令和元年度リスク管理検討会(第3回)議事概要
日時
令和2年2月10日(月曜日)14時00分~16時00分
場所
三番町共用会議所第2-4会議室
出席者
メンバー(敬称略)鬼武一夫、山口廣治、手塚義博、廣田浩子、堀池俊介
農林水産省関係者
各議事の概要
1.議題と主な議論
(1) 平成31年度(令和元年度)食品の安全性に関する有害化学物質及び有害微生物のサーベイランス・モニタリング年次計画の実施状況について(議事1)
●食品中の鉛の調査について、日本人の摂食量が多い食品や鉛の摂取を減らす手段がある食品を調査。
●穀類・豆類等の貯蔵中にかび毒産生菌を付着させたり、増殖させたりしないよう施設の清掃や温度・湿度の管理が重要。
●ノロウイルスの検査法について、妥当性が確認されれば、関係者が使えるように広く周知。
●カキのノロウイルスの水準調査の結果を3月までに一度取りまとめる。現時点では例年より低水準。
(2) 令和2年度食品の安全性に関する有害化学物質及び有害微生物のサーベイランス・モニタリング年次計画(案)について(議事2)
有害化学物質
●キャッサバは熱帯・亜熱帯作物であり、国内ではマイナーであるが、近年食中毒の報告もあり、国内のデータがないため調査が必要。品種によっては青酸化合物を含むので、除去が重要。
●農産物に含まれるかび毒の濃度は高温・多湿の年には著しく高くなる可能性があり、年次変動を把握するためには継続した調査が必要。
●アクリルアミドは条件によっては家庭調理でも生成。すでに消費者向けのパンフレットを作成し、情報を提供。
●飼料に含まれる重金属やかび毒の基準値は、食肉や乳等の畜産食品に移行する可能性を考慮した上で設定。
有害微生物
●以下の懸念が示されたので食品安全委員会と厚生労働省に伝える。
- 「野菜及びその加工品での腸管出血性大腸菌」は、科学的知見の不足により、食品安全委員会の「自ら評価」の案件とならなかった。
- カンピロバクターやサルモネラを食鳥処理場で調査してほしい。
- クドアの食中毒についても調査してほしい。
●カンピロバクターやサルモネラによる食中毒を減らすためには、
- 食鳥処理場だけでなく農場での対策も必要。
- 汚染率から考えると、鶏肉はしっかり加熱して食べることが重要(飛び散る可能性があるので流しで洗わないようにする)。
●水産物のリステリア・モノサイトジェネスについて調査が必要ではないか。
●クドアについて、食中毒になっても重篤度が低く米国FDAは大きな対策を求めていないとの情報がある。
2.令和元年度リスク管理検討会(第3回)を終えて
●消費・安全局が過去に発信した情報を、新しくメンバーになられた方がご存じなかった。情報発信を強化していかなければならない。
3.次回リスク管理検討会について(令和2年度)
●「優先的にリスク管理を行うべき有害化学物質のリスト」の改訂
- 農林水産省は、食品安全に関わる情報や、消費者、生産者、食品事業者の方々のご意見をもとに、農林水産省が優先的にリスク管理を行うべき有害化学物質を選定。直近では、平成28年1月8日にリスト公表。来年度で5年が経過することから、最新の科学的知見や関係者の関心、国際的動向を考慮に入れて、新しい有害化学物質の追加や優先度が低くなった有害化学物質の削除について議論。
●サーベイランス・モニタリング中期計画(化学物質)の検討
- 農林水産省は、「優先的にリスク管理を行うべき有害化学物質のリスト」に基づいて、5年間に調査を行う有害化学物質と食品群または飼料の組み合わせを公表。直近では、平成28年1月8日に平成28年度から令和2年度までの計画を公表。「優先的にリスク管理を行うべき有害化学物質のリスト」の改訂にあわせて、中期計画の内容についても議論。
お問合せ先
消費・安全局食品安全政策課
担当者:リスク管理企画班
代表:03-3502-8111(内線4459)
ダイヤルイン:03-3502-7674