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昭和産業株式会社

働き方改革インタビュー

   昭和産業株式会社は、1936年の創業以来、小麦粉や植物油、糖化製品などの幅広い食品素材や配合飼料の提供を通して「日本の食」を支えてきました。現在、「穀物ソリューション・カンパニー」として、多種多量の穀物を取り扱う昭和産業独自のビジネスモデルによるによるシナジー効果を生かし、食に携わる企業や、一般消費者に課題の解決策を提案しています。
   この度、働き方改革の取組について、人事課長兼INC推進室長の井口研二さん、 経営企画部コーポレート・コミュニケーション室の赤松宏子さんにお話を伺いましたので、その内容を紹介いたします。

(2019年7月5日 昭和産業株式会社本社にて)

昭和産業インタビュー
写真右  
人事部人事課長 兼 INC推進室長    
井口 研二様
写真左  
経営企画部コーポレート・コミュニケーション室  
赤松 宏子様
~ 従業員一人ひとりが健康で、
イキイキと働ける会社を目指して ~

背景・きっかけ

    働き方改革を本格的にスタートさせたのは、2017年1月に行われた社長からの従業員に対する年頭挨拶です。新しい価値観を入れて、業務の進め方を見直す、という強いメッセージを打ち出しました。労働力人口の減少等といった諸課題にきちんと対応しないと、会社として立ち行かなくなるという危機感がありました。2018年、2019年の念頭挨拶でも働き方改革を進めるメッセージを発信しています。
   また、業務改革には、何よりもまず社員の健康が大切であると考え、2017年4月に「昭和産業健康宣言」を発表しました。
   そして、人事部が働き方改革の旗振り役となりました。やること自体を目的化するのではなく、雰囲気づくり、働く人の心に「時間の有限性」や「アウトプットの最大化」をいかに伝えられるかを心がけ、働き方改革を進めています。

【昭和産業健康宣言】
  1. 「社員の健康ファースト」の企業風土醸成
    • 社員の健康の増進を推進することで、「社員の健康が第一」の企業風土を醸成します。
  2. 働き方改革の推進
    • ワーク・ライフ・バランスを実現することで、社員一人ひとりが健康でイキイキと働ける会社を目指します。

まずは人事部から

   働き方改革を進めるためには、まず、確実な労働時間管理が大前提であると考え、人事部が主体となり、顧問社労士とも相談しながら、「労働時間の適正な把握のための使用者向けの新たなガイドライン」(2017年1月:厚生労働省)を活用し、全国の事業所等も含め、管理監督者やリーダークラスに対して、改めて労働時間管理の重要性について教育しました。
   なお、2016年には勤怠システムを全面改修しており、その際、所定労働時間外に出退勤の打刻があった場合にアラートが表示される機能や、早出残業を行う場合は必ず事前に申請・承認を行う機能を採用しました。これによっても残業の事前申請が徹底され、時間意識の向上に役立っていると思っています。

   また、人事部では、働き方改革の旗振り役として、2017年から、[1]タイムマネジメント、[2]属人化排除、[3]相互協力体制という改革方針のもと、「チャレンジ10」という生産性の向上につながる10の項目に取り組みました(表1参照)。

生産性の阻害要因
改革方針
図
チャレンジ10<表1>

   取り組み自体はさほど珍しいものとは思いませんが、当初は、みんなに取り組みを意識させることの難しさを実感しました。しかし、とにかく言い続けることが大事で、まずは1年間やり続けてみようと取り組みました。例えば、「実がなる会議」では、会議時間を30分に制限しているのですが、当初は余裕をもって会議時間を1時間で設定しようとする人もいましたが、30分以内の設定を徹底させました。今では、30分で会議を終えるため、目的の明確化、資料の事前配布、終了後5分前から結論(着地)に向けた動き出し、など習慣化しています。
   また、「退社時間宣言」では、朝出勤してパソコンを立ち上げたら、毎日「退社時間宣言カード」を周囲から見える位置に掲げています。退社時間の宣言と見える化により、宣言時間までに仕事を終わらせようとより効率化を意識するようになりましたし、作業をお願いする場合は早めに依頼するよう配慮するなど、帰りやすい雰囲気が醸成されています。
   このほか、資料をA4にまとめるとか、業務の棚卸とか、とにかく1年間「チャレンジ10」を言い続け、今では当たり前になったものも多くなりましたので、再度見直しも必要だと思っています。

例)退社時間宣言

退社時間を掲げることで周りも認識し、仕事を頼む側も配慮することができます

定時退社の図
例)多能化頼もう   ~業務の棚卸し~
  • 部内の業務分担表に基づき、メイン担当者が仕事を分類化(3分類)し、改善案を記入
  • メイン担当者以外がそれぞれの項目について改善案を記入
  • 各自が記入した改善案に基づき改善を検討・実施
業務の棚卸し

他の部署にも取組が広がる

   そして、他部署に対しても、人事部のチャレンジ10の取り組みを紹介し、働き方改革の取組を促しました。
   例えば、営業部では、業務の棚卸を行い、何に時間がかかっているのか、本当に必要な業務なのか、何に時間をかけるべきなのか、どうすれば効率よく働けるかを話し合えるようになりました。以前は、目の前の仕事が忙しいと、話し合う時間がもったいないという雰囲気でしたが、業務の棚卸の結果、意識が変わりました。無駄なことを勇気をもってやめる判断、責任を持った人がどれだけ判断できるかが重要だと思います。
   今では、他部署でも、それぞれの職場に合った内容で働き方改革に取り組むようになっています。

業務意識の図

   また、2017年度から「改革貢献褒賞」という制度を作りました。これまでは、数値的にわかりやすいものが評価の対象となりがちでしたが、数値には現れにくいところで業績の向上に寄与した取り組みを褒めましょうという仕組みです。(2018年度、人事部のチャレンジ10の取組は金賞を受賞しました。)
   今後は、各部署の生産性向上に資する様々な取り組み事例をイントラネットで社内に共有し、更に、働き方改革を促進していきたいと考えています。
   また、管理部門の横断的な生産性向上プロジェクトも進めています。例えば、会議で言えば、その会議自体は本当に必要か、参加人数は適正か、他の事業所から人を集める場合はTV会議で良いのではないか等、どんな効率化ができるかを検討中です。そのほか、書類の回覧の見直しでは決裁の権限移譲、ペーパーレス化の推進なども進める予定です。

休みやすい環境づくり

   休みやすい環境づくりのため、以前から仕事の属人化を避けて多能化を推進しています。2017年からは、祝日が1日も無い6月を年休取得推進月間とし、年末も取得推進日と指定するなど、年休取得を促進するための工夫をしています。以前から連続休暇を推進する仕組みはありましたが、2019年4月の年次有給休暇年5日以上の企業への義務づけを見据え、2018年から前倒しで徹底しています。こうしたことにより、年休の取得率は上がっています。

  2015年度 2016年度 2017年度 2018年度
年休取得率 50.70% 54.80% 55.10% 58.20%
年休取得日数 9.3日 10.1日 10.1日 10.7日

算出式=算定期間中の取得日数/算定期間中の付与日数計×100%
算定期間中の付与日数計には繰越分は含めない

在宅勤務はトライアル中

   在宅勤務は試行段階であり、関係者からヒアリングをして課題・対応策を整理した上で、いずれは利用できる範囲を拡大していければと思っています。
   先ずは、育児などで勤務時間や場所に制約がある人を対象にして、在宅勤務により、今までどおり、あるいはそれ以上のパフォーマンスを発揮できるような環境を整えることが重要だと考えています。
   また、2020年のオリンピック・パラリンピック期間中は交通に影響が出ると予想されますので、この機会にテレワークのトライアルを営業から開発部門まで広げていきたいと考えています。

時差Bizは好評

   本社・支店では勤務時間帯を選択できるようになっています。通常は9:00始業ですが、8:00~9:30まで30分単位で各自が始業時間を選択しています。早起き体質の人もいますし、自分の頭が一番働く時間を自ら選べるので時差Bizは好評です。
   ただ、営業部門はお客様がいるので、自分で働く時間を選択することは難しいということがあります。このため、テレワークの導入により働く場所の制約・自由度を上げたり、働き方を選択できるオプション、メニューを増やせればと思っています。

工場での取り組みなど

   工場でも、毎月、課題討論会を実施しており、その中で働き方改革や健康増進をテーマに挙げてディスカッションをしています。むしろ、工場勤務の方は、本社の人間よりも、常日頃から生産性向上について教育されています。
   今は、工場の事務職に従事する方に、本社の取り組みをじわじわと共有しているところです。
   一番大変なのは研究開発職。研究職は時間に縛られるものでもないので、もう少し働く時間をフレキシブルにしたいと思っています。

今後組んでいきたいこと

   今考えていることは、部署ごとに、総労働時間、早出残業時間、年休取得等の労務に関わる数値を集めて、「財務諸表」ならぬ「労務諸表」(仮称)を作って、月次で社内で共有することです。ただし、労働時間管理を活性化できる反面、出来ていない面も見えてしまうので慎重に進める必要があると考えています。
   また、今年は特に健康増進を進めていきたいと考えています。
 (井口課長は、数ヶ月前からトランポリンを始め、既に体重5kg減を達成したそうです!)

   また、これまでの生産性向上の取組に加え、在宅勤務等、時間や場所に制約のある人にも高いパフォーマンスを発揮してもらえる環境整備、仕事と育児・介護の両立支援策の拡充・見直しを進めていきたいと考えています。

昭和産業株式会社の
皆様、インタビューのご協⼒
ありがとうございました

お問合せ先

食料産業局企画課

代表:03-3502-8111(内線4135)
ダイヤルイン:03-6744-2064
FAX番号:03-3508-2417