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農林水産省

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株式会社すかいらーくホールディングス

働き方改革インタビュー

   すかいらーくグループは、国内および台湾に、ファミリーレストラン、ブッフェレストラン、各種施設内の飲食店、洋菓子・洋惣菜専門店等、合計約3,200店舗を有し、規模と多様性を最大限に活かした事業を展開している、世界最大規模の直営レストランチェーンです。
   この度、働き方改革の取組について、執行役員 人財本部マネージングディレクターの西田浩蔵さん、人財本部人財企画・運用グループディレクターの匂坂仁さんにお話を伺いましたので、その内容を紹介いたします。

(2019年7月10日 株式会社すかいらーくホールディングス本社にて)

インタビュー
写真左  
執行役員 人財本部マネージングディレクター    
西田 浩蔵様
写真右  
人財本部人財企画・運用グループディレクター  
匂坂 仁様
 安心して  やりがいをもって
  健康的で  より長く 

背景・きっかけ

   働き方改革を進めるきっかけの一つに従業員のニーズがありました。例えば、「高齢でも元気なので働きたい」という現場の声から、定年延長などを行っています。また、現場の声を吸い上げるため、企業内の労働組合としっかりと協議を重ねています。
   さらに、ワークライフバランスの考え方のもと、労使協議を重ねながら、働き方を変えるということを、基本方針発表会(全国のマネジャーが一堂に会する場)でトップメッセージとして伝えるほか、社内の広報誌等でも発信しています。

長く働くことができる制度

   2015年4月から、全ての社員の定年を60歳から65歳に延長し、しっかり働ける制度にしました(役職定年はなし)。
   また、65歳の定年を迎えた方(ベテランズクルー)の再雇用年齢上限を2019年1月より70歳から75歳に引き上げました。

勤務地を選べる制度

   かつて正社員は全国異動が基本でしたが、柔軟な働き方が選べるよう雇用区分の整備を進めてきており、2019年からは、「ナショナル」、「エリア」、「コミュニティー」の3つの雇用区分に再編し、子育てや介護等のライフステージにあわせて選択できるようにしました。
   「ナショナル」とは、全国異動を基本とする雇用区分、「エリア」とは、異動の範囲を居住地から通勤可能な圏内の店舗・事業所に限定した雇用区分、「コミュニティー」とは、店舗限定の雇用区分です。
   なお、「コミュニティー」は、パート・アルバイトからの正社員雇用を進める中、マネジャー(店長)として自店のメンバーと地域のお客様に自分の勤務店舗で貢献したいという要望も踏まえ、作った制度です。

勤務時間を選べる制度

   2016年10月から、1か月単位の変形労働時間制の運用を拡大しています。8時間労働を基本とし、例えば忙しい土日に10時間働き、代わりに月火は6時間勤務や4時間勤務を選択できるというものです。したがって、1か月の所定労働時間の中で融通することができます。
   また、育児や介護を行いながら働く方は、平日は6時間勤務とし、他の家族の方が育児や介護を行うことができる土日は長く働く、といった選択ができます。
   うまく活用すれば、勤務時間が短い日があっても、欠勤控除にならず、給料が満額支給されます。

営業時間の見直し、
休息・休暇取得の促進

   営業時間は、働き方の中でも大きな影響があります。2017年から一部の店舗で深夜営業を短縮し、その後も毎年対象となる店舗を検討した上で、大晦日の閉店時間を早くしたり、元旦の開店時間を遅くするといった取組を行っています。

   インターバル制度は、2002年4月から導入しています。導入当時は24時間営業が多く、パート・アルバイトの欠員を社員がカバーすることもありましたが、一定時間以上の休息の確保が重要との労使間協議のもと、12時間のインターバル制度を導入しています。
   なお、変形労働時間制を活用する際など、「必ずインターバル制度を意識しましょう」ということを、従業員の方々に常にお伝えしています。
   また、年間休日数は117日ですが、原則的に店舗は年中無休営業なので、必ず年に2回(4~9月と10~3月の半期ごと)は7連休の取得を促進しています。年末年始やGWでの連休取得は難しいですが、取得率は90%を超えています。
   連休取得制度は、当初は「年1回の4連休」からスタートしました。徐々に日数が増えて「年1回の7連休」になり、「年2回にして欲しい」との現場の声を踏まえ、「年2回の5連休」に変更。現在は、「年2回の7連休」になりました。

   また、「病気、育児、介護」の3つの目的に対して使えるようにした「失効有休」の活用制度もあります。通常、有休は2年を超過すると失効しますが、3つの目的で休む場合は失効した有休を4年目まで引き継いで使えるというものです。多くの社員に、この制度が利用されています。

   なお、休暇取得の促進をする際は、バックアップ体制も必要です。今までは、各マネジャーに任せて店舗ごとに対応をしておりましたが、近隣の店舗同士が組織的に助け合えるような形に切り替えています。エリアの中で活躍する「エリアクルー」と呼ばれる形態を作ったり、エリアの中の支援体制をフォローするための組織の改定、手当の検討等を行っています。

ITツールの活用

   ここ数年の取組としては、マニュアルを周知するため、「TeachmeBiz」というツールを使っています。
   シーズンごとにメニューが変わるため、新しい作り方を覚えるのは従業員にとって一大イベントです。そこで、動画を見て手順を覚えるツールを使用しています。高齢の方も、外国人の方も、手順書を見るより動画を見て覚える方が同じ基準でわかりやすく学んでいただくことができます。
   店舗に設置しているタブレット端末のほか、スマホ等でも見られるので、従業員がいろいろな場面でマニュアルを確認できるようになり、従業員のトレーニング効率化に寄与するとともに、従業員の評判も上々です。

ITツールの活用1
ITツールの活用2

従業員向けの食事制度等

   従業員向けの食事制度は2つあります。一つは1988年に導入した「従業員食事」。これはブランドによって若干異なりますが、店舗メニューのうち1,000円以内のものについては、330円+税で食事ができるもの。もう一つは「社員割引食事」。これは当グループのほぼすべての店舗で25%割引で食事をすることができるものです。
   さらに、食事だけでなく、当社で製造している一部の食材を社員販売という形で提供しています。(予め本人が申請しておけば、ハンバーグや餃子などが成形された状態で勤務先に店舗で使用する食材と一緒にチルド配送され、あとは家で焼くだけです。)。

今後

   今後の働き方改革の大きなテーマは、いかに従業員一人ひとりの働き方に合わせ、働きやすい環境を創造し、実現していけるかということです。
   営業時間も重要な要素です。定休日という考え方や、年末年始などの「特別な日」にどのような営業時間にするのかということは、会社経営に大きな影響があるので慎重に検討していきたいと考えています。
   また、正社員採用に関しては、内部採用(パート・アルバイトからの正社員採用)を積極的に推進しているので、選べる雇用区分制度としっかりマッチングさせた上で、地域でしっかり人財を確保していきたいと考えています。
   また、「心身共に健康で」という考えから禁煙に舵を切っています。2019年9月から、全店で(従業員のバックヤードや控室も含めて)敷地内は禁煙にします。
   これからも、「従業員のワークライフバランスを整え、すこやかで健康的な生活を過ごしていただけるように取り組んでいきます。

株式会社すかいらーくホールディングスの
皆様、インタビューのご協⼒
ありがとうございました

お問合せ先

食料産業局企画課

代表:03-3502-8111(内線4136)
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