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農林水産省

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株式会社カスミ

働き方改革インタビュー

   株式会社カスミは、茨城県を始め関東の1都5県に188店舗(2019年8月末現在)を展開するスーパーマーケットです。
   この度、働き方改革の取組について、執行役員の辻本英史さん、人事企画担当マネジャーの小野村忍さんにお話を伺いましたので、その内容を紹介いたします。



(2019年8月1日 株式会社カスミ
カスミつくばセンターにて)

写真:執行役員 業務企画本部マネジャー(兼)経理財務部マネジャー
辻本英史様
辻本さん
写真:執行役員 業務企画本部マネジャー
(兼)経理財務部マネジャー
辻 本英史様
~ みんなでソーシャルシフト ~

背景・きっかけ

   現在、弊社が進めているはたらき方改革のきっかけは、2002年のトップメッセージでした。当時、スーパーマーケットに対する消費者ニーズは、従来のような画一的な食の供給から、旬や地域、そして安全性にこだわった食の供給へ変化しており、この様な変化を的確にとらえ、食生活に真の豊かさを提供していくことが最も大切な使命であるという考えを打ち出し、その実現に向け「1店1店をその地域にあった食の専門店」とすることに取り組むこととしました。
   また、2013年から、お客さま、従業員、地域社会・地球環境のための「いいね!」を自らの喜びにするにはどうすればよいか、従業員一人ひとりが考え、仲間と協力しながら実行に移していく「ソーシャルシフトの経営」を進めています。さらに、女性、障がい者、外国人、高齢者等多様な人材が活躍できるダイバーシティ経営と、店のオペレーションの見直しによる業務改革も進めています。

ソーシャルシフトの説明 その1ソーシャルシフトの説明 その2

女性活躍の推進

   弊社のお客さま、パートナー社員・アルバイトを含めた従業員には、男性よりも女性が多いことから、地域密着型の企業を目指す経営戦略としても、女性の活躍は不可欠だと考えています。2007年に女性活躍推進室を設置し、女性の店長・管理職の登用推進(女性管理職20名:2019年8月末現在)、各種の休暇制度、勤務時間制度の導入など、女性が働きやすい環境の整備に取り組んでいます。
   また、加工品等の改善等、女性ならではのアイデアを積極的に取り入れています。パートナー社員の方も含め、改善のアイデアを採用することで、従業員のモチベーションも高まり、好循環が生まれると考えています。
   なお、2019年7月には、本社敷地内に企業主導型保育園を開園し、地域住民の方のお子さまも受け入れています。

多様な人材の雇用

   弊社では、法定雇用率を上回る290人の障がい者の方が働いています(2019年8月末現在)。また、2018年9月に、働く意欲のある障がい者の皆さんに雇用を提供し、自立を支援することと、事業を通して社会的責任を果たすことを目的に、「株式会社カスミみらい」を設立しました。同社では、主に各店舗で販売する野菜の加工・包装業務を担っています。
   また、2017年からベトナム人の技能実習生を採用しており、1年たたないうちに仕事をマスターし、重要な戦力になっています。
   高齢者の活躍も重要です。2019年9月より、正社員、アクティブ社員の定年を65歳に延長しました。

株式会社カスミみらいの野菜センター 株式会社カスミみらいの野菜センター
2018年11月に入社したベトナム人技能実習生 2018年11月に入社したベトナム人技能実習生

休暇、育休取得の促進

   従来から有給休暇の取得を促進していましたが、従業員本人の誕生日や結婚記念日などが対象となるアニバーサリー休暇も導入しました。
   また、連続休暇は3連続休暇、7連続休暇の制度を活用して年1回ずつ取得するようにしています。連続休暇を円滑に取得できるよう、数ヶ月前から計画表で休暇取得予定日を社員間で共有し、自分の作業を出勤予定の方に教える等、休むための準備を行っています。
   育休取得では、女性正社員はほぼ100%近い取得率となっており、男性正社員も今年度取得者が出るなど、男女問わず育休取得を推進しています。

労働時間の選択と多能化

   弊社では1か月単位の変形労働時間制を導入しており、繁閑の差により日ごとの労働時間を柔軟に選択することができます。
   また、従業員全員が自部門だけでなく、多くの部門の業務もできるようにし、勤務時間が計画通りに進み、誰かが休んでもカバーできるような体制をとっています。

従業員の意識の把握

   従業員の満足度が向上することにより、お客さまへのサービスレベルが上がり、お客さま満足度の向上につながると考えています。 年2回の従業員アンケートで現場から自由な意見を発信してもらっており、様々な意見が寄せられますが、制度上の改善等時間を要するものも含めすべての意見に対してフィードバックを行っています。
   このほか、2013年3月から社内フェイスブックを立ち上げ、会社のトップも含め、約3500人が登録しています。店舗運営上の取組みや悩み等、例えば、店舗で使用する資材についての意見など、現場でしかわからない情報も社内に共有されるようになりました。その情報に対して本部が課題を認識し、対策を打つ仕組みもできました。

店舗の従業員
挿し絵イラスト
フェイスブックに店舗や
本社各部署の取り組みを投稿

地域密着型の企業を目指して

   地域密着型の企業を目指し、それぞれの地域に最も適した商品やサービスを提供するため、最も近い存在である各店舗の店長に権限を付与しています。エリア内の企業や生産者は店舗ごとに開拓しており、地域独自の野菜やせんべい、しょうゆ、お菓子等を販売しています。これまで少量販売のみだった生産者も安定的な販路が確保できるようになったとの声もいただいています。
   また、例えば、地域のお祭りで駐車場を使いたいと地域の住民の方から要望があった場合、以前は本社の了解が必要でしたが、現在は店長の判断で実施しています。また、ある店舗では、「せっかく駅の近くにカスミができたのに、駅前が暗くて…」というお客さまの声がきっかけとなり、行政等とタイアップして、市民の皆さまとともに駅前のロータリーをクリスマスツリーで飾る取組みを開始し、年々規模も大きくして続けています。

今 後

   今後も期限を設けず、従業員に現場の声を自由に発信してもらい、働きやすい環境を含めた、仕事と家庭を両立した従業員の健康的な生活環境づくりに努めていきます。

株式会社カスミの
皆様、インタビューのご協力ありがとうございました

お問合せ先

大臣官房 新事業・食品産業部 新事業・食品産業政策課

代表:03-3502-8111(内線4136)
ダイヤルイン:03-3502-5742