしたため、後に非常に人気が高まった。Baux-de-Provence渓谷の搾油所はその後、現代的な圧搾設備を設置した。しかし、異なる2種類のオイルの生産が継続されるよう、両方のオリーブオイル生産方法(オリーブの事前熟成の有無)が維持されている。 この丘陵地域の土壌は石灰質で、色が淡く石が多いが、風通しがよく、透水性に非常に優れ、発熱量が高いことがわかっている。これがオリーブ栽培に非常に適している。アルピーユ山脈に守られているBaux-de-Provence渓谷は、着花を阻害し、隠花植物の病気の発生原因となる霧の影響を滅多に受けない。このため、Baux-de-Provence渓谷はオリーブ生産に適した理想の地である。 本産品で多く使用されている品種が選択される理由は、地理的領域の土壌と気候条件によって説明できる。サロネンケ種は、石灰質 で石が多い浅層の地形や、夏の干ばつと風に完全に適合している。果実は成熟が非常に早く、オイルの生産量が極めて多い。アグランドー(ベルグエット)種は、サロネンケに比べて干ばつの影響を受けやすいが、寒さと風に対するその耐性、地域の気候に合った晩熟性、ポリフェノール豊富なそのオイルの品質ゆえに、定着している。この品種はプロヴァンス全域にみられる。グロサーヌ種は、生産地内の灌漑と排水が適切な土壌を好む。ベルダル デ ブーシュ デュ ローヌ種は地域の代表的な品種である。その耐寒性とオイルの質が、この品種が定着している理由である。本産品の具体的特性は、各品種の混合(その割合は搾油所の作業方法により異なる)と、圧搾前のオリーブの熟成という重要な工程、さらにその地元地域の体系化された製法によって生まれている。 |
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8 | 法第29条第1項第2号ロの該当の有無等 | |||||||||||
(1)商標権者の氏名又は名称 | - | |||||||||||
(2)登録商標 | - | |||||||||||
(3)指定商品又は指定役務 | - | |||||||||||
(4)商標登録の登録番号 | - | |||||||||||
(5)商標権の設定の登録の年月日 | - | |||||||||||
(6)専用使用権者の氏名又は名称 | - | |||||||||||
(7)商標権者等の承諾の年月日 | - |
お問合せ先
輸出・国際局 知的財産課
担当者:地理的表示保護制度担当
代表:03-3502-8111(内線4285)
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