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農林水産省

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議事録(福栄村)

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平成16年6月4日(金曜日)   15時00分~16時20分
福栄村担手育成センター   大集会室

水間室長
それでは、時間になりましたので、中山間地域等総合対策検討会現地検討会の午後の部を始めたいと思います。

本日は、大変お忙しい中にお集まりいただきましてありがとうございます。本日の現地調査並びに会場準備などにつきまして、県をはじめ福栄村の皆様方に多大なご協力をいただきましたことに対しまして、事務局を代表しまして厚く御礼申し上げます。

私は、本日の司会を務めさせていただきます、農林水産省農村振興局地域振興課中山間地域振興室長の水間と申します。よろしくお願いいたします。

中山間地域等直接支払制度の現行対策の検証と課題の整理というのを、中立的な第三者機関でありますこの中山間地域等総合対策検討会でやっているところでありますけれども、本日は、この検討会の委員の皆様方に現地を調査していただくとともに、現場の皆様方の意見を伺うために、ここ山口県の福栄村にお邪魔した次第でございます。

まず最初に、私のほうから、本日参加されております委員の方々のご紹介をさせていただきます。
柏委員でございます。

柏委員
柏です。よろしくお願いいたします。

水間室長
内藤委員でございます。

内藤委員
内藤でございます。よろしくお願いいたします。

水間室長
松田委員でございます。

松田委員
松田でございます。よろしくお願いします。

水間室長
村田委員でございます。

村田委員
村田です。よろしくお願いいたします。

水間室長
清水委員でございます。

清水委員
清水でございます。よろしくお願いします。

水間室長
それから、本日は山口県のほうからもご出席されております。お手数ですけれども、松永農村振興課長から、本日ご出席いただいております福栄村の方々をご紹介いただきたいと思います。よろしくお願いします。

松永課長
ただいまご紹介いただきました松永でございます。私から、山口県福栄村及び集落協定の代表者の方、営農組合の代表の方々のご紹介をさせていただきます。
まず、清弘山口県農林部長でございます。

清弘部長
清弘でございます。よろしくお願いします。

松永課長
佐伯福栄村助役でございます。

佐伯助役
佐伯でございます。村長が出席するはずでございましたが、実はきのうから人間ドックで、再検ということで、急遽、こちらのほうに出席できないということで、かわって参りました。助役の佐伯でございます。よろしくお願い申し上げます。

松永課長
白神福栄村産業振興課長でございます。

白神課長
白神でございます。よろしくお願いします。

松永課長
市瀬福栄村第11-2農区(栗原)集落協定代表者でございます。

市瀬代表
市瀬です。

松永課長
兼田福栄村第13-1農区(堂ヶ市)集落協定代表者でございます。

兼田代表
兼田でございます。

松永課長
小国福栄村第13農区営農組合「至福の里」代表者でございます。

小国代表
小国でございます。どうぞよろしくお願いします。

松永課長
以上でございます。よろしくお願いいたします。

水間室長
最後に、事務局の出席者の紹介をさせていただきます。
農林水産省農村振興局計画部長の宮本でございます。

宮本部長
宮本でございます。

水間室長
同じく、農水省中国四国農政局農村計画部長であります村崎でございます。

村崎部長
村崎でございます。どうぞよろしく。

水間室長
それでは、宮本計画部長のほうからごあいさつ申し上げます。よろしくお願いします。

宮本部長
委員の皆様方には、午前中に引き続き検討会ということで、どうもご苦労さまでございます。

私は農村振興局の計画部長を務めております宮本でございます。本日は、山口県福栄村の関係者の皆様方にはこういう場をセットいただきまして、大変ありがとうございます。とりわけ集落代表の皆様方、現地案内も含めまして、重ねて御礼申し上げるところでございます。

ごらんのとおりでございますけども、中山間の直接支払制度につきましては平成12年度に発足いたしまして、これまで全国で約66万haの協定が結ばれているところでございます。この制度につきましては、5年後に実施状況あるいは成果の検証を行うということでございまして、本検討会を開会いたしているところでございます。前回、新潟のほうでも現地調査をさせていただきましたけども、本検討会もこれまで3回会合を行い、本日、午前午後と、山口県のほうで現地の調査をさせていただいているところでございます。

こういう直接支払制度は、先般、新聞種にもなりましたが、廃止を含めて制度の大幅な見直しをするという財政審の建議というのが行われました。これに対しましては、国会でも与野党問わずいろいろな質問が出ましたし、関係の地方公共団体の皆様方からもいろいろな要請が参りまして、この制度につきましての関心の高さといいますか、ということを重ねて認識申し上げたところでございます。

今現在、農林水産省におきましては、平成12年にできました新基本法に基づく食料・農業・農村基本計画の見直し作業が行われているところでございます。この中でも、品目横断的な施策あるいはその担い手・農地制度とあわせまして、農業環境でありますとか、地域資源の保全政策というものも現在議論されているところでございます。この中山間直接支払制度は、こういった基本計画の見直し方向とも十分整合性を持った検討が必要であろうと考えております。いずれにしましても、こういった検討に当たりまして、地元の関係者の皆様方のご意見、あるいはその問題点のご指摘、こういったものが極めて有用だろうと考えておりますので、本日は皆様方の忌憚のないご意見を賜りたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。

きょうはいろいろありがとうございます。

水間室長
それでは早速ですけれども、本日ご出席の直接支払制度に携われていらっしゃる皆様方から取り組みの状況、それから制度に関するご感想とか、実際こういうような効果がありますよというようなこと等々についてお聞きしたいと思います。時間の都合がありまして、お一人大体10分程度でお話ししていただきまして、この意見交換会終了予定16時20分をめどとしておりますので、よろしくお願いいたします。

それでは、まず福栄村の佐伯助役のほうからよろしくお願いいたします。

佐伯助役
それじゃ、失礼をいたします。

今年は最後の年度になるようですが、中山間地域直接支払制度関係者の、努力をいただきましてこういう制度を設けていただき、農村で農業を産業としておるところでは、皆様方、大変助かっているということで、厚くお礼を申し上げたいと思っております。

実は、本村の農区あるいは集落協定を締結するうえでの一つ具体的な村の考え方としては、原則として、圃場整備がされた区域で、将来にわたって農地として持続すべきところを、一応農区を、あくまで農区というのは集落を超えた一つの属地的な集まりでもって、この範囲内でひとつ協定を結んでいただこうといったような考え方で設定をしたわけでございます。で、その協定の区域には、可能な限り、その区域内に存ずるところの多くの人々が参加できるようにというようなことも考えますし、農業の生産力を高めるばかりではございません。いろいろな地区の特徴がございますので、そういった特徴が生かされた集落協定ができるということを中心にご指導申し上げてきたところでございます。こういったことから、今日、現地をご覧になったとおりそれぞれの取り組みをなさっているわけでございます。

地域内、あるいは、集落だけで協定を結んでいらっしゃるところも間々あるわけでございますが、この協定によりましていろいろな会合が持たれまして、協定につきましてはもちろんでございますが、地域のいろいろな諸行事、あるいは話し合いの場が多く持たれてきたということが言えるかと思っております。

昔は、百姓といえばそれぞれが集落を中心にいろいろな助け合いを持っておりましたが、最近ではどちらかというと第2次、第3次産業に転向される方が多くて、奥さんあるいはおじいちゃんおばあちゃんが中心に農業をされるというような嫌いがございましたが、こういった協定を通しまして、集落の老若男女を問わず、子供様まで交えた中でいろいろな行事が取り組まれているということでございます。とりわけ営農関係につきましては、特に機械利用あるいは農用地の調整とか、高齢化によるところの離農者がございますが、この方々の田んぼをどうするかというようなこと、要するに、農地の管理が協定されるそれぞれの間で主体的に行われているところでございます。

その他、先ほど申しました話し合いの中で、ただ農業だけでなくして、例えば村が進めておりますところの花いっぱい運動、あるいは空き缶拾いといったようなことを、それぞれの階層の方が日を決めて実施していらっしゃって、環境美化にも役立っていらっしゃるし、積極的にこれを行われており、特に村全体がそういった美化に取り組むような環境になったところでございます。

今、各協定それぞれ事業計画等を組んでいらっしゃいますが、いろいろな課題がございますので、5年間ではなかなか計画が達成できないというのが現状でございます。それと同時に高齢化が大変進みます。そうしますと、いわゆる道ぶしんあるいは水路の保全といったようなものがなかなか困難になりますし、お年寄りには相当の負担がかかってくるわけでございます。特に、私のところのように中山間地におきましては、水路あるいは農道、地域の恒例のお祭りなど、人手を多く要するような行事が多々あるわけでございますが、過疎化の進行という面からも、交付金等を利用させていただきまして、地域ぐるみで地域の維持活動を続けているところでございます。

日本の農業、農村は、水、いわゆる水路の維持によって維持されているのではなかろうかと言える面がございまして、水を通して農作物あるいは地域の維持、人の和が保たれてきたところでございます。今後とも、この農村らしい風景を維持しながら、地域の活性化あるいは国土保全に資するといった意味合いから申しましても、今あります中山間地域の支払制度、これは方法は変わるかというようなお話もございますし、廃止というようなお話もございますが、ぜひこういった過疎化、高齢化が進んでおります農村での村の維持、あるいは国土の保全というような意味合いからいたしましても大変有効な制度ではなかろうかと思いますので、今後ともぜひご継続いただきますように、ご検討のほどよろしくお願いを申し上げまして、意を尽くしませんが、一応私の発言を終わらせていただきます。ありがとうございました。

水間室長
ありがとうございました。次に、福栄村第11-2農区(栗原)集落協定代表の市瀬さんにお願いいたします。

市瀬代表
栗原協定の市瀬でございます。

栗原協定は「和」を中心とした協定に取り組んでおります。それで、「栗原むらづくり会」という協定を発足しまして、その村づくり会を中心に、今、ベースとして協定に取り組んでおります。むらづくり会の中に若者会というグループもありまして、農地の放棄地、そういったものの荒廃を防ぐためにも、その若者会が農地を守る、保全するという格好で、今いろいろ取り組んでおります。

それと、協定内の住民の皆さん、若い人、子供、年寄り、全部が取り組まれるイベントとしたような行事もしております。「れんげまつり」は連休の5月5日のこどもの日に合わせて、これは減反対策の一つとしてレンゲを植えておって、それを利用して「れんげまつり」をしております。それと、盆に、8月16日の盆踊りをしております。これは、今ごろ町に出ておられる方がたくさんおられますので、そういう方もお誘いして、ふるさとで盆踊りをするという格好で、今、「むらづくり会」というもので協定に取り組んでおります。

稲作に例えましたら、種をまいて苗をつくって、田が植えられるように圃場を整備して、今初めて水田に苗を植えたところでございます。時期といたしましてはちょうど今ごろの時期です。その格好で、米にするまでに今から大変な管理が要ります。水が要り、肥料、防除、草刈り、今日も見られたように草刈りも随分重労働でございますので、せっかく植えたばかりなのに荒廃地にならんように、米になるまでひとつよろしくお願いいたしたいと思います。

どうか皆さん、よろしくお願いいたします。

水間室長
ありがとうございました。次に、福栄村第13-1農区(堂ヶ市)集落協定代表の兼田さん、よろしくお願いします。

兼田代表
第13-1農区(堂ヶ市)集落協定の兼田でございます。よろしくお願いいたします。

あらましは、先ほど現地でもご説明申し上げたところでございますが、私のほうでは12ヘクタールある中の65%というものが急傾斜地でございます。草を刈るところもご覧になったとおり、一段では刈れないと。上から、下から、あるいはまた途中で刈るというような、非常に作業の困難なところでございます。このような地形におきまして、農道がそれに合わせた急勾配のところがあるわけでございます。したがいまして、自動車での運搬、搬入搬出等があるわけですが、非常に危険な状態でございます。なおまた、特にトラクターとか、あるいは田植え機とかいうような輪のついたものにつきましては、これまた非常に危険な状態があったわけでございます。

この中山間事業が始まる以前から、圃場整備を行った後、こういう状況では作業に支障をきたす。何でもこれはやれないということで、地域の皆さんが話し合いで何とかしようじゃないかというようなこととなりました。補修には砂利を持ってきて、あるいは真砂土を持ってきたりしてやっておったわけでございますが、なかなか、急傾斜地ですからそういうものではおさまり切れないわけなんです。雨が降ると流出してしまいます。

したがいまして、こういう時期に中山間地域というような集落協定が出てきましたので、村自体とも相談をいたしまして、また、組合員みんなとも相談しまして、コンクリート舗装をしようじゃないかというようなことでコンクリート舗装を計画したわけでございますが、これを施工するに当たっては、まず土建業者に頼めば簡単なことでございます。しかしながら、経費がかさんで到底何ぼもやれないわずかしかできないというような状況でございます。アスファルト舗装をしようとしても、急勾配ですからローラーも効かないというような状況の中でございます。したがって、生コンを購入して、我々がほかの事業でやったときの負担金を出したと思って、労力は全部無償で提供し合って、ひとつこれをやっていこうじゃないかというようなことで、実施したわけでございます。

全延長1,400mからなる農道の中で、今、700mばかりを施工しておるわけでございます。コンクリート単価もいろいろな状況によってじり上がりしまして、なかなか思うような、当初の計画どおりには進んでおらないわけですけれども、まあ、何とか今まではやってきたわけでございます。

なお、私のほうとしましては、ご存じのように周囲をすべて、山に囲まれておるわけです。非常にイノシシが出て田んぼを荒らす、転作物を植えておってもそれを全部だめにするというような状況でございました。したがって、これを防ぐにはトタン柵しかないということで、トタンを700mばかり張りめぐらせて、イノシシのほうは何とか防いでおるわけですが、これも油断すると、どこから入ってくるか知りませんが、田に行ってみればイノシシが既に入っておったというようなことも再三あるわけでございます。一応はそれで目的を達成して、作物も安定してつくっていけるということでございます。特に、これがないと田んぼのあぜにクズという、要するにカズラがありますね。これの根を掘るためにイノシシが出て、どんどん荒らしてくれるというようなことで、畦畔が崩れてしまう状況もございました。そういうことで、それが進んできたわけでございます。

次に、現在、これはどうしようもない大きな問題を抱えておるわけなんです。というのは野猿ですね。これは防ぎようがない。網を張っても飛び越えてくるというようなことで、今、どうしたらいいかというような検討もしておるわけですが、現集落協定の中では、考えるばかりでなかなかいいことにはいっておらないというような状況でございます。

圃場整備が終わりましてもう数年経過したわけなんですが、水路も相当に傷んできている、漏水があるというようなこともあるわけなんですが、こういうものを今後何とか維持していかなくてはいけないということで、我々は何回も集会を持って対策を検討しておるわけでございますが、なかなか経費がかかって、我々としても到底追いついていくような状況ではございません。今後の計画では、水路も農道もあと半分、延長で700mばかり残っておるわけです。これもどうしてもやっていくというようなことで、何とかこの事業が進んでいって、今後も計画的に事業ができないと、我々は田の維持もできない。農村としては非常に困った状況でございます。これは、まあ、私どもの地域ばかりではないかと思うんですが、まあ、私どもも一生懸命これに向けて努力していきたいと考えております。本制度の継続に向けてどうかよろしくお願い申し上げます。

以上でございます。

水間室長
続きまして、第13農区営農組合代表の小国さん、よろしくお願いします。

小国代表
小国でございます。機械のことについては、先程現地であらましを皆様方にご説明申し上げたかと思っております。私はこの13農区営農組合から見た協定区、また農区から見た各協定区、まあ、協定区の始まり、また組合の始まり等ご説明を申し上げたいと思っておるわけでございます。

最初に現地で申し上げましたように、平成2年に農区を、平成4年に13農区農機具機械利用組合を結成いたしまして、農産物のコスト低減を目的に設立したわけでございます。平成12年に現在のこの中山間直接支払の協定の話が出まして、農区内におきましても数回にわたり話し合いを持ったわけでございます。

先ほど、13-1協定区の兼田さんのほうからお話がございましたように、急傾斜地あるいは緩斜地、両方を持つ集落、いろいろございますので、その4つの協定区ができた理由は、その地形に合った協定区をつくろうということで、要するに堂ヶ市協定区におかれましては急傾斜地、私が参加しております13-2山田沖協定区におきましては緩斜地と、下が平たん地でございますが、第13-3向山協定区におきましては堂ヶ市と同じく急傾斜地、13-4壇今木協定区におきましては緩斜地、急傾斜地両方を持っておるわけでございます。以上のことで、その地形に合ったやり方、そうした地区で協定区を持つことによって、耕作者に対しまして、協定が締結しやすい方法で検討した結果4協定区生まれたわけでございます。

全4協定区の特徴でございますが、4協定区とも、13農区全体の取り組みに何事も参加してもらっていることが一番主なことではないかと思っておるわけでございます。

今年の1月から2月に入りまして、米政策大綱を踏まえまして、農区の役員会、あるいは利用組合の役員会の合同役員会、あるいはまた、13-4協定区利用組合合同会議を一回開きまして、第13農区営農組合「至福の里」を設立することを決定したわけでございます。16年3月28日に設立総会を開き、4月1日より業務を施行しておるわけでございます。つきましては、旧13農区農機具利用組合につきましては16年の3月31日をもって廃止をしております。

それから、協定の調整でございますが、これはまだ話し合い活動でございまして、今兼田さんも申されましたが、私のところではなしに、堂ヶ市協定区を除いた、あと3協定区、皆同じ考えを持っておるわけでございますけれども、第13農区の2の山田沖協定区の地区は13農区の中央に位置しておるわけでございまして、非常に長い2本の水系を、水路を持っておるわけでございますが、一つの水路が全長1,800m、長い方が3,500mと非常に長いわけでございます。この管理につきましては関係協定区と話し合いをしておるわけでございますが、13農区内だけの協定区ではございません。13農区を超えた他農区の協定区とともに話し合いを進めて、4月の第1日曜は1,800mの水路の管理日と。それから、3,500mのほうは4月の第2日曜を管理日と定めて管理をしているところでございます。

しかしながら、高齢化が進み、私が出始めてからでも、出席者が以前の半分以下になっておるわけでございます。現在は、自分ができないから田を人に預けるという利用権の設定などにも、農用地の管理の面にも支障を来しておるような状況でございます。畦畔の管理につきましては各協定区の話し合いの上で、各協定において差はあると思いますが、個人所有圃場に接続する農村道の法面、または閑地等は個人管理とする。ただし、ほかに規定を定め、農地、農道維持管理及び対策をとられている協定区もあるわけでございます。

それから、協定締結後の地域、集落の変化についてということでございますが、協定後の変化といたしましては、私ども組合といたしまして、機械の利用料金の値下げを2回ほど行っておるわけでございます。その理由につきましては、協定区ができました関係で農道管理が非常に徹底しておるわけで、圃場の出入りが容易になったわけでございます。

それと、もう1点、これは悪いほうでございますが、米価の下落によって農業所得が減少したことを理由に挙げ、コンバインの利用料金、トラクターの利用料金の値下げを行っておるわけでございます。農地の流動化につきましては、年を追うごとに高齢化が進む中で、農地の維持管理については、現在、各協定区とも限界に達しているのではないかと私は思っております。しかしながら、13農区営農組合「至福の里」も結成したことでございますし、これを中心にいたしまして、4協定区が結束して農地の維持管理に努めてまいりたいと思っているところでございます。

次に、皆様方が一番関心を持っておられることと思いますが、交付金の活用を具体的な取り組みとして挙げておるわけでございますが、話し合い活動は各協定区とも行われておると思います。私の協定区もそのようにしておるわけでございますが、その用・排水路の維持管理、村農道等の管理(草刈り)になっておるわけでございます。こうした点にも経費もかかっておるわけでございます。

それから、オペレーターの育成でございますが、これは年間、時期を問わず、常に確保に努めているところでございますが、一応確保いたしましたならば、農業機械の安全講習会、あるいは農産物の栽培講習会、先進地の視察等、努めて積極的に出席してもらうようにしておるわけでございます。また、共同機械のための装備あるいは機械の保守でございますが、本日倉庫で申し上げましたように、私どもの協定区では機械購入の基金積立金の運営をしたわけでございます。今回、共同機械を装備していただきました県、村、また各協定区のご協力によりまして、コンバイン、トラクター、田植え機、ディスクローダー等が購入できまして、関係の方々に感謝をいたしておるところでございます。また、保守につきましては、新しくできました「至福の里」の機械部が責任を持って保守、点検をいたしております。

制度の継続についてでございますが、これは今後のお願いになるかと思っております。どこへ行っても担い手の育成が出てくるわけでございますが、現在高齢者農業とも、また、退職者農業とも言われている時代でございます。担い手、オペレーターの確保、育成には各協定区ともに力を入れておられるところでございます。

地域の活性化と農地の維持でございますが、地域を活性化するには何を申しましても所得の向上に努めなくてはならないと私は思っております。したがって、農地の維持管理はもとより作物の栽培にも励み、所得向上に努めてこそ、中山間地域が活性化するものと私は思っております。

農機具の更新に向けての基金の積み立てでございますが、農機具更新につきましてはいつも苦慮しております。今後も県、村、国ともに制度を続けていただき、協定区も基金を続けていく所存でございますので、どうぞよろしくお願いを申し上げる次第でございます。

これはまた虫のいいことでございますが、先ほど皆様方に見ていただきました農機具保管倉庫でございますが、私どもは一昨年、これを購入いたしました。今までは倉庫があいておりましたので、JAのほうから年間契約でお借りしておりましたが、JAが倉庫を解体すると言われますので、今度は私どもは行くところがないようになったわけでございますので、地主とも相談しました結果、快く分けて売却していただきましたので、購入に踏み切ったわけでございます。しかしながら、組合員さんに新たな負担をおかけすることができませんので、あくまでも自力で購入をしたわけでございます。しかし、今後の維持管理や後の修理が多少かかると思っております。協定区の皆様に、また資金のお願いをするやもわかりません。今後、この中山間直接支払制度を継続していただくことをお願い申し上げるわけでございます。

荒廃地の防止と環境整備でございますが、荒廃地の防止は各協定区ともに全力で努めておられると思っております。環境の整備に当たっては、昔、私どもは休耕地を利用し、13農区でヒマワリ約2haを植えたことがございますが、その当時は福栄村はヒマワリの村と方々から言われたこともございますし、こうしたことを思い直して、またヒマワリを作付し、外部との交流を深めて、地域の活性につながればと思っておる次第でございます。

以上、いろいろ経過なりお願いを申し上げましたが、どうぞよろしくお願いを申し上げる次第でございます。大変失礼をいたしました。

水間室長
ありがとうございました。
それでは、意見交換に入らせていただきます。この検討会の委員の方々は本制度について中立的な立場の方々でありまして、本日は交付金を実際に受け取っておられる集落協定の参加の方々、それから、本制度の推進をされている県、市町村の方々から、実際この制度に携わった実体験、経験とか意見、あるいは実感のようなものを十分聞く貴重な機会だと思っておりますので、16時20分、大体50分ぐらい時間がありますけれども、活発な意見交換を期待したいと思います。

それでは、先生方のほうからでも何かありましたらよろしくお願いします。

柏委員
皆さん、課長からきちっとお話をしていただいたんですけれども、ちょっとまだわからないところがあるので教えていただきたいんですが、福栄村の場合は集落協定、それから独特の農区制度、それがリンケージして独特のものをつくっておられるということなんですけれども、先ほど、農区というのは水系とかを単位に、大体ある程度まとまった区域を囲い込んで、そして、その範囲内でいろいろな取り組みをやっていくということだったんですが、例えば面積を見ますと、小さいのは十何haぐらいの農区もあれば、大きいのは百二、三十haのものもあったり、規模において相当まちまちのような気もするんですけれども、もう少しその辺で、何か意味があるのか教えていただければと思うんですが。

それから、もう一つ、2番目もこれに絡むんですけども、例えば13農区の場合は、それぞれの集落が集落協定を結んで、そして全体の13農区というところが作業受託を行っていったりするというようなシステムをとっている。それに対して、例えば栗原地区の場合は、栗原地区で協定をつくると同時に、その栗原地区の中で、16戸で営農組合を形成してやっていると。その違いというか、その辺についてちょっと教えていただければと思います。

水間室長
白神課長お願いします。

白神課長
福栄村の産業振興課の白神でございます。
まず、恐れ入りますが、本日配付の、福栄村の産業振興課となっております資料4の5ページを開いていただきますと、福栄村農業推進組織図というのが出てくるかと思うんですが、おわかりでしょうか。その中に、今、柏委員がおっしゃった第1点目の、いわゆる農区によっては1集落もあり、5集落もあり、仮に面積の10haもあれば122haもあるということのご指摘で、その構成の要因は何かということだろうと思っているんですが、よろしゅうございますか。

それで、一つには、先ほど言いましたように、農区を水系で分けておるということがございます。で、水系というのはこの向こうを流れております大井川から水利を、いわゆる頭首溝で入れている場合と、ため池懸かりがあるわけです。実は、福栄村にはかなりため池があります。で、一番大きなため池を持っておりますのが14農区というところで、33.5haの京場というところになる。これは、まあ、名前はいいんですが、鶴巻という大きなため池を持っております。これで一つの水系がどーんと流れておるわけです。それに対しまして、11農区の122.6haというのはすべて大井川沿いにあります。で、それぞれ井出・堰、いわゆる頭首溝を通しながら、これで分かれていって、ずっと流れているわけです。ですから、11農区のこの頭首溝は何カ所もございます。そして、一番上の堀越というのは、大井川をまださかのぼりました阿武町境で取水をしております。で、その山をくりぬきまして、隧道があるわけです。それからずっと引っ張ってきておる。これが、実は戦時中に掘られたものでございますけども、そういうふうな水系をとってきております。ですから、それが流れて一たんまた大井川へ排水として落ちて、それでまた下では取水するというふうな流れがあるんです。

それと、もう一つは、福栄村には農村総合整備パイロット事業という、いわゆる県営で実施しました山の口ダムという多目的ダムを持っております。それで、農業用水をパイプラインで送っております。ですから、ある集落については、そのパイプラインの、いわゆる蛇口をひねれば水がどっと出るという形態のところもあるわけです。ですから、水系と申し上げましたのは、そういう起因をする水系によって、その水を使っているのを分けているということが1点です。

それと同時に、農道の区切りでいっておる、作業の効率性を持った農道でいっておるということの2点で、面積の大小があるということです。

それともう一つは、福井川のほうの地区の中にもおられますが、出水、いわゆる湧水ですね、これもあります。ですから、その湧水をずっと、我々はあて越しと言っていますが、田んぼから田んぼへつなぎながら行くというところもございます。だから、これが、どこがどうだというのを申し上げてもいいんですが、いずれにいたしましても、そういうことの原因で大小が出てきておるというのが第1点でございます。

それから、第2点目の、営農組合のいわゆる営農の作業の受託組織の形態でございます。栗原あたりはその一つの11-2でつくっておると。それから、13農区は13-1、2、3、4の協定でつくっておると、これはどういうことかというご質問であろうかと思います。

このことは、はっきり申し上げまして、その集落集落の自立意識、もしくはお互いの昔からの地縁的なつながり、その辺がありまして、それぞれがいわゆる協定長のお話、農区長のお話、そういうことでの、まあ、はっきり言いまして、肌がそろったところで、要するに営農組織がつくっていかれるということでございます。ですから、我々行政のサイドからこれとこれで営農組織をつくりなさいといったことは全然ございません。自発的に発生したものでございます。ですから、その辺は以下のような、我々、今現在の厳しい農業の中で、中山間直接支払をいかに利用して、いわゆる知恵をいかに出してやっておるところが、いろいろなところで自立し、今後も生きていくという考え方を持っております。

以上でございます。

水間室長
松田委員。

松田委員
今のお話に続いて、ちょっと課長に確認したいんですけれども、そうしますと、平成2年から農区制度をつくられたと。これは、大体パイプラインができたところでつくられたと思っていいんですか。

白神課長
パイプラインといいますのは、水系というのと同意義でございますか。

松田委員
ええ。

白神課長
はい、そういうことでございます。

松田委員
続いて、ちょっと違う質問を代表の3人の方にしたいんですけれども、それぞれ、随分苦労して、地域の活性化と維持のためにご努力いただいているということを、見学や今の話でよくわかりましたが、小国代表に一つ伺って、それと関連して兼田様にも市瀬様にも教えていただきたいんですけども、この営農組合「至福の里」の組織図を拝見していますと、機械部会、農地部会、女性部と3組織になっておりますね。例えば、小国代表がなさっていらっしゃるような管理、運営の部分というのは、この組織の中にははっきりした形では置いてはおられない……。それとあわせて、実際問題として3人の方たちがこの協定を運営していくために、例えば、去年から今年にかけて、何日ぐらいの日にちを使ったかという感じを教えていただければと思うんですね。

小国代表
組合の組織でございますが、組織の概略を申し上げます。

組織体制は、組合長、副組合長、会計、書記、農地部長、副農地部長、機械部長、副機械部長、女性部長、副女性部長、そして地区長、地区長と申しますのが、各集落に1名おるわけでございます。それで、監事が2名と、これが組合の体制でございます。

次に、事業につきましては、現在のところ、農作業受託事業を主としてやっておるわけでございますが、高齢化が進む中で、現在、この組合が受託している農地、それから、これは任意組合でございますので、組合が農地を預かることはできません。できませんが、しかしながら、この土地の荒廃地化を防止するために、お互いに今、役員なりオペレーターなり、また、役員やオペレーター以外でも耕作可能な方にお願いを申し上げてつくっていただくという面積が15.9haあるわけでございます。したがいまして、現在のところ、この荒廃地化する農地を農区内に出さないように組合員も努めております。各協定区とされても協定区内において耕作するようにしておられるわけでございます。また、協定区同士で話し合いをして、13-1協定区から13-3協定区に移るとか、13-2協定区に移るという、13農区内の4協定区内で土地の流動はありますが、農区外に流動することは現在のところございません。

それと、もう1点の質問は何でございましたでしょう。

松田委員
質問があまりよくなかったと思うんですが、大体、去年1年、大変に忙しかったか、それともまあまあだったか。と申しますのは、どなたかがお世話をなさらないと、こういう協定は続かないような気がするものですから、どれぐらいお忙しかったかという感じだけ教えていただきたい。

水間室長
組合長の立場で、去年、どのくらい仕事をやっているのかの目安ですね。週に何回とか。

小国代表
まあ、役員会あたりもあるから。

宮本部長
役員会とか、何か集落の座談会に行かなきゃいけないとか、そういう感じですかね。

小国代表
そういうことですね。

柏委員
まあ、資料だったら資料づくりから始まるからね、皆。

松田委員
そのとおりですね。
小国代表
そうですね、一応資料は本日持ってきておりませんが、私どもの作業日誌、出勤簿を見るとわかると思っておりますが、私が年間にこの組合に出ていく日数は60日ぐらいあると思います。これは1年間でございますよ。

水間室長
大体1週間に1回ぐらいですか。

小国代表
1週間に1回という言い方でなしに、要するに、春の農繁期、秋の農繁期等は連日、25日続けて出るとか、そういうことがあるわけです。それから、要するに、倉庫で申しましたように、組合長であり、オペレーターであり、小間使でありますから、出ることが非常に多いということでございます。

村田委員
オペレーターは何人でしたか。

小国代表
今、登録をしているオペレーターが12名おります。まあ、登録外も時々機械に乗せたりすることもございますけれども、事故があった場合には責任のとりようがございませんので、努めて機械には乗せないようにしています。まあ、見学させても料金を払うわけですから、運転免許を持っている人であればモミを運ばせるとか、機械の運搬をするとか、いろいろなほかの仕事をさせているような状況でございます。

村田委員
12人は登録した人の数でしょうけれども、先ほど、トラクターとコンバインを見せていただきましたが、平成15年の実績で、田植えで2ha、刈り取りで20ha、耕起で6.7ha弱ですか。随分作業が少ないと思うんです。つまり採算がとれないんじゃないかと思うんですけれども、もっとたくさんやらないと、機械の共同利用が成り立たないと思うんでが、いかがですか。

小国代表
そうですね、今のところ採算は何とかとれています。苗をうちで植えてきておるわけですが、かといって、利益をたくさん上げて繰越金をつくるということまでもいっておるわけではございません。まあ、採算をとれるような方法をとろうと思えば、利用料金を上げれば何ぼでも利益が上がりますけれども、利用料金にも限度がございますし、また、組合員の皆様方にも高い利用料金で使っていただくのがよいか、安い料金で利用していただいて喜んでいただいたほうが、私はよいと思っておるわけでございます。

まあ、現実、おっしゃいますとおりに、これぐらいのやり方では今後運営はできないと私も思っておるわけでございます。したがいまして、昨年からキャベツの栽培を実施しておりますが、何分初めてやることでございまして、昨年あたりはキャベツの栽培はしたものの、少し赤字が出たわけでございます。最初から儲かるとは私は思っておりませんけれども、今年も引き続き、やることはやっておるわけでございます。今後、いろいろな方法を考えて、ただ、この作業受託だけに偏らず、ほかの収入方法、要するに転作地の利用とか、また、転作地の貸し付けをいただいて、ほかの作物を植えて収益を上げるとか、何か方法を考えていかないと組合も行き詰まるのではないのだろうかと私も思っておるところでございます。

柏委員
今、村田委員が言われた面積というのは、部分作業受託面積ですよね。それプラス(4)にある全作業受託の15.9haが加わるわけですよね。そういうふうに見ていいですよね。違いますか。

小国代表
この利用面積ですか。

柏委員
「至福の里」営農組合でやっている面積というのは、今村田委員が言われた、田植えは2ha、耕起が6.7ha、刈り取り20haとありますけれども、それ以外に15.9ha……、違うんですか。

小国代表
15.9haは、一応組合の預かった面積ではございますが、要するに任意組合でございますので、組合が運営管理することはできません。今、農業法で、法人でなくては田を預かることはできませんので、仮に兼田さんから私が1ha預かったとしても、今度は私が私の名前でこの1haの田を管理するわけでございますから、組合の管理にはならない……。

柏委員
まあ、誰の名義でもいいんですけれども、いずれにせよ、組合として15.9haを全作業受託、受託というか、全作業を行ってあげている面積がこれだけあるということですか。

小国代表
そういうことです。

柏委員
で、それプラス(6)の部分作業受託があるということですね。でしょう。

宮本部長
そうでしょうね、あれだけの機械を結局は……、田植えしていないわけではないんでしょう。何台かありましたよね。これで2haは考えられない。あるいは受託だけですか。この貸し出しはしていないんですか。

小国代表
トラクターにつきましては貸し出しをいたします。

宮本部長
トラクターはですか。

小国代表
はい。コンバインと田植え機につきましては、オペレーターづきということにしておるわけでございます。

柏委員
産業振興課がつくってくださった資料4なんですけども、これは、2ページ目を見ますと、福栄村の概況、農家数のところが出ているんですが、これは農家の総人口と、それから農業就業人口、その下に括弧して65歳以上割合と出ていますけれども、これを見ると、例えば平成12年の農家総人口の99%が65歳以上ということですね。違うんですか、これ。990人ですか。割合と書いていますけれども。

白神課長
「人」です。

柏委員
「人」ですね、ああ、びっくりした。

兼田代表
失礼しました。私の、要するに代表者としての出席日数といいますか、なかなか難しい問題もあるんですが、一応役員会がございますね、これが5回ぐらいやっておるわけです。これも皆さんが必ずしも、日中は不在なので、ほとんどが夜の会議というような形になっている、これを5回ぐらいやっておるわけです。それから、総会が年1回は必ずやっておるということと、それから、執務の関係につきましては、要するに役員会の準備あるいは総会の準備というようなものが、まあ、はっきり人役的には難しいところもあるんですけれども、20日ぐらいは費やしておるんじゃなかろうかと。これも事務室があるわけではないし、自分の家でこたつへ入り、夏、暑ければ扇風機、クーラーをかけて夜にやっていくというようなことで、まあ、パソコンまではお年を召しておるからなかなか、よう使いきらんですけれども、ワープロでコツコツ打ってやっていくと。そして、できたものはまた役場なり公社なりへ持っていって、これをコピーしてもらうというような段階で、年間通じて26人役から多くても30人役程度ではなかろうかと思っております。

市瀬代表
栗原協定の、私のほうですけれども、私のほうは、まあ、役員会を月に1回ぐらいはさしずめ開いております。それに、いろいろな調整事項や連絡事項がありまして、まあ、20日ぐらいでしょう。それと、事務局を置いていますから、私の事務局が大分人件費を費やしております。

以上ですけれども。

松田委員
大変ご苦労をおかけいたしまして……。

水間室長
柏委員、お願いします。

柏委員
今の続きですけれども、要するにかなり自己犠牲を払って、自己犠牲と言ったら悪いですが、個人の義務感というか、自分がやらなきゃだめだということで、身を張って、報酬をもらうことなく、やっぱりそういう取りまとめ機能を果たされていると思っていいですよね。

兼田代表
はい。家で作業をしている上に、子供も何もおりませんけれども、おるのは家内だけですが、またそれをやってるんかねというような、ご機嫌斜めなような状態が多いんですよ。

柏委員
それでちょっとお尋ねしたいんですけれども、世代がかわり、今後どうなっていくのかなと。例えば「至福の里」だとオペレーターは今12人登録者がいるということですけども、栗原の場合でもやっぱり何人かオペレーターがおられると思いますが、オペレーターとか、それからいろいろ取りまとめをされる方とかがかなり、自己犠牲と言ったら悪いですけれども、ある程度自分を抑えながらやっていくシステムといいますか、こうしたスタイルは今後もずっと続き得ると思いますか。それとも、何か新たなこれまでとは違った仕組みを今度導入していくような形で、変えていかなきゃいけないと思われますか。ちょっとその辺を。

小国代表
オペレーターの方につきましては、おっしゃいますとおり、ここに挙げております機械部で申しますと、機械部長、機械副部長、私は組合長代理、オペレーター代理、小間使と申しますが、私もこれらと一緒に、以上に役を持った者が出ると。なぜこういうふうになるかと申しますと、オペレーター全員がオペレータの仕事があるのを待っておるわけではございません。全部兼業農家でございますので、通常は会社に勤めておるわけでございますから、土曜日曜については、もう出なくてもよいというほど顔を見せるわけでございますが、全員出てもらっても仕方がないから、おまえとおまえは次に来てくれというような調整をとっておるわけでございます。そういう日には、私どもは休むわけでございますけれども、ほかの日は高齢者がいつも家におりますので、まあ、要するに、さっき私が申し上げましたように高齢者農業というような格好で、秋作業については4人位でやるようにしております。春の作業につきましては、各集落にオペレーターが何人かずつおるわけでございますので、原則としてその集落から出た仕事はその集落のオペレーターに任せて作業をやってもらうと。それができない場合には、この機械部長に申し出なさいと。そうしたら機械部長がオペレーターを調整してその作業をこなすという格好でやっておるわけでございます。

柏委員
世代交代はうまくつながっていきますか、「至福の里」の営農組合は。

小国代表
今のところ、いくように思います。どこかで行き詰まるということはないと思います。私は平成2年、最初からおるわけでございますけれども、現在はオペレーターでも80名ぐらいはかわっておりますから、自然に若返りといいますか、ある程度年をとるとやっぱり、この人は危ないと危険を感じたときには止めてもらうとか、いろいろな方法をとって、オペレーターの更新に努めておるところではございます。

水間室長
次、清水委員、お願いします。

清水委員
市瀬さんにお聞きしたいんですけれども、栗原の集落協定の資料の中に、都市住民に向けた農村からのメッセージとなって、グリーン・ツーリズムを取り組んでいるようなんですけれど、この制度ができたからグリーン・ツーリズムに取り組むようになったのか、以前からやっていたけれど、この制度があったからなお一層力を入れてやったのか、そこのところを教えてください。

市瀬代表
これは、この制度ができてからです。

清水委員
それと、ついでにもう一つ、個人配分分として50%、164万がありますね。皆さん何に使っているか、差し支えなかったら教えてください。

市瀬代表
それは、まあ、農作業の、今の畦畔とかいろいろなほうに使っていると思います。

清水委員
草刈りとか?

市瀬代表
そうです。それと、草刈りというのが大変ですから、稲の一生で年間4回は刈らなければいけませんから。それと、水利関係とかいろいろそういう。それと、草を刈れば油も要るし、まあ、そういうほうへ向けておると思います。

村田委員
やはり市瀬さんにお聞きしたいんですが、我々が見せていただいた「なごみ」というあの施設をつくるのは県単の事業で、地元負担金にこの交付金を使ったということですか。

市瀬代表
いえ、それは一部です。この交付金は一部を使って、地元個人負担をいたしております。

村田委員
それで、施設はもうできちゃったんだから、まあ、維持費はかかるでしょうけども、つくるお金は必要なくなるわけですね。今後はこの交付金は何に使うことになるんですか。

市瀬代表
今後は、今の村づくり会をもっと育成して、結局栗原協定を盛り上げて、将来に向けて若い人が魅力を感じるような集落にしたいと思います。

村田委員
資料に、営農組合とその田植え機利用組合を今後合併するとあります。今は別々なのですか。

市瀬代表
単独であった組合をこのたびこの協定ができてから、合併しました。

村田委員
いつですか。

市瀬代表
去年です。

村田委員
それに対して、この交付金は何に使っているんですか。機械を買うお金だとか維持費とかに回しているんですか。

市瀬代表
とりあえず、この分に対しては、これは20万円です。あとは全部個人負担です。

水間室長
内藤委員、お願いします。

内藤委員
先ほど、この資料をいただきました中に公社の話が出ていますので、ちょっと伺いたいと思います。
先ほど、11月3日の地区で、どなたかお亡くなりになって農業が続けられなくなったところで、公社のほうに、要するに組合の中ではできなくて、公社のほうでお引き受けになったという話がありましたので、その公社についてちょっとお伺いしたいんですが。

水間室長
白神課長、お願いします。

白神課長
ご説明申し上げますが、お手元にこういう資料、いわゆるこれが公社の概要です。それと、黄色の資料で、公社に対しての概要を若干説明材料としてお話をさせていただきます。

まず、この色綴りのほうを開いていただきまして、まず、公社の概要が真ん中にございます。まず、公社は、これは社団でございます。おわかりいただけますか、真ん中にですね。それと設立は村と農協と、そして農事組合法人がそれぞれ出資いたしまして、12年の4月1日に設立をいたしました。で、この役員とか、それから、見ていただくとわかりますが、今、委員がご質問の趣旨というのは、結局栗原のほうで一時期公社に預けたということの中での、その公社と、いわゆる今からの農地の保全との関係で、どういうふうに公社がかかわっているかというところだろうと思っております。

ですから、恐れ入りますが、この次の6ページをお開きいただきましょうか。6ページに、これは福栄村農業公社と関係機関との体制ということで、このフローはいわゆる上意下達ではございませんが、公社は大体こういうふうな仕事をするんですよということですが、これが今ご質問のほうで、一番下に農作業の受託者協議会というのがございますね。で、今の栗原でそういう事例ができたものは、実はこれは農家が、いわゆる栗原の営農組合等々もありますけども、まず、そのやれない農家は農協もしくは公社を通してやってくださいよという申し出があったわけですよ。ところが、公社としては、いわゆるその地区の、既に栗原の営農組合とかいうのがあるんですが、その辺で、この一番下にそれを受けるべき、いわゆる農区と生産法人と個別受託、認定農業者、営農集団とありますね。

それを、今の出てきた要望があったものをまず公社は受け、もちろん農協も受けます。これを、まずその下の農作業の受託者協議会というのに諮るわけですよ。こういう事例が出てきたが、あなた方のこの5団体の中で、どこか受けてもらえませんかというのをやるわけです。一遍話をかける。そこで、例えば農区にしても、先ほど小国農区長が言われたことは、農区から出ていかないよというご意見がございました。これは、そういう農区になったら、逆に言ったら農区が頑張るわけです、外に出してはいかんということで、だから農区はしっかり頑張って、それじゃやろうという話で、ここで話がつくわけです。

また逆に言いますと、必ずしもいい農地である、例えばここで言う平地だけでなくて、堂ヶ市のような高い、コスト的には全然合わないような農地が出るわけですよ。ですから、そういうときになってくると一時期公社が預かって、コストは度外視しても、それは村が半分以上出資していますから正式な社団でございますので、そういう目的でつくって、公益事業だということでやっておりますから、コスト面は度外視しても、それは農地を守るというふうで公社が行くわけです。そういうふうに受けておったものを、今度は栗原のそういう地元でやりましょうという機運が出ましたから、栗原に移したと、こういうことなんです。

だから、公社としては、そういうふうなものが出たものは、公社が全面受託をかなり持っております。それは申しわけないんですが、採算のとれない、ほとんど高い急傾斜、そういうところを持っています。10aという面積は地籍上は1,000m2ですけども、植栽面積は200m2で、あとは全部畦畔とか、そういうものをやむなく管理するわけです。農区にしても、特に認定農業者、営農集団あたりは、コストはかかりますから当然そこは行きたがらない。しかしながら、そういうのをカバーするのが公社の一つの役目ではあるということです。

まあ、そういうことで、ご質問の中での、おそらくお聞きになりたいというのはそういうことだったろうと思います。あと、公社の概要はこれをごらんいただければわかると思います。

柏委員
実際に作業する人はどういう、公社の方(かた)ですか。

白神課長
公社にもオペレーターはおります。公社の職員もおります。

柏委員
頼むわけじゃないんですか。

白神課長
ありません。

柏委員
事業家の3名ですね。

白神課長
そうです。それと、臨時で、その都度雇用いたします。

柏委員
事業家3名、うち臨時雇用2名となっていますから、合計3名。

白神課長
そうです。それと、なおかつそういうふうな、結局植えつけの作業が重なってきた場合、さっき言いました水系の、それぞれの農区に公社の受託の面積が入っていますから、例えば、今の水を当てるというときに一緒になったときには、もっと早くやらなきゃならない、あるいはその時期に一緒にやらなきゃならないということで、臨時に雇用する場合があります。

水間室長
柏委員。

柏委員
今の話の続きなんですけれども、9ページに出ていますが、機械装備はかなり台数を持たれています。で、その一番最後のページに実際の実績が出ております。まあ、毎年どんどん過疎化が続き、高齢化していきますから、公社が預からざるを得ない面積も増えてきているわけですけども、しかしまだ作業量に比べてちょっと機械の台数が多いなという気がします。これは、やはり相当いろいろなところに農地が分散しているから、機械はある程度台数を増やさなきゃいけないのでしょうか。まず、これが1点。

それから、やはり当然、いわゆる「球拾い役」として、「最後の農地の受け皿」として農業公社が公共的な機能を果たしてやっているわけでしょう。ですから、大体どこも当然赤字になるケースが多いわけなんですけれども、例えば中間保有なんかして、利用権設定なんかをしている農地なんかに関しては、例えば公社に直接支払金のお金が入ってきて、それで赤字が埋まったという農業公社の話もいろいろ聞いたりします。まあ、まだ福栄村の場合の公社は作業受託の段階でとまっていますが、今後、高齢化がどんどん進行していくと、もう中間保有でずっと、いわゆる実質上の借地経営をやらざるを得なくなることもあるかもしれない。そういうような状況の中で、公社としては、今後農地が増えていった場合に、直接支払金は公社のほうに回るようなシステムは考えられますか、どうですか。

その2点をちょっとお聞かせください。

白神課長
第1点目の、装備の台数が多いようでございますけども、例えばコンバイン一つにいたしましても4条刈、3条刈があるわけです。実はこれにまだ載っていない2条刈も現在、昨年あたり導入しています。というのは、地形によりまして、4条刈はとても仕事ができないんですよ。農道もない、そして4条刈を入れたら、行ったら帰れないんですよ。それと、山際はいわゆる湿田もあるわけです。ですから、そういうことからして、地形に合わせた装備が必要だということであります。

柏委員
わかりました。

白神課長
それと同時に、先ほどありましたように、畦畔あたりがかなりといいますか、圃場整備が済みまして、その補修の必要性も出ております。ですから、13農区の小国会長が言われましたように、あぜ塗り機あたりも要るんです。それは本来は公社が持ってもいいようなものなんですけども、それは13農区が持たれたから、そういう仕事が出てきた場合には、13農区へ仕事を持っていくというシステムにしております。

ですから、実態によって、特に真ん中の無人ヘリコプター、これは防除をやっておるんですが、ここではヤマハのR50が2台になっています。これは13年でございますが、今はRMAXという大きな機械でございまして、今、4台持って、オペレーターが19人おります。そのうち4名が女性です。そのうちのまた2名は新規参入者の奥さんでございます。そういうものが総がかりでかかっておるというのが実情でございます。そのオペレーター19人は決して公社の職員ではございません。その都度、無人ヘリの稼働時期にやっておるわけでございます。ただし、オペレーターの資格取得というのは1人大体50万円ぐらいかかるんですが、すべて村の人材育成基金を取り崩して、支援をしておるということでございます。

人材育成基金の原資は何かといいますと、1億創世のお金をそのまま全部積み立てておったのを、人材育成基金として徐々に出しておるということです。ですから、今、19名ですか、今年も今、公社と話しておりますが、もうじき田植えが終わりましたら、もう3名分ぐらい要請しないと委託料が処理できません。

それから、直接支払の受け皿を公社とする意向があるかどうかということでございますこれは、公社のみならず土地改良区も眼中に入れております。ただし、今それがどうかということは、現在我々としては考えておりますが、御多分に漏れず、福栄村も来年の3月6日、萩市を広域とした1市1町4村の合併になります。ですから、まずその前に、公社の存続をいかにすべきか、または、それぞれ各町村にある公社の扱いをどうするかということが、まずクリアする一つの課題でございます。

ですから、そこをクリアした上での直接支払と相まっての、両方をにらみながらする必要がありますので、当然のことながら、今柏委員のおっしゃいましたように、我々としても、それが受け皿として十分この制度を継続していただきながら、この分を有効活用したいというのは思っております。あわせて土地改良区も眼中、視野に入れております。

以上でございます。

柏委員
わかりました。

水間室長
すみません。農区で、営農組合がつくられている場合には営農組合がその中心的な役割を果たして、そういう営農組合がつくられていないところに農業公社が請け負うというような役割分担だと、簡単に考えるとそういうことで正しいでしょうか。

白神課長
もう一度、すみません。

水間室長
例えば13農区というのは営農組合がありまして、ここで機械を所持して受託しているわけですよね。こういうところは13農区でつくられている営農組合がやり、そういう、それ以外の農区で営農組合がつくられていないところには、福栄村農業公社が受託していくような役割関係ですかね、簡単に言うと。

白神課長
簡単に言いますとそういうことです。ですから、中には営農組合という名前ではなくて、3戸、4戸で機械の単なる共同利用をしているところもございます。ですから、それは農作業別にコンバインを4戸で共同で購入しておる。田植え機を3戸でやっているということについては、田植え作業はそこに頼むとか、それで別々にわかってきます。

ですから、今はそういうふうに分散しておりますが、行政サイドとしては、その辺をある程度集約した集落営農もしくは特定農業団体、その辺から法人化ということで、現在やまぐち型担い手組織に内定組織ということで、段階的に我々のほうはその主体に出向いていって、いろいろな指導もしくはお話を聞きながら進めております。ですから、先ほど、各営農組合の組長の方のご苦労というのをお聞きになったと思いますけども、我々のほうも中山間直接支払のいわゆる書き方、いわゆる決算の仕方、記帳指導、これは十分させていただいております。夜討ち朝駆けでさせていただいています。

水間室長
もし、もうあまりないようであれば、そろそろ時間になりましたので、この辺にしたいと思います。いろいろ活発なご議論をありがとうございました。時間の関係もございますので、この辺で現地検討会の意見交換を終了したいと思っております。

なお、本日、皆様から拝聴いたしましたご意見につきましては、今後の本検討会の取りまとめに向けて、大いに参考とさせていただきたいと思っております。

最後になりましたけれども、本日の現地検討会において多大なご協力をいただいた山口県、それから福栄村の方々、それから集落の代表団の方々等々、皆様方に心から感謝申し上げる次第でございます。

これをもちまして、中山間地域等総合対策検討会の福栄村での現地検討会を閉会させていただきます。どうもありがとうございました。

――了――

お問合せ先

農村振興局農村政策部中山間地域振興課
代表:03-3502-8111(内線5632)
ダイヤルイン:03-3501-8359